《帰省・青葉木菟》永世名人の俳句の添削・推敲
大阪管区気象台によると、近畿地方は6月28日に「梅雨明け」しました。
「真夏日・猛暑日」が続きます。
熱中症に気を付けて、早朝の「散歩」で「まんぽ俳句」をエンジョイしましょう!
(写真)4ch. TV
プレバトの一画面
先日のTV番組「プレバト」の夏井先生の裁定に些か腑に落ちないことがあり、久しぶりに俳句推敲の記事を書かせて頂きます。
東国原永世名人の次の俳句について、梅沢富美男永世名人が「ボツ」の予想をしていましたが、夏井先生は「お手本の句集に掲載決定」の裁定をしました。
帰省してゐる周遊のついでかな
「つぶやき」のようなこの東国原永世名人の俳句は、河東碧梧桐や種田山頭火の俳句を思わせますが、「頭には鹿児島や沖縄などに行きたいことがあったが、ついでに帰省していることを強調したくて『かな』を使った」とのこと。
夏井先生は、作者の意図を尊重して掲載決定をされたようですが、碧梧桐や山頭火、放哉などの「自由律俳句」がお好きなのでしょうか?
「種田山頭火賞」を受賞されたからでしょうか?
「ボツ査定が続いてはお気の毒」と、温情を発揮されたのでしょうか?
いずれにせよ、俳句は「好き好き」であり、「私的な慰みもの」として楽しめば良いでしょうが、自由律俳句は「安易な片言になりがち」ですから、一般的読者の「お手本」としてはお勧め出来ません。
ともかく、俳句に無駄な動詞を使うことは避けるべきでしょう。
この句の場合、「している」よりもっと効果的な言葉が他にあると思います。
たとえば、次のように添削すると「帰省」に対する作者の思いが原句より強調されるのでは無いでしょうか?
久しぶり周遊をして帰省かな
漸くに周遊とても帰省せり
久しぶり周遊ついで帰省して
上記の推敲案は「何れも中身の無い定型句で面白くない駄句だが、原句は表現が新鮮で良い」と思われますか?
次の梅沢富美男永世名人の俳句「青葉木菟」(あおばずく)について、夏井先生は「や」は「はしゃぎすぎ」と言って「ボツ」の査定をし、下記のとおり添削しましたが、矢張り山頭火調です。
(原句)
バーディで上がるホールや青葉木菟
(夏井先生の添削)
バーディで上がる青葉木菟のホール
梅沢さんがプレーしたゴルフ場のこのホールが「青葉木菟のホール」として特別のコースでもない限り、ホールを強調する意味が無いでしょう。
(薫風士の推敲案)
バーディで上がりしホール青葉木菟
夏井先生の添削よりもこの推敲案の方が、季語「青葉木菟」が強調されると同時に梅沢富美男永世名人の俳句に込めた思いが一層的確に表現されている、と思いませんか?
貴方なら、どのように推敲しますか?
「プレバト 夏井先生の添削を添削する (添削記事特集編)」をご覧下さい。
俳句の面白さ・奥の深さが分かるでしょう。
俳句愛好家を増やすためにも、東国原永世名人や梅沢永世名人のご意見を伺いたいものですが、何らかのコメントを頂ければ望外の喜びです。
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