俳句エッセイ Feed

2023年8月26日 (土)

西瓜食み馳せる思ひやウクライナ

     

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(写真)

親戚がくれた暑中見舞い状と、

鴉か何かに食われた無惨な西瓜

     

8月23日の「処暑」が過ぎても、残暑とは言いがたい猛烈な暑さが続いています。

  

残暑お見舞い申し上げます

 

ロシア軍がウクライナ侵攻を始めてから1年半が経ちましたが、停戦の気配はありません。

  

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タイトルは、ウクライナ戦争の終結を祈りつつ詠んだ、ウクライナ応援のブログ記事用の拙句です。

  

   

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先日、日本経済新聞電子版8月27日付の「春秋」のコピー(写真参照)を後輩が送って呉れました 

その記事に、ウラジスラバ・シモノバさんの俳句が次のとおり引用されていました。

  

真っ青な空がミサイル落としけり

 

この俳句はシモノバさんがウクライナ語で詠んだ俳句の翻訳でしょうが、「空がミサイルを落とす」という表現は腑に落ちません。

ミサイルを落とすのは空ではなく、人間です。

自然現象は止めることが出来ませんが、人間のすることは止めることが出来ます

 

この点を認識して原句が作られたのかどうか、ウクライナ語は知らないので、英語訳があれば是非それを見て確認したいものです

     

梅東風や届け世界にこの思ひ」が令和の人々の目の黒いうちに実現するとは思えませんが、その平和の祈りは、俳句を通じて続けることによって世界の人々にシェアして頂き、未来へつながれることを願っています。

  

青色の文字をタップして、リンク記事をご覧下さい。 

  

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事のタイトルが表示され、この「俳句HAIKU」をタップすると最新の全ての記事のタイトルが表示されます。

    

 

2023年8月24日 (木)

俳句《処暑》

    

(2024.9.15 更新)  

温暖化処暑の昼餉に冷麦も

東北の処暑の猛暑や温暖化

新築のクレ-ン伸びるや処暑の空

新築の木材香る処暑の風

輝きし処暑の三時の雲の峰

         (薫風士)

  

ここをクリック(タップ)すると、歳時記の「処暑」(俳誌のサロン2023.8.23作成)の例句をご覧になれます

    

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冒頭の写真は、暑中見舞に親戚がくれた「金龍ひやむぎ」です。
 

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我が町ニュータウンは、「まちびらき」をしてから、40年余りになり、高齢化していますが、ベッドタウンとしての自然環境と交通の便に恵まれ、過疎化しないで街の新陳代謝が進んでいるのは喜ばしいことです。

  

2023年8月23日の「処暑」は、東北まで猛暑日になり、駄句を口ずさみました。

   

処暑なるも熱中症のアラートも

天気図の処暑の列島濃き赤に

温暖化処暑の猛暑日北国も

汗だくバンカーショット処暑の午後

        (薫風士

   

湯上りの子を追ふ処暑の八畳間

       (朝妻力)

   

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧になれます。

   

2023年8月19日 (土)

俳句の日季語を活かして句に遊ぶ

  

八月や季語を活かしてこそ俳句

  

タイトルや掲句はブログ記事用の川柳擬きの拙句ですが、俳句は季語やリズムを活かしてこそ俳句の良さがあるのではないでしょうか

819日は「俳句の日」とされていますが、正岡子規の忌日は9月19日ですから、「句育」と語呂合わせをして、「俳句の日」~「子規忌」を「平和の俳句月間」とし、「俳句を通じて世界平和を」の運動を推進して欲しいものです。   

八月の俳句に思うこと」や「終戦記念日の俳句に思うこと」をご覧下さい。

(青色の文字をクリックすると、その記事をご覧になれます。)

   

インターネットを検索していると、民間出身の初代宮内庁長官だった田島道治(たじま・みちじ)が書いた「昭和天皇拝謁記」の概要を紹介する記事が「文春オンライン」にありました。

その一部分を抜粋掲載させて頂きます。

(この記事は削除されたのか、詳細をご覧頂くことが出来ません。ここをクリックして、NHK NEWS WEB の記事「昭和天皇拝謁記」をご覧下さい。)

  

「・・・・、開戦を命令した宣戦の詔勅であるが、本当は平和裡に解決して欲しいけれどもやむなく開戦に至ったのであるという文言こそ、自分の意思なのだと天皇は強調していた。それも理解せずに自分の退位を請願するような老人の主張はおかしいと田島に愚痴をこぼしたのである。 

しかし田島は、天皇の命令が下されたならば必ず謹んで従う(つまり戦争をすることが当然と受け止める)し、そもそも「朕が志ならんや」は日清・日露戦争の宣戦の詔勅でもあった常套句で、そうは受け止めないのが普通であると答えた。このあたり、民間出身の田島らしい返答でもあろう。必ずしも昭和天皇におもねるような答えを返すのではなく、正直に思うことを述べたのである。(以下省略)」

  

コミュニケーションの難しさをあらためて感じましたが、「大寒の俳句(コロナ禍国際同盟に思うこと)」や「季語・季題が大寒の俳句を集めました」、天皇誕生日の俳句に思うこと」、「夏祭り最後を飾る揚げ花火」などをご覧頂き、薫風士の思いをシェアして頂けると幸いです。

「ロ-マは一日にして成らず」「ちりも積もれば山となる」「さざれ石の苔のむすまで」

という思いで、世界平和を祈りながら、健康長寿を目指して「俳句HAIKU 」の記事を書いています。

  

最新の俳句や英語俳句の記事は、青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップしてご覧下さい。

この「俳句HAIKU」をタップすると最新の全ての記事をご覧になれます。

     

2023年8月17日 (木)

終戦記念日の俳句に思うこと

     

(2024.8.15 更新)

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冒頭の写真は、俳句HAIKUの記事「869祈り繋がむ原爆忌」のパソコン画面や全国戦没者追悼式のNHK-TV画面(一部分)、パソコンのMicrosoft Start画面の記事の一部分、などです。 

  

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岸田総理には、政務お疲れ様でした‼️    

薫風士の危惧が当たらないことを祈っていますが、俳句の交流を通じて世界平和を願っている人々の思いをシェアして頂けると幸いです。

 

青色文字(記事のタイトル)をタップ(クリック)して、「夏祭り最後を飾る揚げ花火 《俳句XXX》」や俳句をユネスコ世界無形文化遺産へ(草の根運動)」などをご覧下さい。

     

(2023.8.18の記事)

コロナ禍の行動自粛が解けた今年の夏の全国高校野球は恒例どおりに行われていますが、8月17日の西東京代表日大三高と岡山代表おかやま山陽の試合が特に印象的でした。 

試合終了のサイレンの音を球児等はどんな思いで聞いたのだろうか?と、ふと、戦時中の空襲警報のサイレンの音を思い出しウクライナの人々に思いを馳せて平和の有難さを噛みしめました。

ここをクリックして、俳句HAIKUの記事「血に染むなドニエプルてふ春の川」をご覧下さい

  

終戦記念日の俳句についてインターネットを検索していると、「アサ芸biz」とかいう記事に、次のような記載(抜粋)がありました。

   

「岸田のやることは、モスクワに乗り込んでいって、プーチンに『今やってることをやめなさい』と、プーチンに直談判をなぜしないの、岸田は? それが今の日本の世界に置かれた立場の中でやるべきことなんだ」

亀井氏のド直球の提言は反響を呼び、SNSでは《亀井さん、岸田総理にそんな度胸ないよ》《戦争を知ってる亀井さんと岸田総理の温度差を感じる》《亀井さんが岸田総理に直談判してほしい》といったコメントが寄せられていた。」

     

上記の記事を黙って見過ごすわけにはいかず、コメントさせて頂きますが、

プーチン大統領に直談判して問題が簡単に解決するとはとうてい思えません。

誰が交渉するにせよ、日本の政治家が直談判をすると、途方もない交換条件を突きつけられて、馬鹿を見るだけでしょう!

