吟行の写真俳句 <神戸布引ハーブ園>(改訂版)
・万緑や夢風船てふロープウェイ
・万緑のハーブ園歩し香に酔へり
・万緑にほのかな色や煙の木
・万緑や風の丘より茅渟の海
青色の文字をクリックすると、解説などをご覧になれます。
写真はクリックすると拡大します。
「俳句は身近なことや自分の思いなどを詠んで気軽に作るとよい」ということを知ってほしい、との思いから敢えてチュヌの主人(薫風士)の吟行の即興句や写真を掲載しました。
・万緑や夢風船てふロープウェイ
・万緑のハーブ園歩し香に酔へり
・万緑にほのかな色や煙の木
・万緑や風の丘より茅渟の海
青色の文字をクリックすると、解説などをご覧になれます。
写真はクリックすると拡大します。
「俳句は身近なことや自分の思いなどを詠んで気軽に作るとよい」ということを知ってほしい、との思いから敢えてチュヌの主人(薫風士)の吟行の即興句や写真を掲載しました。
(2025.7.8 更新)
(写真はタップ拡大して、ご覧下さい)
句友に貰った筍が鉢植で一廉の黒竹に成長したので、七夕の短冊を飾り、駄句を口遊みながら星祭のお祈りをしました。
星祭ネット句会の弥栄を
七夕の星空如何ウクライナ
スーパーで和平祈るや星祭
祈りしは戦争中止星祭
(薫風士)
ウクライナ戦争の長期化が懸念されます。
「ウクライナ戦争中止せよ!」のキャンペーンを七夕祭りで広げましょう!
写真は、世界平和祈念の短冊を飾ったスーパーニシヤマの七夕祭りです。
選挙運動の車がよく走っています。
まやかしの無い公明正大な候補者を見極めましょう。
候補者が政治家として国民の信頼を裏切らないことを切望しています。
(2017.8.29)
2017年8月28日は、「旧暦の七夕」でした。
「七夕祭」は新暦(太陽暦)に基づいて7月にする所が多いようですが、俳句では「七夕」や「七夕祭」「星祭」は旧暦(陰暦)に則る行事として「秋の季語」とされています。
7月7日は梅雨の雨が降る可能性が大ですから、星空を愛でるにも「七夕祭」は8月にする方が望ましいでしょう。
「盆踊」は地方によって、7月に行う所と8月に行う所があるようですが、「盂蘭盆会(うらぼんえ)」の伝統的行事として旧暦に準じ8月にする方が相応しい気がします。
童吊る七夕竹や初俳句
七夕や子等の短冊雨に散る
水害の復興なりて盆踊
留守居酒をどり音頭の遠音して
上記の俳句は、幼孫の俳句と拙句です。
(写真はクリックすると拡大します。青色文字の季語をクリックして俳句の詳細をご覧になれます。)
下記のとおり歳時記(「俳誌のsalon」)の俳句を気の向くままに抜粋掲載させて頂きます。
(七夕1)
七夕やまだ指折って句をつくる
(秋元不死男)
七夕やてるてる坊主も吊されて
(山本潤子)
(七夕2)
七夕や真の願ひの胸にあり
(森るか)
七夕竹本気の願ひひとつかけ
(平田紀美子)
(七夕3)
七夕や猫駅長の人気駅
(桂敦子)
食卓を飾る笹の葉七夕膳
(難波篤直)
(盆踊)
五重の塔そびらに奈良の盆踊
(阿波谷和子)
今年また年寄ばかり盆踊
(谷口一献)
(をどり)
つまづきしこしも仕草に盆をどり
(永田等)
落人の商も陽気に阿波をどり
(臼杵游児)
(踊)
歯一枚失せて果てたる踊下駄
(山田弘子)
花びらの散りゆくごとし踊果て
(菰田晶)
ここの青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。
