俳句 (Haiku) Feed

2019年6月12日 (水)

俳句の鑑賞《時鳥•杜鵑•ほととぎす》

        

6月10日は「時の記念日」です。

  

真夜中も鳴き続けゐる時鳥

時鳥わが目覚ましや日の出前

時鳥吾庭に来しか指呼の声

       (薫風士)

  

「時鳥」は、小鳥図鑑などの見出しには片仮名で表示するのが普通ですが、一般に「ホトトギス」と言えば、俳句結社の「ホトトギス」俳句雑誌の「ホトトギス」を指します。

俳句などで小鳥の「ほととぎす」を表現するのに「時鳥」「杜鵑」「不如帰」など、様々な漢字が当てられていますが、「時鳥」と書く由来は何でしょうか?

      

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写真は、カラー図説日本大歳時記の「時鳥」のページの一部です。 

画面をクリック・拡大して、その解説記事をご覧下さい

      

歳時記(俳誌のサロン)から気の向くままに抜粋・掲載させて頂きます。

例句の詳細や解説は青色文字の季語をクリックしてご覧下さい。

       

ほととぎす1

ほととぎす朝は童女も草を負ふ 

      (水原秋櫻子)

 

木洩れ日の坂ある生家ほととぎす 

      (伊藤和枝)

  

ほととぎす2

乳搾る牛舎の夜明けほととぎす 

      (永井雪狼)

 

西行の剃髪石やほととぎす   

       (神蔵器)

   

ほととぎす3

ほととぎす記憶の中の祖母の声 

       (渡邉友七)

 

ほととぎす丹波出石の休み窯  

       (徳永亜希)

  

ほととぎす4

ほととぎす上等水兵戦死の碑  

      (松本平八郎)

 

小城下に住みて幸ありほととぎす 

      (浅井青陽子) 

  

ほととぎす5

急峻の若杉(わかす)峠やほととぎす 

        (浜福惠)

 

空白み浅き眠りにほととぎす  

       (森清信子)

  

時鳥1

還らざるもの呼びつづけ時鳥  

       (山田弘子)

 

山住みに慣れて未明の時鳥   

       (指尾直子)

   

時鳥2

時鳥きよきよじつじつと鳴きにけり 

        (高橋将夫)

 

一声は花鳥の一詩時鳥     

        (竹下陶子)

  

時鳥3

露天湯や山気ふるはす時鳥  

        (和田慈子)

 

病棟の深きしじまや時鳥   

        (木村傘休)

   

杜鵑

真夜中の風呂で聞きいる杜鵑 

        (藏本博美

   

Click here to see “Bashō's haiku in Japanese and English by L. P. Lovee”      

芭蕉の俳句「岩躑躅染る泪やほととぎ朱」の鑑賞・英訳に興味のある方はここをクリックしてご覧下さい。  

   

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2019年6月 7日 (金)

芭蕉300句:言葉の壁を破る英訳チャレンジ (1)

         

 (Click here to see "the English version by L. P. Lovee".)

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先日、「575 The haiku of Basho」の著者John Whiteが共著者の佐藤平顕明氏と来日され、芭蕉の俳句の英訳について議論する機会を得ました。

ホワイト氏は俳句の原則5-7-5音を尊重して英訳を5-7-5 音節(syllable)のhaikuとし、芭蕉が字余りで詠んだ俳句はそれに従って音節を増やすという徹底ぶりで、300句を英訳しています。その労作には驚嘆しました。

ホワイト氏は日本語を理解できないので、佐藤氏の解説を基にして英訳されたそうで、両氏のご努力には敬意を惜しみません。しかし、俳句の本質は5-7-5音の簡潔な詩的表現をすることにあり、日本語と英語の構文や発音などの違いを無視して形式的に音節に拘ることには賛成しかねます。動詞や前置詞・副詞などを使用して音節を増やすと散文的になり、俳句の特徴である「詩的短さ」が損なわれると主張しましたが、ホワイト氏は英語の詩として十分簡潔なhaikuに翻訳していると反論され、議論は平行線に終わりました。

ホワイト氏には94歳のご高齢にもかかわらず翌日の帰国を控えたお忙しい時間を割いて頂いたので議論の矛を収めましたが、言葉の壁を破り俳句の翻訳をすることの難しさの一例として、ご参考までに下記のとおり紹介させて頂きます。

 

・ほろほろと山吹ちるか瀧の音 (芭蕉

 

yellow rose petals

gently, gently flutter down;

waterfall thunder

 

ホワイト氏は、芭蕉が山吹を見て詠んだものとしてこの翻訳をしたとのことで、「滝音の響きと山吹が静かに散る対比が面白い」と感想を述べていました。

この解釈は、疑問を表す助詞「か」を見落としていますが、日本の著名な俳人も文法に気をとめず直感的に句意を解釈する傾向があるので是認すべきかもしれません。この俳句は滝の音を聞きながら、「滝の轟音の響きで山吹が散るのではないか?」と滝音の大きさを詠嘆して詠んだものでしょう。 

そこで、次のとおり試訳してみました。

  

shall yellow rose petals

flutter down?

the thunder of water fall

   

ホワイト氏の翻訳は9語17音節ですが、上記試訳は11語16音節です。語数が増えても「滝の音」を強調するために敢えて「the thunder of waterfall」としました。

英詩のHAIKUとしては試訳よりホワイト氏の翻訳の方が詩的映像が鮮明になり優れていると思いますが、原句の句意を無視することはできません。試訳は1~2行の改行を活かし、間をおいて読むと俳句らしくなります。

芭蕉は「滝と山吹」の従来の取り合わせの焦点を音に当てることにより新鮮味を出し、映像は読者の想像に委ねたものと思います。

ホワイト氏はロンドンの名門大学UCLの教授だったとのことですが、まだまだお元気です。「来年も生きていたら来日し、俳句と仏教について講演するつもりだ」と仰ってました。

芭蕉の俳句を気の向くままに英訳して言葉の壁を破るチャレンジをし、来年もホワイト氏と議論できることを願っています。

 

今後の英訳は折に触れてfacebookにも掲載します。俳句の翻訳に関心のある読者の皆さんからコメントを頂き、「俳句とhaiku」鑑賞の楽しさをシェアして頂けると望外の喜びです。

   

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2019年5月21日 (火)

俳句の文法《助詞「や」と「か」》

     

ほろほろと山吹ちるか瀧の音 

          (芭蕉)

  

この俳句の解説をインターネットで検索すると、目についた限り全て「山吹が散っている情景を見て詠んだ俳句」として解説しています。

芭蕉は、山吹が散るのを見て詠んだのであれば、「ほろほろと山吹ちるや滝の音」と、「切れ字」ではなく「強調・詠嘆」の「や」を用いたのではないでしょうか? 

