俳句 (Haiku) Feed

2019年7月22日 (月)

「合歓の花」(俳句と写真) 

         

(2024.6.23)

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冒頭の写真は、まんぽ道の馴染みの合歓の木と潦です。

シュライン通りの合歓の花と潦の写真をタップ拡大すると、水溜りに合歓の木の花が映っているのが見えます。

   

合歓の花が咲く時期が年毎に早くなっているように思いますが、実際はどうなのでしょうか?

    

   

    

(2022.7.6)

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早朝に散歩していると、水溜りに合歓の花が映っていました。

この水溜には、水黽(あめんぼ)が居たこともあります

     

合歓の花映ゆるや雨後のにわたずみ

          

(2019.7.22)

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「まんぽ」をしていて、老鶯が鳴く木を見上げて、合歓の花が咲いているのに気付きました。

   

  

「ネムノキ」は夜になると葉が合わさって閉じることから「夫婦円満」の象徴とされています。

この時季になると昼寝をしたくなる日がよくあります。

   

老鶯の音に仰ぎ見し合歓の花

  

大木にひそと咲きたる合歓の花

  

合歓の花散りし石段薄模様

  

振り返り園見下ろせば合歓の花

  

投票へ散歩の道や合歓の花

  

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2019年7月16日 (火)

「貴船神社」と「川床」(吟行俳句・写真集)

   

Click here to see “Bashō's haiku in Japanese and English by L. P. Lovee”

       

7月8日の朝の天気予報によると梅雨晴れが一日は期待できそうだったので、急に思い立って京都の貴船に吟行に行き詠んだ吟行句(まんぽ俳句)と写真を掲載します。

   

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(京阪電車・京橋駅ホームにて) 

  

梅雨晴間ホームに立ちし旅心

    

    

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叡電・貴船口駅にて)   

  

降り立てば貴船の瀬音風涼し 

   

  

「川床」は貴船では「かわどこ」と呼ぶそうですが俳句では「ゆか」と読み、「夏の季語」です。

 

7月8日は貴船神社の「水まつり」や「星祭」があり、和服姿の若い女性をよく見かけました。

       

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(真真庵にて) 

  

貴船川草履の並ぶ川床座敷

   

  

貴船てふ地酒も美味し川床料理

   

  

冷やし酒鴉は岩で清水飲み

  

写真をよく見れば、黒っぽい大きな岩の間で鴉が水を飲んでいるのがわかるでしょう。)

   

   

    

河鹿なく高き瀬音や箸を置く

  

(河鹿のきれいな鳴き声を実際に初めて聞きました。

ここをクリック(タップ)して、「ひとはく」(人と自然の博物館)のサイトにある河鹿の美しい音色をお聴き下さい

  

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Img_4490_2貴船神社にて)

   

   

   

本殿へ登り詰めたる老の汗

  

  

星祭る貴船の馬像白と黒

   

   

向ひ合ふ馬像の由来梅雨の晴

   

   

みずうらや浮かぶ大吉青葉風

  

   

   

  

(帰路の叡電で)

  

梅雨晴の貴船の一日惜しみけり

    

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俳画や写真俳句において、俳句と画像の付き過ぎは良くないとされていますが、吟行俳句を作る参考になればとの思いから、即興句とその情景の写真を掲載しました

  

   

(注)青色文字をクリックすると、関連の解説記事をご覧になれます。

   

       

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2019年7月13日 (土)

「片陰」(俳句の文法・口語と文語)

   

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ここをクリックすると「歳時記」の「片陰」の例句をご覧になれます

  

      

俳句上達のコツは、ともかく見たこと感じたことを「5-7-5」のリズムに表現し、そのリズムを身に付けることでしょう。

投句する場合にはそれを推敲すればよいのですから・・・。

  

A)片陰を辿り訪ねた丘の街 

(B)片陰を辿り訪ねし丘の街

(C)遊歩道片陰光る水溜り

(D)片陰に移ろう光水溜り

(E)片陰に光移ろふ(にわたずみ)

(F)片陰の移ろふ光

   

(A)の「訪ねた」は口語で散文的に響きますが、

(B)の「訪ねし」は文語で詩的な響きがあり、

俳句としては(B)の方がよいでしょう。

(C)は、文語・口語の違いはありません。

(D)の「移ろう」は「水溜りの光が移ろう」のか「作者が片蔭に移ろうとしているのか」曖昧になり、不適切です。

(E)と(F)の「移ろふ」は文語(旧仮名遣)です。

口語の「移ろう」でも「水溜りの光が移ろうこと」を詠んでいることは明瞭ですが、文語の方が詩的な印象があるでしょう。

このように、旧仮名遣にはそれなりのメリットがあります。

(広辞苑などの辞書には現代仮名遣の後に旧仮名遣が付記されているので簡単に確認できます。)

    

ちなみに、前回の「まんぽ俳句」に掲載した紫陽花の俳句

梅雨晴れ間垣根溢れる額の花」は口語俳句ですが、

文語俳句にすると梅雨晴れ間垣根溢るる額の花」となります。

(現に見ている情景なので、「梅雨晴れ間垣根溢れし額の花」とはしません。)

  

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2019年7月12日 (金)

(俳句)《梔子・紫陽花・七夕》

(P.S. 2024.8.2)

ウクライナ戦争」など「戦争依存は止めよう!」のキャンペーンを七夕祭りで広げましょう! 

