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2022年3月11日 (金)

血に染むなドニエプルてふ春の川

   

Click here to enjoy bilingual haiku in English. 

   

I’m filled with thympathy

for Ukurainian refugees_

the cold spring weather

     

タイトル(俳句)は、「ウクライナ・ドナウへ流る春の川」という当初の穏やかな表現によるウクライナ紛争危機の逼迫性の誤解を避けるために変更したものです。「てふ」は「という」意味の古語で「ちょう」と読みます

   

・危機迫るキエフへ流る春の川

  

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ウクライナ・国旗

ウイキペディア解説の一部)

タップ・拡大してご覧下さい。

  

・血に染むな春の小川ド二エプル         

     

「ドニエプル」は、ウイキペディアによると、ロシアからキエフなどのウクライナ都市を経て黒海に注ぐ川のロシア語の名称ですが、ロケットの名称でもあり、ウクライナ語では「ドニプル」です。

  

   

ウクライナ・ドナウへ流る春の水

・戦禍にも流るドナウや春の川

・春の川ドナウの辺親子連れ

・この形何の兆しか春の雲

春の雲恐竜の如対峙して    

・ウクライナ爆煙悲し春の雲   

   

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「悲し」など、「ストレートに感情表現をするとダメ句」などと言われますが、平和裏にウクライナ紛争が解決し、穏やかな日常が戻ることを祈りつつ、「やむにやまれぬ思い」を詠みました。   

(青色文字をタップしリンク記事をご覧になると、面白さ倍増でしょう。お暇があれば、徒然の慰みに是非お試しください。)

         

・爆炎に街冴返るウクライナ 

・難民の溢るる街や春寒し

・難民の行くへは何処日は朧

・危機迫るキエフの春へ思ひ馳せ

・恙無きキエフの春を「祈念」して

           (薫風士)

    

一つ根に離れ浮く葉や春の水

           (高浜虚子

人類の大元の先祖を遡れば、一つの根と言えるのではないでしょうか。

  

ウクライナ紛争に限らず、国際問題の解決には、覇権争いや経済制裁ではなく、共産主義圏民主主義圏の住み分けをして、どちらが人類に幸せをもたらすか、文化やスポーツの世界で平和裏の競争をしながら見極めることが良い政策だと思います。

とは言ううものの、歴史を振り返ると、共産主義は専制主義・独裁政治になり、長期政権が独裁者のみならず取り巻きの人心を腐敗させる傾向が民主主義圏より強いと言えます。

それはともかくとして、敵対姿勢では恒久的な紛争解決は出来ず、紛争の歴史を繰り返すことになるでしょう。

次の提言に世界の指導者が耳を傾けることを切望しています。 

「万が一、約束が破られることがあれば、その時こそは最大限の制裁を課することを条件に、ロシアはウクライナ侵攻を中止・軍隊を撤収し、同時にウクライナも国是(自由・調和・善良)のとおり戦争に頼らない中立国になることを国際的に約束すること」で、ウクライナ紛争の解決が実現できないでしょうか? 

このような考え方を「幼稚」とか、「青臭い」とか、「ナイーブ」とか、「利敵行為」とか、「ドン・キホーテ」とか、「変な人」とか、様々に非難される方もいるかもしれません。

クリミア戦争(1853~1856)や1994年から1999年にかけて2度も起こったチェチェン紛争2010年のウクライナ大統領選挙結果、2014年のロシアによるクリミア併合の前例、ドニエプル川の水利権問題ウクライナ・EUへのロシアからの天然ガス供給・パイプライン問題などを考えると、今度の紛争も持久戦になることを覚悟をして対応策を考えざるを得ないかもしれません。

ベトナム戦争が1955年11月から約20年間朝鮮戦争は1950年6月から約3年間続いた事や日本が太平洋戦争に追い込まれた経緯など、よく考えると、薫風士の考えをご理解頂けるのではないでしょうか?