岸田総理にはそんな浅はかな行動をしてもらいたくないですね。

岸田首相とその支持者のみならず多くの方々に「俳句HAIKU」の記事戦争と平和(俳句と川柳:終戦記念日特集)」や《台風・野分》(改訂版)」を読んで頂ければ幸いですが、皆さんが良い対策を真剣に考えて頂ければ望外の喜びです。

   

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧になれます。

   

2023年8月 6日 (日)

夏祭り最後を飾る揚げ花火 《俳句XXX》

 


(2024.8.17 更新)
NHK-TV朝のニュースを見て駄句を口ずさみました。


戦の火種の神や夏祭
平和には万の神を夏祭
Xの利用に注意揚花火
総裁選行方は如何揚花火
何事もありと覚悟や夏祭
       (薫風士

_122527日本伝統俳句協会8月のカレンダー(一部分)の写真をタップ拡大して、掲載句をご覧下さい。
短冊句の「人々に夜空は一つ揚花火」(常央)は「宇宙に地球は一つ」に通ずる考えでしょう。
宇宙的視野で物事を考え、地球を大切にしたいものです。

 


 

パリ五輪地球は一つ盛夏かな
多様性五輪の集ひ秋に入る

         (薫風士)

 


7月25日は天神祭です。
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写真は、天神祭り放映のNHK-TV画面の一部分です。


ここをクリック(タップ)すると、大阪天満宮のHPをご覧になれます



俳句HAIKUの記事「俳句の鑑賞《祭り》」をご覧頂けると幸いです。

 

この写真は街角で見かけた旗です。

_162130_2 煽情的表現や曖昧なムード的表現に依存しがちな政治家が実権を持つと、民主主義は破壊の道を辿り、ナチスの歴史の繰り返しとなり、終局的には地球の破壊・人類の滅亡に至ることを懸念しています。

 


ウクライナの苦難は、タレントに夢を託したからではないでしょうか
薫風士の思いを皆さんがシェアしてくれることを祈っています。

 


(P.S.)
東京都知事選で、現職の小池百合子氏に次いで2位になった広島県安芸高田市の元市長石丸伸二氏ついて、インターネットの記事によると、「東京都ですらあと15年しか持たない、ガソリンが尽きるわけです。ほかの地方においては尽きてる。安芸高田市は遠い昔にエネルギー切れなんです。これを放っておいていいわけないのに誰も手を打とうとしない。まず政治でなおしていくべき」と発言されていますが、
この発言の「ガソリン」とは何のことでしょうか?
タレントではなく、政治家として、明確に説明して責任ある回答をしてほしいものです。

(2023.8.6の記事)
805_202734タイトルと掲句は、ブログ用の川柳擬きの拙句ですが、夏祭りに託けて詠んだ拙句の比喩や暗示について考えて頂ければ幸いです

 


「昼と夜」「紙の裏表」があるように、何事にせよ物事には両面があり、全てを常に100%満足させる現象は無いと言えるでしょう。

 


物事の是非を判断するには、判断基準を何処に置くのか、即時的・短期的・長期的に色々な視点で考える必要があります。

 


掲句の「X」とは「旧ツイッター」のことですが、Xには中身よりもタイトルで興味を引く偏見的記事が多いので、誰にせよ何事にせよ、肝心なことは「偏見を覆すだけの結果を出すか否か」でしょう。

 


 


政界の若返りして夏祭
若返り何をすべきや夏祭
森を守り木を愛で祈る夏祭
Xに飛び交ふ台詞夏祭
夏祭り底の割れたるその台詞
Xの危ふき台詞夏祭
いさぎよき台詞危ふし夏祭
夏祭り一歩踏み込み考へて
鬱憤を晴らすX揚花火
ままならぬとて諦めず夏祭
本質をわきまえ祈る夏祭り
揚花火急いては事を仕損ずる
遠目には線香花火や揚花火

憂さ晴らす俳句HAIKU 揚花火
才知には誠が大事夏祭
揚花火TPOを弁へて
揚げ花火代理戦争お断り
万博の跡地で愛でる揚花火
IR賭博はダメよ揚げ花火
AIに潜むリスクや夏祭

        (薫風士

 

805_202438「X」や「YouTube」等には興味本位の短絡的な投稿や書き込みが多いので、何事にせよ一歩踏み込んで気を付けて考えて対応しなければ、と思っています。

 


青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧になれます。   

2023年5月29日 (月)

俳句《わらび餅・蕨餅》

 

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蕨餅は「春の季語」とされていますが、食品の加工・保存の技術が進歩したこの頃は、昔ほどの春の季節感や感動がありません。

歯医者から帰ると、食卓にわらび餅が置いてあり、駄句を口ずさみました。

    

歯医者より帰宅の吾に蕨餅

胃無き身に歯触り優し蕨餅

       (薫風士)

 

胃癌の全摘をしてから20年余り貧血予防の為の糖分を取り続けている結果、虫歯と入れ歯の治療で歯科医には屡々お世話になっています。

 

健康長寿の茶寿を夢見ているからには黄な粉に限らず、誤飲・肺炎などに気を付けなければならないと思っています。

 

新蕎麦や歯ごたえ無用胃の無き身

         (薫風士)

     

わらび餅のきな粉にむせび老いたのし

        (江崎成則)

  

結局は鍵屋の辻の蕨餅

       (稲畑汀子)

   

蕨餅黄粉に噴せる白寿かな

      (稲畑廣太郎)

  

歳時記(俳誌のサロン)「蕨餅」の例句はここをクリックして、ご覧下さい

 

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事のタイトルが表示され、この「俳句HAIKU」をタップすると最新の全ての記事のタイトルが表示されます。

 

 

2023年5月12日 (金)

俳句《花は葉に》OB会

   

大阪・関西万博の期間延長を!《亀の夏至の呟き》」をご覧下さい。

   

薫風に同期集はむ住友館

口遊むまんぽ俳句や花は葉に

花は葉に終の棲家の居間の窓

今を詠み日々のまん歩や花は葉に

先輩と友に恵まれ花は葉に

葉桜や花の同期に恵まれて

葉桜や良き後輩に囲まれて

      薫風士

  