しかし、「山吹ちるか」と「か」(疑問を表す助詞)を用いています。

従って、滝の轟く音を聞いて、「山吹も滝の響きで散ることだろう」と瀧音の強さを詠嘆した俳句であると解釈すべきではないでしょうか? 

  

この句は、従来の俳諧が「滝・清流に山吹」など、絵画や和歌の題材として視覚的に親しまれていたものを音に焦点を当て新しい感覚で俳句に詠んだものでしょう。

  

芭蕉の俳句といえば、「古池や蛙飛びこむ水の音」が有名ですが、従来の俳諧では「清流の蛙(かじか)の鳴き声と山吹の取り合わせ」などが重んじられたのに対して、「古池と蛙の水音の取り合わせ」を詠んだ蕉風俳諧に通じるものがあると思います。

  

歳時記によると、「山吹」は春の季語、「滝」は夏の季語です。一般に、季語が二つあるのは良くないとされていますが、俳句の内容次第で効果があれば良いと思っています

  

寺田虎彦が「俳諧の本質的概論」で俳句における「てにをは」の重要性を強調しています。

  

我田引水ですが、助詞「や」の有無で高浜虚子の俳句「初空や大悪人虚子の頭上に」の句意も異なるとして新解釈を試みました。

  

興味があれば、「俳句談義(3):虚子の句「初空や」の新解釈《大悪人は誰か?》をご覧下さい。

 

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2019年5月17日 (金)

俳句の深読み: 田ステ女俳句ラリーに参加して

   

故郷を「まんぽ俳句」で元気に、未来に繋ごう! 

 

(2025.5.28 更新)

最近、生成AI(せいせいエイアイ)ChatGpt を利用した俳句自動作成アプリ「AI一茶くん」等がありますが、俳句は人が詠んでこそ意味があり、価値があると思います。

 

AI (エイアイ) には感情が無くて愛が有りませんが、人間には感性があり、愛があります。

 

俳句に感性を込めて自然や人の営みを詠むのが花鳥諷詠でしょう

  

AI (エイアイ) に勝る俳句や初戎

AI (エイアイ) に勝る投句を母の日ぞ

          (薫風士)  

  

上記俳句の助詞「や」と「を」の違いによる句意・ニュアンスの違いを考えて頂ければ幸いです。

   

(2019.5.17 の記事)

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2018年(令和元年)512日(母の日)に丹波市柏原町で開催された丹波市俳句協会主催の第23田ステ女俳句ラリーに参加し、5句投句したところ、次の一句が入選して「丹波悠遊の森 賞」を頂きました。 

   

  

風薫る我が青春の木の根橋

   

選者は宇田喜代子木割大雄、坪内稔典、山田佳乃の4氏でした。

     

(青色文字をクリックするとリンクされた解説記事などをご覧になれます。)

  

記念講演は小林孔氏の「ステ女の名句、深読み」でした。詳細は実行委員会が何れ報告されるでしょうから差し控えますが、「春をうるは実にめでたいよ若えびす」などステ女の俳句にも掛詞の面白さがあることが紹介されました。

筆者のブログ「俳句鑑賞《蕪村の俳句『薫風や』は面白い》において、「薫風やともしたてかねついつくしま」という蕪村の俳句は少なくとも4通りの解釈が可能であると書きましたが、同じ様にステ女の俳句の深読みをする先生がいることを知り、興味深く拝聴しました。

   

ちなみに、正岡子規は「ふたぬいて月のかけくむ新酒哉」という俳句を作っています。「月のかけ」は「酒樽の蓋が月の欠けたように開いたこと」を詠んだのでしょうが、「欠けた月の映っている酒樽から酌んだこと」を詠んだものかもしれません。

 

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2019年4月30日 (火)

平成の果てて令和の花見酒

 

To enjoy HAIKU in English, click the respective titles: Farewell haiku of Ransetsu” , Photo Haiku Collection (Trip to Europe), and "Vol.5 Kyoshi 100 Haiku (81) ~ (100)" in HIA.

     

新元号期待違はず花見かな 

花冷に祈る平和や令和の句

平成の平和繋がむ生身魂

      

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冒頭の写真はNHK-TV 二ュ-ス画面ですが、桜の写真はスマホで撮った隅田川テラスからスカイツリーを望む風景と皇居の堀端の垂れ桜です。

   

(写真はクリックすると拡大します。青色文字をクリックするとリンク記事をご覧になれます。)    

    

 現代は「花見」と言えば「桜の花見」ですが、万葉集時代の花見の対象は中国渡来の「梅の花」でした。   

               

新元号令和を祝ひ花見酒

 

万葉の文化偲びつ花の宴

 

異国語も交じり平和や花筵

 

句に興じ異国の友と花見酒

  

新元号フェイクにするな四月馬鹿

 

改元に詐欺の横行四月馬鹿

   

平和ぼけするな一喝春の雷

 

大川のジョガー行き交ふ花堤

 

花万朶スカイツリーを遠望に

 

花万朶水面に映ゆる皇居かな

  

平成の残花を惜しみ一人旅

 

碧眼の皿売りも居て花の市

  

平成の果つる四月や花に雪

 

余花の雨地を固むるや令和成る

 

花は葉に一人連句を口ずさみ

       (薫風士)

       

          

「桜」・「花」の俳句と写真集(サイト)はここをクリックしてご覧下さい 

歳時記(俳誌のサロン)の「花見」の俳句はここをクリックしてご覧下さい    

       

  

「令和」の「令」は「命令」・「号令」や「律令制」を連想し、「和」は「昭和」と「平和」を連想します。

「律令制」は「大化の改新」で実施されました。

 

「令和」の時代に「世界平和に貢献する日本にするか否か」は、我々一人一人の自覚と行動次第です。

  

「和を以て貴しと為す」は聖徳太子の言葉とされていますが、平和憲法下の「民主主義に基く和」を推進したいものです。

  

平和ぼけして「あなた任せ」や「お上まかせ」の意識でいると、「平成から令和の歴史の流れ」は「大正から昭和の歴史」と同様の悪夢の繰り返しになるでしょう。

 