        

・ウクライナ・キエフの春を「記念」して

青と黄の国旗を掲ぐ春の空

・大統領耳傾けば春の風

・日々愛しむキノコ雲なき春の空

春の海ドナウも注ぎ青き星

・幸せの春の競演ウクライナ

麗かやドニエプル川親子連れ

車椅子堤をゆるりドニエプル

      

日本は幸いにして、国民の良識による平和憲法の堅持と自衛隊のお陰で、代理戦争の舞台になることを免れ、コロナ禍の不完全な形ながら「東京2020」を開催しました。

ウクライナも「平和憲法」に基づく平和国家のモデルになり、幸せの「きょうえん(競演・共演・饗宴)」の舞台となり、また「東欧旅行」をして上記の拙句を「客観写生」だと言える日が一日でも早く来ることを祈っています。

  

「All or nothing」とか、「二者択一」でなく、状況により「第三の道」の積極的な推進も考えるべきでしょう。

世界の指導者が21世紀に相応しい人類の指導者としての哲学を持ち、宗教や民族の違いに捉われず英知を集めて、ウクライナ紛争を速やかに解決してくれ、和平の「祈念」が「記念」となることを切望しています。

  

そして、「まんぽ俳句と川柳《ゴルフ特集》(季語と自然)」で述べた如く、

日本の「平和憲法」の前文がアメリカやロシアを始めとして、世界の国々共通の憲法前文となる日が来ることを夢見ていますが、空しい夢に終わるでしょう。

      

大寒の埃の如く人死ぬる

・春の山かばねを埋めて空しかり

           (高浜虚子

  

孫たちも同じ思いをすることになるのでしょうか?

亀鳴くや声なき声を聞けよとて

            (薫風士)

      

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(写真)

ポーランドにおける俳句の講演風景

   

   

ポーランドの旅(写真と俳句 講演のことなど)」をご覧下さい。

  

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2022年3月 3日 (木)

芭蕉の俳句《ひなの家》・Haiku of Bashō “house with hina-dolls”

    

Click here to see “HAIKU of Basho” in English.

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今日は3月3日「雛祭り」の日です。

芭蕉の俳句300句の翻訳の切っ掛けになった著書「575 THE HAIKU OF BASHO」(White & Sato)には「雛」の俳句が掲載されていません。

「奥の細道」の冒頭部分にある重要な俳句ですが、句意の解釈に諸説があり、White & Sato の両氏は翻訳に躊躇したのでしょうか? その理由はともかくとして、重要な俳句を無視できませんので、通説に従い「Haiku of Bashō・芭蕉の俳句」の番外編として書きました。  

俳句の青色文字をクリックすると、「奥の細道」の解説をご覧になれます。

      

草の戸も住替る代ぞひなの家

  (kusa-no-to-mo sumi-kawaru-yo-zo hina-no-ie)   

the house with a grass-door,

now a dwelling for

a family with hina-dolls

  

芭蕉は次の俳句も詠んでいます。 

・草の戸も住み替る世や雛の家

  (kusa-no-to-mo sumi-kawaru-yo-ya hina-no-ie)

  

(「世」を「所帯・家族」と解釈した翻訳)  

the house with a grass-door,

from family to family_

a dwelling with hina-dolls

 

または、

(「世」を「世代」と解釈した翻訳)

the house with a grass-door,

generation to generation_

a dwelling with hina-dolls

  

(注)    

助詞「ぞ」と「や」の違い、すなわち、「住み替る世ぞ」と「住み替る世や」のニュアンスの違いを上記のように訳出しました。「雛の家」とは「雛の有る家」と解釈して、「with」を用いました。

  

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2022年2月27日 (日)

Haiku of Bashō (芭蕉の俳句 172/300)《泉》

  

掬ぶより早歯にひびく泉かな

(musubu-yori haya-ha-ni-hibiku izumi-kana)

  

before scooping the water,

sooner affecting my teeth_

such a fountain!