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(青色文字をクリックし、リンク記事をご覧下さい。)

AI(エイアイ)のみに頼るのではなくAI(アイ)に通ずるまんぽ俳句を口ずさみ元気に過ごしたいものです

     

まんぽ俳句」とは、健康長寿を目指す「吟行俳句」を意味する薫風士の造語です

コロナ禍を絶え忍びけり花は葉に」をご覧下さい。

     

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(この写真のカレンダーはWFPへの寄付の領収書に同封されていた折り紙を組み立てたものです。写真はタップ拡大出来ます。)

  

     

コロナ禍の移動・行動自粛で開催されず、4年ぶりに開催された住友電工のOB会に参加するホテルへの往復の道すがら、13,406歩も「まんぽ」して、「まんぽ俳句」を口遊みました。

      

若者の支援活動風薫る

葉桜やWFP支援せむ

支援せし終活の身に若葉風

御堂筋行き交ふ昼の新社員

新社員意気揚々と淀屋橋

青春の思ひ出夏の中之島

万博へ備ふる初夏の街難波(なにわ)

遠近(おちこち)タワークレーン初夏の空

フェスティバル茶寿を夢見て冷酒酌む

OB会偲ぶ物故者初夏の午後

葉桜や通ひしビルに久方に

花は葉に思ひ出多き川並木

コロナ鬱飛ばし乾杯ビ-ル汲む

旧交を温め合ふや初夏の宴

初夏の宴祈りを込めて三唱す

三唱に意気軒昂の初夏の宴

誰にでもドラマがあるよ花は葉に

青春の我が思ひ出や花は葉に

お先にと健脚過ぎし初夏の橋

葉桜や友の一言契機とし

友ありて楽しき余生花は葉に

葉桜や我を見舞ひし友逝きぬ

断捨離や友の行年思ひ馳せ

堂島や土佐堀川や風薫る

      薫風士

 

俳句はかく解しかく味う

       高浜虚子

   

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「花は葉に」や「葉桜」は夏の季語です。       

「初夏」は俳句のリズムを整え、「はつなつ」又は「しょか」と読みます。

    

歳時記(俳誌のサロン)から「葉桜」の例句を気の向くままに抜粋・掲載させて頂きます。    

例句の詳細は青色文字(季語)をクリックしてご覧下さい。

   

葉桜1

をさまりし風雨のなごり葉桜に

       (稲畑汀子)

 

葉桜2

葉桜の影を拾ひて下校の子

      (柳生千枝子)

   

葉桜3

葉桜や癌病棟の友見舞ふ

       (安田健)

   

葉桜4

葉桜や通学の子に友の増え

       (灘秀子)

  

葉桜5

葉桜や採決万場一致にて

       (渕田則子)

  

葉桜6

葉桜に触れトロットの騎馬少女

       (近藤暁代)   

    

最新の俳句や英語俳句の記事は、青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップしてご覧下さい。

      

2023年4月17日 (月)

花鳥七百号記念大会•坊城中子お別れ会に参加して


 

漕ぎ終へし重き櫓櫂や星流る

        (薫風士)

  

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掲句は、高浜虚子が長男高浜年尾の長女(故坊城中子)の興健女子専門学校(聖路加看護学院の前身)受験の際の餞(はなむけ)に詠んだ俳句「春潮にたとひ櫓櫂は重くとも」の本歌取りとして詠んだ拙句ですが、期待通り事前投句の坊城俊樹選に入選しました。

   

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409_185402コロナ禍の行動制限が解除されて、2023年4月9日に待望の花鳥七百号記念大会と坊城中子(2021.8.16逝去、享年93歳)お別れ会が東京の富岡八幡宮婚儀殿で開催され、参加しました。

    

残花愛で七百号の花鳥祝ぐ

  

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この拙句は当日投句の入選句です。

  

   

「祝ぐ」は「ほぐ」と読んで下さい。

  

   

当日の俳句大会の選者は、ゲスト選者3氏(稲畑廣太郎•井上泰至•星野高士)と坊城俊樹主宰•岡田順子副主宰の5氏でした。  

参加者の投句と選句は各3句でしたが、1句でも入選したことは幸いでした。  

事前投句の入選句集の一部分と当日の句会や懇親会の写真など、タップ拡大してご覧下さい。  

             

句会終へ句友と惜しむ春の宴

          (薫風士)

  

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正岡子規は下戸だったようですが、懇親会の選者のテーブルに置かれたお酒の瓶をみると、「どの選者が下戸か酒豪か分かる」と愚考しています。

 

  

一つ根に離れ浮く葉や春の水

       (高浜虚子)

  

水は命の源泉です

古壺新酒(ここしんしゅ)」という高浜虚子の言葉の通り、先生方が令和の俳句界を牽引されることを願っています。

    

句に遊び茶寿も祝ぎたし新酒酌む

       (薫風士) 

      
409_183821花鳥6百号記念大会の際にゲストとして参加された有馬明人氏や稲畑汀子さん、黒田杏子さんなど著名な方々は亡くなられ、若い世代の俳句への関心がかって程なく、俳句は川柳程人気が無い現状を考えると、俳句界の将来が危惧されますが、まんぽ俳句を口ずさみ、心身の健康を維持して、花鳥8百号記念大会が開催される将来に備えたいと思っています。

  

句心を子等に繋がむ蝌蚪の紐

 

蝌蚪の紐(かとのひも)」は、蛙の卵の意味ですが、花鳥の吟行に初めて参加した際に中子師から教わった思い出深い春の季語です。

 

この池の生生流転蝌蚪の紐

      (高浜虚子)

  

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(写真)

日本伝統俳句協会8月のカレンダーの一部分  

坊城俊樹花鳥主宰の俳句が掲載されています。

タップ・拡大してご覧下さい。

      

若い世代の方々が花鳥や花鳥諷詠に参加してくれると嬉しいですが、特定の結社に属さなくとも、多くの方々がそれぞれの「まんぽ俳句」を口ずさみ、俳句人口の裾野が広がることを願いつつ、「俳句HAIKU 」の記事を書いています。 

  

この記事は、「ヨイクの日」(4月19日)にゴルフをして仲間と雑談した時に得たヒントにより見直しました。

写真をタップ拡大したり、青色文字をクリックしてリンク記事をご覧頂くと、面白さが倍増するでしょう。

    

我が命妻の料理に支えられ

幸せよ世界遺産を日々食って

  

上記の2句は仲間の川柳句会で高得点を取った薫風士の川柳です。   

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写真の弁当は、胃の無い老躯にもなかなか美味しく、三無さんのご配慮に感謝しながら隅田川藤棚の下でも頂きました。 

    

  

色紙の写真は参加者として頂いた坊城俊樹主宰のミニ色紙です。 

 

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観光立国を目指しているからには、電線の地下ケーブル化を促進してほしいものです

 

この記事が読者の何らかのヒントになれば幸いです

  

  

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事のタイトルが表示され、この「俳句HAIKU」をタップすると最新の全ての記事のタイトルが表示されます。

  