自民党の憲法改正案には「天皇を元首」にしたり、「自衛隊」を「軍隊」にしてありますが、このような「改正と称する改悪」は無用でしょう。

 

平成の天皇の「『象徴天皇』と『平和』への真摯な思い」を無にしてはならない、という忖度思いを新たしています。

 

読売新聞の記事によると、安倍首相は「桜を見る会」で自作の俳句を2句披露しています。

 

平成を名残惜しむか八重桜

新しき御代寿祝ぎて八重桜

    

上記の俳句は「俳句談義(18):政治家と俳句」で紹介した俳句より上達していますが、安倍総理以下与党議員の方々には平成の天皇の思い民の思いを誤解することなく忖度して、憲法の改悪はせず、天皇が平成から令和へ「日本国民の象徴」として国際親善・平和外交を継承される環境を堅持してほしいと切望しています

  

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2019年4月26日 (金)

平成最後の「花鳥同人俳句会」に参加して

  

Img_3219_2平成最後の「花鳥同人俳句会」が東京深川の富岡八幡宮で開催され、参加しました。 

  

写真はくリクすると拡大し、青色の文字はクリック(タップ)すると最近追加した関連のリンク記事もご覧になれます。

      

  

東風突くは五拾五貫の力石     

           (月惑)

  

呼出しは東風をうっちゃる大関碑 

          (月惑) 

  

春水の音の静寂や弁天宮 

         (さとし)

      

掲句の3句目は花鳥同人会長選入選の拙句です。 

  

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下記の拙句4句は互選にも入りませんでした。

 

俳句は好き好きですが、写真を見て拙句の批評・感想などコメントを頂ければ望外の喜びです。

      

   

馳せ参じ一番乗りやの句座

 

や平成果つる禁裏

 

春水の大川分かつビルの島

 

大江戸線出し春光六本木

           

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俳句雑感(4): 高浜虚子と坪内稔典(俳句は詠み人・読み人次第)

       

高浜虚子が終戦に際して詠んだ俳句について坪内稔典氏は誤解しているのではないか?

蝉や蓑虫は虚子と同一視されて迷惑かもしれない。人間のおこした戦争などには関知せず、自分らは勝手に鳴いてるんだ、と文句を言うだろう。」と稔典氏は述べているが、高浜虚子は稔典氏が批判している俳句秋蝉も泣き蓑虫も泣くのみぞ」「人間と蝉」を同一視していないし、まして「虚子と蝉」を同一視なんぞしていない。自分の俳句で言葉遊びをするのは自由だが、他人の俳句を誤解して遊ぶのは困りものである。

俳句は片言とは言え、俳句の先生がこのような俳句の誤った解釈をして、虚子俳句に対する偏見・誤解を広めているようではさぞかし虚子も天国で嘆いているでしょう。 (丹波新聞「俳句に詠み込む参照。  

虚子俳句の正しい解釈については、「蝉の俳句を鑑賞しようをご覧下さい。

    

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2019年3月31日 (日)

早春・春浅し(有馬富士)

    

早春の頂き目指し有馬富士

春浅き走り根の径幼子と

吾を阻む「わんぱく砦」春浅し

      (薫風士

 

掲句の「径」は「みち」と読み、「吾」は「あ」と読んで下さい。

  

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掲句は、有馬富士公園を吟行し、有馬富士の山頂を目指しましたが、幼子同伴なので、山頂まであと百メートルの「わんぱく砦」(岩場の写真参照)で登頂を断念して下山したことを俳句にしたものです。

「吾を阻む」は「あをはばむ」と「5-7-5」のリズムに読んで下さい    

         

  

歳時記(俳誌のサロン)から気の向くままに「早春」・「春浅し」の俳句を抜粋・掲載させて頂きます。

   

   

早春1

早春の庭より声の二三人

        (稲畑汀子)

  

早春2

早春の湖に近江の逆さ冨士

        (吉江潤二)

  

早春3

早春や波静かなる由比ヶ浜

        (中村則夫)

 

早春4

早春の旅は呉線光る海

        (石田玲子)

 

早春5

安曇野に聞く早春の水の音 

        (安部和子)

    

  

春浅し1

浅春の雨に色濃き煉瓦道  

        (木下節子)

 

春浅し2

つぐみ来て地鳴きひとこゑ春浅し 

        (井上あい)

  

春浅し3

客を待つ回転木馬春浅し  

         (中島隆)

  

春浅し4

春浅き水を渉るや鷺一つ  

      (河東碧梧桐

 

春浅し5

浅春や五分足らずの渡し舟 

     (村田くにいち)

  

春浅し6

寒暖の差のはげしさや春浅し 

      (原田たづゑ) 

     

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「春の水・春水」の俳句

      

一つ根に離れ浮く葉や春の水

        (高浜虚子)

   

「春の水」の俳句といえば、高浜虚子の掲句が浮かびます。

この句を「自然の摂理を詠んだ比喩」と解釈して「俳句の創作的解釈というブログを2年前に書きましたが、「俳諧」から生まれた「俳句」と「川柳」にも当てはまります。

  

さらに、高浜虚子の曾孫に当たる稲畑廣太郎(「ホトトギス」の主宰)と坊城俊樹(「花鳥」の主宰)の両氏の句風にも当てはまるでしょう。

両氏のブログ「主宰奔走や「花鳥・近詠をご覧下さい。 

     

P.S. 2022.3.12

唐突ですが、ウクライナ紛争について「已むに已まれぬ思い」を俳句に詠み、緊急提言のブログ記事を書きました。

青色文字をクリック(タップ)して、血に染むなドニエプルてふ春の川春一番この発言はおぞましきをご覧下さい。

    

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写真は兵庫県立有馬富士公園福島大池です

    

あちこちに鴨が泳ぎ、亀が十数匹も杭の上などで甲羅を干していました。

   

     

   

   

   

高浜虚子の言葉「深は新なり」を思い出してブログ俳句を詠みましたが、「一つ根」の俳句は人類や既存の宗教にも当てはまります。

  

ここをクリック(タップ)して、「宗教と科学の対立と融合」をご一読頂けると幸いです

   

春水や深は新なり句に遊ぶ           

有馬富士映し豊や春の水        

         (薫風士)   

      