     

 ここをクリック(タップ)すると、「575筆まか勢」・「泉」の例句をご覧になれます

」や「噴水」は「夏の季語」です。夏の俳句特集」をご覧下さい。

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Haiku of Bashō (芭蕉の俳句 171/300)《花の雲》

    

鶴の毛の黒き衣や花の雲

  (tsuru-no-ke-no kuroki-koromo-ya hana-no-kumo)

   

black feathers of a crane,

so looks your robe_

clouds of cherry blossoms

   

(注)

この俳句は蝉吟(芭蕉の門人)が伊勢に旅立つ時の銭別吟です。

」は「冬の季語」で、「花の雲」は「春の季語」ですが、この俳句の主たる季語は「花の雲」ですから、「季重なり」の問題はありません。

「so looks your robe」は「倒置法」による表現です。

  

興味があれば、

「桜」・「花」の俳句と写真(特集)

http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2016/11/post-902b.html

をご覧下さい。

  

(写真)カラー図説 日本大歳時記 「花」や「桜」の例句や解説の一部をご覧になれます。  
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2022年2月26日 (土)

Haiku of Bashō (芭蕉の俳句 161~170)

   

衰ひや歯に喰ひ当てし海苔の砂

(otoroi-ya ha-ni-kuiateshi nori-no-suna)

           (161/300)

waning teeth_

noticed upon biting

a grain of sand in the laver

  

 

姥桜咲くや老後の思ひ出

(ubazakura saku-ya-rō-go-no omoi-ide)

          (162/300)

ubazakura in bloom_

causing me to think of

life in old age

  

  

世を旅に代掻く小田の行きもどり

(yo-o-tabi-ni shirokaku-oda-no iki-modori)

          (163/300)

life on journey_

like plowing for rice-planting

back and forth in small paddy fields

 

 

春や来し年や行きけん小晦日

(haru-ya-kishi toshi-ya-ikiken kotsugomori)

 

the spring has come_

has the year gone?

Kotsugomori

 

(注)

例年なら、「立春」は「大晦日」(陰暦12月30日)ですが、芭蕉は、「立春」が「小晦日」(陰暦12月29日)に当たり、例年ならまだ立春でないことを面白く俳句で表現したのでしょう。

この解釈が誤りであれば、問題点を指摘して、この俳句の正しい解釈を教えて頂けると幸甚です。

  

  

何の木の花とはしらず匂哉

(nannoki-no hana-towa-shirazu nioi-kana)

         (165/300)

what tree in bloom?

unknown to me,

so strong a scent

 

 

草臥て宿かる比や藤の花

(kutabire-te yado-karu-koro-ya fuji-no-hana)

          (167/300)

exhausted,

time to seek an inn_

wisterias in bloom

 

  

 

香に匂へうに掘る岡の梅の花

(kani-nioe uni-horu-oka-no ume-no-hana)

          (167/300)

Smell fragrant!

plum trees

on the peat-digging hill

 

  

蝶鳥の浮つき立つや花の雲

(chō-tori-no uwatsuki-tatsu-ya hana-no-kumo)

          (168/300)

butterflies and birds,

buoyant_

clouds of cherry blossoms

 

  

鶯や餅に糞する縁の先

(uguisu-ya mochi-ni-funsuru en-no-saki)

          (169/300)

a bush warbler,

droppings fallen on rice-cakes

at the edge of wooden veranda

  

  

海は晴れて比叡降り残す五月哉

(umi-wa-hare-te hiei-furi-nokosu gogatsu-kana)

          (170/300)

the sky cleared up over the lake,

still raining at the Mount Hiei_

such a May

   

(注)

「such a May」は、芭蕉が「五月かな」と「琵琶湖の5月の気象の特異性」を詠嘆したと解釈して、敢えて不定冠詞「a」をつけて、強調表現にしました。

  

2022年2月24日 (木)

Haiku of Bashō (芭蕉の俳句 151~160)

    

月雪とのさばりけらし年の暮

(tsuki-yuki-to nosabari-kerashi toshi-no-kure)

           (151/300)

about moon and snow,

apparently overbearingly uttered_

the end of the year

   

   

鞍壷に小坊主乗るや大根引

(kuratsubo-ni kobōzu-noru-ya daiko-hiki)

          (152/300)

with a child playing

on a saddle-seat_

they pull out radishes

   

    

木枯に岩吹きとがる杉間かな

(kogarashi-ni iwa-fuki-togaru sugima-kana)

          (153/300)

wintry blasts_

rocks look sharpened

between cedar trees

  

  