2023年3月21日 (火)

春分や子供に見せん親の背

   

タイトルは、ブログ用の拙句です。

「背」は、「5-7-5」のリズムにするために、「せな」と読んで下さい。

パンフレットの写真は、「ひとはく通信 ハ-モニー」(118号)の一部分です。タップ拡大して解説をご覧下さい。

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春分の日なので好天を期待していましたが、あいにくの雨になり、「ひとはく」の新館で本を読んだり、小鳥の標本を見たりして過ごしました。

何事にせよ、「良かれ」と思ってアドバイスしても、「押し付けは嫌だ」と、反発を招くことがよくあるので、なるべく「不言実行」で「背を見せる」ように心がけていますが、ままになりません。

それでも、「いずれわかるだろう」と、諦めないで自分に言い聞かせているこの頃ですが、元気な子供が居るのは嬉しいことです。

 

「ひとはく」で愛でる自然や彼岸の日

「新館」の仕掛け巧みや春の雨

春雨の音リズミカル鎖樋

春雨や見てるつもりが見られをり

下からも上からも見ん山笑ふ

暖かや親の背見て子は育つ

        (薫風士)

 

最新の俳句や英語俳句の記事は、青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップしてご覧下さい。

 

2023年2月 8日 (水)

俳句《冬の霧☆霞・靄・霧》

      

(2023.12.16 更新)

冬霧に朝日の霞む並木道

ここをクリック(タップ)して、「《冬霧》丹波並木道中央公園」をご覧下さい

  

十八番パターを急かす冬の霧

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12月15日なのに10月並みの気温に恵まれて、曇りながら時雨ることもなく今年最後の健康管理ゴルフを仲間とエンジョイしました。

掲句は、夜は雨が降る予報で18番ホ-ルではクラブハウスが霧に霞み始め、パットを急ぎながら頭に浮かんだ駄句(まんぽ俳句)です。

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この写真はクラブハウスのレストランの一角です
地酒は自腹でしたが、友達の誕生日優待券のお陰で美味しい鰻重をご馳走になりました。

   

 

(2023.2.8 の記事)

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2月8日は「針供養」の日ですが、最近は針仕事や針供養をする主婦は殆ど居ないでしょう。

今朝の日の出は靄にくっきりと見え、国際俳句協会のホームページに翻訳を投稿した芭蕉の俳句がふと浮かび、このブログ記事を書くことにしました。

   

春もややけしきととのふ月と梅

         (芭蕉)

   

この芭蕉の俳句を深読みして掛詞として翻訳し、国際俳句協会のHPに投稿しました。

ここをクリックして、「英語でわかる芭蕉の俳句」をご覧下さい

  

歳時記(俳誌のサロン)から、気の向くままに例句を抜粋・掲載させて頂きます。

例句の詳細は青色文字(季語)をクリックしてご覧下さい。

  

霞1 

濃きものは淡きに食はれ山霞

       (鷹羽狩行)

 

霞2

曳船の霞んで上る隅田川

       (及川澄江)

  

霞3

月斗忌の海おほいなる霞かな

       (島谷征良)

 

霞4

大霞比良白嶺を浮き立たす

       (沢田清子)

 

霞5

白内障の故か万物遠霞

        (大橋晄)

  

霞6

春なれや名もなき山の薄霞  

        (芭蕉)

 

霞7

夕霞川面見下ろす露天風呂

      (丸山酔宵子)

  

霞8

高階の都心眺望遠霞

       (安原葉)

      

「靄」の例句を、なるべく宣伝の無いサイトから、気の向くままに抜粋・掲載させて頂きます。

詳細は青色文字をクリック(タップ)してご覧下さい。

  

俳句季語一覧ナビ」の例句から1句  

靄中にうく日輪や花菜雨

       (西山泊雲)

    

575筆まか勢」《冬の靄》から1句

冬の靄クレーンの鉤の巨大のみ

       (山口青邨)

    

朝霧に子等と体操日を仰ぎ

丹波路冬靄の峰朝日差し

        (薫風士)   

    

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事のタイトルが表示され、この「俳句HAIKU」をタップすると最新の全ての記事のタイトルが表示されます。

タイトルをタップしてその記事をご覧頂ければ幸いです。

  

2023年1月 3日 (火)

俳句の比喩と掛詞《白鳥》

     

夏祭り最後を飾る揚げ花火」をご覧下さい。

「X」や「YouTube」等には興味本位の短絡的な偏見の投稿や書き込みが多いので、何事にせよ一歩踏み込んで気を付けて考えて対応しなければ、と思っています。

  

「X」とは「旧ツイッター」のことですが、中身よりもタイトルで興味を引く記事が多いので、肝心なことは「偏見を覆すだけの結果を出すか否か」でしょう。

   
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写真は皇居の堀の白鳥です。

   

     

「白鳥」といえば、サン・サーンスの組曲「動物の謝肉祭」の「白鳥」やチャイコフスキーの「白鳥の湖」を連想しますが、拙句の「寄り来る白鳥」を何かの比喩とすると、色々な考えが浮かぶのではないでしょうか? 

    

俳句の比喩や掛詞の記事を集めています。   

青色文字(タイトルや季語)をタップしてご覧下さい。

   

 馬ぼくぼく我をゑに見る夏野哉

しばしまもまつやほととぎす千年

          (芭蕉)

   

寄り来たる白鳥二羽や皇居前

         (薫風士

    

俳句の創作的解釈《高浜虚子の俳句「一つ根に離れ浮く葉や春の水」

  

虚子の俳句「去年今年貫く棒の如きもの」の棒とは何か

     

俳句をユネスコ世界無形文化遺産へ(草の根運動

   

高浜虚子の俳句 「神にませば」の面白い解釈

  

高浜虚子の俳句をバイリンガルで楽しもう

国際俳句協会HP参照

Vol.2 虚子100句(21)~(40

Vol.5 虚子100句(81)~(100

    

俳句の解析・鑑賞 《蕪村の「白梅」と虚子の「去年今年

  

俳句鑑賞 《蕪村の俳句「薫風や」は面白い

  

《台風・野分》(改訂版)  

この台風の記事は岸田文雄首相への俳句作家としてのエールです。
ロシアのウクライナ侵攻の例もあり、自衛の為の対処的自衛力増強も必要ですが、根本的な対策を講ずることも肝要でしょう。

今年は広島サミットが開催されますが、梅東風や届け世界にこの思ひをご一読頂き、ファン・ロンパイさんなど俳句を理解してくれる世界のリーダーと共に世界平和を訴え、対話による平和外交も推進して頂けると、望外の喜びです。

   

俳句《冠雪・初冠雪

   

Haiku of Bashō (芭蕉300句の英訳 176/300)《梅》

      

歳時記(俳誌のサロン)から「白鳥」の例句を気の向くままに抜粋・掲載させて頂きます。

    

白鳥1

白鳥や魔法の解けぬ王子やも 

        (吉村玲子)

  

白鳥2

白鳥の暮れ残りたる水輪かな 

         (立脇操)

  

