« 俳句の鑑賞:「昼寝」 | メイン | (チュヌの叫び)梅雨の暮まん歩に会ひしルナとララ »

2021年6月29日 (火)

著名な俳人の「字余りの俳句」の鑑賞

    

かって、「俳句の定型とリズム」という記事を書きましたが、コロナ禍の慰みに俳句の面白さをエンジョイして頂きたく、著名な俳人の「字余り」の代表句を掲載します。

青色文字をクリック(タップ)して解説のリンク記事をご一読下さい。

  

松尾芭蕉

旅に病んで夢は枯野をかけ廻る

芭蕉の辞世句として有名なこの俳句は「6・7・5」の字余りですが、辞世句には字余りの俳句が多くあり、今更付言することはありません。

《枯野》<芭蕉の辞世句> ドナルド・キーン訳の推敲を考える」や「辞世句(俳諧・川柳・俳句)を集めました」をご覧下さい。

        

 かれ朶に烏のとまりけり秋の暮

「中七」を「中九」の字余りにして、烏が飛んで行く行き先を見届けた時間的経過を表現していると思います。

    

与謝蕪村 

 しら梅に明る夜ばかりとなりにけり

「中七」を「中八」にして詠嘆することにより、辞世句としての感慨を強調しています。

蕪村は、薫風やともしたてかねついつくしま」という破調「5・8・5」の、深読みすると面白い、俳句も作っています。

ここをクリック(タップ)して「俳句鑑賞 <蕪村の俳句『薫風や』は面白い>」をご笑覧下さい

  

小林一茶 

雀の子そこのけそこのけお馬が通る

この俳句は「5・8・7」と「中七」と「下五」が字余りですが、リズムは整っていて俳諧味があります。

  

 正岡子規 

糸瓜咲いて痰のつまりし仏かな

この俳句は子規の辞世3句の一つですが、句意を明瞭にするためにやむを得ぬ「上五」が「上六」の字余りになっています。一般に、上五の字余りは許容されています。

    

高浜虚子 

我のみの菊日和とはゆめ思はじ

この俳句は「下五」が「下六」の字余りです。句意を明瞭に強調するのにやむを得ない字余りの表現でしよう。

     

星野立子

父がつけしわが名立子や月を仰ぐ

 この俳句は「上五」と「下五」が字余りの「6・7・6」の破調です。助詞「や」の詠嘆的切字と「下六」の「月を仰ぐ」とが呼応して、破調により、感慨深い句になっています。

   

金子兜太 

水脈の果炎天の墓碑を置きて去る

626_112631

この俳句は、「中七」を「中八」にして、句意を明瞭にするとともに感情表現を強調しています。

(写真はトラック島における金子兜太の戦争体験「酒止めようか どの本能と遊ぼうか」61頁)

  

夏井いつき先生の査定で、プレバト梅沢富美男永世名人の俳句「読み終へて痣の醒めゆくごと朝焼」(「5・9・4」の破調)が「俳句のお手本」とされました。

そのことに納得できず、「お手本のリズム音痴や熱帯夜」という記事をかきました。ここをクリック(タップ)してご笑覧下さい

   

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

トップ欄か、この「俳句HAIKU」をタップすると、最新の全ての記事が掲示されます。

  

コメント

俳句特集《新年・正月・一月》
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2015/12/post-8611.html

をご覧下さい。 (薫風士)

「俳句《涼し》死の話」
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2022/07/post-70ee.html

「言葉の力・俳句の力 《癒し》」
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2022/07/post-ea4b.html
   
をご覧下さい。 (薫風士)

「早春や命の限り句を口に (本との出会い)」
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2022/02/post-e18a.html

をご覧下さい。(薫風士)

既成の医療体制の見直しや「デジタル田園都市国家構想」の実現を期待しています。

「年越やオミクロン株蔓延りて(医療の在り方)」
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2022/01/post-ed54.html

「大晦日」「大年」の俳句(岸田内閣に望むこと)
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2021/12/post-1143.html

「(冬の俳句特集)不意打ちのオミクロン株冬の雷」
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2021/12/post-89b4.html

などをご一読下さい。 

(薫風士)

岸田文雄総理大臣には喫緊の課題が一段落すれば、「俳句を通じて世界平和を」という俳句愛好家の思いにも耳を傾けてほしいものです。
「渡月橋」etc.の俳句 (橋梁通信掲載に因んで)
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2021/11/post-9ffc.html
をご覧下さい。

(薫風士)

「秋分の日」を過ぎるとさすがに爽やかな秋晴れです。
「俳句の鑑賞:秋の特集」
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2021/09/post-4cd8.html
をご覧下さい。

(薫風士)

8月19日は「俳句の日」とされています。
正岡子規の命日は9月19日ですから、8月19日からの1か月を「俳句月間」として俳句・教育関係者により俳句を通じて子供たちに日本文化の啓蒙活動をして頂いたら如何でしょうか?
コロナ禍の自粛生活で子供たちが無意味なwebゲームに夢中になっているのは親泣かせです。
俳句は、個性を発揮する芸術の一つです。好き好きです。俳句の教育はもう既に実践されているのでしょうが、プレバトのような一方的な査定やランク付けはしない教育をしてほしいものです。
大人のための俳句の面白さの啓蒙の一助になれば幸いですが、
8月15日の終戦記念日の俳句を特集しました。
俳句ブログ:終戦記念日 <「戦争と平和」特集>
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2021/08/post-452c.html
をご一読下さい。

(薫風士)

(チュヌの叫び)梅雨の暮まん歩に会ひしルナとララ
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2021/07/post-dda3.html

コロナ禍の俳句鑑賞:「半夏生」と「オリパラ」
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2021/07/post-6c14.html
をご覧下さい。

(薫風士)

るなちゃんとららちゃんのお母さんへ
ご投稿有難うございました。

「らりるれ☆るなちゃんず」
http://blog.livedoor.jp/eriko_mb/
を拝見しました。
俳句ではコロナ禍の梅雨の憂さ晴らしをすることは難しいですが、
「らりるれ☆るなちゃんず」を見てほっと一息入れました。
同じ思いをする方も多いだろうと思って、貴サイトを「俳句HAIKU」の記事にリンクさせて頂きました。

(薫風士)

昨日はるなららの写真を撮って
さらにるなららに会ったことを俳句にしてくださって
ありがとうございました❣

過去の記事を見させていただいて
懐かしいワンちゃんが元気な姿で嬉しかったです

老齢だったお友達はみんな虹の橋を渡ったり
そう、飼い主さんもお亡くなりになった方もいて
感慨深く見させていただきました

俳句はむつかしくてわかりませんけど
私のブログは単純にるなららとの生活を綴っていますので
またお暇なおりにご覧いただけたらと思います

コメントを投稿