   

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近畿地方の2019年の梅雨入りは2018年より21日も遅い6月26日でした。

   

梅雨の身近な花は紫陽花です。 

    

     

梅雨晴れ間垣根溢れる額の花

    

梅雨晴れの漫歩(万歩)や買い物の途次に口ずさんだ即興の「まんぽ俳句」を掲載します。

ここの校区(小・中学校)では毎月25日を「にこにこデー」にしています。子供たちの通学の安全を見守ってやりたいものです。

    

紫陽花も垣より笑顔「にこにこデー」

   

2018年の七夕は雨に祟られましたが、2019年は幸い晴れに恵まれました。

   

スーパーの星祭にも願い書き

   

梔子(くちなし)は花の盛りが過ぎたので鮮やかな写真を撮ることはできませんでしたが、雨模様の雲行きで、晴れた日より強い香りがしていました。

   

雨催ひ梔子匂ふまんぽ道

   

このブログ「まんぽ俳句」は、口語俳句も試作しながら、「仕事に追われている若い世代の方々も、定年後には日本の伝統的庶民文化である俳句を気軽に作って余生を楽しんでほしい」との思いで書いています。   

    

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2019年7月 6日 (土)

芭蕉の俳句・HAIKU of Bashō:「木下闇」(30/300)

  

須磨寺やふかぬ笛きく木下やみ

  (sumadera-ya fukanu-fue-kiku koshitayami)

  

(A)

in sumadera

i heard the unblown flute sing

in the trees’ deep shade

  

(B)

Suma temple_

hearing the unblown fife,

in the dark of trees’ shade

  

(A) 575訳、(B)はLovee訳です。

切れ字の「や」は(A) には訳出されていませんが、(B) では句読点「_」で表しています。固有名詞はhaikuでも「Suma」のようにを大文字にする方が句意がわかりやすいでしょう。

A)のように主語の「I」を小文字にするのは賛成しかねますし、原句に無い「我・吾・われ」を「翻訳haiku」で「I」として補充するのは無用です。(A) は、「in ---i---in」と韻を考慮したのかもしれませんが、句意が誤解される恐れが無い限り、前置詞は補充しない方が良いでしょう。俳句は省略の文学であり、その解釈を読者に委ねることが面白さの一面です。

いずれにしろ、須磨寺の逸話(平敦盛のこと)を知らない限りこの俳句の良さは理解されないでしょうが、英語俳句の作成や翻訳の参考になれば幸いです。

ちなみに、「木下闇」は夏の季語です。

 

(注)青色文字(冒頭の「須磨寺や・・・」など)をクリックすると、解説記事(「笈の小文」など)をご覧になれます。

なお、次回からはLovee訳のみを掲載し、折に触れて他の翻訳を参考に掲載させて頂きます。  

  

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タイトルをタップしてその記事をご覧頂ければ幸いです。

   

 

  

  

2019年6月28日 (金)

《紫陽花・七変化・あじさゐ》(俳句と写真)

     

紫陽花や昨日の真今日の嘘

      (正岡子規) 

 

アナベルを時の記念日挿し木せり

アナベルてふ紫陽花色を変へざると

句を口に紫陽花愛づや漫歩道

           (薫風士)

   

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先日、駄句を口遊みながら散歩をして、ブログ記事を書きました。

俳句と写真《まんぽ道の紫陽花》」をご覧下さい。

青色文字(タイトル)をクリックすると、ご覧頂けます。

   

冒頭の写真は2019年に吟行で神戸市立森林植物園に行った際に撮った「園内マップ」と紫陽花です。 

森林公園木の化石モリアオガエルなど、写真に興味がれば最後の写真集をご覧下さい。 

写真はタップすると拡大します。

  

兵庫県の高齢者は有難いことに入園料が無料でした。

見事な紫陽花が咲き誇っている小径を散策し、満足しました。

今後も季節ごとに訪れて森林浴をし、健康維持に努めたいと思っています。

  

紫陽花や幾千万年経し化石  

紫陽花をバックに自撮り若夫婦 

         (薫風士)

  

紫陽花の小径行き交う笑顔かな 

薫風士・L.P. Lovee訳

  (smiles; going and coming; the path of hydrangea)

      

歳時記(俳誌のサロン)から気の向くままに抜粋・掲載させて頂きます。詳細は青色文字の季語をクリックしてご覧下さい。

  

紫陽花1

かなしみは時が癒せり濃紫陽花 

        (明田和子)

   

紫陽花2

紫陽花や青より昏るる小径かな 

        (河合笑子)

  

紫陽花3

紫陽花や癒しの青き雨雫  

      (原田喜久子)

  

紫陽花4

紫陽花の濡れつつ色を尽しけり 

        (横溝幸子)

 

紫陽花5

紫陽花に夜の暗さの籠りをり 

        (飛高隆夫)

 

紫陽花6

蝦夷松に蔓紫陽花の絡みたる 

        (廣瀬雅男)

 

紫陽花7

気詰りの眼のやりどころ濃紫陽花 

        (中山純子)

 

紫陽花8

紫陽花や藪を小庭の別座敷  

          (芭蕉)

 

紫陽花9

朝の雨さと晴れ渡る紫陽花忌 

        (山下良江)

  

七変化1

七変化猫が伸びする塀の上 

       (鈴木多枝子)

 

七変化2

七変化先月よりは三変化  

       (稲畑廣太郎)

 

額の花

路地越しのスカイツリーや額の花 

        (原和三)

 

  

あじさゐ1

あぢさゐは絶対藍の礼讃派  

       (大橋敦子)

  

あじさゐ2

あぢさゐの弾む影あり鯉の池 

        (関まさを)

  

あじさゐ3

あぢさゐや寺の奥なる芭蕉句碑 

         (池田節)

   

   

この化石木は神戸層群で発見されたものです。

  

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この写真は、現役時代に畏友とも言うべき知人(弁護士)からご恵送頂いたご母堂の画集の表紙ですが、几帳面な方のご母堂ならではのほのぼのとした画集です。

  

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2019年6月15日 (土)

俳句の鑑賞《滝の音・滝音・滝》

    

Click here to see “Bashō's haiku in Japanese and English" (Translation by L. P. Lovee)

  

ほろほろと山吹ちるか瀧の音

       芭蕉)

  

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冒頭の写真はカラー図説日本大歳時記の「滝」や「山吹」のページの一部です。

画面をクリック・拡大すれば解説記事をご覧になれます。

 

「滝の俳句」といえば、後藤夜半の代表句「滝の上に水現れて落ちにけり」を思い出します。

   

           

   

掲句「ほろほろとをWEB検索すると、目についた限り全て「山吹が散る情景を詠んだ俳句」と解釈しています。

 

そうであれば、芭蕉は「ほろほろと山吹ちるや滝の音」と「や」(強調・詠嘆を表す助詞)を用いたのではないでしょうか? 