歳時記(俳誌のサロン)から「春の水」の俳句を抜粋・掲載させて頂きます。

例句の詳細は青色文字の季語をクリックしてご覧下さい。

  

春の水1

平野郷環濠巡る春の水 

        (井上輝男)

   

春の水2

比叡より奔り下りて春の水 

        (上野昌子)

  

春の水3

堰越ゆる小枝逆巻く春の水 

       (山田六甲)

  

春水

春水を蹴つて翔ぶもの泳ぐもの 

      (稲畑廣太郎)

    

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2019年3月19日 (火)

俳句を楽しもう!《春の雪・春雪》

   

(2025.3.4更新)

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冒頭の写真は、NHK-TV ニュース画面の一部分です。

   

P.S. 2022.3.12

ウクライナ紛争について、「已むに已まれぬ思い」を俳句に詠み、記事を追加ました。 

青色文字をクリック(タップ)して、血に染むなドニエプルてふ春の川」や春一番この発言はおぞましき」をご覧下さい。(薫風士)

     

雪山を飛翔滑降四勇姿

ノルディック複合団体銅メダル獲得の花渡部善・永井秀昭・渡部暁斗・山本涼太を称えた拙句です。

     

雪遊び技を極めて金メダル

上記の存問の拙句は、平野歩夢の快挙(「北京2022」スノーボード金メダル)を称えて、20171月の記事に追加しました。

   

(2019年3月19日の記事)

  

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俳句は好き好きです  

  

  

プレバトではありませんが、「凡人」と言われても、「才能無し」と言われても、ともかく5-7-5のリズムを口遊み、句作を楽しむことが俳句の上達に良いと思います。

  

下記の拙句は「季語重なりである」と批判する方も多いでしょうが、俳句の伝統的な原則的ルールや文法は尊重しながら、「珍しく感じた自然現象をありのままに表現することが先決である」と思って句作を楽しんでいます。   

   

    

春雷に目覚めし朝(あした)庭に雪

   

春雪に蘇りしか花八つ手

  

春雪に実生(みしょう)椿色著し

   

小さき梅咲きしを包む春の雪

  

        (薫風士)

            

  

歳時記(俳誌のサロン)から気の向くままに抜粋・掲載させて頂きます。青色文字の季語をクリックして例句の詳細をご覧下さい。 

    

春の雪1

境内に芭蕉の句碑や春の雪 

        (科野美鈴) 

 

春の雪2

醤油の香りの蔵に春の雪 

        (田村すゝむ)

  

春の雪3

大川をくだる舟影春の雪 

         (水田清子)

 

春の雪4

赤き実に鳥の来てゐる春の雪 

         (廣畑忠明)

 

春の雪5

しばらくは楽しく見をり春の雪 

        (大野ツネ子)

 

春の雪6

春の雪何か明るき心地なる 

        (後藤とみ子)

  

春の雪7

戦災のこと別れのこと春の雪 

         (井上信子)

 

春の雪8

追ひ打ちのごと被災地の春の雪 

        (小野口正江)

 

春の雪9

辞世の句を創りては消す春の雪 

        (田村すゝむ)

 

春の雪10

病む夫の髭る窓や春の雪 

        (斉藤マキ子)

  

  

春雪1 

合格の胴上げ春雪舞へる中 

         (田村愛子)

  

被災地に春雪無情降りつもる 

        (清水侑久子)

 

春雪2

春雪のきらめき合格通知くる 

       (田中佐知子)

  

春雪の消えて淋しき庭もどる 

        (森田明成)

   

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2019年3月17日 (日)

「春雷」・「春の雷」

   

(2025.3.21 更新)

春雷や売込みアプリ満ち溢れ

春雷や手の平返すこの仕打ち

春雷や短気起こすな正義とて

平和呆けするな一喝春の雷

今年は、被爆80周年になります

水道も自由も平和も、乱用浪費すると失うことになるので、大切に利用したいとの思いを新たにしています。

 

覆水や盆に還らず春の凍(いて)

春雷や疑念を晴らす翔平談

春雷や賭博は嫌よIR             

春雷に雪解け雫煌めけり 

         (薫風士

   

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掲句は、ブログ用の拙句です。

ありのままに詠んだ即興句は、「季重なり」と批判されそうですが、俳句上達の為には、見たことや感じたことを先ずありのままに、5-7-5のリズムの即興句で楽しみ、さらに必要なら時間を掛けて推敲を楽しめば良いと思っています。

   

初鏡」と「小春の鏡」(プレバト俳句の推敲)」をご覧下さい。

   

歳時記から気の向くままに抜粋・掲載させて頂きます。

例句の詳細は青色文字(季語)をタップしてご覧下さい。  

  

    

   

春雷1

春雷の虫驚かすほどもなく 

         (大橋晄)

  

犬が鳴く春雷またも戻りくる 

        (仁平則子)

  

  

春の雷1

トンネルを抜けてトンネル春の雷 

        (七種年男)

  

ゆつくりと猫欠伸せる春の雷 

      (池崎るり子)

  

  

春の雷2

寝る前に見廻る厨春の雷   

       (師岡洋子)

  

吾子の忌の二度三度鳴る春の雷 

       (國保八江)

  

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

    

「鶯」・「初音」の俳句を楽しもう!

   

(2025.2.27 更新)

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冒頭の写真は、令和7年1月4日未明現在の俳句HAIKU 記事へのアクセス累計です。

二つ目の写真は、2月9日(日)午後1時開催予定の「ふれあい寄席」の案内チラシです。

 

ふれあいの寄席果てし帰路初音かな

なめらかや落語も帰路の鴬も

        (薫風士)

  

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地区のふれあい活動推進協議会主催の「ふれあい寄席」で桂笑金さんと笑福亭瓶吾さんの落語を聞き、帰路には、寒々とした昨日が嘘のような春の陽気に鶯が落語の面白さとは異なる滑らかさで初音を聞かせて呉れて、久しぶりに癒され、冒頭のまんぽ俳句を口ずさみました。

    

  

この「ふれあい寄席」では政治問題は全く触れられませんでしたが、繁昌亭の落語で政治を小話に取り上げることはあるのでしょうか?

