俳句 (Haiku) Feed

2020年10月25日 (日)

芭蕉句碑めぐる水辺や秋高し(俳句と写真)

      

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10月20~21日に「GoToトラベル」(1泊)を利用して、伊賀上野の「芭蕉翁記念館」や「蓑虫庵」、「伊賀上野城」、「くれは水辺公園」など、吟行しながら伊賀市の観光スポットを巡りました。

「くれは水辺公園」は淀川水系の木津川支流の「服部川」に通ずる「矢谷川」沿いにあります。

カーナビで探すことが出来ず困っていましたが、「蓑虫庵」の親切な管理人さんに教えてもらって、JAの「とれたて市ひぞっこ」を目的地にして、たやすく行くことが出来ました。   

「ひぞっこ」で買った草餅と焼き鯖寿司は美味しくて満足しました。

  

秋晴や草餅食みて句碑巡り

駄句ですが、句作を楽しんでいます。

「『草餅』は春の季語だからダメ」などと、野暮な難しいことは言わないで下さいね。

  

・矢谷川桜紅葉や句碑巡る

「矢谷川」は、名称がカーナビに表示されず、橋の銘板の文字は読めないので地元の方に教えてもらいました。この俳句は「三段切れ」ですが、「矢谷川桜紅葉の句碑巡る」など、滑らかなリズムにするより薫風士の実感を表現していると愚行しています。

    

露けしや法華経塔枯れし供花

安政の大地震」の犠牲者の供養塔の上を蜻蛉が飛んでいましたが、供花(くげ)が枯れていたので季語は「露けし」を使いました。東南海地震の発生が懸念されますが、備えは大丈夫でしょうか?

   

・鷺覗くアワダチソウの水辺かな

「セイタカアワダチソウ」は、アメリカ伝来の花であり、まだ「季語」として認められていない上に語数が多いので「麒麟草」を使いたいところですが、「麒麟草」(夏の季語)は異なる花なので、敢えて「アワダチソウ」と略称しました。

  

秋の空「くれは水辺」を鷺飛翔

飛翔したのは「アオサギ」ですが、「白鷺」が伊賀市の「市の鳥」です。「青鷺」は夏の「季語」ですが、「白鷺」は季語ではありません。その理由を知りたいものです。

    

・飛ぶ鷺をカメラで追ふや秋の雲

水辺に首を伸ばしていた青鷺が、写真を撮れとばかりに悠然と旋回して、飛び去りました。 

   

・標柱の像は佐助か秋の雲

「くれは水辺公園」には「夏の広場」や「秋の広場」など、四季に合ったゾーンがあります。「くれは」の名称の由縁は何でしょうか? 忍者の像は猿飛佐助か霧隠才蔵でしょうか?

   

・芭蕉句碑巡り惜しむや伊賀の

晴れ男」を自認していますが、幸い吟行日和に恵まれました。

     

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2020年10月23日 (金)

俳聖の偉蹟を尋ね秋の伊賀(俳句と写真)

   

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Click here to see "Bashō's haiku in Japanese and English by L. P. Lovee".

   

芭蕉の俳句300句など、俳句の英訳にチャレンジしているので、1020~21日に「GoToトラベル」(1)を利用して、参考資料などを求め伊賀上野の芭蕉翁記念館や蓑虫庵など、伊賀市の観光スポットを巡りました。

   

俳聖の一端知るや伊賀の秋

  

爽やかや子等の句掲ぐ芭蕉館

   

芭蕉館初心新たに秋高し

  

芭蕉の句誤訳見つけし秋思かな

  

(注)

BASHO: The Complete Haiku」(Jane Reichhold著)からの抜粋8句が記念館に掲示されていました。

(写真をタップ・拡大してご参照下さい。)

「五月雨を集めて早し最上川」の下記の翻訳は、「切字」が無いので普通に読むと、芭蕉の俳句を誤訳した英訳になります

  

summer rains

quickly gathered

Mogami River

  

上記の英訳では、「五月雨が早く集められた最上川」という意味になり、原句の「最上川の流れが速い」という句意と異なります。

俳句は様々な翻訳が可能ですが、下記の通り、薫風士の試訳をご参考までに掲載します。

  

Mogami River_

rapids,

gathering early summer rains

  

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子の描く俳聖殿や天高し (上野公園・俳句と写真)

  

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10月20~21日に「GoToトラベル」(1泊)を利用して、伊賀上野城や芭蕉翁記念館、俳聖殿、蓑虫庵、くれは水辺公園など、伊賀市観光スポットを巡り吟行しました。

   

薫風士の写真と俳句をご笑覧下さい。

(写真はクリックすると拡大します。)

  

・俳聖殿覗き遊ぶ子秋麗

  

・覗き見し蕉翁像や秋の声

  

金風や令和の献句数十人

   

・俳聖殿鴉一声秋高し

  

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2020年10月19日 (月)

破蓮や二千年経し大賀ハス(綾部の蓮池吟行)

    

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2020年10月13日に句友と綾部市の岩王寺や若宮神社、長福寺、極楽寺の蓮池など、吟行向きの観光スポットを巡りました。

(青色文字をクリックすると綾部市観光ガイドの解説など、関連の記事や例句をご覧になれます。)

(神宮山)岩王寺は「茅葺の寺」とも呼ばれるように山門も御堂も茅葺のユニークな屋根ですが、「しゃくおうじ」という呼称は、「寺の奥から産出した石で作った硯を嵯峨天皇が愛用されたこと」に由来しているそうです。  