白鳥3

白鳥の辞儀交々に愛生まる 

      (佐々木よし子)

  

白鳥4

斥候の白鳥飛来もがみ川 

         (池内結)

   

白鳥5

白鳥の湖暮れてより鴨の鍋 

        (沢木欣一)

   

白鳥6

白鳥の二羽の波のり清水港 

        (堺昌子)

   

白鳥7

白鳥の旅の思ひ出遠き日々 

        (稲畑汀子)

    

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップして、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂ければ幸いです。

   

2022年12月14日 (水)

「猿回し」《季語とは何か》

 
221214写真は、「カラー図説 日本大歳時記」の1981年発行「猿回し」の解説ページです。

タップ拡大してご覧下さい。

   

ウイキペディアによると、猿回しは、「4500年前のメソポタミア文明に職業としてあったが、日本には奈良時代に中国から伝わり」、「昭和30年代(1955年 - 1964年)にいったん絶滅した[6]」が、「1978年(昭和53年)に周防猿まわしの会が猿まわしを復活させ、現在は再び人気芸能となっている。」とのことです。

 

正月の行事(牛馬の厄払い)として行われた「猿回し」は、現在では本来の宗教的行事ではなく「大道芸」として親しまれていますから、選者の選句で「猿回し」を「正月の季語」として厳密に適用されると違和感があります。

 

松尾芭蕉は「不易流行(ふえきりゅうこう)と言い、高浜虚子は「古壺新酒(ここしんしゅ)と言っています。

  

「季語」は古い歳時記の分類に捉われず、弾力的に運用すれば良いでしょう。

  

健康長寿の俳句をエンジョイするためには、「正月」でなくとも、「季重なり」になっても、あまり気にせず、実際の猿回しの情景を素直に詠んで句作を楽しめば良いと思っています。

   

猿曳やアナクロ専制如何にせむ

         (薫風士

  

掲句は川柳擬き・俳句擬きのブログ用俳句ですが、「歳時記(俳誌のサロン)」などから「猿回し」の「季重なり」の例句を気の向くままに抜粋・掲載させて頂きます。

例句の詳細は青色文字をタップ(クリック)してご覧下さい。

   

歳時記

花吹雪人だかりして猿廻し 

        (松沢久子)

  

梅の下掛声高き猿回し 

       (古川さかえ)

   

秋日和猿回しゐる天満宮 

       (長濱順子) 

   

曳猿の空を見てゐる梅白し 

      (宇都宮敦子)

  

先日句友と「道の駅 神戸フルーツフラワーパーク大沢」にて吟行し、日記代わりに詠んだ猿回しの拙句と写真を掲載します。

  

2022年12月17日(土)18日(日)には、神戸モンキーズ劇場にて特別公演(手話を取り入れた猿まわしショー)をするとのことですが、機会があれば夜のイルミネーションに吟行をしたいと思っています。

   

日溜まりに人待ち顔の猿回し

猿回し電飾用の馬像背に

句材にと話しかけたる猿回し

佳い句をと祈って呉れし猿回し

猿回し八艘飛びを十八番(おはこ)とし

しくじりも演技の一つ猿回し

曳猿のお辞儀頭を地に付けり

猿曳の弁舌に乗り笊へ札

さよならの手振り合はすや猿回し

曳猿の齢は幾つ幸祈る

     

221213

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ここをクリックして

「マイちゃん」の八艘飛びの動画をご覧下さい。

(動画は句友が撮ってくれたものです。)

  

        

青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

       

2022年11月12日 (土)

冬紅葉・初冬の梅田・中之島界隈等

    

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1111日、同期の飲み会」に参加した前後の時間を活用して、快晴の小春日和梅田・中之島公園界隈を吟行しました。

写真を見ると思わぬ発見があり、俳句の推敲が容易になります

拙句と写真を掲載しますが、貴方も疑似吟行をして頂ければ幸いです

写真はタップ・拡大してご覧になれます。

 

青色の文字(季語)をタップして、歳時記(俳誌のサロン)の連句をご覧下さい。

    

スマホ形初冬(しょとう)の空に白きビル

冬紅葉愛でつつ入りしジュンク堂

冬紅葉白きアーチを覆ふ道

冬日浴び空へ伸ばす手乙女像

冬空へ高き起重機中之島

土佐堀の獅子像阿吽暮早し

初冬はつふゆの入日の反射ビルの玻璃

暮早し並木通りは電飾に

暮早し屋上クレーン暮残り

デパートの明りに陰り冬紅葉

デパ地下のイベントセール日の短か

短日のデパ地下見遣り帰路急ぐ

裏庭の風情それなり冬紅葉

          

「初冬」は「5・7・5」のリズムになるように「しょとう」か「はつふゆ」か、何れかの「詠み方」・「読み方」をします。

暮れ残る」と言えば、芥川龍之介辞世の俳句「水洟や鼻の先だけ暮れ残る」が有名です。    

ここをクリック(タップ)して、「紅葉の俳句と写真集(改訂版)」をご覧下さい

    

青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

  

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2022年11月 9日 (水)

「季語」と「お題」を考える

 

結社の俳句会などに参加する場合、特定の季題(俳句に用いる季語)が事前に知らされる「兼題」と当日の句会の席で決められる「席題」があるのが一般的です。

 

俳句大会や結社の俳誌に投句する場合、「季語」と「お題」が指定されるとか、特別の季語は指定されなくても「当季雑詠」とか「当季嘱目」が応募句の条件とされますが、年に一度開催のNHK全国俳句大会とか、俳句結社の特別の俳句大会などは、「季語」の指定が無くて「自由」に投句できるのが普通です。

 


テレビの人気俳句番組「プレバト」は、写真を見せて「お題」を提供していますが、お題その物を俳句に詠まず、連想・飛躍した俳句を作ってもOKであり、通常の俳句会とは異なるタレントによるエンタメ俳句会です。

 


ちなみに、11月10日のプレバトで「一歩後退」とか「ボツ」の査定をされた俳句は自由律で失敗した例だろうと思います。 「プレバト 夏井先生の添削を添削する (添削記事特集編)」をご覧下さい。

 


青色文字のタイトルをクリック(タップ)して、「季語」と「お題」に関連する「俳句HAIKU」の下記の記事をご覧下さい。
ご参考になれば幸いです。
各記事を読み終えて元のサイトに戻る場合は、「←」などをタップして「戻る」操作をして下さい。

 

俳句鑑賞「落葉」《第50回三田俳句大会に参加して

 

夕月とスマートフォン (第51回三田市民俳句大会

 

七夕」・「鯉と錦鯉」《季語の考え方・使い方

 

まんぽ俳句」と「川柳」《ゴルフ特集》(季語と自然

 

俳句雑感(6)《季語と切れ字》「猛暑日」と「立秋

 

時雨晴「つくしの里」を吟行す

 

俳句上達のコツ《見たこと・感じたことを5・7・5で口ずさむ》

 

青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。   

2022年11月 6日 (日)

俳句寸評《鯛焼》(改訂版)

   

俳句は、私的な体験を詩的に口遊み、句作をエンジョイするのも良いと思っています。

  

ここをクリック(タップ)して、「一人連句《俳句と川柳》」をご覧下さい。

  

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(写真)

22.11.6 NHK俳句(選者:高柳克弘氏)・TV画面の一部分です。

写真をタップ・拡大して入選9句をご覧下さい。

       

今朝のNHK俳句を見て、ふとこの記事を書くことを思い立ちました。

作者と句作の場を共有していなければ作者の思いどおりの俳句の解釈をすることは出来ませんが、敢えて寸評を試みました。

  

句作・推敲の参考になれば幸いですが、作者からコメントを頂ければ最高です

歳時記(俳誌のサロン)の「鯛焼」の例句はここをクリックして、ご覧下さい

   

鯛焼も加へ避難所夜のまどゐ

                   (新井知世)

   

一席のこの俳句の「まどゐ」は「団居」のことで、「惑い」の意味ではありません。

作者は避難所のボランティア活動などをしているのでしょうか?