2月24日に繫昌亭(朝席)で開催予定の「落語怪談・百物語」の小話に、次の記事も参考にして頂けると望外の喜びです。

    

若い世代の人々が結婚して子孫を残したいと、未来に希望の持てるように、岸田内閣が聞く耳を生かした政策を推進してくれることを切望していますが、その実現の為には、若者や女性がもっと政治に関心を持ち、政治を我が事として声をあげることが必要でしょう

  

有るのが当然と思っている水道や電気が止まると、その有難さが分かりますが、自由と平和についても無くなってから気付くようでは困ります。

  

政治に関わっている方々には、「高邁なことをしているつもりでしていることが公明正大か?」「真に国民の幸せをもたらすことをしているか?」「物忘れが多くなったから引退すべきではないか?」etc. 常々、謙虚に謙虚に、自省してくれることを願っています。

大局をわきまえずに1円や2円の類のことばかりに拘り過ぎるとか、政治に無関心でいるとか、etc. 聞く耳をもった政治家をないがしろにしていると、日本もナチスのような煽動政治家やプーチンとか、誰かさんのようなアナクロ専制主義者に振り回される国になるのではないかと、危惧しています

     

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この写真のとおり、2024年2月19日午前0時現在の「俳句HAIKU」へのアクセス累計は1,078,898件と、縁起の良い数字が面白い並び方をしています。

(写真をタップ拡大してご覧下さい。)

   

落語家の皆さんも、「夏祭り最後を飾る揚げ花火」の「X」(旧Twitter)に関わる俳句をご一読頂き、薫風士の危惧をご理解の上、その思いをシェアして小話にして頂けると有難いです。

     

(2023.6.2更新)

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梅雨の雨の朝、庭の小さな梅の木に鶯(老鶯)が来ていました。

梅の木の左側中ほどに梅の木の葉に似た鶯が見えます。

     

ウクライナへのロシア軍侵攻について「已むに已まれぬ思い」を俳句に詠んだ記事をご覧下さい。

血に染むなドニエプルてふ春の川

春一番この発言はおぞましき  

(青色文字をクリックすると、ご覧頂けます)

      

次の写真はカラー図説 日本大歳時記の「鶯」の解説記事の一部です。 

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(写真はクリックすると拡大します)  

  

  

  

昨日ゴルフをして鶯の初音を聞き、浮かんだ拙句を歳時記(俳誌のサロン)の前座として掲載します。

     

ちらつきし春雪止みてゴルフ場

ティーショット構へる背に聞く初音

鶯に気を奪はれてミスショット

ミスショット厭はず惜しむ初音かな

鶯の声に快音ティーショット

鶯の高音の彼方有馬富士

鶯の声しきりなりゴルフ場

初音して駄句口ずさむゴルフかな

初音の日月一(つきいち)ゴルフこのスコア

  

「歳時記」(俳誌のサロン)から気の向くままに「鶯」や「初音」の俳句を抜粋・掲載させて頂きます。 

(青色文字の季語をクリックすると「歳時記」の詳細がご覧になれます) 

   

初音1

初音して海ひらけくる切通し 

        (水原春郎

 

初音2

石磴を上りゐしとき初音降る 

        (廣畑育子

  

鶯1

よく咲きて鶯の来し老樹かな 

        (鈴木白洋

 

鶯2

鶯の声に日課の歩をのばす   

      (久保田喜代

  

鶯3

新参の鴬啼ける新居かな   

        (新実貞子

 

鶯4

川へだて聞く鶯の朝の声   

        (鈴木幾子

 

鶯5

鶯の初音の宿の朝餉かな   

        (川井素山

  

うぐひす

うぐひすや木喰の里静もりて 

        (青木政江

   

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

     

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2019年3月13日 (水)

二月尽イータックスにチャレンジす

     

(2025.2.27 更新)

e-Tax老の苦労や二月尽

万博の見所探し二月尽

二月尽万博見直し訴へて

万博に血税活かせ二月尽

e-Tax やる気にならぬ二月尽

政倫審審議尽くさず二月尽

二月尽正直者の声を聞け

       (薫風士)

  

大谷翔平選手など、メジャーリーグで活躍している日本人の高額所得の税金を有効に活用して欲しいものですが、租税条約や租税法の扱いはどうなっているのでしょうか?

   

鶯」・「初音」の俳句を楽しもう 

ここをクリック(タップ)して、NHK政治マガジンをご覧下さい

    

桂笑金さん、笑福亭瓶吾さん

落語怪談・百物語」の小話に「俳句HAIKU」の記事(薫風士の思いや願い)を取り上げてくれたでしょうか?

  

政治に関わっている方々には、「高邁なことをしているつもりでしていることが公明正大か?」「真に国民の幸せをもたらすことをしているか?」「物忘れが多くなったから引退すべきではないか?」etc. 常々、謙虚に謙虚に、自省してくれることを切望しています。

 

大局をわきまえず、物事の一面のみに捉われるとか、1円や2円の類のことばかりに拘り過ぎるとか、政治に無関心でいるとか、etc. 聞く耳をもった政治家をないがしろにしている人々が増えると、日本もナチスのような煽動政治家やプーチンとか、誰かさんのようなアナクロ専制主義者に振り回される国になるのではないかと、危惧しています。 

    

(2019.3.13の記事)

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掲題は、マイナンバー制度を活用して「e-Taxの確定申告」にチャレンジし、口ずさんだ即興句をタイトルにしたものです。

伝統的な俳句としては、「チャレンジす」を「挑戦す」に変えて、「二月尽イータックスに挑戦す」とする方が良いでしょう。

二月尽」は「2月末」を意味する季語です。

「確定申告」は8音もあるので季語にするには不適切ですが、「納税期」を季語にしている俳句があります。 

  

5年前の e-Tax 挑戦では疲労困憊して寝込みましたが、今回は「二月尽イータックスに祝杯を!」と口ずさみ、祝杯を上げる気分になりました。

この新しい e-Tax申告システムは利用価値があり、お勧めです。

筆者のe-Tax確定申告の奮戦の顛末は下記のとおりですが、ご参考になれば幸いです。

(青色の文字をクリックするとリンクした解説記事などがご覧になれます。)

   

5年程前に、「住基カード」(住民基本台帳カード・電子証明書マーク付き)を使用してe-Taxで確定申告をするのにパスワードや暗証番号の名称などが分かりにくくて混乱し、悪戦苦闘したことをブログ(チュヌの便り)に書きました。