参道の石段は苔むして、山門の素朴な仁王像は片手が折れたり朱色が剥げたりし、御堂の屋根に小さな雑木が生え薄黄葉になっているなど、寺の歴史を感じました。

   

朱の剥げし阿吽の仁王秋の声

  

秋深む苔むす磴の硯石

  

薄紅葉御堂の屋根に小木生え

  

若宮神社は龍の彫刻がユニークですが、それを小さな狛犬が恰も見上げているように感じました。

 

狛犬の見上げる龍や宮の

     

長福寺の観音堂は観音菩薩像が33体も安置されており、屋根の構造などもユニークです。

  

絵馬堂の旧りし扁額秋の風

  

観音のもたらす奇遇秋麗

  

句心を繋ぐ観音秋深む

 

敗荷に耽る感慨極楽寺

    

  タイトル俳句の「大賀ハス」については冒頭の写真をタップ拡大して解説をご覧になれます。

蓮は実も枯葉も蓮根と同じ空洞があり、泥に生まれて美しい花を咲かせることで釈迦の説法に用いられていますが、釈迦如来像の台座の形状にも蓮の花が取り入れられたことに、今更ながら認識を新たにしました。

破蓮」は、「敗荷」と同じ秋の季語で、「やれはす」とか「やぶれはす」と、俳句のリズムを整えて読みますが、俳句では散文のように「破れ蓮」と書かないで、「送り仮名」の「れ」を省略して簡潔にするのが普通です。

     

由良川の流れざるごと秋の雲

  

秋水の行方見違ひ一議論

  

金風「ゆらり弁当」食み句会

  

丹波路の流れも愛でて秋の句座

   

吟行に丹波の秋を惜しみけり

     

地元の句友の丁寧な案内で秋の吟行をエンジョイすることが出来ました。

  

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事のタイトルが表示され、この「俳句HAIKU」をタップすると最新の全ての記事のタイトルが表示されます。タイトルをタップしてその記事をご覧頂ければ幸いです。

  

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2020年10月 9日 (金)

コロナ禍の自産自消や秋耕す

   

(2025.11.3更新)

秋耕す健康管理旨として

円安や自産自消の秋耕を

円安の物価高耐へ秋耕す

生ごみを埋めて秋耕庭の隅

治にゐても乱を忘れず秋耕を

   

「骨太」の政策と言われても、「日本経済を弱体化した従来の政策では、何が骨太なのか」全く納得できません。

「休耕すれば補助金を出す」という類の姑息な政策を継続するのではなく、「効率的な農業を支援する政策」を岸田政権では是非推進して欲しいものです

 

「新しい資本主義」とは何か、まだよく分かりませんが、「自己責任一点張りでなく、自助努力と国や自治体の援助とを公明正大に結びつける政策」を推進してくれることを期待しています。

 

最近の米国を中心とした資本主義圏の政策は初期資本主義の良さが無くなり、投機主義になり一部の富裕層のみが富を享受する傾向になっているようですが、日本にもこのような現状をもたらしたのはアベノミクスではないでしょうか

その日暮らしの限界的生活に追われている多くの国民にとっては、「資産所得倍増計画」などといわれても納得できないでしょう。

この状態を放置していると共産主義国家の専制政治を利することを懸念しています。

   

いずれにせよ、円安が1ドル150円前後まで進行し、野菜など食料品が次々に値上がりしているので、ジム通いの代わりの健康管理に趣味と実益を兼ねて、ささやかながら自衛のために、「庭弄りの秋耕」をエンジョイしています。

  

(2020.10.9 の記事)

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(写真)

日本伝統俳句協会10月のカレンダーの一部分

(掲載の俳句をご鑑賞下さい。クリックすると拡大します。)

   

  

 

タイトルの俳句は「秋耕」や「自産自消」・「地産地消」というにはおこがましい庭弄りを詠んだものです。

新型コロナウイルス感染の拡大が話題になり始めた頃に春耕の俳句ブログを書きましたが、新鮮な夏野菜を食べたことに味を占めレタスやキャベツ、ネギ、などの苗を植えました。

この日(10月1日・旧暦8月15日)は暖かい「秋日和」で庭仕事には汗ばむ程で、夜は中秋の名月も楽しめましたが、今日(10月8日)は「寒露」の秋雨で急に寒くなり、セーターを着こみ、「晴耕雨読」ならぬ「俳句ブログ」を書いています。

  

コロナ禍の地産地消水の秋  

コロナ禍やテラスに野菜秋麗

   

我田引水ですが、マンション住まいの方方にはベランダのプランターで野菜や花を育てるなどして、「句作の楽しさ」を知ってほしいと思っています。

   

青色文字の季語をクリックするとその季語の俳句をご覧になれます。

「秋耕」の「歳時記」はここをクリックしてご覧下さい。

  

ここをクリックして

「芭蕉・子規・虚子の俳句、『まんぽ写真俳句』などを楽しもう!(WEB特集)」

もご一読頂ければ幸いです。

  

ところで、台風14号は週末に西日本に接近しそうですが、災害が生じないことを祈っています

     

青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

    

2020年9月30日 (水)

秋場所や至誠一貫相撲道

  

(2025.10.5 更新)

爽やかや玉鷲関の勝ち笑顔

秋場所の優勝候補平幕に

秋場所や金星取りし息遣ひ

  