作者自身が避難している場合には、「避難所に鯛焼もあり夜の団居」とでも表現するのでしょうね?

   

・成長痛のズックの囲む鯛焼屋

       (村松正敏)

   

この句は「字余り」・「7-7-5」の破調です

子供たちの成長ぶりを鯛焼屋さんが詠んだ俳句でしょうか?

  

たとえば、「鯛焼に忘るズックの成長痛」とすると、

破調の抵抗感も無くなり、子供が足の痛みを忘れて鯛焼を美味しそうに食べているのを母親などが詠んだニュアンスになるでしょう。

  

「鯛焼や忘るズックの成長痛」とすると、

作者本人が鯛焼きの美味さに足の痛みを忘れるというニュアンス(作者が成長盛りの頃の思い出を詠んだ俳句?)になると思います。

  

助詞「に」と「や」で俳句のニュアンスが異なる例句として参考になるでしょう。

  

いずれにせよ、「俳句は好き好き」・「選は創作なり」です。

子規の忌や俳句HAIKUに明け暮れて」をご一読下さい。

    

青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

      

2022年10月28日 (金)

《水澄む・秋澄む・秋水》

   

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この写真は恐竜が対峙しているように見えた雲が面白くて撮ったものですが、ロシア(共産主義・専制国家圏)とウクライナ(資本主義・自由主義国家圏)が対峙している象徴として掲載しました。

  

プーチン大統領専制下のロシア軍のウクライナ侵攻が終結することを祈って書いた「花祭《21世紀の宗教・世界平和を考える》」をご覧下さい

世界の平和があればこそ日本の平和も維持できるでしょう。

    

水澄むや心清ませば分かること

        (薫風士)

   

世界の指導者が疑心暗鬼を生む対処的政策ばかりでなく、長期的観点で公明正大な政治を推進してくれることを切望して、拙句を口ずさみました

   

秋澄むや思ひ馳せるはウクライナ

水澄みしド二プル川を血に染むな

秋澄むや赤の広場時の鐘

混沌の宇宙の摂理秋澄みぬ

水澄むや本音を言えば失言に

政界の濁沈まるか秋の水

秋水まやかし政治決別を

良心が庶民の砦秋の

   

梅東風や届け世界にこの思ひ」や「戦争と平和(俳句と川柳:終戦記念日特集)」をご覧下さい。

  

水澄みて太鼓橋映ゆ心字池

丹波路の水分かれ橋や水澄めり

水澄む丹波恐ゐし峡の里

虹の木てふアートを映し水澄みぬ

秋澄むや福島池を巡る園

有馬富士映し大池水澄みぬ 

秋澄むや句友と巡る池の園

秋水の煌めく水車蔵の庭

     

掲句は故郷の秋を詠んだ拙句ですが、新型コロナ感染拡大防止の自粛も解除されたので、遠出の吟行をエンジョイしたいものです。   

楽しい秋の旅《秋吉台・錦帯橋・etc.」や「京都の旅《写真俳句集》」をご覧下さい。

  

秋澄むやステップ高き検診車

水澄みて澄みて水無きごとくかな

        (吉村玲子

上記の「水澄みて」の俳句は国際俳句協会第21回俳句大会伝統俳句協会賞受賞句です。

 

歳時記(俳誌のサロン)の例句を気の向くままに抜粋・掲載させて頂きます。

例句の詳細は青色文字(季語・タイトル)をクリック(タップ)してご覧下さい。

  

水澄む1

水澄みて由良の上流なりしかな 

        (稲畑汀子)

   

水澄む2

水澄めり今日何ほどを働きし 

         (岡本眸)

  

水澄む3

水澄みて四方に関ある甲斐の国 

        (飯田龍太)

 

水澄む4

水澄んで木の葉一枚流れ来る  

       (深見けん二)

  

水澄む5

山気澄み水澄む里の曼珠沙華 

        (落合絹代)

 

水澄む6

富士全容映ゆる湖水澄めり 

       (高木邦雄)

  

秋澄む

杞陽句碑但馬の国の秋澄める 

       (西村しげ子)

  

青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

 

   

2022年10月21日 (金)

故郷の《枝豆・黒豆》

  

写真俳句《旅の思い出》を作ろう! 

 

黒豆や和魂洋才目指すこと

黒豆や細やかなこと軽んぜず

黒豆やまめまめしき日茶寿目指し

黒豆を食みて地酒を恙無く

黒豆を摘みつ地酒至福かな

黒豆も原酒も地産屠蘇祝ふ

  

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実家の跡継ぎが「丹波黒」の枝豆や黒豆を沢山送って呉れたので、故郷が元気になることを祈りつつ、写真を掲載し、この記事を書くことにしました。

 

枝豆」は秋の季語、「黒豆」は新年の季語です。

    

わざわざ送ってくれるだけの美味さがあり、駄句を詠みました。

   

枝豆に偲ぶ故郷畔の道

枝豆や絆深めし同期会

枝豆を捥ぎて毒舌つまは馬耳

枝豆を捥ぎて語らふ馬耳の愚痴

枝豆と日本酒優し胃無き身に

枝豆とベビーチーズを肴にし

枝豆と地酒を愛でて恙無し

枝豆を摘み地酒を汲む至福

   

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年を取る毎に時間の過ぎる速さが加速しているのを痛感しています。

その加速の程度は、年齢の逆数に比例する感じです。

     

  

言い間違いや聞き間違いも日常茶飯事となり、「コミュニケーションに気を付けなければ」と思うこの頃です。

 

掲句の「つまは馬耳」とは、「馬耳東風」や「老い」のことです。

 

俳句では「夫」も「つま」と読むことがあり、遊び心で「つま」と平仮名表記にしました。

 

この俳句の「切れ」を何処に入れるか、「つま」を「妻」と「夫」のどちらに解釈するか読者次第です

    

歳時記(俳誌のサロン)の「枝豆」の例句から、共感した一句を抜粋掲載させて頂きます。

 

例句の詳細は青色文字をクリックしてご覧下さい。

    

枝豆やひと日になせること僅か

                      (菊地光子)

  

青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

  