 

「山吹ちるか」と「か」(疑問を表す助詞)を用いたのは、滝音を聞いて、「山吹も滝の響きで散ることだろう」と、その轟音を詠嘆したものでしょう。

この句は、従来の俳諧が「滝・清流に山吹」など、絵画や和歌の題材として「視覚」で捉えていたものを「音・聴覚に焦点を当て、「不易流行」を具現する新しい感覚の俳句にしたものでしょう。

  

歳時記(俳誌のサロン)から「滝音」を詠んだ俳句を気の向くままに抜粋・掲載させて頂きます。詳細は青色文字の季語をクリックしてご覧下さい。

      

滝1

水楢の林の深し滝の音 

        (三澤福泉)

  

滝2

滝音の正面にゐてしづかなり 

       (藤井みち子)

  

滝3

白糸の世にも閑けき滝の音 

       (渡邊誓不)

  

滝4

滝の音轟き闘志甦る 

        (泰江安仁)

  

滝5

華厳の滝音に聞きしが霧隠れ 

       (奥村鷹尾)

  

滝6

滝となる前のしづけさ藤映す 

       (鷲谷七菜子)

   

滝7

滝茶屋に滝の谺を聞きゐたり 

      (大久保久枝)

  

滝8

滝までは行けず水音に耳澄ます

        (鈴木圭子

  

滝9

瀧宿の瀧の聞こえてくる電話

        (八田木枯)

   

10

庭下駄のまま滝音にいざなはれ 

       (齋藤朋子

   

11

東山音羽の滝の静寂かな 

       (三枝邦光

   

12

詩仙堂の庭の静寂や滝の音 

       (中川すみ子

   

13

落人の拓きし道や滝の音 

        (岩田洋子

  

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2019年6月12日 (水)

俳句の鑑賞《時鳥•杜鵑•ほととぎす》

        

6月10日は「時の記念日」です。

  

真夜中も鳴き続けゐる時鳥

時鳥わが目覚ましや日の出前

時鳥吾庭に来しか指呼の声

       (薫風士)

  

「時鳥」は、小鳥図鑑などの見出しには片仮名で表示するのが普通ですが、一般に「ホトトギス」と言えば、俳句結社の「ホトトギス」俳句雑誌の「ホトトギス」を指します。

俳句などで小鳥の「ほととぎす」を表現するのに「時鳥」「杜鵑」「不如帰」など、様々な漢字が当てられていますが、「時鳥」と書く由来は何でしょうか?

      

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写真は、カラー図説日本大歳時記の「時鳥」のページの一部です。 

画面をクリック・拡大して、その解説記事をご覧下さい

      

歳時記(俳誌のサロン)から気の向くままに抜粋・掲載させて頂きます。

例句の詳細や解説は青色文字の季語をクリックしてご覧下さい。

       

ほととぎす1

ほととぎす朝は童女も草を負ふ 

      (水原秋櫻子)

 

木洩れ日の坂ある生家ほととぎす 

      (伊藤和枝)

  

ほととぎす2

乳搾る牛舎の夜明けほととぎす 

      (永井雪狼)

 

西行の剃髪石やほととぎす   

       (神蔵器)

   

ほととぎす3

ほととぎす記憶の中の祖母の声 

       (渡邉友七)

 

ほととぎす丹波出石の休み窯  

       (徳永亜希)

  

ほととぎす4

ほととぎす上等水兵戦死の碑  

      (松本平八郎)

 

小城下に住みて幸ありほととぎす 

      (浅井青陽子) 

  

ほととぎす5

急峻の若杉(わかす)峠やほととぎす 

        (浜福惠)

 

空白み浅き眠りにほととぎす  

       (森清信子)

  

時鳥1

還らざるもの呼びつづけ時鳥  

       (山田弘子)

 

山住みに慣れて未明の時鳥   

       (指尾直子)

   

時鳥2

時鳥きよきよじつじつと鳴きにけり 

        (高橋将夫)

 

一声は花鳥の一詩時鳥     

        (竹下陶子)

  

時鳥3

露天湯や山気ふるはす時鳥  

        (和田慈子)

 

病棟の深きしじまや時鳥   

        (木村傘休)

   

杜鵑

真夜中の風呂で聞きいる杜鵑 

        (藏本博美

   

Click here to see “Bashō's haiku in Japanese and English by L. P. Lovee”      

芭蕉の俳句「岩躑躅染る泪やほととぎ朱」の鑑賞・英訳に興味のある方はここをクリックしてご覧下さい。  

   

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2019年6月 7日 (金)

芭蕉300句:言葉の壁を破る英訳チャレンジ (1)

         

 (Click here to see "the English version by L. P. Lovee".)

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先日、「575 The haiku of Basho」の著者John Whiteが共著者の佐藤平顕明氏と来日され、芭蕉の俳句の英訳について議論する機会を得ました。

ホワイト氏は俳句の原則5-7-5音を尊重して英訳を5-7-5 音節(syllable)のhaikuとし、芭蕉が字余りで詠んだ俳句はそれに従って音節を増やすという徹底ぶりで、300句を英訳しています。その労作には驚嘆しました。

ホワイト氏は日本語を理解できないので、佐藤氏の解説を基にして英訳されたそうで、両氏のご努力には敬意を惜しみません。しかし、俳句の本質は5-7-5音の簡潔な詩的表現をすることにあり、日本語と英語の構文や発音などの違いを無視して形式的に音節に拘ることには賛成しかねます。動詞や前置詞・副詞などを使用して音節を増やすと散文的になり、俳句の特徴である「詩的短さ」が損なわれると主張しましたが、ホワイト氏は英語の詩として十分簡潔なhaikuに翻訳していると反論され、議論は平行線に終わりました。

