俳句 (Haiku) Feed

2019年10月27日 (日)

蜘蛛・蜘蛛の糸《即位礼に思う》

 

(2024.11.4 更新)

蜘蛛の囲や昭和生まれの己が役

  

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この写真は、一匹で餌を待ち構えている蜘蛛や親子の蜘蛛、ジグザグの面白い形をして朝日を受けて光っている蜘蛛など、様々です。

写真をタップ拡大してご覧下さい。

  

(2019.10.27の記事)

和を祈る即位の礼や蜘蛛の糸  

        (薫風士) 

     

蜘蛛に生れ網をかけねばならぬかな  

       (高浜虚子) 

      

蜘蛛の囲や親子三匹餌食待つ         

虚空より蜘蛛も人間見つめをり 

        (薫風士)

    

今日(10月22日)は「即位礼正殿の儀」が行われました

令和の時代も平成の時代と同様に日本国民の象徴として両陛下が国際親善を推進される平和憲法の大原則が永久に堅持されることを祈っています。

  

「即位礼の句に蜘蛛の俳句とはけしからん」とおしかりを受けそうですが、昨日深田公園など散歩していて親子らしい蜘蛛が3匹いる蜘蛛の巣が目についたので写真を撮りながら高浜虚子の俳句がふと浮かんだのがこの記事のきっかけです。

 

蜘蛛の糸は肉眼で見えたのに写真には殆ど写っていないのが不思議でしたが、今朝撮った蜘蛛の囲は太陽光線の向きによっては写真に写っていました。

  

この記事の原稿を書いている間に、「即位礼正殿の儀」関連のテレビ放映がどんどん進展したので冒頭の拙句を掲載する羽目になりました。

  

蜘蛛は夏の季語ですが、思いつくままに掲句を作り、天皇陛下のお言葉や、芥川龍之介の短編小説「蜘蛛の糸」の寓話や高浜虚子の掲句に思いをはせ、世界平和を祈りつつこのブログを書く次第になりました。

  

蜘蛛は、人間界のことに関心があるのか無いのか、相変わらずあちこちに蛛の囲を張っていました。

ウイキペディアの解説によると、蜘蛛の巣を張らない蜘蛛も居るそうで、高浜虚子の掲句が必ずしも当て嵌らないことを知り、大自然の摂理を再認識しました。

 

ちなみに、「蜘蛛も」と助詞「も」を用いたのは、「虚空蔵菩薩の化身である明星のみならず蜘蛛も人間の営みを見ているよ」と言いたいからですが、「それは独りよがりで分からないよ」と批判されるでしょうね。  

    

(青色文字をタップすると、関連の解説記事などをご覧になれますが、ここの青色文字(「俳句」や「HAIKU」)をタップすると、「俳句HAIKU」の最新の俳句や英語俳句の記事をご覧になれます。

   

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2019年10月14日 (月)

俳句の三要素(素材・季語・切れ)を考えよう

     

先日、テレビ番組「プレバト」で、ミッツ・マングローブさんの俳句について夏井いつきさんが絶賛したことが納得できず、『俳句の三要素』についてふと考えました。

  

俳句は原則として5-7-5の17音で表現することは誰でも知っていますが、次の三つが重要なことは俳句を作る人の常識でしょう。

 

(1)何を『素材』に詠むか?

(2)その素材に合う『季語』は何か?

(3)素材と季語を生かす『切れ』は何か?

   

夏井先生が「直し無し・1ランク昇格」の査定をしたミッツさんの俳句は次のとおり5-7-7で口調は良いですが、俳句としては破調です

   

秋声に褪する石灰最終種目

 

この俳句が破調であることは度外視しても、「直し無し」の昇格査定はミスジャッジであると思いす。

  

この俳句の三要素は次の三つに分析できます。

(1)素材は「石灰」と「最終種目」

(2)季語は「秋声

(3)切れは「に」と「石灰」の二か所

   

季語と素材の取合せをみると、「秋声」は「褪する石灰」とはマッチしますが、運動会の「最終種目」は特に大きな声援を伴いますので、物寂しい気持ちを表す「秋声」とはミスマッチです。

  

また、切れが二つあると、三段切れとなり、句意にまとまりが無くなりがちで、一般に「切れ」は一つが良いとされます。

 

この俳句は、「秋声に褪する石灰」と続けて読めば、「切れ」を一つに出来ますが、石灰は秋声に褪せるのではない(強いて言えば、運動会の声援に褪せる)ので理屈に合いません。

 

従って、夏井先生の査定は誤りであり、フルーツポンチ村上さんが腑に落ちない顔をしたのも当然でしょう。

   

夏井先生の歯切れの良い査定も間違っていることがあり得ますから、先生のコメントは参考として、皆さんが自分自身の感性で上記の三要素をよく考えて、俳句を楽しみながら上手くなることを願っています。

 

ミッツさんの俳句の問題点の詳細や添削に興味があれば、プレバト俳句の「運動会・秋声」について一言」をご覧下さい。

     

最新の俳句や英語俳句の記事は、青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップしてご覧下さい。

  

  

2019年10月12日 (土)

プレバト俳句の「運動会・秋声」について一言

        

応援の声運び來や若葉風

大太鼓響く遠音や若葉風

      (薫風士)

 

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この写真は、まんぽ道で偶然に見かけた小学校の運動会練習風景です。

    

   

「プレバト」は、夏井先生のコメントに司会者とタレントが賑やかに反応し、エンターテイメント性があり、テレビの俳句番組として人気絶頂の感があります。   

この番組は、俳句のブログを書いている者として、見落とすべきではないと思い、先日も見ていたところ、ミッツ・マングローブさんの次の俳句に対する夏井先生の歯切れの良い査定・裁きが腑に落ちなかったので、一言コメントさせて頂きます。

   

秋声に褪する石灰最終種目

 (ミッツマングロ-ブ)

 

この句の「最終種目」(運動会)と「秋声」の取合せに対する夏井いつき先生の査定(「直し無し」の大絶賛・1ランク昇格)は腑に落ちません。

 

原句では、運動会の最終種目がリレーだとか、最後のリレーが終了したとは解釈できませんが、ミッツさんも夏井先生も最後のリレーを詠んだ俳句であると明言しています。

 

ご承知の通り、運動会の最後のリレーでは応援の声が一層大きくなるのが普通ですから、「季語『秋声』には『運動会の声援』など賑やかな声も含む」と、新しい解釈をするなら、「直し無しの大絶賛・1ランク昇格」も当然でしょうが、夏井先生も一般の歳時記などの解説のように、「『秋声』は『秋の物侘しい気持ちの季語』である」と解説しているのですから、この俳句の「秋声」と「最終種目」の取り合わせは明らかにミスマッチです。

 

この俳句に対するフルポン村上さんの反応は夏井先生の査定より正しいと思いますが、夏井先生は、この俳句の何か心地よい魅力的な響きや「褪する石灰」とか「最終種目」という表現に惑わされて、早とちりしたのではないでしょうか?   

