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2019年7月13日 (土)

(まんぽ俳句文法) 「片陰」<口語と文語>

  

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A)片陰を辿り訪ねた丘の街 

(B)片陰を辿り訪ねし丘の街

(C)遊歩道片陰光る水溜り

(D)片陰に移ろう光水溜り

(E)片陰に移ろふ光水溜り

 

(A)の「訪ねた」は口語で散文的に響きますが、

(B)の「訪ねし」は文語で詩的な響きがあり、俳句としては(A)の方がよいでしょう。

(C)は文語・口語の違いはありません。

(D)の「移ろう」は口語(現代仮名遣)、(E)の「移ろふ」は文語(旧仮名遣)です。(D)の場合、「水溜りの光が移ろう」のか「作者が片蔭に移ろう・移動しようとしているのか」曖昧になりますが、(E)の場合は、「水溜りの光が移ろうこと」を詠んでいることが明瞭です。

このように、旧仮名遣にはそれなりのメリットがあります。

なお、広辞苑などの辞書には現代仮名遣の後に旧仮名遣が付記されているので簡単に確認できます。

「片陰」の俳句に興味があればここをクリックするとご覧になれます

  

ちなみに、前回の「まんぽ俳句」に掲載した紫陽花の俳句

梅雨晴れ間垣根溢れる額の花」は口語俳句ですが、

文語俳句にすると梅雨晴れ間垣根溢るる額の花」となります。この俳句は、現に見ている情景なので、「梅雨晴れ間垣根溢れし額の花」としてはいけません。

俳句上達のコツは、ともかく見たこと感じたことを5-7-5のリズムに表現し、そのリズムを身に付けることです。必要なら後で推敲すればよいのですから・・・。

コメント

「俳句の面白さ・奥の深さ」が分かり、俳句に嵌りますよ。

「(秋彼岸の俳句)夏井先生の添削を添削する(特集)」

http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2020/09/post-f4d8.html
をご覧下さい。
 
(薫風士)

「水溜り」のことを俳句では詩的な言葉で
「潦」(にわたずみ)と表現することが多いですよ。

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