俳句雑感(6)《季語と切れ字》「猛暑日」と「立秋」
(2024.9.14更新)
猛暑日やビルは虹色夕日差し
虹色に酷暑の夕日ビルを染め
新米を高値にしたる猛暑かな
(薫風士)
まん歩で見かけた猛暑の夕日に映えるビルの情景を駄句に詠みました。
2024.6.14 朝のNHK天気予報
京都は早くも猛暑日になる予想です。
(2023.8.13 更新記事)
今日(8月13日)は「迎火」です。
台風7号が発生していますが、台風による災害が大きくならないことを祈るばかりです。
猛暑日の早朝まん歩句を口に
猛暑日やLINEで交はす老の愚痴
この極暑老躯に欲しき剛健さ
(2019.8.31)
tenki.jpによると、7月31日に東北北部も梅雨明けとなり、日本列島は猛暑日となりました。
梅雨明けは猛暑日なりし七月尽
掲句は、強いて俳句と言うなら、話題提供の「報道俳句」です。
この俳句は「梅雨明け」「猛暑日」「七月尽」と季語が3つあり、一般的な俳句ではありません。
「猛暑日」は2007年以降に用いられるようになった言葉なので私の歳時記には有りませんが、季語として扱うべきでしょう。
猛暑日や熱中症の孤独死も
この俳句は世相を表す川柳にする方が相応しい内容です。
伝統俳句の「梅雨明け」の例句はここをクリックしてご覧下さい。
立秋や名のみの秋の猛暑かな
この俳句は二つ「切れ字」(詠嘆の「や」と「かな」)があり、季語も三つありますので、一般的には「ダメ俳句」として批判されるでしょう。しかし、「はや立秋になったんだ」という感慨と、「それにしても猛暑だな」という二つの感慨を共に表す俳句として是認してくれる俳句の先生が居てもよさそうですが、いないのでしょうか?
今年の立秋は8月8日ですが、天気予報によると未だ「猛暑日」や「真夏日」が続いています。
このように、実際の季節感と歳時記の季語にずれがあるのは、陰暦(旧暦)に基づいていた「二十四節気」が太陽暦(新暦)に当てはめられた結果ですが、地球温暖化による異常気象の影響も無視できないでしょう。
余談ですが、中国やインド、米国、ロシアなどの人口巨大国が率先して温暖化対策を促進しなければ、将来の地球環境はどうなっていくのか心配なことです。
世界の指導者として、米国トランプ大統領には大いに反省して頂きたいですね。
トランプ大統領は「積み木崩しゲーム」の崩すことばかりやっているような気がします。
トランプ大統領とその取り巻きは、世界の緊張が高まり、米国の軍需産業が繁栄すれば良いと、「アメリカ・ファースト」を唱道しているのでしょうか?
国際条約を簡単に反故にする風潮が蔓延ると、平和な世界の秩序が維持できなくなります。
次の選挙では、米国市民が世界のリーダーとして相応しい大統領を選ぶ良識を発揮してくれることを祈るばかりです。
日本の政治家もしっかりしてほしいものですが、庶民は、憤懣やるかたなくても、川柳を口ずさみ、ぼやいているしかありません。
最後の写真は日本伝統俳句協会の8月の俳句カレンダーの一部です。
写真をクリックして拡大し、掲載された俳句をご覧下さい。
短冊の稲畑廣太郎氏の「丸ビル」の俳句は、秋めいた景色が丸ビルの窓ガラス越しに見えたことを詠んだのでしょうが、ガラス窓に映っている初秋の情景を詠んだものかもしれません。
(「玻璃」は「ガラス」の意味です。)
青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。
2024.9.14 更新
投稿: | 2024年9月14日 (土) 02時07分
俳句の比喩と掛詞《白鳥》
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/haiku/
をご覧下さい。 (薫風士)
投稿: | 2023年2月23日 (木) 11時32分
俳句《暮早し・短日・日短・日の短か》
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2022/11/post-4fc3.html
をご覧下さい。 (薫風士)
投稿: | 2022年11月 8日 (火) 07時51分
「トマトの俳句(ウクライナ応援句)」
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2022/05/post-f1ef.html
をご覧下さい。 (薫風士)
投稿: | 2022年7月 1日 (金) 20時19分
コロナ禍のストレス社会夏に入る(夏の俳句特集)
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2022/02/post-bdba.html
をご覧下さい。 (木下さとし)
投稿: | 2022年5月 6日 (金) 23時56分
既成の医療体制の見直しや「デジタル田園都市国家構想」の実現を期待しています。
「年越やオミクロン株蔓延りて(医療の在り方)」
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2022/01/post-ed54.html
や
「大晦日」「大年」の俳句(岸田内閣に望むこと)
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2021/12/post-1143.html
「(冬の俳句特集)不意打ちのオミクロン株冬の雷」
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2021/12/post-89b4.html
などをご一読下さい。
(薫風士)
投稿: | 2022年2月 8日 (火) 17時45分
衆議院選挙は与党の勝利で終わりました。
しかし、自民党岸田政権の本当の勝利は国民の為の今後の政策実行如何に掛っていますよ!