ホワイト氏には94歳のご高齢にもかかわらず翌日の帰国を控えたお忙しい時間を割いて頂いたので議論の矛を収めましたが、言葉の壁を破り俳句の翻訳をすることの難しさの一例として、ご参考までに下記のとおり紹介させて頂きます。

 

・ほろほろと山吹ちるか瀧の音 (芭蕉

 

yellow rose petals

gently, gently flutter down;

waterfall thunder

 

ホワイト氏は、芭蕉が山吹を見て詠んだものとしてこの翻訳をしたとのことで、「滝音の響きと山吹が静かに散る対比が面白い」と感想を述べていました。

この解釈は、疑問を表す助詞「か」を見落としていますが、日本の著名な俳人も文法に気をとめず直感的に句意を解釈する傾向があるので是認すべきかもしれません。この俳句は滝の音を聞きながら、「滝の轟音の響きで山吹が散るのではないか?」と滝音の大きさを詠嘆して詠んだものでしょう。 

そこで、次のとおり試訳してみました。

  

shall yellow rose petals

flutter down?

the thunder of water fall

   

ホワイト氏の翻訳は9語17音節ですが、上記試訳は11語16音節です。語数が増えても「滝の音」を強調するために敢えて「the thunder of waterfall」としました。

英詩のHAIKUとしては試訳よりホワイト氏の翻訳の方が詩的映像が鮮明になり優れていると思いますが、原句の句意を無視することはできません。試訳は1~2行の改行を活かし、間をおいて読むと俳句らしくなります。

芭蕉は「滝と山吹」の従来の取り合わせの焦点を音に当てることにより新鮮味を出し、映像は読者の想像に委ねたものと思います。

ホワイト氏はロンドンの名門大学UCLの教授だったとのことですが、まだまだお元気です。「来年も生きていたら来日し、俳句と仏教について講演するつもりだ」と仰ってました。

芭蕉の俳句を気の向くままに英訳して言葉の壁を破るチャレンジをし、来年もホワイト氏と議論できることを願っています。

 

今後の英訳は折に触れてfacebookにも掲載します。俳句の翻訳に関心のある読者の皆さんからコメントを頂き、「俳句とhaiku」鑑賞の楽しさをシェアして頂けると望外の喜びです。

   

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2019年5月21日 (火)

俳句の文法《助詞「や」と「か」》

     

ほろほろと山吹ちるか瀧の音 

          (芭蕉)

  

この俳句の解説をインターネットで検索すると、目についた限り全て「山吹が散っている情景を見て詠んだ俳句」として解説しています。

芭蕉は、山吹が散るのを見て詠んだのであれば、「ほろほろと山吹ちるや滝の音」と、「切れ字」ではなく「強調・詠嘆」の「や」を用いたのではないでしょうか? 

しかし、「山吹ちるか」と「か」(疑問を表す助詞)を用いています。

従って、滝の轟く音を聞いて、「山吹も滝の響きで散ることだろう」と瀧音の強さを詠嘆した俳句であると解釈すべきではないでしょうか? 

  

この句は、従来の俳諧が「滝・清流に山吹」など、絵画や和歌の題材として視覚的に親しまれていたものを音に焦点を当て新しい感覚で俳句に詠んだものでしょう。

  

芭蕉の俳句といえば、「古池や蛙飛びこむ水の音」が有名ですが、従来の俳諧では「清流の蛙(かじか)の鳴き声と山吹の取り合わせ」などが重んじられたのに対して、「古池と蛙の水音の取り合わせ」を詠んだ蕉風俳諧に通じるものがあると思います。

  

歳時記によると、「山吹」は春の季語、「滝」は夏の季語です。一般に、季語が二つあるのは良くないとされていますが、俳句の内容次第で効果があれば良いと思っています

  

寺田虎彦が「俳諧の本質的概論」で俳句における「てにをは」の重要性を強調しています。

  

我田引水ですが、助詞「や」の有無で高浜虚子の俳句「初空や大悪人虚子の頭上に」の句意も異なるとして新解釈を試みました。

  

興味があれば、「俳句談義(3):虚子の句「初空や」の新解釈《大悪人は誰か?》をご覧下さい。

 

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2019年5月17日 (金)

俳句の深読み: 田ステ女俳句ラリーに参加して

   

故郷を「まんぽ俳句」で元気に、未来に繋ごう! 

 

(2025.5.28 更新)

最近、生成AI(せいせいエイアイ)ChatGpt を利用した俳句自動作成アプリ「AI一茶くん」等がありますが、俳句は人が詠んでこそ意味があり、価値があると思います。

 

AI (エイアイ) には感情が無くて愛が有りませんが、人間には感性があり、愛があります。

 

俳句に感性を込めて自然や人の営みを詠むのが花鳥諷詠でしょう

  

AI (エイアイ) に勝る俳句や初戎

AI (エイアイ) に勝る投句を母の日ぞ

          (薫風士)  

  

上記俳句の助詞「や」と「を」の違いによる句意・ニュアンスの違いを考えて頂ければ幸いです。

   

(2019.5.17 の記事)

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2018年(令和元年)512日(母の日)に丹波市柏原町で開催された丹波市俳句協会主催の第23田ステ女俳句ラリーに参加し、5句投句したところ、次の一句が入選して「丹波悠遊の森 賞」を頂きました。 

   

  

風薫る我が青春の木の根橋

   

選者は宇田喜代子木割大雄、坪内稔典、山田佳乃の4氏でした。

     

(青色文字をクリックするとリンクされた解説記事などをご覧になれます。)

  

記念講演は小林孔氏の「ステ女の名句、深読み」でした。詳細は実行委員会が何れ報告されるでしょうから差し控えますが、「春をうるは実にめでたいよ若えびす」などステ女の俳句にも掛詞の面白さがあることが紹介されました。

筆者のブログ「俳句鑑賞《蕪村の俳句『薫風や』は面白い》において、「薫風やともしたてかねついつくしま」という蕪村の俳句は少なくとも4通りの解釈が可能であると書きましたが、同じ様にステ女の俳句の深読みをする先生がいることを知り、興味深く拝聴しました。

   

ちなみに、正岡子規は「ふたぬいて月のかけくむ新酒哉」という俳句を作っています。「月のかけ」は「酒樽の蓋が月の欠けたように開いたこと」を詠んだのでしょうが、「欠けた月の映っている酒樽から酌んだこと」を詠んだものかもしれません。

 

青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

       

2019年4月30日 (火)

平成の果てて令和の花見酒

 

To enjoy HAIKU in English, click the respective titles: Farewell haiku of Ransetsu” , Photo Haiku Collection (Trip to Europe), and "Vol.5 Kyoshi 100 Haiku (81) ~ (100)" in HIA.