掲句は、北勝富士(前頭八枚目)に勝って優勝争い単独トップになった玉鷲(前頭三枚目)の笑顔や高安が横綱照ノ富士を破り金星を46場所ぶりに取ったことを詠んだブログ日記用の拙句です。

今年の九州場所は、横綱照ノ富士が膝の故障で5勝5敗で休場となり、カド番の大関御嶽海が負け越し、白星スタートをした大関正代が連敗で負け越しが決定するなど、上位陣の不調ぶりが目立ちました。

拙句は、「秋場所」を「初場所」や「春場所」などに変えても差し支えの無い「季語が動く」ダメ句と言われるでしょうが、季語を変えて推敲したり、日記代わりにするのも俳句の楽しみ方でしょう。           

大相撲の俳句(初・春・夏・秋)」をご覧下さい。

      

(P.S. 2020.9.30)

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写真は、カラー図説日本大歳時記とNHK NEWS WEBの一部分です。

        

タイトル句は正代関初優勝の「喜びとお祝い」の贈答句です。

白鵬・鶴竜の両横綱がケガで休場し、朝乃山・貴景勝両大関もケガのせいかやや不調なためにコロナ禍の大相撲が低調になる中、正代は力強い相撲で両大関を破り、優勝しました。

「至誠一貫」は関脇正代が大関昇進の伝達式の口上に用いた四字熟語です。

  

新型コロナウイルスの感染症の世界的拡大(死者100万人超)が人々の命や社会活動に大きな打撃を与え、暗いニュースが多い中で、正代関の三度目の正直ともいうべき初優勝・大関昇進は熊本の人々のみならず、多くの人々が勇気づけられる明るいニュースです。

正代新大関は口上通り相撲道に精進してくれるものと期待しています。

  

我田引水ですが、若い人々も「相撲の面白さ」や「俳句の面白さ」を知ってほしいとの思いでこの俳句ブログを書いています。  

   

大相撲の俳句 <初場所>」や 芭蕉・子規・虚子の俳句、『まんぽ写真俳句』などを楽しもう!(WEB特集)をご一読頂けると嬉しいです。 

  

青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

  

子規の忌や俳句HAIKUに明け暮れて

  

Let’s enjoy haiku!          

  

正岡子規のホトトギスを引き継いだ高浜虚子の「椿寿忌」に因んで書いた記事「『花祭』の俳句《21世紀の宗教・世界平和を考える》」をご覧下さい。

   

9月19日は正岡子規の忌日(「獺祭忌」・「糸瓜忌」)です。

 

あなたは、次の俳句(投句)のどのタイプですか?

  

投函を済ませほっとす獺祭忌

  

子規の忌や夢膨らませ投函す

  

糸瓜忌や投函してもなほ思案 

   

「俳句の面白さ・奥の深さ」を若い世代にも知ってほしいとの思いで俳句ブログを書いています。

(青色文字をクリック or タップしてリンク記事をご覧下さい。)

     

芭蕉・子規・虚子の俳句、「まんぽ写真俳句」などを楽しもう!(WEB特集をご一読下さい。 

  

NHK俳句927日の「俳句さく咲く」をご覧になりましたか?

櫂未知子先生の「居残り授業」に田中要次さんの次の俳句が選ばれました。

   

(田中さんの原句)

湯気向かふ浴室の窓辺秋の声

  

(櫂先生の添削)

浴室の窓より湯気や秋の声

   

高浜虚子は「客観写生」を唱道しながら「選は創作なり」と言って多くの優れた俳人を育成しました。

 

櫂先生の添削句は素晴らしいですが、田中さんが風呂の湯に浸りながら俳句に詠んだ思いを反映していません

それでも、田中さんは納得されたのでしょうか?

 

僭越ながら、次の通り修正すれば田中さんの思いが反映されると思います。

 

浸る湯の湯気向かふ窓秋の声

   

浸る湯の湯気の行方や秋の声

   

投句用には櫂未知子先生の添削句が良いでしょうが、日常生活の実体験を俳句に詠み個人的に楽しむには薫風士の添削句の方が実感のある俳句として楽しめるのではないでしょうか?

いずれにせよ、俳句は好き好きです。

「湯」と「湯気」がダブっているからダメ句とするか、「リフレイン」の韻が面白いと採るか、あなたなら、どのように添削しますか?

  

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(秋彼岸の俳句)夏井いつき先生の添削を添削する(特集)

     

(P.S. 2022.10.17)

お題「大谷翔平」を詠んだ昇吉さんの俳句「白秋の雲穿ぐ右投げ左打ち」の推敲記事を書きました。

プレバト『金秋戦2022』の俳句を考える」をご覧下さい。

   

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(写真)

4ch.TVの一画面

         
2022年9月22日のプレバトは、「プレバト俳句 47都道府県 ふるさと王争奪戦」とかいう新企画の「写真俳句」番組でしたが、夏井先生の査定や添削も納得できる興味深い番組でした。

    

「俳句HAIKU」の写真俳句は、「吟行地を紹介し、読者が写真を自然に見立てて疑似吟行をする参考になること」を意図していますので、プレバトの写真俳句と趣旨が異なります。

誤解されないように念のために急遽このP.S.を追加しました。

       

(2020.9.30)

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(写真)4ch.TV画面の一部分   

  

   