(2025.9.12 更新)
朝ドラのあんぱんまんや涼新た
始球式デコピン駆けて涼新た
(薫風士)
この写真は、大谷翔平の愛犬「デコピン」の活躍を報道したしたニュース(メジャーリ-グ始球式など)のパソコン画面(Microsoft Start画面)の一部分です。
掲句は、季語の取合せに無理がありますが、大谷翔平の活躍を称える存問のブログ用の俳句です。
涼新た夜中に雨の降りし朝
新築の高きクレ-ン涼新た
新涼や新建築の香る風
新涼の新建築に差す夕日
新築の木材の香や涼新た
新涼や建て替へ工事遠近に
新涼の新陳代謝古し街
新涼の新築香る散歩道
新涼や心新たに八十路ゆく
新涼や新芽再生庭の木々
涼新た蕗の佃煮茶漬けして
雨上がり九頭竜川の涼新た
(薫風士)
この写真は「まんほ俳句」を口ずさみながら散歩して、処暑の街角で見かけた新築工事の風景や墓参りの際に訪ねた永平寺町の九頭竜川などの風景です。
このカラー図説日本大歳時記の写真は、タップ拡大すると、「新涼」の解説や例句をご覧になれます。
涼新た京の漬物茶漬けして
新涼や運よく手にす新紙幣
(薫風士)
この写真は、思いがけなく句友がくれた京の漬物や新旧10,000円札です。
(2017.8.28の記事)
「全国高校野球大会」や「地蔵盆」のシーズンが終わると、さすがに朝晩は秋めいて凌ぎ易くなります。
歳時記から「新涼」の俳句を抜粋し、下記に掲載させて頂きますが、その前座としてチュヌの主人の俳句を6句掲載します。
(写真はクリックで拡大出来ます。青色文字の季語をクリックして俳句の詳細をご覧下さい。)
新涼の湖染めし落暉かな
薄雲を透かし月蝕涼新た
新涼やジョガー行き交ふ桜田門
開眼のゴルフスィング涼新た
新涼や孫の来て良し去りて良し
庭涼しショパン生家のピアノ曲
(薫風士)
(新涼1)
新涼や小雨いとはぬ畑仕事
(伊藤宇太子)
新涼やパンの香満ちしパリの街
(長谷川通子)
(新涼2)
露天湯にゐて新涼の雨に濡れ
(木村享史)
五指ひらき閉ぢて新涼つつがなし
(斎藤道子)
(新涼3)
新涼の音選びをり調律師
(千坂美津恵)
新涼の珈琲旨き朝かな
(村本真由美)
(新涼4)
新涼や心通へる友の文
(荒井慈)
新涼の湖の上ゆく飛行船
(星井千恵子)
(新涼5)
新涼の画を見る女画の女
(福田蓼汀)
新涼や砂紋定かに由比ヶ浜
(榊原見牛)
(新涼6)
新涼や先づは越前おろし蕎麦
(塩路隆子)
新涼や白波たつる隅田川
(青木政江)
(新涼7)
新涼やホテルの朝の奈良茶粥
(田下宮子)
新涼や日々成長の園通ひ
(松田和子)
「新涼の深田公園まん歩する(「まんぽ写真」特集)」をご覧下さい。
青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。
夏の甲子園大会(高校野球)が終わると台風シーズンになりますが、今年は花咲徳栄の初優勝で熱戦の幕を閉じました。
(青色文字をクリックすれば解説記事をご覧になれます。)
「天理vs広陵」や「花咲徳栄vs東海大菅生」の準決勝や広陵vs花咲徳栄の決勝戦など、テレビ中継を見ながらチュヌの主人(薫風士)が口ずさんだ即興句を前座に掲載します。
炎天下好打好守のユニフォーム
炎天へ白球伸びて大アーチ
熱戦や日焼け球児の歯の白き