 

「この俳句の作者は大きな声援さえも秋声と感じていたのだ」と解釈するなら、「秋声に」を「秋声や」に替えて、次のように添削すべきでしょう。

 

(添削句A案)

秋声や褪する石灰最終種目

  

或いは、破調ですが「秋声」を「秋晴」に替えて次のようにしてはどうでしょうか?

 

(添削句B案)

秋晴に石灰褪する最終種目

  

夏井先生のコメントのように、最後の運動会が終わったという感慨・物侘しさを詠んだ俳句に手直しするとすれば、たとえば、次のように修正すれば季語の取り合わせの違和感もなくなり、俳句の良し悪し・好き嫌いはともかくとして、読者は作者の気持ちに共感できるるのではないでしょうか?

    

秋の声リレー終りし石灰に

リレー果て褪せし石灰秋の声

全種目果てし石灰秋の声

        

ちなみに、村上健志(フルーツポンチ)さんの次の俳句に対する夏井先生の査定には納得できます。

 

リレーバトン空のケースにいぼむしり

 

フルポンさんは夏井先生の査定(一つ後退)を厳しすぎると思っているようですが、名人のレベルとしては甘受すべきでしょう。

夏井先生の次の添削句も納得でるでしょうね?

 

リレー練習バトンケースにいぼむしり

       

「秋声」は「秋の声」とも言い、文字通り「秋」の季語ですが、この季語から受ける印象は人それぞれでしょう。

 

ここをクリックして、「俳句HAIKU」の「秋の声・秋の水・秋の空」をご覧下さい。

  

青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

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2019年9月27日 (金)

秋声や芭蕉館への句碑の路

  

芭蕉の俳句300句の英訳にチャレンジしているので、参考資料を求めて大垣市の芭蕉館「奥の細道むすびの地記念館」を9月18日に訪ねました。

水門川沿いにある、芭蕉が奥の細道で詠んだ俳句の句碑や銘板などを読みながら、記念館まで「四季の路」の漫歩をエンジョイしました。川面が一瞬光るのが目に入ったので、よく見るとでしょうが潜りながら泳いでいました。

途次2~3か所にあるトイレは、「貴船橋手洗場」など風流な名前が付けられてきれいに手入れされており、壁に芭蕉の俳句の銘板が貼ってあるのが印象的でした。

芭蕉記念館は充実していたのでかなり参考になりましたが、概要は下記のURLをクリックしてご覧になれます。俳句に興味が有れば勿論のこと、無くても一見の価値があります。

http://www.ogakikanko.jp/spot/kinenkan/

 

大垣・芭蕉館の一端を紹介する薫風士の俳句と写真をご笑覧下さい。青色文字の季語をクリックすると歳時記(俳誌のサロン)や「575筆まか勢」の俳句をご覧になれます。写真はクリックすると拡大します。

  

金風を芭蕉の句碑の「四季の路」

爽やかなトイレの壁に芭蕉の句

・閉店の駅前デパート秋の風

秋風や芭蕉俳句の町興し

風白し八幡宮のさざれ石

・絶えざるや「被爆地の跡菊の花

の潜る水門川や街映ゆる

秋水に映ゆ新庁舎工事中

爽やかな自噴の水やをちこちに

さはやかや掃除ガイドのボランティア

・売店の地酒新酒か芭蕉館

の旅しめの地酒を飲み干せり

   

 ところで、芭蕉が市振で詠んだ俳句「一家に遊女も寝たり萩と月」の句碑に興味があり、その解説を詠むと、ルビが「ひとついへ」となっていましたが、「ひとつや」に訂正すべきではないでしょうか? 芭蕉記念館の黛まどか名誉館長はビデオ解説で「ひとつや」と読んでいましたよ。

  

ちなみに、芭蕉は何故この俳句に「萩と月」を取り合わせにしたのか、不思議に思っていましたが、「萩と月」と言えば、当時の絵画などでは「兎」をセットにすると定番になるところを、「遊女」と取り合わせにして、しかも、「遊女」の後の助詞を「と」にすると「当り前」になるので、「も」にして「思わせ振り」にすることでこの句の面白さ・俳諧味を狙ったものだろうと思い当たりました。

     

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2019年9月26日 (木)

楽しい秋の旅《秋吉台・錦帯橋・etc.》

  

句に遊びドライブ旅行秋高し

  

立秋から約1月たちますが、爽やか秋晴というよりも猛暑の中をドライブし、山口県の角島元乃隅稲荷神社龍宮の潮吹別府弁天池秋吉台秋芳洞岩国城錦帯橋笠戸島夕日岬柳井白壁の町並み須佐ホルンフェルスなど、写真スポットを訪ね、吟行をエンジョイしました。

   

タイトル句の季語「秋高し」は、この吟行(9月5~7日)の季語には必ずしもピッタリしませんが、季語紹介のために敢えて使いました。俳句歳時記の解説は次のとおりです。

「秋になると大気が澄み、空が高く感じられる。その趣を秋高しという。ことに十月下旬からがこの季節といえよう。」

  

俳句に詠んだ風景の写真は最後に掲載します。先ずは薫風士の単純明快な観光スポット紹介の吟行句をご笑覧下さい。    

青色文字の季語をクリックすると歳時記俳誌のサロン)や「575筆まか勢」の俳句をご覧になれます。

 

角島へ渡る大橋秋暑し

秋暑し」より、夏の季語「風涼し」を使う方が実態に合い良い俳句になります。敢えて秋の季語を使いましたが、「今は秋だから夏の季語を使うな」という考えではありません。そいう考えは本末転倒でしょう。「季語は実態に合わせて使えばよい」と思っています。)  

   

秋夕焼け千畳敷の大風車

(「夕焼」は夏の季語とされていますので、「秋夕焼け」としています。「風車」は春の季語ですが、もともとは玩具の風車を指していましたので、発電用の大風車は年中使用されるものであり、従来の季語の概念が当てはまりません。)