(俳句と川柳) <衆院選> 第101代総理大臣への期待 (「吾亦紅」と「夜長」に思うこと)
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2021/10/10-d078.html
をご覧下さい。
(薫風士)
投稿: | 2021年11月 1日 (月) 19時25分
8月19日は「俳句の日」とされています。
正岡子規の命日は9月19日ですから、8月19日からの1か月を「俳句月間」として俳句・教育関係者により俳句を通じて子供たちに日本文化の啓蒙活動をして頂いたら如何でしょうか?
俳句の教育はもう既に実践されているのでしょうが、コロナ禍の自粛生活で子供たちが無意味なwebゲームに夢中になっているのは親泣かせです。
俳句は、個性を発揮する芸術の一つであり、好き好きです。プレバトのような一方的な査定やランク付けはしないで教育すべきでしょう。
大人のための俳句の面白さの啓蒙の一助になれば幸いですが、
8月15日の終戦記念日の俳句を特集しましたので
俳句ブログ:終戦記念日 <「戦争と平和」特集>
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2021/08/post-452c.html
をご一読下さい。
(薫風士)
投稿: | 2021年8月27日 (金) 08時31分
(チュヌの叫び)梅雨の暮まん歩に会ひしルナとララ
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2021/07/post-dda3.html
や
コロナ禍の俳句鑑賞:「半夏生」と「オリパラ」
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2021/07/post-6c14.html
をご覧下さい。
(薫風士)
投稿: | 2021年7月19日 (月) 19時34分
俳句鑑賞:「初夏」 《コロナ禍に思うこと》
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2021/05/post-072b.html
をご一読下さい。
(薫風士)
投稿: | 2021年5月 9日 (日) 08時38分
(コロナ禍の不急の五輪開催の是非)
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2021/04/post-44d5.html
をご一読下さい。
(薫風士)
投稿: | 2021年4月28日 (水) 06時28分
トランプ大統領の「アメリカファースト」(実は「ミーファースト」か?)の政権がようやく終わることになりホットしていますが、次期大統領が余程しっかりした政治をしなければ、4年後が更に恐ろしいことになるでしょう。
バイデン氏のご健闘を祈ります。
・大寒やコロナに憂ふポピュリズム
投稿: | 2021年1月 8日 (金) 14時14分
「俳句の面白さ・奥の深さ」が分かり、俳句に嵌りますよ。
「(秋彼岸の俳句)夏井先生の添削を添削する(特集)」
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2020/09/post-f4d8.html
をご覧下さい。
(薫風士)
投稿: | 2020年9月15日 (火) 11時05分
「二十四節季」は一般の季語とは異なり、太陽暦か陰暦かは無関係です。季語と季節感のずれの大きな原因は、温暖化による気候変動や最初に古い季語となる言葉が用いられた地域と現在住んでいる所との相違にあるでしょう。
投稿: 木下 聰 | 2019年9月26日 (木) 11時11分