WEBで「俳句の先生」や「プレバト」などを検索すると、夏井いつき先生を持ち上げる記事ばかりなので、最近は熱さましの記事を書いてバランスをとることも必要だろうと思いながら「プレバト俳句」を視聴しています。

プレバト梅沢富美男永世名人の俳句「秋彼岸」の夏井先生の添削が実務派薫風士の目にもイマイチという感じがしましたので、僭越ながら次の通り再添削を提案することにしました。

「エンタメ番組の俳句に素人が向きになるとは、馬鹿な奴だな」と、冷笑されそうですが、俳句愛好家から何らかのコメントを頂ければ望外の喜びです。

   

(永世名人の原句)

口立てのカセットの声秋彼岸

  

(夏井先生の添削)

カセットに父の口立て秋彼岸

  

「口立て」とは、広辞苑によると、「定まった脚本が無く、俳優同士の簡単な申し合わせで、台詞その他その場の思いつきで演ずる芝居」のことです。

   

夏井先生は「秋彼岸」と言えば、「死んだ父のことだとわかるだろう」と断定していますが、広辞苑によると、「秋彼岸」は、「秋の彼岸会」、「秋分の前後1週間」のことですから、断定はできないでしょう。

   

プレバトの視聴者は、永世名人の解説を聞いていますから、夏井先生のこの添削句の意味が分かるでしょうが、視聴者でない一般の読者には、この俳句は「秋彼岸に父がカセットに口立てを吹き込んだ」ことを詠んだものと解釈する可能性もあります。

   

次のように語順を変えると、「亡父の口立てがカセットにある」ことが明瞭になり、誤解の余地がなくなるでしょう。

  

(薫風士の添削)

カセットに口立ての父秋彼岸

   

詩心のある読者なら、「カセットに父がいるなんて、馬鹿な!」などという文字通りの解釈はせず、「父とは亡父の声の比喩である」と理解するでしょう。

俳句の語順が大切なことの例句になるのではないでしょうか?

   

この他に、プレバト俳句の夏井いつき先生の添削について次のとおり記事を書いています。

青色文字のタイトルをクリックしてご覧下さい。

    

俳句の鑑賞  <老鶯・夏鶯・残鶯・乱鶯>

   

プレバト Kis-My-Ft2 さんの『遠雷』の俳句を考える

 

お手本のリズム音痴や熱帯夜

    

プレバト「炎帝戦」・「ポイントカード」の俳句を考える

 

添削は「作者の思い」を大切に!(プレバト視聴者の感想)

 

俳句の添削  <作者の「思い」を生かしてほしい>

  

プレバトの俳句「鏡」「も」と「を」 

  

プレバト俳句の「運動会・秋声」について一言

  

俳句:「こいのぼり」・「鯉のぼり」・「鯉幟」

    

青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

 

   

2020年9月26日 (土)

買物へ虫の音続く遊歩道 (子規忌の「まんぽ俳句」と写真)

  

故郷を「まんぽ俳句」で元気にしよう!

青色文字をクリック(タップ)してリンク記事をご覧下さい。

  

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俳句は好き好きですが、「コロナ禍にベッドタウンの良さや俳句の面白さ・奥の深さを知ってほしい」との思いでこの俳句ブログを書いています。 

   

   

9月19日は正岡子規の忌日(子規忌・糸瓜忌・獺祭忌)で、土・日「敬老の日」「秋分の日」と、4連休です。

  

芭蕉・子規・虚子の俳句、まんぽ写真・俳句などを楽しもう!(WEB特集)」をお楽しみ下さい。

       

秋冷の朝の漫歩や老いも駈け

  

爽やかに老いを追ひ越しジョガー行く

  

橡の実の歩道ジョガーの駆け抜けり

  

秋晴や行き交ふ男女小犬連れ

  

秋冷の朝日の影と遊びけり

     

乙女等のコーラス清し秋高し

    

五歳児も昇る遊具や天高し

   

虫集く園の探検五歳児も

  

幼子の空切るばかり捕虫網

    

ひとはく」の園の虫取り賑はへり

    

愛犬の取り持つ会話秋うらら

      

秋の暮園の呻きは牛蛙

 

句に遊び園の一日や獺祭忌

   

掲句は薫風士の「まんぽ俳句」です。写真を参考に貴方も作句をお楽しみ下さい

青色文字の季語をクリックすると、「歳時記」(俳誌のサロン)などをご覧になれます。

   

青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

  

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  写真はタップ・拡大してご覧下さい。

  ワンちゃんがもっと鮮明に見えますよ。

  

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2020年9月22日 (火)

芭蕉・子規・虚子の俳句、まんぽ写真・俳句などを楽しもう!(WEB特集)

    

Let's enjoy HAIKU!

   

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9月19日は正岡子規の「獺祭忌」です。

 

記事のタイトル(青色文字)をクリックしてご覧下さい。

「俳句の面白さ・奥の深さ」が分かるでしょう

    

英語で分かる芭蕉の俳句 

    (国際俳句協会HP

    

高浜虚子の俳句をバイリンガルで楽しもう! 