  

金風や鳥居に残る朱の香り

鳥居の香抜けて爽やか怒涛の香

腹這ひて覗く怒涛や秋の潮

龍宮の潮吹き未だ秋の潮

湯元なる露天湯独り秋の声

秋の風峡の湯宿の清流に

峡の川色なき風や町旧び

秋水の弁天池のエメラルド  

秋の雲走る大影秋吉台  

闇深し秋水響く秋芳洞  

スマホ手に錦帯橋を秋日傘 

秋水の浅瀬キラキラ錦帯橋

岩国城望む秋水錦帯橋

甘露てふソフトクリーム醤油味 

秋暑き白壁街をアイス手に

爽やかトイレも前の築山も 

秋潮ホルンフェルスの怒涛かな

秋潮ホルンフェルスの洞にゴミ

秋の潮怒涛覗けば足竦む

足竦む大断崖や天高し

      

余談ですが、景勝地にプラスチックごみが溜まっているのは悲しいことです。ペットボトルなどのポイ捨て防止を促進しましょう。

   

最後に、何十年ぶりかに口にしたフグ料理の拙句を掲載します。

ぬぐひほっと一息ふぐ料理

ひれ酒に初秋の旅を惜しみけり

  

ちなみに、「」は夏の季語、「鰭酒」は冬の季語ですが、実態に即して俳句を作れば良いと思っています。あまり季語の使用を制限すると、表現の幅が狭まり、俳句が面白くなくなるでしょう。

    

(写真はクリックすると拡大します。プレバトに限らず、俳句は好き好きです。写真を見て好きなように俳句を作ってお楽しみ下さい。)

       

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2019年9月 5日 (木)

    

「秋の声」「秋の水」「秋の空」

    

今日は深田公園をまんぽしながら、メタルアートなどを見たまま気の向くままに俳句に口遊み、深田公園紹介の俳句を作りました。

青色文字の季語をクリックすると「歳時記」などの俳句をご覧になれます。俳句に詠んだ風景を写した最後の写真もご覧下さい。

   

園に舞ふメタルア-トや秋の声

秋声やメタルアートの園の舞

 (深田公園をご存知でなければ、「季語『秋声』の取り合わせがミスマッチだ」と批判されそうです。)

          

虹の木てふアートを映し水澄みぬ

 語調を考慮して「秋の水」を意味する季語「水澄む」を使いました。)

  

蝗浮き百足溺れしアート池

(「いなご」は秋の季語、「むかで」は夏の季語です。季節の移ろいです。)

    

秋の空「時のリズム」てふアート舞ふ

(「てふ」は「という」意味です。)

  

ホロンピア館アートの玻璃に秋の空

(「ひとはく」のホロンピア館は建築家・丹下健三の設計でユニークです。) 

   

ところで、季語「秋の声」の解説は次のように歳時記によって異なります。

 

(カラー図説 日本大歳時記)

「秋は空気が澄んでいるので、遠くの物音でもはっきり聞える。秋の夜など、静まりかえった中に、何音とも知れぬ声が、ジーンと耳に響くことがある。秋の蕭颯(しょうさつ)たる風雨の音、その他木の葉、笹の葉、荻の葉のそよぎ、落葉や、虫の声などにも、秋の気がこもって、もの寂しく時には一種のすごみさえ感じられる。」

(山本健吉の解説によると「秋声」は和漢朗詠集に出ている詩文まで遡りますが、長文の解説なので以下省略します。)

  

(合本 現代俳句歳時記 角川春樹編)

「秋澄むという季語があるとおり、この清澄な季節なればこそ、すべての物音に耳は聡くなる。遠くの物音でも耳はそれを拾ってしまう。ちょっとした風の葉ずれの音、木の葉に当たる夜更けの雨音、なにもかも、心が内に向かう季節にはふさわしい。作例によっては、必ずしもこれといって具体的な物音を指さない場合のもあり、秋の気配のようなものを捉えて秋の声ということもあるようだ。」

  

(「俳句歳時記」 SHARP電子辞書 

「秋になると雨風の声、物の音などの響きすべてが敏感に、しみじみと感じられる。またこういった具体的な音でなくとも、秋の気配に感じて心の耳に聞こえる声のことをもいう。」

   

(ホトトギス俳句季題便覧 CASIO EX-word電子辞書)

「耳に聞こえるというのではない。心に感ずる音、すなわち秋の気配といったものである。」  

      

このように、歳時記によって季語「秋の声」の解釈が異なります。

ともかく、自分の感性で個性を発揮して未来志向で句作を楽しみましょう。松尾芭蕉は「不易流行」と言い、高浜虚子も同様の趣旨で「古壺新酒」と言っています。

    

青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

  

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2019年9月 1日 (日)

俳句の日スマホで遊ぶ季語パズル

    

(2024.1.13 更新)

「8月19日」は「俳句の日」とされていますが、このダジャレに習うと、「1月19日」は「いい句の日」となり、「4月19日」は「良い句の日」です。

    

今年(2024年)は元旦早々に能登半島地震が起こり、屠蘇気分が吹っ飛びました。

被災された方々へのお見舞いと、救済・支援にご尽力頂いている方々への感謝と敬意を込めて記事を更新しました。

  

《初仕事・仕事始・出初》能登半島地震緊急支援にオスプレイを!」や

言葉の力・俳句の力《癒し》、「俳句《涼し》死の話をご覧下さい。

      

(2019.9.1の記事)

タイトルは若いスマホ世代にも俳句の面白さを知ってほしいとの思いで作った川柳もどきのタイトル句です。        

俳句の鑑賞や句作に必須である歳時記国語辞典は、スマホを使いこなせる世代には、スマホでもかなり利用出来るようになりました。  

     

青色の文字(タイトル)をクリック(タップ)して、  

芭蕉俳句10句の季語クイズ・ゲーム

虚子俳句15句の季語クイズ 

芭蕉や虚子の面白い俳句をまとめました

をご覧下さい。

   

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2019年8月31日 (土)

下馬評や法師蝉鳴く永田町

「法師蝉」と「蜩」

  

今朝の町杜鵑去り法師蝉

法師蝉終日鳴くや丘の街

かなかなに鴉の遠音微睡みぬ

  

青色文字(季語など)をクリックして、歳時記(俳誌のサロン)の俳句やリンク記事「政治談議」・「蝉しぐれと山眠る」(政治家の引き際)をご覧下さい。

「法師蝉」(=「ツクツクボウシ」)と「蜩」(=「かなかな」)は、種類の違う蝉の一種ですが、いずれも秋の季語です。

    