この苦労に懲りて、それ以来は地域の商工会館で開催される確定申告相談会を利用していましたが、相談の順番待ちや事前準備に時間が掛かるのが不満でした。

昨年の相談会で、マイナンバー制度による新しいe-Taxシステム(「利用者識別番号」(「ID」と「パスワード」の届けが必要)が利用できるようになったことを知り、必要な手続きを済ませて期待していたところ、税務署から「平成30年分確定申告のお知らせ」という折込葉書が来ました。

そこで、新しいタブレット式のパソコンを使って「確定申請書等作成コーナー」でe-Taxの申請書の作成にとりかかりました。

「パスワード」や「暗証番号」の煩雑さからは解放されましたが、入力作業を途中で止めると、その後は操作がスムーズにいかず、最初から何度も入力作業を繰り返すことになりました。

「作成済み分を保存して入力作業を再開すれば良い」と思いやってみましたが、「タブレットでは保存済みファイルを開くことが出来ない」と分かりました。

そこで、ノート型のパソコンならファイルの保存・入力作業の再開が出来るだろうと思って、別のパソコンで最初から入力をやり直してみましたが、入力操作の中断・継続をすることが出来ません。

その理由をあれこれ考えましたが、「このパソコンのアカウントやメールアドレスが最初に使用したタブレットと異なるために上手くいかないのだろう」と判断して、またタブレットを使って最初からやり直しました。

「入力作業を中断するとダメだ」と思って、「必要なデータをすべて手元に揃え」、「中断せずに継続的に」入力作業をしました。その結果、やっとe-Taxで申告書を送信することに成功しました。

パソコン画面操作の初歩的なことですが、スクロールバーが表示されている画面では、必要に応じて上下・左右にスクロールして、画面全体をよく確認することが肝心です。

次の画面に進む場合や前の画面に戻る場合は、「次へ」とか「戻る」をクリックして、指示通りに操作することです。

このように、入力作業の仕方を2日がかりでマスターしましたので、来年は半日も掛けずに楽々とe-Taxで申告できることを期待しています。

以上、恥ずかしながら皆さんの何かのご参考になればと思って書きました。

  

最新の俳句や英語俳句の記事は、青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップしてご覧下さい。

この「俳句HAIKU」をタップすると最新の全ての記事を一覧できます。

   

2019年3月 8日 (金)

梅見《世界の梅公園》(写真と俳句)

     

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2019年3月5日(火)にたつの市の「世界の梅公園」に梅見に行った際に撮った写真と拙句を掲載します。

   

北側の梅は未だ蕾のようでしたが、海側(南側)の梅は満開でした。

  

このような「梅日和」の華やかな梅の風景を見るのは初めての体験で大満足でした。

   

(青色文字をクリックするとリンクした解説記事がご覧になれます。写真はクリックすると拡大します。

        

 紛ひなく我晴れ男梅日和

  

梅日和眼下茫洋播磨灘

  

梅見する頭上に鳶綾部山

   

梅の園杖の老婆も数多ゐし

  

手を繋ぎ歳を重ねし梅見客

  

思ひ遣り厚き案内梅の山

 

御津も良し岡本も良し梅見かな

  

平成の果つる梅見を恙なく

     

歳時記(俳誌のサロン)には「」の俳句が約1800句、「紅梅」約800句、「白梅」約500句、「梅の花」約300句など、味わい深い俳句や個性的な俳句など、無数にあって興味が尽きません。

(青色文字の季語をクリックして歳時記の俳句をご覧下さい。)

   

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

        

2019年3月 6日 (水)

《春光の蓬莱苑》

  

2024.2.2 更新

春光や蓬莱苑を手作りす

   

ウクライナ紛争について、「已むに已まれぬ思い」を俳句に詠み、記事を書きました。

青色文字をクリック(タップ)して、「血に染むなドニエプルてふ春の川」や春一番この発言はおぞましき」をご覧下さい。

   

Img_2526冒頭の写真は、カラー図説日本大歳時記の季語「春光」の解説ページです。

写真をクリック(タップ)・拡大してご覧下さい。

  

   

2019.3.6の記事

花山院(西国三十三観音霊場・番外)を参拝した際の拙句と写真を掲載します。

   

春光や握手誘ふ七地蔵

         (薫風士)

   

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俳句は人それぞれ、吟行に限らず身近に体験したことや思いなどを気軽に詠んで楽しめば良いと思っています。

  

  

   

「春光」の俳句を「歳時記」(俳誌のサロン)から気の向くままに抜粋・掲載させて頂きます。

 

(例句の詳細は青色文字の季語「春光」をクリックしてご覧下さい。)

   

春光(1)

  

春光に金かがやきて舞扇

        (堀江清子)

 

堰落つるとき春光となる流れ

      (長谷川杜人)

 

春光の焦点となる一白帆

         (林翔

  

    

春光(2)

  

春光や歯科医の椅子の足の先

        (柳沢典子)

 

噴水といふ春光を仰ぎけり

         (岡本眸)

 

春光の鱗しぶきや湖魚の店

        (野中啓子)

  

    

春光(3)

 

春光やほとけををがむこともなく

         (瀧春一

        

春光やビルは仕上げのガラス拭き

        (伊藤洋子)

  

   

春光(4) 

   

春光のとどかぬ地下の花の店

         (遠藤実)

 

春光の川に添ひゆく路線バス

        (川村文英)

 

春光を散らし羽搏くフラミンゴ

        (野坂民子)

   

     

春光(5)

  

磨かれて春光弾く厨かな

        (辻田玲子)

 

空狭しビル春光の乱反射

        (藤代康明)

  

餌取られ針先春光釣つてをり

       (橋本くに彦)

  

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

      

2019年2月28日 (木)

「探梅」・「観梅」の俳句と写真

   

故郷を「まんぽ俳句」で元気にしよう!