         (国際俳句協会HP

  

「敬老の日」の「糸瓜忌」に思うこと

   

吟行の写真俳句集

    

吟行の写真俳句(2019総集編)

     

ポーランドの旅(写真と俳句 講演のことなど)

    

新元号祝ひ「花見」の俳句詠む

           

(秋彼岸の俳句)夏井先生の添削を添削する(特集)

   

盆栽と俳句 

  

ここをクリックすれば、「俳句HAIKU」の最新記事を全てご覧になれます。  

俳句やコメントの投稿をお待ちしています。

   

2020年9月18日 (金)

自治会の秋の草取り遊歩道

  

9月13日の「クリーンデー」は雨上がりで、雑草を苦も無く根こそぎに取ることが出来、折に触れて浮かぶ駄句を推敲しながら1時間が直ぐに経ちました。

 

秋雨の後の草抜きクリーンデー

   

黙々と無心にむしる秋の草

    

秋草を根扱ぎにするや浮かぶ駄句

   

コロナ禍や秋の草取りマスクして

「草取り」は夏の季語なので「秋の草取り」としています。 

   

気の合ひし友と草取り秋うらら

    

草取りて腰を伸ばすや天高し

  

爽やかや箒目残る漫歩道

(クリーンデーに限らず、草取り・掃除をする奇特な方に感謝しながら朝夕の散歩をしています。)

    

俳句に興味があれば、次の青色文字のタイトルをクリックして、

(秋彼岸の俳句)夏井先生の添削を添削する(特集)

芭蕉・子規・虚子の俳句、まんぽ写真・俳句などを楽しもう!(WEB特集)

をご一読下さい。 

「俳句は好き好き、奥の深い面白さがある」と、お分かりになるでしょう。  

青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

    

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2020年9月13日 (日)

俳句の定型とリズム

     

蟷螂の今はの際か庭履きに

蟷螂や今はの際も保護色に

蟷螂や吾庭の何処(どこ)に消え逝きし

いぼむしり何処(いずこ)に逝きし消えにけり

 

この蟷螂はごみ袋にいたカマキリが別れの挨拶に薫風士の庭履きに来ていたのかも知れないと、ふと思いました、

 

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このカレンダーの写真は、日本伝統俳句協会9月のカレンダーの一部分です。

       

9月2日は旧暦7月15日「盆の月」です

空を仰ぐと、満月が雨催いの雲に翳んでいました。

  

父がつけしわが名立子や月を仰ぐ

        (星野立子)

  

この句は6-7-6音の破調です。 

つけしわが名立子や月仰ぐ」のように助詞を省略して定型5-7-5にすると、原句の「深い趣」が無くなります。

    

俳句雑感(7) 金子兜太の『炎天』の俳句についてに於いて述べたように、俳句の内容によっては、「定型」より「字余り」を優先すべきでしょう。

  

芭蕉も「5-9-5」の破調で烏の飛び行く様子を表現しています。

  

かれ朶に烏のとまりけり秋の暮

          (芭蕉)

  

ゴミ出しの袋持つ手にいぼむしり 

        (薫風士)

     

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写真は、路上に飛び降りた蟷螂です。

  

いぼむしり」は「蟷螂」の別称ですが、「螳螂」は「とうろう」と読み、カマキリのことです。

   

今朝、塵を出そうと庭に置いていたゴミ袋を手にすると、カマキリが手に触れました。

       

原句の「いぼむしり」を用いないで、「ゴミ出しの袋持つ手に蟷螂」とすると、「下五」が「字足らず」となり、「螳螂」の前に「切れ」を入れて読んでも、寸足らず・消化不良の響きになります。

この俳句で、「蟷螂やゴミ出し袋つかむ手に」とか、「ゴミ出しの袋持つ手に蟷螂よ」などのように5-7-5の定型にすると、原句の即興句の面白さがなく、「や」の場合は意味が不明瞭になり、「よ」の場合は説明的に響きます。  

古い言葉も使い方次第で現代の句作に生かすことが出来ますね。

   

漢字の読み方を変えて定型にし、リズムを整えることがあります。

ご存じでしょうが、たとえば、「小さき」は「ちいさき」と「ちさき」、」は「ひな」と「ひいな」、「入梅」は「にゅうばい」と「ついり」、百日紅」は「さるすべり」と「ひゃくじつこう」、「秋麗」は「あきうらら」と「しゅうれい」、etc. 読み方を変えて5・7・5のリズムにします。

「音」は「おと」か「ね」と読み、「女」は「おんな」・「じょ」・「め」などの読み方があり、「眼」は「め」・「がん」・「まなこ」などと読みます。

また、「コスモス」を「秋桜」と表記して「あきざくら」と読むとか、「湖」を「うみ」と詠むこともあります。

  

ちなみに、尾崎放哉の自由律俳句の代表作「咳をしても一人」は有名ですが、究極の短詩としての歴史的価値しかなく、俳句のお手本にはなりません。

この俳句(?)の真似をして自由律俳句にチャレンジしても、散文の断片にしかならず、作句は徒労に終わるでしょう

    

(青色の文字をクリックすると関連の記事をご覧になれます。)  

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2020年9月 6日 (日)

「百日紅」の俳句と写真(特集)

      

いつの世も祈りは切や百日紅

       (中村汀女)

    

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冒頭の写真は、薫風士の故郷の菩提寺(白毫寺)の本堂前の苑の一部分です。

丹波の白毫寺は九尺藤の藤棚で観光スポットになっています。

   

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今朝の「まん歩」から共感する俳句を歳時記(俳誌のサロン)から気の向くままに抜粋・掲載させて頂きます。

(詳細は青色文字の季語をクリックしてご覧下さい。)

  

    

    

人住むか住まぬか咲くは百日紅 

        (小黒カツ)

