「片陰」(俳句の文法・口語と文語)
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俳句上達のコツは、ともかく見たこと感じたことを「5-7-5」のリズムに表現し、そのリズムを身に付けることでしょう。
投句する場合にはそれを推敲すればよいのですから・・・。
(A)片陰を辿り訪ねた丘の街
(B)片陰を辿り訪ねし丘の街
(C)遊歩道片陰光る水溜り
(D)片陰に移ろう光水溜り
(E)片陰に光移ろふ潦(にわたずみ)
(F)片陰の移ろふ光潦
(A)の「訪ねた」は口語で散文的に響きますが、
(B)の「訪ねし」は文語で詩的な響きがあり、
俳句としては(B)の方がよいでしょう。
(C)は、文語・口語の違いはありません。
(D)の「移ろう」は「水溜りの光が移ろう」のか「作者が片蔭に移ろうとしているのか」曖昧になり、不適切です。
(E)と(F)の「移ろふ」は文語(旧仮名遣)です。
口語の「移ろう」でも「水溜りの光が移ろうこと」を詠んでいることは明瞭ですが、文語の方が詩的な印象があるでしょう。
このように、旧仮名遣にはそれなりのメリットがあります。
(広辞苑などの辞書には現代仮名遣の後に旧仮名遣が付記されているので簡単に確認できます。)
ちなみに、前回の「まんぽ俳句」に掲載した紫陽花の俳句
「梅雨晴れ間垣根溢れる額の花」は口語俳句ですが、
文語俳句にすると「梅雨晴れ間垣根溢るる額の花」となります。
(現に見ている情景なので、「梅雨晴れ間垣根溢れし額の花」とはしません。)
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2024.7.21 更新
投稿: | 2024年7月21日 (日) 06時10分
「猿回し」《季語とは何か》
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2022/12/post-63ec.html
をご覧下さい。 (薫風士)
投稿: | 2022年12月20日 (火) 09時09分
著名俳人の「季重なり」俳句集
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2022/09/post-20f5.html
をご覧下さい。 (薫風士)
投稿: | 2022年9月24日 (土) 18時35分
「トマトの俳句(ウクライナ応援句)」
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2022/05/post-f1ef.html
をご覧下さい。 (薫風士)
投稿: | 2022年7月 6日 (水) 10時15分
「俳句の面白さ・奥の深さ」が分かり、俳句に嵌りますよ。
「(秋彼岸の俳句)夏井先生の添削を添削する(特集)」
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2020/09/post-f4d8.html
をご覧下さい。
(薫風士)
投稿: | 2020年9月15日 (火) 18時04分
「水溜り」のことを俳句では詩的な言葉で
「潦」(にわたずみ)と表現することが多いですよ。
投稿: | 2019年8月25日 (日) 16時05分