  

 この路を我等が行くや探梅行

掲句の「この路」で芭蕉の俳句「此道や行人なしに秋の暮」を思い出しましたが、この俳句は高浜虚子が53歳(昭和2年・1927) に詠んだ句です。

ここをクリック(タップ)して、解説記事「高濱虚子の100句を読む」(坊城俊樹著)をご参照下さい

     

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青色文字をクリック(タップ)してリンク記事をご覧下さい。 

    

写真は神戸・岡本梅林公園の梅見観梅)をして撮ったものですが、ここをクリックして、岡本梅林公園の由来・行事や写真(梅祭実行委員会のHP)をご覧下さい。 

   

前座に拙句を掲載します。

   

探梅に神戸岡本訪ねけり

探梅や駆け行く幼追ふ老躯

          (薫風士

         

歳時記俳誌のサロン)から「探梅」の俳句を抜粋・掲載させて頂きます。    

  

一輪に探梅心芽生えけり

       (稲畑廣太郎)

 

水音の奥へ奥へと探梅す  

         (神蔵器)

 

探梅やここまでくればあきらめも 

         (平子公一)

 

一人づつ増えて探梅らしくなる 

         (中原道夫)

 

梅探しゐるポケットにワンカップ 

         (川端俊雄)

 

これほどの坂とは知らず探梅行 

          (館容子)

 

人のあとばかり歩いて探梅行 

         (吉原一暁)

 

探梅やたどる山路の暮れそめて 

         (浅井美子)

 

探梅行帰路の大きな夕日かな 

         (川井政子)

 

よき地酒あり探梅もそこそこに 

         (安陪青人)

   

上記の一連の例句を読むと、昔の人々が連歌や俳諧を楽しんだことが分かるような気がします。

「『俳句の面白さ・楽しさ』を多くの人々が知り『俳句の輪』を広げてほしい」と思っています。

我田引水ですが、高浜虚子もこのような思いで冒頭の俳句「この路」を詠んだのではないでしょうか?

「この路」の俳句を日本の進むべき道の比喩であると解釈し、「八月の俳句に思うこと」と合わせて読むと、「高浜虚子は俳句を通じて平和を希求していた」と言えるでしょう。 

  

俳句(俳諧)の世界遺産登録運動の草の根運動の一助になればとの思いでささやかなブログを書いていますが、この思いを皆さんがお友達とシェアして頂けると望外の喜びです。

          

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

トップ欄か、この「俳句HAIKU」をタップすると、最新の全ての記事が掲示されます。

   

2019年2月24日 (日)

虚子と兜太 《伝統と革新》

       

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2月20日は「鳴雪忌」ですが、金子兜太の一周忌です。

2月22日は高浜虚子の生誕の日です。

  

「虚子」といえば「客観写生」、「兜太」といえば「平和の俳句」、両者には「伝統」と「革新」の違いがありますが、「戦前」と「戦後」、「時代の流れに沿って、それぞれがその信念に基づき俳句界を盛り上げたのだろう」と理解しています。

  

この池の生々流転蝌蚪の紐

      (高浜虚子)

  

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金子兜太の師系は、水原秋櫻子に師事した加藤楸邨(人間探求派)です。

  

  

秋櫻子は虚子に師事しましたが、「客観写生」の理念に飽き足らず離反し、そのことが新興俳句運動の契機になりました。

    

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写真は、金子兜太著「酒やめようか どの本能と 遊ぼうか」からの抜粋ページです。

タップ拡大して、記事をご覧下さい。

青色文字をクリックすると俳句の解説などリンク記事をご覧になれます。

   

(高浜虚子の例句)

春風や闘志抱きて丘に佇つ   

(注)1913年。河東碧梧桐(自由律俳句)への対抗表明の句です。

      

遠山に日の当りたる枯野かな(客観写生)

    

去年今年貫く棒の如きもの 棒とは何か

    

時ものを解決するや春を待つ (1914年)

   

大寒の埃のごとく人死ぬる 1941年(昭和16年)

   

春の山屍を埋めて空しかり (1959年 辞世句)

(注)「空しかり」とは「空然り」とも解釈できます。

            

(金子兜太の例句)

水脈の果 炎天の墓碑を 置きて去る (1955年)

   

彎曲し 火傷し 爆心地のマラソン (1961年)

    

梅咲いて庭中に青鮫が来ている (1978年)

   

夏の山国母いてわれを与太と言う (1985年?)

   

長寿の母うんこのように我を産みぬ (2004年)

   

河より掛け声 さすらいの終る その日 (2018年)

 (注)「河より掛け声」は実際のことでしょうが、「三途川」を意識した辞世句でしょうか?

   

「虚子嫌い」や「兜太嫌い」もいますが、どちらにも熱烈な支持者がいます。

俳句に限らず、何事も好き好きですが、平和憲法を維持して多様性の社会をエンジョイしましょう。   

高浜虚子は「自由にものを言えない世界大戦の時代」を「客観写生の俳句」に徹することにより生き延びましたが、平和を希求していたに違いありません

金子兜太は「戦後の自由にものが言える時代」の平和の俳句を謳歌して大往生しました。

 

両先達のご冥福と世界平和を祈ります

  

青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

     

2019年2月20日 (水)

《熱燗・温め酒・燗酒》

  

思い出の写真俳句を作ろう! 

     

(2025.6.11 更新)

節分や美酒を求めて蔵元へ

節分に今朝思慕里てふ酒祭

「てふ」は「ちょう」と読み、「と云う」意味の古語です。

   

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搾りたての新酒と俳句の題材を求めて、高浜虚子所縁の西山酒造の「今朝思慕里酒祭」のイベントに行きました。

  

かって、「新酒」の俳句を集めてブログを書きましたが、「新酒」は秋の季語なので、皆さんが「自分も俳句を作てみよう」と思われることを期待して、今回は冬の季語の「熱燗」や「温め酒」の拙句を先ず掲載します。

  

     

思ひ出の写真俳句や温め酒

  

燗酒に偲ぶや祖父の燗姿

 

温め酒胃の無き身体労りつ

  

薬にも毒にもなるや温め酒

   

ここをクリック、《日本酒の日》の俳句特集、をご覧下さい。

  

    

「歳時記」(俳誌のサロン)から例句を気の向くままに抜粋・掲載させて頂きます。 

 

歳時記「熱燗

  

熱燗や知らぬふりして聞く話 

        (吉村玲子)

   

熱燗やいつかきごころ通ひ合ひ 

         (林和子)

  

才女の手熱燗徳利持て余す  

        (島本知子)

  

 

歳時記「ぬくめ酒

  

温め酒孫膝に置き至福たり  

        (宮下本平) 

  

教へ子の肴にされて温め酒  

        (二瓶洋子)

  

聞き流すことも処世や燗の酒 

        (塩路五郎)

  

  

熱燗もほど~にしてさて飯と  

 

それもまたよしとせむかや温め酒

       (高浜年尾

  

   

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

  

  

2019年2月16日 (土)

俳句《新酒・今年酒》

  

(2024.12.17 更新)