     

新元号期待違はず花見かな 

花冷に祈る平和や令和の句

平成の平和繋がむ生身魂

      

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冒頭の写真はNHK-TV 二ュ-ス画面ですが、桜の写真はスマホで撮った隅田川テラスからスカイツリーを望む風景と皇居の堀端の垂れ桜です。

   

(写真はクリックすると拡大します。青色文字をクリックするとリンク記事をご覧になれます。)    

    

 現代は「花見」と言えば「桜の花見」ですが、万葉集時代の花見の対象は中国渡来の「梅の花」でした。   

               

新元号令和を祝ひ花見酒

 

万葉の文化偲びつ花の宴

 

異国語も交じり平和や花筵

 

句に興じ異国の友と花見酒

  

新元号フェイクにするな四月馬鹿

 

改元に詐欺の横行四月馬鹿

   

平和ぼけするな一喝春の雷

 

大川のジョガー行き交ふ花堤

 

花万朶スカイツリーを遠望に

 

花万朶水面に映ゆる皇居かな

  

平成の残花を惜しみ一人旅

 

碧眼の皿売りも居て花の市

  

平成の果つる四月や花に雪

 

余花の雨地を固むるや令和成る

 

花は葉に一人連句を口ずさみ

       (薫風士)

       

          

「桜」・「花」の俳句と写真集(サイト)はここをクリックしてご覧下さい 

歳時記(俳誌のサロン)の「花見」の俳句はここをクリックしてご覧下さい    

       

  

「令和」の「令」は「命令」・「号令」や「律令制」を連想し、「和」は「昭和」と「平和」を連想します。

「律令制」は「大化の改新」で実施されました。

 

「令和」の時代に「世界平和に貢献する日本にするか否か」は、我々一人一人の自覚と行動次第です。

  

「和を以て貴しと為す」は聖徳太子の言葉とされていますが、平和憲法下の「民主主義に基く和」を推進したいものです。

  

平和ぼけして「あなた任せ」や「お上まかせ」の意識でいると、「平成から令和の歴史の流れ」は「大正から昭和の歴史」と同様の悪夢の繰り返しになるでしょう。

 

自民党の憲法改正案には「天皇を元首」にしたり、「自衛隊」を「軍隊」にしてありますが、このような「改正と称する改悪」は無用でしょう。

 

平成の天皇の「『象徴天皇』と『平和』への真摯な思い」を無にしてはならない、という忖度思いを新たしています。

 

読売新聞の記事によると、安倍首相は「桜を見る会」で自作の俳句を2句披露しています。

 

平成を名残惜しむか八重桜

新しき御代寿祝ぎて八重桜

    

上記の俳句は「俳句談義(18):政治家と俳句」で紹介した俳句より上達していますが、安倍総理以下与党議員の方々には平成の天皇の思い民の思いを誤解することなく忖度して、憲法の改悪はせず、天皇が平成から令和へ「日本国民の象徴」として国際親善・平和外交を継承される環境を堅持してほしいと切望しています

  

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2019年4月26日 (金)

平成最後の「花鳥同人俳句会」に参加して

  

Img_3219_2平成最後の「花鳥同人俳句会」が東京深川の富岡八幡宮で開催され、参加しました。 

  

写真はくリクすると拡大し、青色の文字はクリック(タップ)すると最近追加した関連のリンク記事もご覧になれます。

      

  

東風突くは五拾五貫の力石     

           (月惑)

  

呼出しは東風をうっちゃる大関碑 

          (月惑) 

  

春水の音の静寂や弁天宮 

         (さとし)

      

掲句の3句目は花鳥同人会長選入選の拙句です。 

  

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下記の拙句4句は互選にも入りませんでした。

 

俳句は好き好きですが、写真を見て拙句の批評・感想などコメントを頂ければ望外の喜びです。

      

   

馳せ参じ一番乗りやの句座

 

や平成果つる禁裏

 

春水の大川分かつビルの島

 

大江戸線出し春光六本木

           

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俳句雑感(4): 高浜虚子と坪内稔典(俳句は詠み人・読み人次第)

       

高浜虚子が終戦に際して詠んだ俳句について坪内稔典氏は誤解しているのではないか?

蝉や蓑虫は虚子と同一視されて迷惑かもしれない。人間のおこした戦争などには関知せず、自分らは勝手に鳴いてるんだ、と文句を言うだろう。」と稔典氏は述べているが、高浜虚子は稔典氏が批判している俳句秋蝉も泣き蓑虫も泣くのみぞ」「人間と蝉」を同一視していないし、まして「虚子と蝉」を同一視なんぞしていない。自分の俳句で言葉遊びをするのは自由だが、他人の俳句を誤解して遊ぶのは困りものである。

俳句は片言とは言え、俳句の先生がこのような俳句の誤った解釈をして、虚子俳句に対する偏見・誤解を広めているようではさぞかし虚子も天国で嘆いているでしょう。 (丹波新聞「俳句に詠み込む参照。  

虚子俳句の正しい解釈については、「蝉の俳句を鑑賞しようをご覧下さい。

    

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2019年3月31日 (日)

早春・春浅し(有馬富士)

    

早春の頂き目指し有馬富士

春浅き走り根の径幼子と

吾を阻む「わんぱく砦」春浅し

      (薫風士

 

掲句の「径」は「みち」と読み、「吾」は「あ」と読んで下さい。

  