「俳句は楽しむもの」「多くの人に俳句を気軽に作って楽しんでほしい」という思いでスナップ写真を撮るように口ずさんだ駄句を掲載しましたが、歳時記(俳誌のSalon)から「台風」と「野分」の俳句を抜粋・掲載させて頂きます。
(青色の季語をクリックして俳句の詳細をご覧下さい。)
(台風1)
人生の台風圏に今入りし
(高浜虚子)
台風の進路またもや故郷に
(谷口ふみ子)
(台風2)
台風の真只中の句会かな
(成嶋いはほ)
台風の外れたる気配祭笛
(宮みさを)
(台風3)
台風の雲千切れ飛ぶ伊吹山
(高野清風)
台風禍畦にたたずむ老夫婦
(有島扇水)
(台風4)
台風裡披講の声の響きけり
(大串章)
長寿村台風寸断して去りぬ
(福田かよ子)
(台風5)
台風の通過待ちする古都の駅
(森山のりこ)
台風来少しわくわくしてゐたり
(栗原公子)
(台風6)
台風のそれて真つ赤の月昇る
(大坪景章)
一夜さを騒ぎ立たせて台風過ぐ
(大橋晄)
(台風7)
台風来悠然として鯉の髭
(岩岡中正)
台風一過豪雨に耐へし渡月橋
(桂敦子)
(台風8)
台風のさなか餃子に酢を効かす
(岡部玄治)
台風の予報進路にある旅路
(稲畑汀子)
(野分1)
見所のあれや野分の後の菊
(芭蕉)
乗り継ぎを待つ空港の野分晴
(大久保白村)
(野分2)
野分後の流るる雲に見とれをり
(浦川聡子)
野分晴玻璃戸に乾く潮しぶき
(水原春郎)
(野分3)
親捨てずこころざし捨つ野分雲
(田中藤穂)
案山子の手吹き飛んでゆく野分かな
(ことり)
(野分4)
満天に星座定まる野分あと
(深田稚敏)
野分晴ひとりの家のひとり言
(浜口高子)
(野分5)
蜘蛛の糸一本遊ぶ野分晴
(河崎尚子)
巨船なほ揺らす野分の名残波
(栗田武三)
(野分6)
九十九里われより高き野分波
(菅谷たけし)
野分来るたくあん噛んでゐてひとり
(浜口高子)
(野分7)
差す人の傘壊しゆく野分かな
(大橋晄)
息詰まる思ひ野分の橋渡る
(宮平静子)
(野分8)
野分去り町にスタバの緑の灯
(大日向幸江)
ビラ一枚枝に引つ掛け野分去る
(高橋将夫)
ちなみに、2004年に台風が多発して親戚の屋敷の倒れた栗の木などの整理を手伝ったときにチュヌの主人(木下さとし)が詠んだ次の俳句が芦屋ホトトギス俳句会(同年9月)で特選に入りました。
野分去り俄か樵となりにけり
(2024.11.11 更新)
冒頭の写真は、カラー図説日本大歳時記と「ひとはく」の新館の軒からの眺めてす。
秋時雨己が記憶の途切れがち
(薫風士)
「ひとはく」の新館の鎖樋に近づき、耳を澄ますと、爽やかな音が聞こえました。
今日は寒露です。
残暑と思えない真夏日の暑さが続いていましが、久しぶりに雨が降り、寒さを感じています。
やや寒の靴音響くアスファルト
(稲畑廣太郎)
ひとはくや鎖樋の音爽やかに
秋雨の旋律奏づ鎖樋
まん歩する寒露の小雨やや寒し
買い物の帰路はうそ寒失せにけり
真夏日の残暑果つるや秋の雨
(薫風士)
(2023.8.16の記事)
秋の雨を詠んだ俳句を歳時記(俳誌のサロン)から気の向くままに幾つか抜粋させて頂きます。
(青色文字の季語をクリックすると俳句の詳細がご覧になれます。)
(秋の雨)
閉めぎはの店に花買ふ秋の雨
(岡本眸)
石塔の梵字にたまる秋の雨
(柳堀喜久江)
震度五に容赦なく降る秋の雨
(柴田美佐子)
悔い残る一言なりし秋の雨
(両角平)
(秋雨)
秋雨や煙る湖より舟の音
(小滝奈津江)
秋雨や子規の臥せりし六畳間
(浜崎良彦)