2022年9月23日 (金)

プレバト「金秋戦2022」の俳句を考える

    

(P.S.2022.10.15)

お題「大谷翔平」を詠んだ梅沢富美男さん春風亭昇吉さん俳句の推敲

をご覧下さい。

  

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(写真)

TV-4ch.プレバト画面の一部分

   
今朝、ベアーマウスさんからのコメントを拝見して、この記事を書くことにしました。皆さんのご参考になれば幸いです。

  

白秋の雲穿ぐ右投げ左打ち

         (春風亭昇吉)

  

昇吉さんは綺麗な季語「白秋」を使い、中々工夫されていますが、この俳句は「字余り」であり、「穿つ」(うがつ)を「穿ぐ」(うぐ)と読むのも抵抗を感じます。

  

夏井先生は「撃つ」とか「裂く」などの代案を例示していますが、次のように添削すると良いと思います。

     

右投げの秋雲穿つ左打

    (薫風士の添削案) 

「穿つ」は「うがつ」と読んで下さい。

「右投げを秋雲穿つ左打」とすると、右投げ投手と左打の打者が対峙していることになりますが、添削した「右投げの」は「大谷翔平の右投げ左打ち」を意味していることが明瞭でしょう。

助詞「の」と「を」の違いで句意が異なり助詞の大切さの一例です

   

「秋雲を穿つ右投げ左打ち」とすると、「大谷翔平」を意味しますが、

「右投げの秋雲穿つ左打」とすると、「大谷翔平のホームラン」を意味することになります。

これは語順の違いにより句意が異なる例句として、語順の重要性を示すのに使えるでしょう。

昇吉さんの原句の「右投げ左打ち」という表現は上記の点が不明瞭です。

3位の査定は仕方がないでしょう。

とは言っても、俳句は好き好きです

藤本敏史さんの次の俳句(1位)や夏井先生の添削句がそれ程よい俳句とは思えません。

  

(敏史さんの原句)

大きく振りかぶって秋爽の只中に

  

(夏井先生の添削句)

大きく振りかぶって秋爽の只中

   

上記の薫風士添削句の「秋雲」は平凡な表現ですが、「5・7・5」のリズムに収め内容を充実して凝縮するための妥協です

  

夏井先生は梅沢富美男さんの俳句を7位に査定し、次のように添削しました。  

(梅沢さんの原句)  

ポケットにゴミ爽涼のユニフォーム 

  

(夏井先生の添削句)

マウンドのゴミ爽涼のポケットへ

    

大谷翔平が塵を拾いポケットに入れることは話題になったので夏井先生の添削も納得できますが、「爽涼」と「ポケット」という季語の取り合せにはやや抵抗を感じます。

梅沢さんの「爽涼のユニフォーム」は上手い表現であり、「ポケットにゴミ」ということとの取合せの面白さもあります。

夏井先生の査定に梅沢さんが剝れたのはもっともだと思います。

次のようにすると平凡ですが、誰にでも分かる俳句になるでしょう。

爽涼や塵ポケットへ二刀流

  

夏井先生は「二刀流」を誰も俳句に使わなかったことを高く評価していましたが、「軽み」や「わかり易さ」のある俳句がもっと評価されるべきだと思います。

薫風士の添削は、「大谷翔平のさりげない行為」に「投打の二刀流」のみならず、大谷選手の「野球人と社会人としての二刀流」に感銘を受けて、大谷選手の行為や人間性に「爽涼」を感じたことを表現したつもりです。

いずれにせよ、「俳句は好き好き」です。

自分の思いを口遊み俳句を楽しみましょう

    

プレバト 夏井先生の添削を添削する (添削記事特集編)」をご覧下さい。

     

以上、ご参考になれば幸いです。 

              

(2022.9.23)

キスマイ横尾さんの「檸檬」の俳句について

   

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(写真)

4ch.TV画面の一部分

  

夏井先生はキスマイ横尾さんの次の俳句について、「文句なしの素晴らしい一句」として、「金秋戦2022」Cブロックの2位に査定をしました。

  

丸善の古書フェア檸檬ケーキの香

  

この俳句は丸善のPRやエンタメ番組の俳句としては成功していますが、「5・5・8」の破調であり、一般的な俳句の例句としてはお勧めできません。

夏井先生は、この俳句から「横井基次郎の作品『檸檬』を否応なく連想する」とか言っていますが、ごく限られた人しかこの小説を知らないのではないでしょうか?

   

次のように「5・7・5」の定型にすると平凡でしょうか?

   

古書フェア檸檬ケーキの香りして

   

一般的な読者は、「古書フェアに檸檬ケーキの香りがしたという意外性を詠んだ俳句」と解釈して納得するのではないでしょうか? 

     

「丸善」と言えば、現在では東京丸の内の丸善本店を連想しますが、学生時代には神戸丸善、サラリーマン時代には大阪丸善、ともかく丸善に行く時間があれば洋書コーナーで新刊のベストセラーや日本文化紹介の英訳ものなどを買うことを楽しみにしていました。

故有馬明人氏が国際俳句交流協会会長当時に提唱された「俳句を通じて世界平和」をモットーにして、高浜虚子の俳句松尾芭蕉の俳句の英訳をして国際俳句協会のホームページに掲載して頂いています。

ご一読頂ければ幸いです。

    

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(写真)

4ch.TV画面の一部分

  

   

季語《東北忌・3.11》に思うこと」をご覧下さい。福島の復興を祈っています

    

9月22日のプレバトを見ると、「プレバト俳句 47都道府県 ふるさと王争奪戦」という新企画の「写真俳句」番組でした。

夏井先生の査定や添削も納得できる興味深い番組で、お勧めですが、「俳句HAIKU」の写真俳句は、写真と俳句をセットして観光案内用ポスターにするプレバトの「写真俳句」とは趣旨が異なり、「吟行地を紹介し、読者が写真を自然に見立てて疑似吟行をするのに参考になること」を意図しています

       

青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

トップ欄か、この「俳句HAIKU」をタップすると、最新の全ての記事(タイトル)が表示されます。記事のタイトルをタップ(クリック)して、ご覧下さい。

    

2022年9月11日 (日)

秋暑し9.11のクリーンデー(改定版)

    

タイトルはブログ用の拙句ですが、「9.11」と言えば、2001年に起きたアメリカ同時多発テロ事件を思い出します。

 

プーチン大統領下のロシア軍のウクライナ侵略行為とそれに対する経済制裁で多くの人々が犠牲になっていますが、又、イスラエルはハマスの殲滅を目指してパレスチナへの軍事攻撃を始めました

   

マスコミはその時々の現象を捉えて報道していますが、人気タレントを集めた興味本位の報道ばかりでなく、深く掘り下げた取材をして根本的な解決策を考える識者の提言をもっと報道に取り上げて欲しいと思っています

   

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9月11日の自治会のクリーンデーに参加しました。

  

政界もクリーンにして政治に対する国民の信頼を取り戻してほしいものです

            