青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

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俳句雑感(6)《季語と切れ字》「猛暑日」と「立秋」

    

(2024.9.14更新)

猛暑日やビルは虹色夕日差し

虹色に酷暑の夕日ビルを染め

新米を高値にしたる猛暑かな

         (薫風士)

   

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まん歩で見かけた猛暑の夕日に映えるビルの情景を駄句に詠みました。

 

2024.6.14  朝のNHK天気予報

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京都は早くも猛暑日になる予想です。

  

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(2023.8.13 更新記事)

今日(8月13日)は「迎火」です。

台風7号が発生していますが台風による災害が大きくならないことを祈るばかりです

  

猛暑日の早朝まん歩句を口に

猛暑日やLINEで交はす老の愚痴

この極暑老躯に欲しき剛健さ

   

(2019.8.31)

tenki.jpによると、7月31日に東北北部も梅雨明けとなり、日本列島は猛暑日となりました。  

梅雨明けは猛暑日なりし七月尽

    

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掲句は、強いて俳句と言うなら、話題提供の「報道俳句」です。

この俳句は「梅雨明け」「猛暑日」「七月尽」と季語が3つあり、一般的な俳句ではありません。

「猛暑日」は2007年以降に用いられるようになった言葉なので私の歳時記には有りませんが、季語として扱うべきでしょう。

  

猛暑日や熱中症の孤独死も

  

この俳句は世相を表す川柳にする方が相応しい内容です。

伝統俳句の「梅雨明け」の例句はここをクリックしてご覧下さい。

   

立秋や名のみの秋の猛暑かな

 

この俳句は二つ「切れ字」(詠嘆の「や」と「かな」)があり、季語も三つありますので、一般的には「ダメ俳句」として批判されるでしょう。しかし、「はや立秋になったんだ」という感慨と、「それにしても猛暑だな」という二つの感慨を共に表す俳句として是認してくれる俳句の先生が居てもよさそうですが、いないのでしょうか?  

  

今年の立秋88日ですが、天気予報によると未だ「猛暑日」や「真夏日」が続いています。

このように、実際の季節感と歳時記の季語にずれがあるのは、陰暦(旧暦)に基づいていた二十四節気が太陽暦(新暦)に当てはめられた結果ですが、地球温暖化による異常気象の影響も無視できないでしょう。

   

余談ですが、中国やインド、米国、ロシアなどの人口巨大国が率先して温暖化対策を促進しなければ、将来の地球環境はどうなっていくのか心配なことです。

世界の指導者として、米国トランプ大統領には大いに反省して頂きたいですね

トランプ大統領は「積み木崩しゲーム」の崩すことばかりやっているような気がします。 

トランプ大統領とその取り巻きは、世界の緊張が高まり、米国の軍需産業が繁栄すれば良いと、「アメリカ・ファースト」を唱道しているのでしょうか?

  

国際条約を簡単に反故にする風潮が蔓延ると、平和な世界の秩序が維持できなくなります。

次の選挙では、米国市民が世界のリーダーとして相応しい大統領を選ぶ良識を発揮してくれることを祈るばかりです。

  

トランプに振り回される世界かな

  

日本の政治家もしっかりしてほしいものですが、庶民は、憤懣やるかたなくても、川柳を口ずさみ、ぼやいているしかありません。

   

最後の写真は日本伝統俳句協会8月の俳句カレンダーの一部です。

写真をクリックして拡大し、掲載された俳句をご覧下さい。

短冊の稲畑廣太郎氏の「丸ビル」の俳句は、秋めいた景色が丸ビルの窓ガラス越しに見えたことを詠んだのでしょうが、ガラス窓に映っている初秋の情景を詠んだものかもしれません。

(「玻璃」は「ガラス」の意味です。)

  

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

  

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2019年8月30日 (金)

「蜩」《俳句文法:助詞「の」と「を」》

         

(2023.7.22 更新)

(ひぐらし)は「秋の季語」ですが、昨年は「大暑」に鳴き始め、今年も7月21日の朝から鳴き始めていました。

法師蝉」と「」は別の種類の蝉です。

    

蜩の未明の声に目覚めけり

微睡にかなかなの声我が癒し

    (薫風士)

   

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昼寝から目覚め法師蝉の声を聞きながら、「575筆まか勢」の「蜩の俳句」を読んでいると、次の鷹羽狩行の俳句が目にとまりました。

   

かなかなの声のはるかにはぐれ鹿 

  

作者は、蜩の声を聞きながら、遠くに見えた一匹の鹿をこの俳句に詠んだのだと思いますが、この句の「声の」を「声を」に変えて、「かなかなの声をはるかにはぐれ鹿」にすると、作者は鹿の傍で蜩の遠音を聞いていることになるでしょう。

あるいは、そのょうな心象風景を詠んだ俳句とも解釈できます。

  

「俳句では『の』を使うと詩的になって良い」と言われますが、闇雲に「の」を使うのではなく、自分の居る場所と俳句に詠む対象との位置関係などを考慮して、「と」「に」「の」「へ」「や」「を」など、助詞の使い分けをすることが大切でしょう。

  

助詞の使い方の一端を述べましたが、ここをクリック(タップ)して『父の日』の楽しい句作と鑑賞:助詞 《や・の・を・も・に・と・は》」をご覧下さい。

俳句における助詞の活用のご参考になれば幸いです。 

     

青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

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2019年8月27日 (火)

俳句《朝霧・霧・冬霧》

    

(2023.12.13 更新)

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朝霧に子等と体操日を仰ぎ

冬霧の丹波の一日仲良しと

     薫風士  

  

俳誌のサロンの歳時記から霧を詠んだ俳句を抜粋・掲載させて頂きます。

例句の詳細は青色文字(季語)をクリックしてご覧下さい。

  

朝霧1

朝霧に浮く宮島の鳥居かな

     (朝妻力)

  

朝霧2

朝霧のトマトは愛子桃太郎

       (徳田千鶴)

  

霧1

夜の霧の深きことのみ云ひ別れ   

    (本橋愛子)

   

霧2

那智谷の霧吹上ぐる瀧見台 

    (藤谷紫映)

   

霧3

霧晴れて指呼に見えたる槍ヶ岳 

    (伯井茂)

  

霧4

霧切れて山小舎近し星鴉 

   (伊藤いな栄)

   