日本の「伝統的酒造り」がユネスコの無形文化遺産に登録されることが決定しました。

青色の文字をタップして、NHK-NEWS-WEBの記事をご覧下さい。

    

日本酒は命のエキス古酒新酒

句に興じ茶寿も祝ぎたし新酒酌む 

新酒酌み良きアイデアの浮かびけり

         

利酒や今朝思慕里てふ新酒愛づ

酌み交はす泊雲賞の果酒新酒

         (薫風士)

   

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冒頭の拙句と写真は、高浜虚子所縁の丹波市の老舗蔵元「西山酒造」が開催したイベント「しぼりたて 今朝思慕里酒祭」を訪ねて詠んだ俳句などと買い求めた高浜虚子命名の酒の一升瓶の一部分です。

「てふ」は「ちょう」と読み、俳句に用いられる「という」意味の古語です。  

    

句碑や瓶のラベルから分かるように、「小鼓」は高浜虚子命名の酒のブランド名です。        

   

バレンタインデー」の俳句、「ショコラよし地酒も美味しバレンタイン」と口ずさみながら、WEB検索して「歳時記」(俳誌のサロン)などから新酒の俳句を気の向くままに抜粋・掲載させて頂きました。

ご鑑賞下さい。

  

(青色文字をクリックすると俳句の詳細や関連記事がご覧になれます。)

  

(歳時記)「新酒」

  

百薬の長と嘯き新酒酌む   

       (稲畑廣太郎)

  

新酒吐いてころりと逝きし山頭火 

       (松崎鉄之介)

  

新酒汲むまた一年を生き伸びて 

       (柳生千枝子)

  

古酒新酒こもごも旅の夜の更けぬ 

        (大串章)

  

新酒利くときは禁酒の枷を解く 

        (稲畑汀子)

  

新酒酌み病歴自慢古稀と喜寿 

         (歌代進)

  

新酒酌みはては煙となる身かな 

        (高橋将夫)

  

米寿祝ぎ白寿を目指し新酒酌む 

       (大久保白村)

  

碧き眼の杜氏も交へし今年酒 

        (伊東湘三

    

子規の俳句

  

ふたぬいて月のかけくむ新酒哉 

        (正岡子規)

  

うき人の新酒勸めついなみあへず

        (正岡子規)

  

小便して新酒の醉の醒め易き  

        (正岡子規

  

可からすと能はすと嘗めし新酒哉

        (尾崎紅葉)

  

ある時は新酒に酔うて悔多き

        (夏目漱石) 

   

とつくんのあととくとくと今年酒

        (鷹羽狩行

  

呉れたるは新酒にあらず酒の粕

        (高浜虚子

  

か牛売りし綱肩にあり新酒汲む

       (西山泊雲)

  

ふくみみる新酒十点みなよろし

       (西山小鼓子)

   

杜氏として「現代の名工」と称される農口尚彦氏のことがNHKの番組で放映されていましたが、丹波杜氏もなかなかのものでしょう。

 

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2019年2月12日 (火)

「バレンタイン」の俳句を楽しもう!(作句と鑑賞)

  

2025.2.12 更新

バレンタイン何を見たいの万博で?

星座見るバレンタインの君の顔  

バレンタイン万博論議欠けしこと

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バレンタイン戦争止めよ!人殺し!

バレンタイン朝日に和平祈りけり

平和なるバレンタインの日の出かな

愛犬とバレンタインや相老て

バレンタイン幸い戦後我が青春

風花やバレンタインの陽に光り

風花を真横に飛ばす疾風かな  

北風やバレンタインの風花に    

冴返るバレンタインや温め酒

バレンタイン寒さを癒す温め酒

        (薫風士)

    

冒頭の2句は、万博「EXPO 2025」・ブログ用の空想句です。

 

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これらの写真は、NHK-TV の特集番組「かんさい 熱視線」の画面(一部分)です。

  

   

万博関連のサイトは現状では主催者側の視点(売らんかな)が多くて、各パビリオンの展示概要の説明が不足しています。

この段階では、厄介な手続きが必要なチケットの購入や予約をする気にはなりません。

もっと消費者・万博利用者の視線で情報を発信して頂けると有難いです

      

下記の3句は2022年2月14日に作ったブログ用俳句擬きです。

  

四季の雲(写真・俳句)《早春・春の雲》」や最後に掲載の写真をご覧下さい。   

       

晴れ渡るバレンタインの日を漫歩

ほのかなるバレンタインの昼の月

バレンタインとショコラにいい夫婦

    

(2019年2月の記事)  

平成を惜む一日やバレンタイン

   

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バレンタインデーの由来は、ウイキペディアによると、「キリスト教の司祭ウァレンティヌス(バレンタイン)がローマ帝国皇帝・クラウディウス2命令に背いたため、214日にルペルカリア祭に捧げる生贄として処刑されたことにある」とのことです。「皇帝は、愛する人を故郷に残した兵士がいると士気が下がるという理由で、兵士たちの婚姻を禁止したが、婚姻を禁止されて嘆き悲しむ兵士たちのためにウァレンティヌスが内緒で結婚式を行い、その噂が皇帝の耳に入り、皇帝は二度とそのような行為をしないようウァレンティヌスに命令した。しかし、ウァレンティヌスは皇帝の命令に屈しなかった。」とのことです。

  

「バレンタイン」の例句を「歳時記」(俳誌のsalon)から気の向くままに抜粋・掲載させて頂きます。   

(詳細は青色文字をクリックしてご覧下さい。)

  

バレンタインチョコの予約の列と聞く 

       (藤野佳津子)

  

ほろ苦き思ひ出バレンタインの日  

        (熊澤喜子)

   

女医に飴貰ひしバレンタインの日 

        (杉良介)

  

バレンタインデー大きな金貨チョコレート 

       (山田六甲)

  

思い込みバレンタインの昼下り 

       (鎌田慶子)

   

一興に川柳もどきの拙句を掲載します。  

飽食の平成文化バレンタイン

水団やショコラ頬張るバレンタイン

ショコラよし地酒も美味しバレンタイン

   

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最初の写真は、2025年バレンタインの「ひとはく」近辺の風景です。

「サンフラワーショッピングセンタ-」・「フローラ88」は二月末で解体されて、イオンモ-ルにより再開発されるとのことですが、全世代の住み良い街になることを期待しています。

最後の写真は「ほのかなる」の句を詠んだ「昼の月」です。

写真をタップ・拡大してご覧下さい。

    

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