櫓の声波をうって腸氷る夜や涙

(ro-no-koe-nami-o-utte harawata-kōru yo-ya-namida)

           (154/300)

the sounds of oars slapping waves,

such a cold night as freeze my bowels_

tears

   

(注)

芭蕉の「涙」の実態は、「悲壮」か「悲哀」か、いずれにせよ余計な修飾はせず、「tears」と3行目を1語にして、字余りの破調の原句の韻を活かす意訳をしました。

  

  

水寒く寝入りかねたる鴎かな

(mizu-samuku neiri-kanetaru kamome-kana)

          (155/300)

cold water_

hardly fall asleep,

seagulls

   

  

油氷りともし火細き寝覚め哉

(abura-kōri tomosibi-hosoki nezame-kana)

          (156/300)

awoken

at a slim lamp-light of

freezing oil

  

(注)

「芭蕉俳句全集」によると、この俳句は芭蕉の作か疑問視されています。

   

    

菊の後大根の外更になし

(kiku-no-nochi daikon-no-hoka sarani-nashi)

          (157/300)

after chrysanthemums,

nothing left to cherish

but radishes

  

   

冬の日や馬上に氷る影法師

(fuyu-no-hi-ya bajō-ni-kōru kagebōshi)

          (158/300)

a wintry day_

frozen on the horse back,

my shadow

  

  

旅に病で夢は枯野をかけ廻る

(tabi-ni-yande yume-wa-kareno-o kake-meguru)

           (159/300)

ill in bed on a journey,

my dreams wander around

withered fields

   

(注)ご参考までに他の翻訳を掲載します。

枯野<芭蕉の辞世句> ドナルド・キーン訳の推敲を考える」をご覧下さい。

  

(John White 訳

ill on a journey,
my dreams are wandering round
on a withered moor

 

(Donald Keen 訳)

Stricken on a journey,
My dreams go wandering round
Withered fields.

  

  

白魚や黒き目を明く法の網

(shirauo-ya Kuroki-me-o-aku nori-no-ami)

          (160/300)

whitebaits_

opening their black eyes

in the priest’s net

   

2022年2月21日 (月)

Haiku of Bashō (芭蕉の俳句 141~150)

   

日にかかる雲やしばしの渡り鳥

(hi-ni-kakaru kumo-ya shibashi-no wataridori)

           (141/300)

the sunshine blocked by clouds_

a brief passage of

migratory birds

   

    

海くれて鴨のこゑほのかに白し

(umi-kure-te kamo-no-koe honoka-ni-shiroshi) 

           (142/300)

the sea has darkened,

cries of wild ducks_

dimly white

  

(注)

「白し」の主体が何か、様々な解釈がありますが、原句の破調による叙情性を活かすために敢えて主語を補足せず、英語の翻訳俳句でも原句の「味わい・曖昧さ」を残しました。

この俳句の鑑賞には、「増殖する歳時記」や「weblio辞書」などの解説も参考になります。

 

  

石山の石より白し秋の風

(ishiyama-no ishi-yori-shiroshi aki-no-kaze)

           (143/300)

at Ishiyama Temple,

whiter than the white rocks_

the autumn winds

   

(注)

原句の韻(ishi・shiroshi)と形は異なるが、英語俳句として「white」に韻を持たせて意訳し、句意を明瞭にしました。

  

  

松杉をほめてや風のかをる音

(matsu-sugi-o homete-ya-kaze-no kaoru-oto)

           (144/300)

prasing pine and cedar trees,

fragrant sounds of

winds

   

   

雞の聲にしぐるゝ牛屋かな

(niwatori-no koe-ni-shigururu ushiya-kana)

          (145/300)

cries of cocks_

cattle shed

under early winter rain

  

   

白露もこぼさぬ萩のうねり哉

(shiratsuyu-mo kobosanu-hagi-no uneri-kana)

          (146/300)

white dews,

none of them dropped,

undulating bush clovers

   

   

初雪や水仙の葉のたわむまで

(hatsuyuki-ya suisen-no-ha-no tawamu-made)

          (147/300)

the first snowfall in the season,

weighing down

the narcissus leaves

  

   

初時雨猿も小蓑を欲しげなり

(hatsu-shigure saru-mo-komino-o hoshige-nari)

             (148/300)

the first winter rain_

monkeys look longing for

tiny straw cloaks

  

  

笠もなきわれを時雨るるか何と何と

(kasa-mo-naki ware-o-shigururu-ka nanto-nanto)

            (149/300)

wintry showers

against me without straw hat_

oh! dear,dear!