    

一つ家に表札二つ百日紅   

        (高橋瑛子)

(この俳句は自分の家のことか、他人の家のことか、不明瞭です。) 

  

お隣の百日紅の咲くわが家  

        (稲畑汀子)  

(この俳句の「百日紅」は「さるすべり」と読むと「字足らず」になります。「ひゃくじつこう」と、「5・7・5」のリズムにして読みます。)

     

百日紅もう父母をらぬ家となり 

        (北崎展江)

   

古びたる団地にぎはし百日紅 

        (西本花音)

     

表札に子の姓並ぶ百日紅  

      (田原陽子)

(この俳句は子供と同居したことを詠んだものでしょうか? 語順を変えて「表札に並ぶ子の姓百日紅」とすると、たまたま見かけた家の表札を詠んだことになるでしょう。語順によって句意やニュアンスが変わります。「俳句雑感(3)俳句のリズムを考える」参照。)

   

(薫風士の「まんぽ俳句」と写真を掲載します。)   

百日紅コロナにめげず句に遊び   

をちこちの街角さゆる百日紅  

コロナ禍や漫歩に愛づる百日紅  

コロナ禍や白く逞し百日紅  

大房の重きに垂るる百日紅  

仰ぎ見る百日紅に朝の月  

清貧の自粛の日々や百日紅  

ニュータウン旧りし石垣百日紅

    

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

   

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2020年8月30日 (日)

新涼の深田公園まん歩する(まんぽ写真特集)

   

P.S. 2022.9.23

922日のプレバトを見ると、「プレバト俳句ふるさと王争奪戦」という新企画の「写真俳句」番組でしたが、夏井先生の査定や添削も納得できる興味深い番組でした。

「俳句HAIKU」の写真俳句は、「吟行地を紹介し、読者が写真を自然に見立てて疑似吟行をする参考になること」を意図していますので、プレバトの写真俳句と趣旨が異なります。

誤解されないように念のためにこのP.S.を追加しました。

   

(2020年8月30日)

新涼に歩す友好の並木道

 (1987年国際居住年記念植樹の並木道は散歩に最適です。)   

   

虫の声止めば日の出の蝉時雨

(虫の声が止み暫くすると、朝日が昇り始め蝉があちこちで鳴き始めました。)

   

涼しコロナマスクの散歩人

 (早朝の散歩でも几帳面にマスクをしている方がいました。)

   

朝日差す深田公園薄紅葉

 (猛暑が続いているせいか、早くも紅葉が始まっていました。)

    

足早しカメラ逃れし水黽

  (アメンボはカメラを構えるとサッと逃げ、接写が出来ませんでした。) 

   

早朝の太極拳や涼新た

ホロンピア館壁面のマジックミラーを鏡に体操や太極拳をしている方を見かけました。)

      

朝日差し白きを誇る百日紅

(白いサルスベリは珍しいですね。)  

  

コロナ禍の連日の猛暑で運動不足になったので、早朝に深田公園を散歩し、「ひとはく」ホロンピア館などの写真を特集しました。(2020.8.25~29)

散歩気分をシェアして頂ければ幸いです。

    

写真はクリック・拡大してお楽しみ下さい。アメンボやワンちゃんもいますよ!

(ワンちゃんの散歩特集写真はここをクリックしてご覧下さい。

  

青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

     

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Haiku about rings made by water-striders (See pictures.)

    

・水黽の水輪をちこち映ゆる空

 (amembo-no mizuwa-ochikochi hayuru-sora)

     

 rings made by water striders

 here and there

 on the reflected sky

   

・水黽の水輪をちこち空映ゆる

  (amembo-no mizuwa-ochikochi sora-hayuru)

  

  the clear sky reflected,

  here and there

  rings made by water-striders

      

Appreciate the diferrences in the meaning according to the difference in the word order of the Japanese haiku. 

   

Click and enlarge the pictures to find the rings made by water-striders. 

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Click the following URL to see "Bashō's haiku in Japanese and English by L. P. Lovee":

http://www.haiku-hia.com/about_haiku/basho300_en/archives/300-01_en.html#preface_en

  

京都・夏の貴船吟行(俳句と写真)


Click here to see Bashō's haiku in Japanese and English by L. P. Lovee”

       

昨年の7月8日、朝の天気予報によると梅雨晴れが一日は期待できそうだったので、急に思い立って京都の貴船に吟行に行きました。

7月8日は貴船神社の「水まつり」や「星祭」があり、和服姿の若い女性をよく見かけました。       

「川床」は貴船では「かわどこ」と呼ぶそうですが、俳句では「ゆか」と読み、「夏の季語」です。

  

月並ですが、薫風士の吟行俳句を掲載します。

青色文字をクリックすると、関連の解説記事をご覧になれます。

     

梅雨晴間ホームに立ちし旅心

    

降り立てば貴船の瀬音風涼し 

   

貴船川草履の並ぶ川床座敷

   

貴船てふ地酒も美味し川床料理

   

冷やし酒鴉は岩で清水飲み

      

河鹿なく高き瀬音や箸を置く

  

本殿へ登り詰めたる老の汗

  

星祭る貴船の馬像白と黒

   

向ひ合ふ馬像の由来梅雨の晴

  

みずうらや浮かぶ大吉青葉風

   

梅雨晴の貴船の一日惜しみけり

    