東京にだけ秋雨といふ予報
(稲畑汀子)
秋雨の滲む新聞飲酒事故
(佐久間はるみ)
(秋時雨)
秋時雨セーヌが街をつらぬけり
(富沢敏子)
ひつそりと商ふ米屋秋時雨
(竹山みや子)
愚痴に慣れ夫はうとうと秋時雨
(木原今女)
ワルシャワの人は美し秋時雨
(南北佳昭)
秋霖や水墨画めく比良比叡
(三川美代子)
今日8月16日は「送り火」・「大文字」の日です。
台風7号の影響の雨で良く見ることは期待出来ませんが、実施されます。
「送り火」は、夏の風物詩として親しまれていますが、俳句の季語としては秋に分類されています。
青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。
(2025.9.12 更新)
この写真は、NHK-TV二ュ--ス画面の一部分です。
勲章も実態次第秋暑し
秋暑し作り笑ひで媚ぶ候補
残暑とて灼熱なりし正午過ぎ
終活の思案あれこれ秋暑し
秋暑き延命地蔵叶ふ願
草刈り機の泣き声高し秋暑し
秋暑し日向の青木葉の焦げて
建前の鎚音響き街残暑
ス-パ-の米売り切れて秋暑し
米求めス-パ-巡り秋暑し
ス-パ-の米の売り場の無き残暑
秋暑き補修工事やまんぽ道
(薫風士)
青色文字をクリック(タップ)して、リンク記事をご覧下さい。
秋暑しダ-クパタ-ンの溢るる世
秋暑し森に入りては枝を見む
予期せざる残暑見舞や京の品
(薫風士)
この写真は、思いがけなく句友が残暑見舞いにくれた京の伝統ある村上重本店の漬物です。
お礼の代わりに掲載させて頂きますが、「おねだり」ではありませんので、忖度無用です。誤解しないで下さいね。
川柳擬きの拙句を掲載しましたが、川柳はこの記事の最後にあります。
2017.8.16の記事(改定版)
2017年8月7日の立秋は、長寿台風5号が極地的大雨をもたらしたにもかかわらず、「残暑」ならぬ「猛暑」でした。
8月11日(「山の日」)も真夏日でしたが、チュヌの主人は神戸フルーツフラワーパークのプールに家族で出かけました。
水上のアスレティックや秋暑し
(薫風士)
今日13日は「迎え火」で故郷にお墓参りに行きました。
かみ合はぬ親子の会話墓参り
(薫風士)
お盆を迎え、さすがに朝夕は涼しくなり、日中の残暑も凌ぎ易くなりました。
夕風や蝉の亡骸腹を見せ
(薫風士)
青色文字をクリックすると解説記事や俳句の詳細がご覧になれます。
歳時記「残暑」・「秋暑し」から気の向くままに「水」に関連した俳句を抜粋掲載させて頂きます。
(残暑1)
谷水に足ひたしゐる残暑かな
(山田京子)
(残暑2)
船の水尾より残暑解く風生る
(稲畑廣太郎)
(残暑3)
水平線まろき紀南の残暑かな
(伊勢きみこ)
(残暑4)
塩振りし水ぐいと飲む残暑かな
(廣瀬雅男)
(残暑5)
残暑なほ素焼の鉢に水を足す
(礒貝尚孝)
(秋暑し1)
斬られ役水飲みに来て秋暑し
(辻享子)
(秋暑し2)
襤褸裂の水にしづみて秋暑し
(八木柊一郎)
(秋暑し3)
秋暑し醍醐の杜の力水
(柳橋繁子)
(秋暑し4)
秋暑し空地に残る水道管
(森山のりこ)
(秋暑し5)
秋暑しどこまで洩るる汚染水
(田中藤穂)
(秋暑し6)
置水に気泡のひとつ秋暑し
(高橋道子)
「水」といえば、某川柳句会でチュヌの主人(薫風士)が高得点をとった「水」の川柳を最後に掲載します。
怖いもの地震・洪水・テロ・女房
我が町は花と緑と水の町
幸せよ水の美味しい町に住み
