桃の俳句(手作りの味)
好天に恵まれた昨年の夏至(6月21日)にはブログ記事に「夏至の一日(夏の俳句と写真)」を書きましたが、今年の夏至は梅雨の小雨が降りました。
手作りの庭の桃が一週間ほどの間に赤みを帯びて虫や小鳥に食われたり腐りかけたりしているのに気づき、熟した桃を急遽日没前に小雨を厭わずに採りました。
・桃を捥ぐ庭は手作り小糠雨
・桃を捥ぐ傘を逆さに妻が受け
・桃くれし躑躅も呉れし友は逝き
・手作りの庭の五月雨友偲ぶ
・ほの渋き桃の甘さや友偲ぶ
・手作りや朝餉のパンの桃のジャム
・噛みしめる平和の味や夏の桃
「桃」は秋の季語です。「梅雨」の「桃」を食べましたが、気分良く「夏の桃」と表現しました。
今年は生り年で手作りの庭の躑躅が沢山咲き桃も数年ぶりに実りました。
20年ほど前に胃癌の全摘手術をして、見舞いに友人が呉れた桃が美味しかったので、食べ後の実を鉢に埋めて育てて庭に移植した実生です。
小粒ですが、蝕みを取り除けば結構甘くて食べられます。
日記代わりのブログ用の拙句を前座に掲載しましたが、歳時記(俳誌のサロン)や「575筆まか勢」から気の向くままに「桃」の例句を抜粋・掲載させて頂きます。
例句の詳細は青色文字(季語)をタップ(クリック)してご覧下さい。
(桃1)
・桃ひとつ夫と分ちぬ葬りあと
(武藤嘉子)
(桃2)
・太陽の熱のさめざる桃をもぐ
(森田久枝)
(桃3)
・山小屋の盥に冷す桃を買ふ
(田中きよ子)
(桃4)
・白桃やリビング・ウィルの宣言書
(山口紹子)
(桃5)
・白桃や戦生きぬき来しふたり
(佐藤美紀)
(桃 6 )
・コロナ禍や食べに行けない桃のパフェ
(瀬戸美文)
(575筆まか勢) 「桃の俳句」
・虫はみて桃紅の腐り哉
(正岡子規)
・かすかなる蝕みありて桃太る
(能村登四郎)