   

  

冬籠りまた寄りそはんこの柱

(fuyugomori mata-yorisowan kono-hashira)

             (150/300)

winter seclusion_

I’ll lie close to

this pillar

   

2022年2月20日 (日)

Haiku of Bashō (芭蕉の俳句 131)~(140)

  

一家に遊女もねたり萩と月

(hitotsuya-ni yūjo-mo-netari hagi-to-tsuki)

              (131/300)

in a lonely inn,  

harlots also slept_

bush-clovers and the moon

  

(注)

この俳句は、「遊女を萩に例え、芭蕉を月に例えて詠んだ創作である」と深読みすると面白いと思います。

  

 

烏賊売の声まぎらはし杜宇

(ika-uri-no koe-magirawashi hototogisu)

          (132/300)

(翻訳A)

a song of little cuckoo_

confused by

cuttlefish seller’s calls

  

(翻訳B)

voices of a little cuckoo,

confusing

cuttlefish seller’s calls

   

(注)

翻訳Aは、原句は時鳥の声が烏賊売りの声に紛れていることを詠んだと解釈し、翻訳Bは時鳥が烏賊売り(遠くにいる?)の声を紛らすほど激しく鳴いていることを詠んだと深読みした翻訳です。

日本語の俳句では主語や助詞を省略すると主客を何れにでも解釈できますが、英語は論理的な言葉なので主格何れかを明確にしなければ詩として意味をなさなくなります。

 

   

鶴鳴くやその声に芭蕉破れぬべし

(tsuru-naku-ya sono-koe-ni-bashō yarenu-beshi)

            (133/300)

cries of a crane_

Japanese banana leaves could tear

with the screeching voices

  

           

    

 猪のともに吹かるる野分かな

(inoshishi-mo tomoni-fukaruru nowaki-kana)

            (134/300)

the typhoon_

wild boars also

blown down

 

  

刈りかけし田づらのつるや里の秋

(karikakeshi tazura-no-tsuruya sato-no-aki)

           (135/300)

half-harvested rice fields,

cranes_

autumn in the country  

  

   

名月や池をめぐりて夜もすがら

(meigetsu-ya ike-o-meguri-te yo-mo-sugara)

                         (136/300)

the harvest moon_

walking around the pond,

all night viewing

  

  

菊の香や庭に切れたる履の底

(kiku-no-ka-ya niwa-ni-kiretaru kutsu-no-soko)

           (137/300)

chrysanthemum scent_

in the garden,

a torn sandal sole

  

  

里古りて柿の木持たぬ家もなし

(sato-furite kakinoki-motanu ie-mo-nashi)

          (138/300)

the village aged_

none of the houses

lack a persimmon tree

 

 

風色やしどろに植ゑし庭の秋

(kazairo-ya shidoro-ni-ueshi niwa-no-aki)

          (139/300)

wind colors_

planted at random,

the autumn of the garden

   

   

虫は月下の栗を穿

(yoru-hisokani mushi-wa-gekka-no kuri-o-ugatsu)

           (140/300)

stealthily in the night,

worms bore chestnuts

under the moon

  

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2022年2月18日 (金)

氷上の滑走美帆の金メダル

   

タイトルは「北京2022」の高木美帆選手スピードスケート1000メートル金メダル獲得を称えた薫風士のブログ用俳句です。

  

氷上の舞艶やかに着実に

            (薫風士)

掲句は坂本花織さんの銅メダル獲得祝い詠んだ拙句です

  

「北京2022」出場選手活躍の関連のニュース記事は、「神戸新聞NEXT」の記事《高木美帆「金」、坂本花織「銅」 複合男子団体、28年ぶりメダル》をご覧下さい。

  

「氷」を詠んだ俳句は、「歳時記」や「575筆まか勢」、「きごさい歳時記」の例句を、それぞれ青色文字をクリック(タップ)してご覧下さい。

  