チュヌは水道の散水ジョウロの水を飲むのが大好きです。
チュヌの主人の川柳もどきの俳句を掲載した「俳句の鑑賞 <溽暑(じょくしょ)・蒸し暑し>」もご笑覧下さいね。
青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。
(P.S. 2022.7.1)
各地で「猛暑日」となり、40℃を超す歴史的極暑の地域もあり、熱中症が増えています。
ありがたや猛暑に耐ゆるこの老躯
昨日(8月6日)は原爆忌(広島忌)でしたが、8月9日は長崎忌です。
平和の有難さを再認識し、原爆犠牲者のご冥福と平和の祈りをささげました。
炎天下の須磨海浜水族園を訪ねてチュヌの主人(薫風士)が詠んだ吟行句を掲載します。
水族館涼しい筈と思ひしに
欠氷手に手に親子イルカショー
満席の団扇はためくイルカショー
炎天下イルカ巧みにフラフープ
ドルフィンや客にあいさつ立ち泳ぎ
(青色の文字をクリックすると解説記事や俳句の詳細などがご覧になれます。)
「歳時記」から「炎暑」の俳句を抜粋・掲載させて頂きますします。
百選の棚田の匂ふ炎暑かな
(朝妻力)
炎暑かな郵便局に客ひとり
(戸田澄子)
私も影も汗ふく炎暑かな
(佐々木良玄)
鬼瓦炎暑無言の面構へ
(荻龍雲)
ふるさとが城が崩れてゐる炎暑
(岩岡中正)
正論の溶けてゆくさま炎暑かな
(杉井真由美)
青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。
トップ欄か、この「俳句HAIKU」をタップすると、最新の全ての記事(タイトル)が表示されます。記事のタイトルをタップ(クリック)して、ご覧下さい。
(2024.10.24 更新)
時雨るるや又もまやかし懲りもせず
(薫風士)
写真は、NHK-TV のニュース画面の一部分です。
政治活動にせよ、企業活動にせよ、透明性を維持してテロ対策などを如何にするか、大きな課題ですが、専制的な長期政権は、腐敗しますね。
唐突ですが、やむにやまれぬ思いの拙句を掲載しました。
ここをクリック(タップ)して、「句談義16:『こどもの日』・『母の日』に思うこと。」の記事をご覧下さい。
写真は、NHK-TVのニュース画面の一部分(衆議院選挙の投票を促す広報車など)です。
(2022.7.10の記事)
掲句はブログ検索のキーワードとして「夏の季語」を3個用いるなど、俳句擬き・川柳擬きの拙句です。
青色文字をタップすると、リンク記事をご覧頂けます。
愛犬チュヌが生前に好んで寝転んでいた裏庭の軒下に白百合が咲き、よく見ると空蝉が葉に付いていました。
(写真の右下をご覧下さい。)
8月25日は、「川柳(発祥)の日」です。
1757年(宝暦7年)の8月25日に、柄井川柳が最初の「月並万句合」を行ったことに由来しているとのことです。
安倍晋三元総理大臣の暗殺事件と選挙にちなんで書いた「俳句《涼し》」をご覧下さい。
文月や本音を言へば失言に
「文月」は「陰暦の7月」の呼称で、新暦の7月下旬~9月上旬に当たります。
俳句で新暦の7月にも便宜的に適用されることがありますが、慣習的な行事や実際の季節感と季語の間に齟齬が生じています。
(2017.7.29の記事)
7月に入って梅雨の蒸し暑さが続いています。
季語「溽暑」を森澄雄は次の通り解説しています(「カラー図説日本大歳時記」より抜粋)。