俳画や写真俳句において、俳句と画像の付き過ぎは良くないとされていますが、

吟行俳句を作る参考になればとの思いから、拙句を詠んだ情景の写真を掲載します。  

  

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奥の細道むすびの地記念館の見学(俳句と写真)

  

芭蕉の俳句300句の英訳にチャレンジしているので、大垣市の奥の細道むすびの地記念館」を2019年9月に訪ねました。

芭蕉が奥の細道で詠んだ俳句の句碑や銘板などを読みながら、記念館まで「四季の路」の漫歩をエンジョイしました。

途次23か所にあるトイレは、「貴船橋手洗場」など風流な名前が付けられ、壁に芭蕉の俳句の銘板が貼ってあるのが印象的でした。

大垣・芭蕉館の一端を紹介する薫風士の俳句と写真をご笑覧下さい。

青色文字の季語をクリックすると歳時記(俳誌のサロンの俳句などをご覧になれます。

  

金風や芭蕉の句碑の「四季の路」 

爽やかやトイレの壁に芭蕉の句

閉店の駅前デパート秋の風

秋風や芭蕉俳句の町興し

風白し八幡宮のさざれ石

絶えざるや「被爆地の跡菊の花

の潜る水門川に街映ゆる

秋水に映ゆ新庁舎工事中

爽やかな自噴の水やをちこちに

さはやかや掃除ガイドのボランティア

売店の地酒新酒か芭蕉館

の旅しめの地酒を飲み干せり

      

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最新の俳句や英語俳句の記事は、青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップしてご覧下さい。

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2020年8月29日 (土)

プレバト Kis-My-Ft2 さんの「遠雷」の俳句を考える

    

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(写真は「プレバト」TV画面の一部分です。)

            

・遠雷の夜汽車カカオの奴隷史 

  
横尾渉(Kis-My-Ft2)さんの「遠雷」の俳句について、夏井先生は次のような句評をし、「名人5段に1ランク昇格」の査定をしました。

夜汽車に乗っている人物が本を読むに違いないと読み手が想像できる。

1音足して17音にするのは簡単。前半で「よ」の詠嘆か、後半に「は」で余韻を残す方法がある。言葉を1つ入れると全体のバランスが崩れ、16音でいく2つのバランスで押し出すことで、最初の季語が主役として読み手の心に残るのではないかと作者が判断した。

かつての「奴隷史」を今年句に詠む意味も、若い作者が詠む意味も、心の中に深く受け止められる。これこそ直すとダメ。

  

上記の如く、夏井先生は「作者が判断した」・「直すとダメ」と字足らずの原句をそのまま是認していますが、この査定に「さすが夏井先生だ」と、納得しましたか?  

 

この俳句を定型にするのに助詞の「よ」とか「は」を足すのは、仮にエンタメ俳句番組の為にするにしても、論外の文法音痴・リズム音痴な添削です。

  

このような添削の前置きで視聴者の「目くらまし」をして、寸足らずの16音の俳句に対して、「勇気がある決断」と持ち上げ、「昇格」の査定をするのは、「プレバト俳句の名人レベル」のエンターテインメントにせよ、如何なものでしょうか? 納得できません。

  

夏井先生は、「夜汽車に乗っている人物が本を読むに違いないと読み手が想像できる。」と断定していますが、「カカオ奴隷史」という有名な本があるわけではありませんから、「夜汽車」を「奴隷の移送」に関連付ける解釈も可能です。

  

(注)

米国における蒸気機関車の鉄道運行は1830年代に始まっていますが 、リンカーンが「奴隷解放宣言」をしたのは1862年です。

  

プレバト番組では作者が句意を解説しているから視聴者には「読書」と分かりますが、一般の人々がこの句を解説無しに初めて読んだ場合には、上記のとおり句意が不明瞭でしょう。

俳句は「なぞなぞ」ではありません。軽み」が俳句の特徴の一つです。

あなたには、原句の句意が直ぐに分かりましたか?

  

次のように添削すると、作者の「素晴らしい発想」を生かして、その句意を反映するまともな伝統的俳句に修正出来るのではないでしょうか?

    

 (A) 遠雷やカカオ奴隷史読む夜汽車 

 (B) 遠雷やカカオ奴隷史手に夜汽車 

 (C) 遠雷の夜汽車に読むやカカオ奴隷史

 (D)遠雷の夜汽車に読みしカカオ奴隷史

 (E)遠雷の夜汽車に読まんカカオ奴隷史

     

最近は、インターネットの絵文字や漫画、Twitterなどの便利さの影響で言葉を上手に使うことが下手になったのか、「人目を惹く奇抜さ」を狙っているのか、「舌足らずの稚拙な小児的表現」や「奇抜などぎつい表現」・「日本語の美しさや豊かさを疎かにする表現」が多くなっているような気がしています。

  

プレバト俳句もそのような影響を受けているのでしょうか?

 

それとも、「自由律俳句」の師系の影響を受けているのでしょうか?

 

正岡子規は彼の世でこのような傾向をどのように思っているでしょうか?

  

いずれにせよ、上記の定型俳句(A)や(B)では「インパクトが無い」と、ご不満でしょうか?