霧5

遠く鳴くいかるの声も霧の中 

    (小島三恵)

  

霧6

吹かける霧にむせけり馬の上 

      (一茶

   

霧7

吉野川覆ひ隠して霧流る 

    (鈴木蕗子)

  

霧8

霧茫々現はれ消ゆる牛の貌 

   (長谷川史郊

  

霧9

峻嶮を駈けたる霧の早さかな 

    (桑田青虎)

  

霧10

人声の遠くに霧のかくれ里 

   (長沼三津夫)

  

霧11

来て見れば霧の摩周湖視界零

     (筏愛子)

  

霧12

ミュージカルはねて大都の霧を吸ふ

    (泉田秋硯)

  

霧13

海峡に汽笛往き交ふ霧月夜 

    (石本秋翠)

  

霧14

丹波路は海の底めく霧の朝 

   (倉橋あつ子)

  

霧15

霧霽れてスカイツリーの伸び上がる 

   (稲畑廣太郎

 

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事のタイトルが表示され、この「俳句HAIKU」をタップすると最新の全ての記事のタイトルが表示されます。

タイトルをタップしてその記事をご覧頂ければ幸いです。

     

2019年8月25日 (日)

(俳句)《爽やか・虫の声・法師蝉》

  

(2025.10.9 更新)

爽やかや翔平の笑み幼顔

 

爽やかやリ-グ優勝タイガ-ス

 

爽やかや花と緑と水の街

 

爽やかや野分の進路遠ざかり

  

著名俳人の『季重なり』俳句集」をご覧下さい。

台風による災害に苦しんでおられる方方には到底「爽やか」な気分になれず、掲句に共感されないでしょう。お見舞い申し上げます。

掲句は敢えて「季重なり」で詠んだブログ用の拙句です。

  

(2019年8月25日の記事)

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今年の夏の全国高校野球大会履正社(大阪)が星稜(石川)を下し、初優勝をしました。  

炎天下の全国高校野球大会が終わると、猛暑熱帯夜から解放され、昼間は真夏日ですが朝晩はめっきり涼しくなり、「夜の秋」(夏の季語)がピッタリします。 

     

薫風士の「初秋」の「まんぽ俳句」を3句掲載しますが、各季語をクリックすると歳時記俳誌のSalon)の俳句をご覧になれます。

   

爽やかラジオ体操影伸ばし  

虫の声今朝の体操終へし帰路   

うたた寝の気怠き目覚め法師蝉

  

今朝は体操の帰りに小学校の校庭の土手から虫の声が聞こえました。

昼間は賑やかだった蝉の声が聞こえなくなり、ツクツクボウシが頻りに鳴きだしました。

 

青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

  

2019年8月20日 (火)

俳句雑感(7)金子兜太の「炎天」の俳句(改訂版)

     

(2025.1.19 更新)

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戦後80年間、日本は平和憲法のお陰で、戦争に巻き込まれること無く、平和裏に過ごすことが出来ました。

 

冒頭の写真は、2025年1月19日に広島平和記念公園前をスタートとゴ-ルにして開催された都道府県対抗全国男子駅伝のNHK-TV ニュース画面の一部分です。

 

(2019.8. 20の記事)

2019年8月、「炎天下」の甲子園における高校野球全国大会をNHK・TVで観戦しながら、「炎天」の俳句を作ろうとして、ふと金子兜太の有名な俳句のことを思い浮かべました。

  

水脈の果炎天の墓碑を置きて去る

  

この俳句は5・8・5の破調です。

一般的に、俳句の「中七」の字余りは良しとされません。

しかし、この俳句を、例えば、「水脈の果炎天の墓碑置きて去り」とか、「炎天の墓碑置き去りし水脈の果」、「戦友の墓碑炎天の水脈の果」などと、5・7・5の定型に収めると破調のインパクトが無くなり、作者の痛恨の思いを表現しきれない気がします。

 

このように、俳句の内容によっては破調にする方が効果がありますが、安易に破調にすると散文の断片に過ぎない片言になります。

破調にするにはそれなりの必然性がなければなりません。

一般的な作句では定型を守るのが無難で良いと思います

  

湾曲し火傷し爆心地のマラソン

 

この俳句は、季語が無く破調の最たるものであるばかりでなく、現在はマラソンが盛んなのでそのマラソンの印象が強く、被爆者が黒焦げになって無残な即死をしたり、悶え死んだり、逃げ惑ったりした悲惨な状況を想起させる名句として納得するには抵抗を感じます。 

この俳句は、「軽み」を特徴とする俳句の分際で被爆や被災など悲惨な状況・重い題材そのものを詠むには無理があること・俳句の限界の証になるでしょう。

  

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写真は、2024年2月26日に開催された大阪マラソンのスタートとゴールのNHK-TV画面の一部分です。

  

当日は冴返る冬日の春雨のマラソンになりましたが、平林清澄(國學院大學3年)が初マラソンで初優勝の快挙を達成しました。

    
金子兜太が長崎の被爆を詠んだ前衛的現代俳句は、
歳時記「炎天」の一茶の俳句にある言葉を借りて言えば、伝統的な俳句の概念からは「とっぱづれ」しています。 

   

復興なった被爆地でマラソンが出来る平和の有難さを現代俳句として詠むべく、次のように本歌取りをしました。

     

    

マラソンや被爆忘るな春の雨

      (薫風士)

  

の俳句の「春の雨」から「被爆の黒い雨」を想起してくれる世代は減るばかりですが、「俳句HAIKU」の読者の皆さんは、世代を問わず、この拙句に共感して頂けるでしょうか?