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掲句は、有馬富士公園を吟行し、有馬富士の山頂を目指しましたが、幼子同伴なので、山頂まであと百メートルの「わんぱく砦」(岩場の写真参照)で登頂を断念して下山したことを俳句にしたものです。

「吾を阻む」は「あをはばむ」と「5-7-5」のリズムに読んで下さい    

         

  

歳時記(俳誌のサロン)から気の向くままに「早春」・「春浅し」の俳句を抜粋・掲載させて頂きます。

   

   

早春1

早春の庭より声の二三人

        (稲畑汀子)

  

早春2

早春の湖に近江の逆さ冨士

        (吉江潤二)

  

早春3

早春や波静かなる由比ヶ浜

        (中村則夫)

 

早春4

早春の旅は呉線光る海

        (石田玲子)

 

早春5

安曇野に聞く早春の水の音 

        (安部和子)

    

  

春浅し1

浅春の雨に色濃き煉瓦道  

        (木下節子)

 

春浅し2

つぐみ来て地鳴きひとこゑ春浅し 

        (井上あい)

  

春浅し3

客を待つ回転木馬春浅し  

         (中島隆)

  

春浅し4

春浅き水を渉るや鷺一つ  

      (河東碧梧桐

 

春浅し5

浅春や五分足らずの渡し舟 

     (村田くにいち)

  

春浅し6

寒暖の差のはげしさや春浅し 

      (原田たづゑ) 

     

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

   

「春の水・春水」の俳句

      

一つ根に離れ浮く葉や春の水

        (高浜虚子)

   

「春の水」の俳句といえば、高浜虚子の掲句が浮かびます。

この句を「自然の摂理を詠んだ比喩」と解釈して「俳句の創作的解釈というブログを2年前に書きましたが、「俳諧」から生まれた「俳句」と「川柳」にも当てはまります。

  

さらに、高浜虚子の曾孫に当たる稲畑廣太郎(「ホトトギス」の主宰)と坊城俊樹(「花鳥」の主宰)の両氏の句風にも当てはまるでしょう。

両氏のブログ「主宰奔走や「花鳥・近詠をご覧下さい。 

     

P.S. 2022.3.12

唐突ですが、ウクライナ紛争について「已むに已まれぬ思い」を俳句に詠み、緊急提言のブログ記事を書きました。

青色文字をクリック(タップ)して、血に染むなドニエプルてふ春の川春一番この発言はおぞましきをご覧下さい。

    

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写真は兵庫県立有馬富士公園福島大池です

    

あちこちに鴨が泳ぎ、亀が十数匹も杭の上などで甲羅を干していました。

   

     

   

   

   

高浜虚子の言葉「深は新なり」を思い出してブログ俳句を詠みましたが、「一つ根」の俳句は人類や既存の宗教にも当てはまります。

  

ここをクリック(タップ)して、「宗教と科学の対立と融合」をご一読頂けると幸いです

   

春水や深は新なり句に遊ぶ           

有馬富士映し豊や春の水        

         (薫風士)   

      

歳時記(俳誌のサロン)から「春の水」の俳句を抜粋・掲載させて頂きます。

例句の詳細は青色文字の季語をクリックしてご覧下さい。

  

春の水1

平野郷環濠巡る春の水 

        (井上輝男)

   

春の水2

比叡より奔り下りて春の水 

        (上野昌子)

  

春の水3

堰越ゆる小枝逆巻く春の水 

       (山田六甲)

  

春水

春水を蹴つて翔ぶもの泳ぐもの 

      (稲畑廣太郎)

    

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

トップ欄か、この「俳句HAIKU」をタップすると、最新の全ての記事が掲示されます。

  

2019年3月19日 (火)

俳句を楽しもう!《春の雪・春雪》

   

(2025.3.4更新)

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冒頭の写真は、NHK-TV ニュース画面の一部分です。

   

P.S. 2022.3.12

ウクライナ紛争について、「已むに已まれぬ思い」を俳句に詠み、記事を追加ました。 

青色文字をクリック(タップ)して、血に染むなドニエプルてふ春の川」や春一番この発言はおぞましき」をご覧下さい。(薫風士)

     

雪山を飛翔滑降四勇姿

ノルディック複合団体銅メダル獲得の花渡部善・永井秀昭・渡部暁斗・山本涼太を称えた拙句です。

     

雪遊び技を極めて金メダル

上記の存問の拙句は、平野歩夢の快挙(「北京2022」スノーボード金メダル)を称えて、20171月の記事に追加しました。

   

(2019年3月19日の記事)

  

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俳句は好き好きです  

  

  

プレバトではありませんが、「凡人」と言われても、「才能無し」と言われても、ともかく5-7-5のリズムを口遊み、句作を楽しむことが俳句の上達に良いと思います。

  

下記の拙句は「季語重なりである」と批判する方も多いでしょうが、俳句の伝統的な原則的ルールや文法は尊重しながら、「珍しく感じた自然現象をありのままに表現することが先決である」と思って句作を楽しんでいます。   

   

    

春雷に目覚めし朝(あした)庭に雪

   

春雪に蘇りしか花八つ手

  

春雪に実生(みしょう)椿色著し

   

小さき梅咲きしを包む春の雪

  

        (薫風士)

            

  

歳時記(俳誌のサロン)から気の向くままに抜粋・掲載させて頂きます。青色文字の季語をクリックして例句の詳細をご覧下さい。 

    

春の雪1

境内に芭蕉の句碑や春の雪 

        (科野美鈴) 

 

春の雪2

醤油の香りの蔵に春の雪 

        (田村すゝむ)

  

春の雪3

大川をくだる舟影春の雪 

         (水田清子)

 

春の雪4

赤き実に鳥の来てゐる春の雪 

         (廣畑忠明)

 

春の雪5

しばらくは楽しく見をり春の雪 

        (大野ツネ子)

 

春の雪6

春の雪何か明るき心地なる 

        (後藤とみ子)

  

春の雪7

戦災のこと別れのこと春の雪 

         (井上信子)