・工事場の太き轍や初氷 

         (若林杜紀子)

  

開館へ急ぐ工事場初氷

      (薫風士)

     

デジタル田園都市国家構想」の実現を切望していますが俳句HAIKU」がコロナ禍の慰みになれば幸いです。

  

2022年2月17日 (木)

Haiku of Bashō (芭蕉の俳句 121)~(130)

  

手にとらば消えんなみだぞあつき秋の霜

(te-ni-toraba kien-namida-zo atsuki-aki-no-shimo)    

           (121/300) 

(試訳A)

as if autumn frost,

it would melt upon my hand,

my hot tears_

  

(試訳B)

as if autumn frost,

upon my hand, my hot tears would melt

the hair of my deceased mother

   

(注)

(A)原句で省略された「亡母の髪」を漠然と「it」で表現しています。

(B)背景を知らなくても一応理解できるように、省略語を具体的に表現しています。

  

  

稲妻にさとらぬ人の貴さよ

(inazuma-ni satoranu-hito-no totosa-yo)

           (122/300)

How noble!

a person waking to nothing

upon lightning

 

 

 

蜘蛛何と音をなにと鳴く秋の風

(kumo-nanto ne-o-nanito-naku aki-no-kaze)

            (123/300)

spider!

how and what do you sing?

autumn breeze

 

 

朝な朝な手習ひすすむきりぎりす

(asana-asana tenarai-susumu kirigirisu)

           (124/300) 

cricket_

morning after morning

advancing practice

  

  

声すみて北斗にひびく砧哉

(koe-sumite hokuto-ni-hibiku kinuta-kana)

            (125/300) 

clear voices,

upto the Great Bear_

the sound of fulling cloth

             

 

 

露とくとく心みに浮世すゝがばや

(tsuyu-tokutoku kokoromi-ni ukiyo-susugaba-ya)

            (126/300)

glug-glug with dews,

trying to clear my heart_

the fleeting world

 

  

桟橋やいのちをからむつたかづら

(kakehashi-ya inochi-o-karamu tsuta-kazura)

            (127/300)

the bridge_

supporting life,

entangled ivy

 

 

鬼灯は実も葉も殻も紅葉哉

(hōzuki-wa mi-mo-ha-mo-kara-mo momiji-kana)

           (128/300)

lantern plant_

fruits, leaves, shells,

all in autumn color

  

  

留守のまに荒れたる神の落葉哉

(rusu-no-mani aretaru-kami-no ochiba-kana)

            (129/300)

in the absence,

dilapidated_

God’s fallen leaves

 

百歳の気色を庭の落葉哉

(momotose-no keshiki-o niwa-no ochiba-kana)

            (130/300)

century-old looks_

the fallen leaves

on the garden

  

2022年2月15日 (火)

芭蕉の俳句・Haiku of Bashō (120/300)《蔦》

    

苔埋む蔦のうつつの念仏哉

  (koke-uzumu tsuta-no-utsutsu-no nebutsu-kana)

    

 the ivy burying

  the tomb moss_   

  real prayer to  Amitabha

    

Haiku of Bashō (芭蕉の俳句 119/300)《きりぎりす》

  

むざんやな甲の下のきりぎりす

 (muzan-yana kabuto-no-shita-no kirigirisu)

   

how pathetic!

the chirp of a cricket

under the warrior’s helmet

  

Haiku of Bashō (芭蕉の俳句 118/300)《秋の風》

  

塚も動け我が泣声は秋の風

 (tsuka-mo ugoke waga-naku-koe-wa aki-no-kaze)

  

let the mound move!

my tearful voice

is the autumn wind

   

Haiku of Bashō (芭蕉の俳句 117/300)《椹・蝶》

   

椹や花なき蝶の世すて酒

  (kuwanomi-ya hana-naki chō-no yosute-zake)

   

Translation (A) 

mulberries_

hermit rice-wine

for flower-less butterflies

   

Translation (B) 

mulberries_

hermit rice-wine

for butterflies without flowers

   

(注)