カカオ奴隷史」を強調するには、(C)や(D)のように字余りの俳句にするのも一案です。

(C)は夜汽車で現に読んでいる状態、(D)は夜汽車で読んだ「カカオ奴隷史」を読み返しているか、思い出している状態を詠んだものと言えるでしょう。

しかし、説明的・散文的に「下五」が重く響き、気に入りません。

(E)のようにすると、「カカオ奴隷史」を「今から夜汽車で読もうとする作者の意気ごみ」が感じられますが、題材に比して力が入りすぎた大げさな感じがします。

  

俳句は好き好きですが、薫風士の好みとしては、読んでいる状態なら(A)、これから読もうとしているなら(B)が良いと思います。

  

貴方なら、どのように添削しますか?

     

余談ですが、アメリカのトランプ大統領やその支持者の意識は黒人を奴隷にしていた西部劇時代から変わらぬ「白人優先」・「黒人蔑視」のようですね。

 

11月の米国大統領選挙は共和党の「トランプ」 vs 民主党の「バイデン」で実施されます。

 

安倍晋三総理大臣が潰瘍性大腸炎の再発で突然辞任することを8月28日午後に表明されました。

「お疲れさま!」、お大事に治療に専念されることを祈ります。

 

「お疲れさん」は医者や医療関係者の挨拶のようです。

 

コロナ対策で先ずして頂きたかったことは、「アベノマスク」の配布よりも、医療従事者の「働き方改革」の支援でしたね!

 

次期大統領と次期総理大臣は独裁国に牛耳られずに対話ができ、コロナ対策世界の平和・良好な日米関係を維持するのにふさわしい人物が選ばれることを切望しています。

  

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2020年8月28日 (金)

五歳児の口癖「あきた」夏休み

    

(2025.3.25 更新)

成長の祖母祖父離れ夏休

        (薫風士)

  

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青色文字「歳時記」をクリックすれば、「夏休み」の俳句をご覧になれます。

     

  

今年は新型コロナウイルス感染症拡大防止のために「3密」を避けることや「不要不急の外出」を自粛することが要請され、春休みや夏休み以外にも幼稚園が閉園となり、孫を預かって遊び相手をする日々が多くなり、現代の「子育て」の大変さや悪戯盛りの子供の「躾」の難しさを再認識しました。

成長盛りの子供は悪戯好きですが好奇心も強く、色々なことに興味を持ち、「なんで?」と質問を繰り替えし、新しく覚えた言葉は煩いほど何度も繰り返します。

「五目並べ」を教えると、腕前も一人前になり、口真似の専門語も口にするようになり、こちらの結構な遊び相手になって呉れました。

しかし、子供は子供です。

最近は「もう飽いた」と口癖のように言って、子供用のゲームや自分で勝手に遊び方を工夫したゲームなどの方が面白いようで、こちらの誘いには乗らなくなり、結局孫の言いなりのゲームに付き合うことになりました。

  

 夏休み孫は来て良し去りて良し

        (薫風士)

          

タイトルの俳句は「てにをは」を省略していますので、「口癖」の「あきた」に括弧が無ければ、「孫の口癖に薫風士が飽きた」という意味にも解釈できます。

  

夏休み飽きた飽きたと幼孫   

夏休み終り子供ら嬉々として

   

幼稚園や小学校など、コロナ禍の休園や休校の授業の遅れを取り返すために夏休みを短縮して8月24日から2学期が始まり、休みに飽きた子供たちは喜んで登園・登校をしているようですが、コロナの感染・クラスターが発生しないことを祈るばかりです。

  

「子育て」に励んでいる方々のご尽力に敬意を新たにしています。  

ここをクリックして「本との出会い <母と子・優しさと厳しさと>」をご一読下さい。

子育て・教育関係者のご参考になればうれしいです。

  

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(2年前に撮った写真なのでマスクをしていません。ワンちゃんも水遊びをしています。クリック・拡大してご覧下さい。)

   

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2020年8月23日 (日)

丹波路の森のひととき水遊び (俳句と写真)

  

故郷を「まんぽ俳句」で元気に、未来に繋ごう

   

P.S. 2022.3.12

ウクライナ紛争について、「已むに已まれぬ思い」を俳句に詠み、記事を書きました。

青色文字をクリック(タップ)して、血に染むなドニエプルてふ春の川」や春一番この発言はおぞましき」をご覧下さい。

  

見たきものドニプル川の水遊び

     

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青色文字をクリック(タップ)してリンク記事をご覧下さい。

  

コロナ禍の猛暑の中を墓参を兼ねて幼孫を連れて「森のひととき」や福知山城に行きました。

 

森のひととき」はキャンプ場で涼しい風が吹き、子供たちは遊具や渓流の水遊びを楽しんでいました。

(ワンちゃんも川遊びをしています。2年ほど前に撮った写真なので誰もマスクをしていません。クリック・拡大してご覧下さい。)

  

愛犬も子等と一緒に水遊び

渓流の蟹捕り親子睦まじく

ワンちゃんも水遊びして平和かな  

   

渓流に立てば堰落つ小さき蟹

(渓流に入ったときに丁度小さな蟹が堰を這っていましたが流れ落ちました。)

  

蟹潜む石に蛙は正座して

(「蟹」は夏の季語、「蛙」は春の季語です。ありのままに詠んでいます。)

   

天守への坂の炎暑やマスクして

  

喘ぎ来し天守の狭間風涼し

      

福知山城はNHK大河ドラマ「麒麟がくる」の主人公明智光秀に所縁のある城です。

猛暑とコロナの影響で観光客が少なく、コロナの感染を心配することなく見物出来ましたが、真昼の極暑にマスクして天守に登るのは閉口しました。

   

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