    

8月19日は「俳句の日」です。

俳句愛好家が増え、俳句を通じて世界の平和が実現することを切望しています。

ここをクリック(タップ)し、「夏の俳句特集(改定版)」 をご覧下さい。

   

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

    

2019年8月17日 (土)

(まんぽ俳句) 今朝の庭クマゼミも来て賑々し

     

(2024.8.6更新)  

金柑の小枝に光る蝉の空

(移植した金柑の小枝に空蝉が光っていました。)

  

熊蝉や楓に眠る午後の二時

(写真の中程に楓に熊蝉が止まっていますが、殆どわかりません。)

  

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(2019.8.17の記事)

一木に空蝉五つ蝉時雨

   

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タイトルはブログ用の拙句です。

掲句は夏の季語が二つ(「空蝉」と「蝉時雨」)あり、「季重なりである」と批判されそうですが、蝉の殻が一本の木に5個もあるのが珍しいばかりでなく、蝉時雨の強さが強調されて良いと思って、季重なりを気にせずに詠んだ拙句です。

  

   

最近はアブラゼミ(油蝉・鳴蜩)が多くてクマゼミ(熊蝉)を見かけることは少なかったのですが、今朝は遊歩道の木にも熊蝉や油蝉が賑やかに鳴いたり鳴き止んだりして、正に蝉時雨でした。まだ夏たけなわの猛暑ですが、8月17日は暦や歳時記の上では既に「秋」です。

   

「俳句にカタカナを使うのは良くない。なるべく漢字を使え。」といわれますが、漢字のある言葉は漢字で表現するのが当然ですし、短冊に俳句を書く場合など、カタカナよりも「漢字」や「ひらがな」の方が適しています。

しかし、この記事のタイトルの俳句は、「今朝の庭熊蝉も来て」と表現するより、「クマゼミも来て」とカタカナ表記にするほうが、見た目に分かり易くてインパクトが有り、よいと思いました。

  

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧になれます。

     

2019年8月14日 (水)

869祈り繋がむ原爆忌

   

 (2024.12.15 更新)

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写真は、タップ拡大してご覧になれます。(NHK-TV 画面の一部分です。)

  

2024年のノーベル平和賞は、日本被団協に授与されました。

 

被団協は、連合軍による原爆投下から11年後の1956年に広島と長崎の被爆者などによって結成された日本原水爆被害者団体協議会の略称ですが、核兵器の非人道性を広めるための草の根運動が評価されたとのことです。(日本経済新聞参照

  

ままならぬ功を焦らず原爆忌

       (薫風士)

   

「核廃絶」と同様に人々の意識が変わらない限り実現不可能ですが、世界平和実現の基本的な課題は、世界の人々が「既存の宗教を超越し、21世紀の科学に基づいた普遍的な宗教心を持つこと」です。

  

「旧統一教会」・「世界平和家庭連合」と政治家の関係は宗教のマイナス面の卑近な例ですが、問題を矮小化せず、恒久的平和へ根本的解決をする地道な努力を世界に広げましょう

   

P.S. 2022.3.12

ウクライナ紛争について、「已むに已まれぬ思い」を俳句に詠み、記事を書きました。

青色文字をクリック(タップ)して、ウクライナ・ドナウへ流る春の川」や春一番この発言はおぞましき」をご覧下さい。

  

(2019.8.14)

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タイトルの俳句は広島平和記念式典をテレビで見ながら薫風士が広島忌と長崎忌を口ずさんだタイトル俳句です。

   

「869」は、広島の被爆(194586日午前815分)と長崎の被爆(89日午前112分)を意味します。

        

忘れまじ815の炎天

   

815祈り繋がむ終戦日

  

上の2句は薫風士の川柳もどきの「標語俳句」です。

「815」は広島に原爆が投下された815終戦日815日を意味します。今年の終戦日は猛暑大型台風に見舞われそうですが、被害が少ないことを祈るばかりです

  

その悲惨俳句に詠めず原爆忌

    

俳句は片言ですから、戦争や原爆の悲惨さは到底詠むことはできませんが、考えるきっかけにはなります戦争の悲惨さを体験した世代の生存者は年々減少し、いずれ戦争を知らぬ世代ばかりになります。

     

語り継ぐ五才の記憶原爆忌  

       (末廣紀惠子)

 

原爆の阿修羅忘れず敗戦忌  

        (泉田秋硯

  

原爆忌語り部たちの老い姿  

         (桂敦子

     

戦争犠牲者のご冥福・核兵器廃絶・世界平和の祈りは永遠に続けなければならないと思います

 

核兵器の廃絶は現実には出来ないにしても、世界の人々がこの祈りを続け、いずれの分野においても、世界の指導者が「寛容の精神」をもって世界の融和・核軍縮の努力をすれば、戦争の勃発や核兵器の使用を未然に防ぐことは可能でしょう。

  

米国はじめ世界の現状はこのような庶民の願いを十分に反映せず、逆行しているのは悲しいことです。

  

しかし、一人ひとりの小さな力でも、世界の人々があきらめずにコツコツと結集すれば、大国をも動かすことは出来るでしょう。

 

この思いを皆さんがシェアしてくれることを祈っています。

     

原爆許すまじ蟹かつかつと瓦礫あゆむ 

        (金子兜太)

   

(上記の俳句4句は歳時記(俳誌のSalon)から抜粋・掲載させて頂きました。) 

   

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2019年8月 3日 (土)

(俳句)《蝉・空蝉・蝉時雨》

   

白百合に空蝉二つ今朝の庭

空蝉となれど眼の輝きて

空蝉の眼痛めし猛暑かな

      (薫風士)

   

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冒頭の拙句の「百合」も「空蝉」も夏の季語ですが、俳句に季語が二つある「季重なり」は一般にダメ句とされるのは何故でしょうか?

  

 

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季語が二つあっても、季語を活かして諷詠の句意を明瞭にすれば問題ないと思いませんか?   

  

  

季節の移ろいや四季の情景をありのままに詠めば良いと、「まんぽ俳句」をエンジョイしています。

        

   

早朝の丘を万歩や蝉時雨

  

老鶯も時に声あげ蝉しぐれ

  

空蝉を数へつ漫歩幼子と

   

伸ばす手に飛び去るのしっこかな

   

木漏れ日の西に傾き法師蝉

   

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法師蝉は秋の季語に分類されていますが、深田公園などでもう鳴き始めました。

      

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トップ欄か、この「俳句HAIKU」をタップすると、最新の全ての記事(タイトル)が表示されます。記事のタイトルをタップ(クリック)して、ご覧下さい。

      

2019年7月31日 (水)

俳句雑感(5):「西瓜」(秋の季語)と「西瓜割」(夏の季語)について

    

(2024.10.7 更新)

西瓜食み馳せる思ひやウクライナ

重陽に吾庭の西瓜味見せり

熟せざる西瓜鴉に喰はれけり

       (薫風士)

 

20240910_134710708_065129先日から鴉がよく鳴いていたので何故だろうと思っていましたが、早くも七夕の夜(?)に西瓜を4個も鴉に喰われました。

まだ熟していないから大丈夫だろうと思っていましたが、残念無念です。

   

年を重ねるごとに、時の流れの速さが加速しているように感じます。

  

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青色文字をクリック(タップ)して、リンク記事をご覧下さい。

  

7月16日は「閻魔詣で」です。

  