英語は論理的な言葉なので、原句の「花なき」を(A)では文字通り「花の盛りの過ぎた」というニュアンスで「flowerless」と英訳し、(B)では、「花が(周りに)無くなった」というニュアンスで「without flowers」と意訳しました。

  

 

Haiku of Bashō (芭蕉の俳句 116/300)《ほたる》

  

昼見れば首筋赤きほたる哉

 (hiru-mire-ba kubisuji-aka-ki hotaru-kana)

  

(Translation A)

 in the daylight,

 seemingly red_

the neck of a firefly

 

(Translation B)

 in the daylight,

 seemingly red-necked_

a firefly

   

  (A) は文字通りの素直な英訳です。

 (B)は英語として俳諧実を出した翻訳ですが、深読み過ぎでしょう。

  

Haiku of Bashō (芭蕉の俳句 115/300)《蛍》

    

此ほたる田ごとの月にくらべみん

 (kono-hotaru ta-goto-no tsuki-ni kurabe-min)

   

I’ll compare this firefly

with the moon reflected

in each paddy field

  

Haiku of Bashō (芭蕉の俳句 114/300)《鳰の浮巣》

   

五月雨に鳰の浮巣を見に行む

 (samidare-ni nionosu-o miniyukan) 

 

in the early summer rain,

I’ll go to see

floating grebe-nests

  

2022年2月12日 (土)

Haiku of Bashō (芭蕉の俳句 113/300)《風の薫》

   

・さざ波や風の薫りの相拍子

 (sazanami-ya kaze-no-kaori-no aibyōshi)

    

  rippling waves_

  in tune with

  the fragrance of wind

  

 ここをクリック(タップ)すると、「芭蕉db.」の解説をご覧になれます

  

Haiku of Bashō (芭蕉の俳句 112/300)《竹植る日》

  

 ・降ずとも竹植る日や蓑と笠

 (furazu-tomo take-uuru-hi-ya mino-to-kasa)

     

  without rain-fall,

 in straw conical-hat and rain-coat_

 a bamboo planting day

   

 ここをタップすると、「芭蕉db.」の句碑と解説をご覧になれます

  

2022年2月 9日 (水)

早春や命の限り句を口に (本との出会い)

     

建国日思ひ新たに己が役

   

0626

掲句とタイトルの俳句は、先月末に姉を見舞った際に姉が読んでいた本を借りて読み、感動して口にした拙句です。

(青色文字をタップし、解説やリンク記事などをご覧下さい。)

  

俳優の塩見三省氏が俳優としての活躍の佳境の最中に脳出血で倒れ、死線を乗り越え、半身不随の体で俳優として命を全うしようとしている思いに共感し、かって病院の廊下や残花の道を術後のリハビリにひたすら歩いた事を思い出し、つい涙ぐみました。

その本の表紙には、タイトルとして、歌うように伝えたいとあり、サブタイトルとして、人生を中断した私の再生と希望とあります。

  

 ありのまま生き様晒し(さらし)春来る

            (薫風士)

   

定年直後に胃癌の全摘手術をした薫風士(元サラリーマン)は三省さんと同じような思いをして大げさに言えば、「死線を乗り越えて、余生を『俳句の道』で全うしよう!」との思いで、ブログ「俳句HAIKU 俳句を通じて世界平和を! World peace through haiku!」を書いています。

    

コロナ禍立春に「北京2022」が始まり、日本選手の活躍が期待されます。形は違っても、同じような思いを抱いて全力を尽くしている選手は少なくないでしょう。

   

心意気雪の北京の空に舞ふ

  スノ―ボード選手の活躍を詠みました

    

・氷上の潔き舞艶やかに

 羽生弓弦挑戦鍵山優真宇野昌磨などの演技を称え口遊みました。

   

東京2020」の日本選手の活躍を俳句や川柳に口遊み、「俳句HAIKU」に様々の記事を書き、「夏の俳句特集(薫風士のブログ)」として纏めました。

薫風士のブログは、塩見三省氏の本に及ばずとも、コロナ禍の苦難を乗り越える読者の慰めと希望の一助になれば幸いです

本との出会い(1)「あの海にもう一度逢いたいをご覧下さい。

     

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