 

春の雪8

追ひ打ちのごと被災地の春の雪 

        (小野口正江)

 

春の雪9

辞世の句を創りては消す春の雪 

        (田村すゝむ)

 

春の雪10

病む夫の髭る窓や春の雪 

        (斉藤マキ子)

  

  

春雪1 

合格の胴上げ春雪舞へる中 

         (田村愛子)

  

被災地に春雪無情降りつもる 

        (清水侑久子)

 

春雪2

春雪のきらめき合格通知くる 

       (田中佐知子)

  

春雪の消えて淋しき庭もどる 

        (森田明成)

   

 トップ欄・「俳句HAIKU」をタップすると、最新の記事をご覧になれます。記事のタイトルをタップしてご覧下さい。

  

2019年3月17日 (日)

「春雷」・「春の雷」

   

(2025.3.21 更新)

春雷や売込みアプリ満ち溢れ

春雷や手の平返すこの仕打ち

春雷や短気起こすな正義とて

平和呆けするな一喝春の雷

今年は、被爆80周年になります

水道も自由も平和も、乱用浪費すると失うことになるので、大切に利用したいとの思いを新たにしています。

 

覆水や盆に還らず春の凍(いて)

春雷や疑念を晴らす翔平談

春雷や賭博は嫌よIR             

春雷に雪解け雫煌めけり 

         (薫風士

   

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掲句は、ブログ用の拙句です。

ありのままに詠んだ即興句は、「季重なり」と批判されそうですが、俳句上達の為には、見たことや感じたことを先ずありのままに、5-7-5のリズムの即興句で楽しみ、さらに必要なら時間を掛けて推敲を楽しめば良いと思っています。

   

初鏡」と「小春の鏡」(プレバト俳句の推敲)」をご覧下さい。

   

歳時記から気の向くままに抜粋・掲載させて頂きます。

例句の詳細は青色文字(季語)をタップしてご覧下さい。  

  

    

   

春雷1

春雷の虫驚かすほどもなく 

         (大橋晄)

  

犬が鳴く春雷またも戻りくる 

        (仁平則子)

  

  

春の雷1

トンネルを抜けてトンネル春の雷 

        (七種年男)

  

ゆつくりと猫欠伸せる春の雷 

      (池崎るり子)

  

  

春の雷2

寝る前に見廻る厨春の雷   

       (師岡洋子)

  

吾子の忌の二度三度鳴る春の雷 

       (國保八江)

  

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

    

「鶯」・「初音」の俳句を楽しもう!

   

(2025.2.27 更新)

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冒頭の写真は、令和7年1月4日未明現在の俳句HAIKU 記事へのアクセス累計です。

二つ目の写真は、2月9日(日)午後1時開催予定の「ふれあい寄席」の案内チラシです。

 

ふれあいの寄席果てし帰路初音かな

なめらかや落語も帰路の鴬も

        (薫風士)

  

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地区のふれあい活動推進協議会主催の「ふれあい寄席」で桂笑金さんと笑福亭瓶吾さんの落語を聞き、帰路には、寒々とした昨日が嘘のような春の陽気に鶯が落語の面白さとは異なる滑らかさで初音を聞かせて呉れて、久しぶりに癒され、冒頭のまんぽ俳句を口ずさみました。

    

  

この「ふれあい寄席」では政治問題は全く触れられませんでしたが、繁昌亭の落語で政治を小話に取り上げることはあるのでしょうか?

2月24日に繫昌亭(朝席)で開催予定の「落語怪談・百物語」の小話に、次の記事も参考にして頂けると望外の喜びです。

    

若い世代の人々が結婚して子孫を残したいと、未来に希望の持てるように、岸田内閣が聞く耳を生かした政策を推進してくれることを切望していますが、その実現の為には、若者や女性がもっと政治に関心を持ち、政治を我が事として声をあげることが必要でしょう

  

有るのが当然と思っている水道や電気が止まると、その有難さが分かりますが、自由と平和についても無くなってから気付くようでは困ります。

  

政治に関わっている方々には、「高邁なことをしているつもりでしていることが公明正大か?」「真に国民の幸せをもたらすことをしているか?」「物忘れが多くなったから引退すべきではないか?」etc. 常々、謙虚に謙虚に、自省してくれることを願っています。

大局をわきまえずに1円や2円の類のことばかりに拘り過ぎるとか、政治に無関心でいるとか、etc. 聞く耳をもった政治家をないがしろにしていると、日本もナチスのような煽動政治家やプーチンとか、誰かさんのようなアナクロ専制主義者に振り回される国になるのではないかと、危惧しています

     

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この写真のとおり、2024年2月19日午前0時現在の「俳句HAIKU」へのアクセス累計は1,078,898件と、縁起の良い数字が面白い並び方をしています。

(写真をタップ拡大してご覧下さい。)

   

落語家の皆さんも、「夏祭り最後を飾る揚げ花火」の「X」(旧Twitter)に関わる俳句をご一読頂き、薫風士の危惧をご理解の上、その思いをシェアして小話にして頂けると有難いです。

     

(2023.6.2更新)

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梅雨の雨の朝、庭の小さな梅の木に鶯(老鶯)が来ていました。

梅の木の左側中ほどに梅の木の葉に似た鶯が見えます。

     

ウクライナへのロシア軍侵攻について「已むに已まれぬ思い」を俳句に詠んだ記事をご覧下さい。

血に染むなドニエプルてふ春の川

春一番この発言はおぞましき  

(青色文字をクリックすると、ご覧頂けます)

      

次の写真はカラー図説 日本大歳時記の「鶯」の解説記事の一部です。 

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(写真はクリックすると拡大します)  

  

  

  

昨日ゴルフをして鶯の初音を聞き、浮かんだ拙句を歳時記(俳誌のサロン)の前座として掲載します。

     