タイトル(俳句)の「9.11」は「きゅーいちいち」と読んで下さい。

先日書いた「俳句HAIKU」の記事「著名俳人の季重なり俳句集」に因んで、草取りの状況などを敢えて季重なりのブログ用まんぽ俳句に詠みました。

  

虫の音朝は涼しきクリーンデー

 

草取りて手袋脱ぎて汗拭ひ

 

クリーンデー終へれば秋の真夏日」に

 

クリーンデー秋の夏雲帰路の空

      

青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

    

2022年9月 4日 (日)

著名俳人の「季重なり」俳句集

  

2022年は「敬老の日」が9月19日となり、「子規忌・獺祭忌」と重なりました  

「季重なり」の俳句が「名句」か「迷句」か、よく議論になりますが、「論より証拠」、気の向くままに著名俳人の「季重なり」の俳句を集めました。

   

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(写真)

日本伝統俳句協会9月のカレンダー

   

(写真はタップ拡大できます。)

  

   

        

著名俳人の「季重なり」の俳句を気の向くままに掲載します。

   

松尾芭蕉・1644~1694)  

 

春や来し年や行きけん小晦日   

鶴の毛の黒き衣や花の雲

         

「小晦日」は「こつごもり」と読み、「冬の季語」です。

「鶴」は「冬の季語」ですが、「花の雲」が季語として主でしょう。

   

与謝蕪村・1716~1784

 菜の花や月は東に日は西に

 寒月や門なき寺の天高し 

「菜の花」は春の季語、「月」は秋の季語です。

寒月」は「冬の季語」、「天高し」は「秋の季語」です。

    

正岡子規・1867~1902

運動会の旗あちこちす春の山 

夕月に大根洗ふ流かな         

運動会」は「秋の季語」ですが、「春の山」が主な季語でしょう。

月」は秋の季語ですが、「大根」は冬の季語です。

      

高浜虚子・1874~1959

鴨の嘴よりたらたらと春の泥

朝顔の映り熱帯魚は沈む          

「鴨」は「冬の季語」ですが、「春の泥」が季語として主でしょう。

朝顔」も「熱帯魚」も「夏の季語」です。

国際俳句交流協会の「高浜虚子の俳句をバイリンガルで楽しもう!」には掲句の他にも「季重なり」の例句があります。

   

種田山頭火・1882~1940

雪かぎりなしぬかづけば雪ふりしきる

夕立が洗つていつた茄子をもぐ

」の俳句は、「冬の季語」が二つあり、破調「7・5・7」の自由律俳句です。

夕立」も「茄子」も「夏の季語」です。

   

中村草田男・1901~1983

手の薔薇に蜂来れば我王の如し

宵月のやがて大根の葉に照りぬ          

薔薇」も「」も「夏の季語」です。

月」は「秋の季語」、「大根」は「冬の季語」です。

   

水原秋櫻子・1892~19081

谷深くうぐいす鳴けり夕霞

啄木鳥や落葉をいそぐ牧の木々         

うぐいす)」も「」も「春の季語」です。

「啄木鳥」は「秋の季語」、「落葉」は「冬の季語」です。

   

星野立子・1903~1984

美しき緑走れり夏料理 

障子しめて四方の紅葉を感じをり   

「障子」は「冬の季語」、「紅葉」は「秋の季語」です。          

「緑」も「夏料理」も「夏の季語」です。

言語の壁を破るチャレンジ(6)《夏料理》」をご覧下さい。

   

金子兜太・1919~2018

霧に白鳥白鳥に霧というべきか

流れ星蚊帳を刺すかに流れけり           

「霧」は「秋の季語」、「白鳥」は「冬の季語」です。

「流れ星」は「秋の季語」、「蚊帳」は「夏の季語」です。

コロナ禍の俳句鑑賞《流星》」をご覧下さい。

   

稲畑汀子・1931~2022

桜よりはじまつてゐる初紅葉 

苗代寒さそへる雨となりにけり           

「苗代寒」は、現代俳句協会「現代俳句データベース」によると、「春の季語」です。

この俳句は、切れを「苗代」と「寒さ」の間に入れて読むと句意が明瞭ですが、「苗代」は「春の季語」、「寒さ」は「冬の季語」です。

「桜」は「春の季語」、「初紅葉」は「秋の季語」です。

俳句の鑑賞 《初紅葉・薄紅葉》」をご覧下さい。

          

鷹羽狩行・1930~

稲刈りの進めば進む蝗かな

梅雨磧湿らぬ翅の蝶をのせ

「稲刈り」も「蝗」も秋の季語です。  

梅雨」は「夏の季語」、「蝶」は「春の季語」です。

  

岩岡中正・1948~

はくれんの落花を掃くといふ仕事

「はくれん」は、「ハクモクレン」(白木蓮)と解釈すると「春の季語」ですが、「白蓮」と解釈すれば「夏の季語」です。

「落花」は主に桜の花の落花を意味する「春の季語」です。

この俳句の場合、「白蓮の落花」と解釈すると「夏の季語」になるでしょうが、「白木蓮の落花」(春の季語)と解釈すべきでしょう。

作者は「はくれん」と平仮名で記述して、「俳句の解釈の面白さ」を狙ったと考えるのは穿ち過ぎでしょうか

  

室生犀星・1889~1962

とんぼうの腹の黄光り大暑かな           

「とんぼ」は「秋の季語」ですが、「大暑」は「夏の季語」です。

 

村上鬼城・1865~1938

小春日や石を噛み居る赤蜻蛉           

「小春日」は「冬の季語」、「赤蜻蛉」は秋の季語です。

「俳句《とんぼ・蜻蛉・秋茜・赤蜻蛉・やんま》」をご覧下さい。

   

季節の移ろいや時間の流れを詠むと、必然的に「季重なり」になります。

  

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著名俳人の掲句や写真の後に掲載した拙句などを読むと、納得して頂けるのではないでしょうか。

「季語を二つ用いた俳句はダメ」という観念に捉われている主宰やその信奉者は表現の幅を狭めて俳句をつまらなくしていると思います。

 

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真夏日に句友の呉れし林檎愛づ

カナカナの声鎮まりて法師蝉

法師蝉夕日に黙し虫の声

新涼の日暮れの漫歩虫時雨

爽やかや野分の進路遠ざかり

       (薫風士

   

「野分」は「台風」のことです。

高浜虚子の詠んだ次の俳句安倍晋三元総理大臣の国葬の是非論支持率低下の最中にある岸田総理大臣の現況や今年の出来事に当てはまると思っています。

   

人生の台風圏に今入りし

去年今年貫く棒の如きもの

年を以て巨人としたり歩み去る

時ものを解決するや春を待つ

       (高浜虚子)

   

戦時下の自由にものが言えない時代に、高浜虚子は客観写生を唱道することによって正岡子規から引き継いだ俳句の伝統を守ったと思っていますが、現在は自由に物の言える民主主義の時代です。

何事も好き好き俳句も好き好きです。

一歩踏み込んでよく考え多様性の時代の俳句をエンジョイしましょう

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それが、結果として、「俳句を通じて世界平和を!」の実現に繋がれば望外の喜びです。

   

   

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