「TOKYO 2020」の開催をワクチンの開発・普及が進み新型コロナウイルスの感染拡大の収束が期待されるまで2年間延期していたら、暗殺による安部晋三元総理大臣の非業の死も起こらなかったかもしれません。

   

言葉の力・俳句の力《癒し》や「俳句《涼し》死の話をご覧下さい。

     

(2019.7.31)       

初物の西瓜からすに食はれけり

   

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掲句は薫風士のブログ用川柳もどきです

   

     

    

(写真)

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カラー図説 日本大歳時記の一部分です。

タップ・拡大して、解説と例句をご覧下さい。

   

俳句は川柳ほど人気がないのが現状ですが、俳句を作らない人々の大抵は「季語が難しい」と思っているようです。

次のことがその原因でしょう。  

「『夏の季語』で俳句を作りなさい。」と言われ、普通の人は「西瓜」は夏に食べるのが美味しいと思って、「西瓜」の俳句を作ると、「『秋の季語』だからダメです。」などと言われて面喰い、不信感を抱いたり、俳句嫌いになったりするのではないでしょうか?

  

歳時記を金科玉条にして、「『西瓜割』は夏の季語だが、『西瓜』は秋の季語である。」などと素人には訳の分からないことをいう俳句の先生が沢山いるから、俳句は敬遠されているのではないでしょうか?

残念なことです。

  

当初の季語は旧暦(陰暦)の四季に基づいて分類されていましたが、その季語が新暦(太陽暦)の四季に当てはめられたことが混乱を生じて、更に季語を難しくしているのでしょう。

このことは、季語の本来の価値を損なっていると思います。  

  

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北海道から沖縄まで、地域によって季節の変化が異なります。

  

「俳句は自分が自然を見たまま、感じたままに素直に5・7・5にすれば良い。」ということが大原則でしょう。  

俳句を作っているうちに、自然に「季語」の「取り合わせの妙」とナンセンスが分かってくるものです。

俳句の食わず嫌いの方には、自分の感性を信じて、歳時記の分類に捉われることなく、自然を見たまま、感じたままに、気軽に俳句を作り、俳句の面白さ・楽しさを知ってほしいと思っています。

   

日本大歳時記(秋)の「西瓜」の解説の最後に、「西瓜は普通秋の部に分類されるが、現実には夏のものである。」との記述があります。

合本現代俳句歳時記角(川春樹編)でも、西瓜は「秋の季語」として掲載されています。

「きごさい歳時記」(5,000季語の検索)では、「『西瓜割』は晩夏、『西瓜』は初秋』」に分類されています。

いずれの歳時記にせよ、絶対視せず、実際の自然の観察を優先して俳句を作るのが本来の俳句の楽しい作り方でしょう。  

上記の考えに異論のある俳句の先生がおられたら、後学のためにご意見を頂けると幸いです。

   

ここをクリック(タップ)して、「夏の俳句特集(薫風士のブログ)」 をご覧下さい。

ここをクリック(タップ)して、「俳句の鑑賞:《秋の特集》」をご覧下さい。

  

 青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

  

2019年7月29日 (月)

「まんぽ俳句」《ゴルフ特集》(季語と自然)

  

Click here and see  "Bashō's haiku in Japanese and English by L. P. Lovee” in HIA's Column.

  

  

(2024.11.20 更新) 

鳶舞ふ小春のゴルフ有馬冨士

ティーショット彼方の紅葉狙ふかに

小春日のゴルフや疲れに飴くれて

新蕎麦と地酒を惜しみ歓談し

満喫すゴルフ日和の紅葉晴

  

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最初の写真をタップ拡大すると、羽束山の上空にトンビが見えます。  

「鳶」は、季語ではありません。読み方は、「とび」と「とんび」があります。

      

パー八や老のゴルフに秋時雨

時雨るるも八十路のゴルフ恙無く

   

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この写真は、健康管理の月一ゴルフを久しぶりに仲間とプレーした情景の一端です。  

「パー八」は、ゴルフスコアの「par」と「8」や年齢の「88歳」を掛詞にした造語ですが、川柳擬きの「まんぽ俳句」です。

        

薫風やゴルフコンペへゴルフ駈る

有馬冨士ハウスに着けば夏燕

老鶯を指呼に遠音の時鳥

       薫風士

   

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久しぶりのゴルフで初夏の新緑の自然を満喫して、「まんぽ俳句」を口遊み、ゴルフ場の自然の豊かさや臨場感を表現するために、「季重なり」のまま拙句を掲載しました。

   

  

薫風(くんぷう)」「老鶯(ろうおう)」「時鳥(ほととぎす)」はいずれも夏の季語です。

     

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2023年1月19日に、NHK朝の天気予報で何方かが、「1月19日はいいくのひ」だと言っていました。

ブログ「俳句HAIKU」へのアクセス累計は、令和5117日には縁起の良い数字「880,770件」に達しました。(写真参照)

    

(P.S. 2022.12.7) 

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十四節気の「大雪」(たいせつ)は快晴のゴルフ日和でしたが、最高気温が10℃の冷たい風に身体が固くなり、ゴルフスコアは散々でした。

  

   

大雪の一日ゴルフに恙無く

大雪の風に悴みこのスコア

ショットの勘18番で取り戻し

  

   

(P.S. 2022.10.23) 

2022年10月23日、日本オープンゴルフ選手権で蝉川泰果が95年ぶり日本OPアマチュアV 史上初のツアー2勝目を達成しました。

  

(P.S. 2022.9.14)

ショットをし手袋を脱ぎ汗を拭き

  

掲句はブログ用日記俳句で「季重なり」です。

  

月一健康ゴルフを仲間としましたが、「猛暑日」で汗だくになりました。 

        

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ウクライナ紛争についてプーチン大統領や世界の指導者が賢明な決断をしてくれることを切望して、「やむにやまれぬ思い」を書きました。

  

青色文字(タイトル)をクリックして、「血に染むなドニエプルてふ春の川」ご覧下さい。

       

(2019.7.29)  

春麗のバンカーショットピン傍へ  

ゴルフ駆り梅雨に負けじとゴルフ場  

     

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Img_4572掲句の「ゴルフ」は「車のゴルフ」と「スポーツのゴルフ」を掛けた川柳もどきの駄洒落ですが、「梅雨」を「雨」に変えると、まさに川柳になります。  

  

雨催ひグリーンの頭上夏燕

  