ちらつきし春雪止みてゴルフ場

ティーショット構へる背に聞く初音

鶯に気を奪はれてミスショット

ミスショット厭はず惜しむ初音かな

鶯の声に快音ティーショット

鶯の高音の彼方有馬富士

鶯の声しきりなりゴルフ場

初音して駄句口ずさむゴルフかな

初音の日月一(つきいち)ゴルフこのスコア

  

「歳時記」(俳誌のサロン)から気の向くままに「鶯」や「初音」の俳句を抜粋・掲載させて頂きます。 

(青色文字の季語をクリックすると「歳時記」の詳細がご覧になれます) 

   

初音1

初音して海ひらけくる切通し 

        (水原春郎

 

初音2

石磴を上りゐしとき初音降る 

        (廣畑育子

  

鶯1

よく咲きて鶯の来し老樹かな 

        (鈴木白洋

 

鶯2

鶯の声に日課の歩をのばす   

      (久保田喜代

  

鶯3

新参の鴬啼ける新居かな   

        (新実貞子

 

鶯4

川へだて聞く鶯の朝の声   

        (鈴木幾子

 

鶯5

鶯の初音の宿の朝餉かな   

        (川井素山

  

うぐひす

うぐひすや木喰の里静もりて 

        (青木政江

   

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

     

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2019年3月13日 (水)

二月尽イータックスにチャレンジす

     

(2025.2.27 更新)

e-Tax老の苦労や二月尽

万博の見所探し二月尽

二月尽万博見直し訴へて

万博に血税活かせ二月尽

e-Tax やる気にならぬ二月尽

政倫審審議尽くさず二月尽

二月尽正直者の声を聞け

       (薫風士)

  

大谷翔平選手など、メジャーリーグで活躍している日本人の高額所得の税金を有効に活用して欲しいものですが、租税条約や租税法の扱いはどうなっているのでしょうか?

   

鶯」・「初音」の俳句を楽しもう 

ここをクリック(タップ)して、NHK政治マガジンをご覧下さい

    

桂笑金さん、笑福亭瓶吾さん

落語怪談・百物語」の小話に「俳句HAIKU」の記事(薫風士の思いや願い)を取り上げてくれたでしょうか?

  

政治に関わっている方々には、「高邁なことをしているつもりでしていることが公明正大か?」「真に国民の幸せをもたらすことをしているか?」「物忘れが多くなったから引退すべきではないか?」etc. 常々、謙虚に謙虚に、自省してくれることを切望しています。

 

大局をわきまえず、物事の一面のみに捉われるとか、1円や2円の類のことばかりに拘り過ぎるとか、政治に無関心でいるとか、etc. 聞く耳をもった政治家をないがしろにしている人々が増えると、日本もナチスのような煽動政治家やプーチンとか、誰かさんのようなアナクロ専制主義者に振り回される国になるのではないかと、危惧しています。 

    

(2019.3.13の記事)

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掲題は、マイナンバー制度を活用して「e-Taxの確定申告」にチャレンジし、口ずさんだ即興句をタイトルにしたものです。

伝統的な俳句としては、「チャレンジす」を「挑戦す」に変えて、「二月尽イータックスに挑戦す」とする方が良いでしょう。

二月尽」は「2月末」を意味する季語です。

「確定申告」は8音もあるので季語にするには不適切ですが、「納税期」を季語にしている俳句があります。 

  

5年前の e-Tax 挑戦では疲労困憊して寝込みましたが、今回は「二月尽イータックスに祝杯を!」と口ずさみ、祝杯を上げる気分になりました。

この新しい e-Tax申告システムは利用価値があり、お勧めです。

筆者のe-Tax確定申告の奮戦の顛末は下記のとおりですが、ご参考になれば幸いです。

(青色の文字をクリックするとリンクした解説記事などがご覧になれます。)

   

5年程前に、「住基カード」(住民基本台帳カード・電子証明書マーク付き)を使用してe-Taxで確定申告をするのにパスワードや暗証番号の名称などが分かりにくくて混乱し、悪戦苦闘したことをブログ(チュヌの便り)に書きました。

この苦労に懲りて、それ以来は地域の商工会館で開催される確定申告相談会を利用していましたが、相談の順番待ちや事前準備に時間が掛かるのが不満でした。

昨年の相談会で、マイナンバー制度による新しいe-Taxシステム(「利用者識別番号」(「ID」と「パスワード」の届けが必要)が利用できるようになったことを知り、必要な手続きを済ませて期待していたところ、税務署から「平成30年分確定申告のお知らせ」という折込葉書が来ました。

そこで、新しいタブレット式のパソコンを使って「確定申請書等作成コーナー」でe-Taxの申請書の作成にとりかかりました。

「パスワード」や「暗証番号」の煩雑さからは解放されましたが、入力作業を途中で止めると、その後は操作がスムーズにいかず、最初から何度も入力作業を繰り返すことになりました。

「作成済み分を保存して入力作業を再開すれば良い」と思いやってみましたが、「タブレットでは保存済みファイルを開くことが出来ない」と分かりました。

そこで、ノート型のパソコンならファイルの保存・入力作業の再開が出来るだろうと思って、別のパソコンで最初から入力をやり直してみましたが、入力操作の中断・継続をすることが出来ません。

その理由をあれこれ考えましたが、「このパソコンのアカウントやメールアドレスが最初に使用したタブレットと異なるために上手くいかないのだろう」と判断して、またタブレットを使って最初からやり直しました。

「入力作業を中断するとダメだ」と思って、「必要なデータをすべて手元に揃え」、「中断せずに継続的に」入力作業をしました。その結果、やっとe-Taxで申告書を送信することに成功しました。

パソコン画面操作の初歩的なことですが、スクロールバーが表示されている画面では、必要に応じて上下・左右にスクロールして、画面全体をよく確認することが肝心です。

次の画面に進む場合や前の画面に戻る場合は、「次へ」とか「戻る」をクリックして、指示通りに操作することです。

このように、入力作業の仕方を2日がかりでマスターしましたので、来年は半日も掛けずに楽々とe-Taxで申告できることを期待しています。

以上、恥ずかしながら皆さんの何かのご参考になればと思って書きました。

  

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