「燕」は春の季語なので「夏燕」と表現しましたが、燕はやはり雨が好きなのか、先日も雨の降る前に庭に飛んで来るのを見かけました。

   

快音の白球追へば夏燕

ティーショットの行方を見ると燕が飛翔していました。

   

夏燕急旋回すフェアウェイ

ワンオンのボールを見れば留まる  

  

「虻」は春の季語ですが、久しぶりのワンオンが珍しいのかボールに留まっていました。これは冗談ですが事実です。歳時記の季語にあまり捉われないで見たままの自然を気軽に詠むのが良いと思っています。

   

梅雨晴れ間はや蜻蛉飛ぶゴルフ場   

蜻蛉」は秋の季語ですが、ワンオンを祝うかのように、飛び交いました。

  

五月雨に二度もワンオン晴れ男  

  

五月雨」は夏の季語です。五月雨と言えば、芭蕉の有名な俳句「五月雨を集めて早し最上川」を思い浮かべますが、「健康管理の月一ゴルフ」をしている薫風士にとっては、「二度もワンオン」とは久しぶりの快挙で、臆面もなく駄句を口ずさみました。

  

道に立つ候補者を打つ梅雨の雨   

 

市会議員候補者が帰路の道で支持を訴えていました。 

    

憲法改正論議が高まるでしょうが、日本の平和は世界平和が維持されない限り維持できないことを肝に銘じて、政治家、特に、与党議員は平和憲法に基づく象徴天皇の民主主義体制を堅持し、自衛体制を整えるだけでなく、日本の平和憲法の精神を世界共通の精神にすべく、努力してくれることを切望しています。 

   

日本の政治家のみならず、アメリカやロシアの大統領など、世界の政治指導者にも、日本国憲法の前文を冒頭から下記の最後まで、是非読み返してほしいものです。

  

特に、最後の「日本国民は」を次のように「わが国民は」と読み替えて、自国の政治姿勢を反省してほしいと思っています。

  

「われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。

わが国は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。」

   

この薫風士(L.P. Lovee)の思いを皆さんでシャエアして頂ければ有難いです。 

 

ここをクリック(タップ)して、「山笑うバンカーショット儘ならず(俳句HAIKU・ゴルフ)」をご覧下さい

  

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写真はクリックすると拡大します。最後の写真に有馬富士が写っています。

    

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「和文俳句」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

     

2019年7月27日 (土)

《梅雨明・猛暑・溽暑・汗》

     

青色文字をタップ(クリック)して、リンク記事や「歳時記」の「梅雨」にかかわる例句などをご覧下さい。

  

(2024.8.8 更新) 

気象庁は、7月18日に関東甲信地方と東海地方の梅雨明けを発表しましたが、21日に中国地方と近畿地方の梅雨明けを発表して熱中症警戒アラ-トを出しました。

   

政界の若返りせむ梅雨明けし

梅雨明や政界刷新促進を

梅雨明や友を偲びつ庭手入

梅雨明や地球を支ふ市民像

   ( 掲句はプログ用の拙句です。記事の最後の写真をご覧下さい。)

         (薫風士)

     

tenki.jpによると、2023年の梅雨明けは、6月25日に沖縄や奄美が梅雨明けし、中国・近畿・東海は7月16日頃の梅雨明けで、7月22日に東北地方も梅雨明けしました。

   

梅雨空や臥薪嘗胆句を口に

句を口に心癒すや梅雨明る

       (薫風士

   

2022年には各地で猛暑日熱帯夜が続き、旱の水不足や熱中症の増大が懸念され、北海道では大雨で洪水や浸水の災害が発生しました。

     

猛暑日や熱中症孤独死

梅雨明や猛暑日続き大雨も

帰路迷ふ夢に目覚めし熱帯夜

早起きの庭の手入れも大汗に

猛暑日や降れば大雨大出水

      

 2022年は、6月27日に九州南部と東海、 関東甲信は梅雨明けし、各地で真夏日や猛暑日の暑さでした。

2022年の関東甲信地方の梅雨明けは、平年(7月19日頃)より22日早く、前年(7月16日頃)より19日早い梅雨明けで、「統計開始以来最も早い梅雨明け」とのことです。

     

梅雨明や平和の詩詠む七歳児

梅雨明の電力不足如何にせん

       

(2019.7.27) 

近畿地方の2019年の梅雨明けは、前年より15日遅い7月24日でした。日でした。

            

梅雨明水都灯りを飲み会へ

   

飲み会を終へて溽暑御堂筋

   

青春の夏の思ひ出御堂筋

 

夕灯土佐堀川の風涼し

 

梅雨明の水都の夕灯クルーズ船

   

飛び乗れば女性車両や玉の

  

上記の俳句は薫風士の即興句です。「灯り」は「あかり」、「夕灯」は「ゆうともし」または「ゆうひ」と読んで下さい。

このように俳句では「5・7・5」のリズムを整えるために漢字の組合せによって様々な読み方をすることがあります。

最後の俳句は川柳もどきですが、「飛び乗れば女性車両で冷汗に」とすれば正に川柳になります。

  

俳句も川柳も、日本の伝統的庶民文芸「俳諧」が現代も生きる世界の庶民文芸として、世界遺産に登録されることになればうれしいですが・・・

  

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2019年7月25日 (木)

(まんぽ俳句)《あめんぼ・水黽・水馬》

    

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写真はタップ・拡大してご笑覧下さい。

アメンボの「恋の成立?」(交尾?)らしき様子がご覧になれます。

  

渦巻くは恋の鞘当てあめんぼう

  

あめんぼの恋の成立日暮れ前

  

水黽の恋の鞘当て三つ巴

  

       (薫風士

  

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深田公園へ散歩をしているとアートの池や遊歩道の水溜りに水黽(あめんぼ)がいました。この水溜りは「まんぽ俳句文法」で写真を撮ったのと同じ個所にありました。

  

「あめんぼ」は「みずすまし」・「水馬」(あめんぼう)などとも言います。

「みずすまし」は「水澄」と書く場合は別の虫(舞舞虫)ですが、いずれも夏の季語です

即興句と写真を掲載します。

     

水溜り光るを見れば

  

遊歩道あめんぼ遊ぶ水溜り

  

水黽の雲に乗る如水溜り

  

水すまし散歩の帰路は失せてをり

    

あめんぼの失せて虚ろや潦(にわたずみ)

   

花と緑の街」を「まんぽ」しながら俳句を口ずさんで、体と頭の活性化・健康維持に努めています。

  

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