「湿度の高い蒸し暑さをいう。梅雨の終わり頃の、じっとしていても脂汗のにじむような蒸し暑さ、また土用の曇り日などの蒸し暑さも耐え難い。夏の季節風が南海上の高温多湿の空気を運んでくるのである。不快指数の高い不愉快な暑さである。」
(青色文字をクリックして解説記事などをご覧下さい。)
賑やかな俳句バトルや溽暑の夜
新記録更新ならず溽暑の夜
目を見張る開票結果溽暑の夜
正論も一蹴さるる溽暑かな
都議選の演説騒然街溽暑
垣根越し白百合溢る街溽暑
まやかしに官僚腐敗溽暑かな
政治家のまやかし憂ふ溽暑かな
上記の「溽暑」の俳句はチュヌの主人(薫風士)の川柳もどきの即興句です。
このような即興句だけでは申し訳ないので、本格的俳句をインターネット歳時記「溽暑」から下記の通り気の向くままに引用させて頂きます。
採血の腕逆撫でらるる溽暑かな
(内田しんじ)
度の合はぬ眼鏡のずれし溽暑かな
(當麻幸子)
思考力雲散霧消溽暑かな
(大橋敦子)
溽暑来ることあげもせず拉致家族
(角直指)
暗がりの戦争動く溽暑かな
(中林晴雄)
「(新版)季寄せ」(角川書店編)を見ると、富田木歩の次の俳句が一句のみ掲載されていました。
女したしう夜半を訪ひ寄る蒸暑さ
青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。
哲学とは 考へること七つ星
万緑の山並暮れて七つ星
七夕や希望の星は14歳
(薫風士)
(青色文字をクリックすると俳句や作者の解説などがご覧になれます。)
爛々と昼の星見え菌生え
(高浜虚子)
この俳句について、「『星』や『菌(きのこ)』とは何か?比喩ではないか?」と、「チュヌの便り」の「俳句談義」でさまざまな解釈を試みました。
「虚子は一俳人の話に感興を動かされて、いや感興などという生易しいものではなく、インスピレーションを得て一気に頭の中で壮大な宇宙を作り上げたのではないだろうか。」と稲畑汀子さんが述べていますが、高浜虚子は「太陽」を「昼の星」と表現して「菌(きのこ)」と対比することによって悠久の大自然の営みを俳句にしたものと思います。
「575筆まか勢」の「星の俳句」から目についた俳句を気の向くままに抜粋し、コメントさせて頂きます。
むささびや杉にともれる梅雨の星
(水原櫻子)
鼯鼠(むささび)は冬の季語です。ウイキペディアの解説によると、「長い前足と後足との間に飛膜と呼ばれる膜があり、飛膜を広げることでグライダーのように滑空し、樹から樹へと飛び移ることができる。」また、「冬と初夏の年2回発情期を迎える」とのことです。この俳句は秋桜子がムササビや梅雨の星を実際に見て詠んだものではなく、印象的な風景を空想して詠んだ俳句ではないでしょうか?季語が2つ(「ムササビ」と「梅雨」)ありますが、実際に梅雨の星と杉の木に飛ぶムササビを見たとすればものすごくラッキーなことであり、詩的な映像が印象的で「季重なり」は論外の秀句です。
夏星に海も日暮れの音展く
(飯田龍太)
「展く」は「ひらく」と読むのでしょうが、昼間は海水浴客の声で賑やかだった海の音は、夕暮れになると海本来の波音が拡がることを詠んだものでしょう。
「海の日」は7月の第3月曜日ですが、「海の日」に「海開き」をする海水浴場もありますね。
旱星(ひでりぼし)われを罵るすなはち妻
(西東三鬼)
西東三鬼は何を妻にののしられたのでしょう?
旱星流木は山忘れざる
最近は温暖化の影響か局地的気象変動・豪雨が酷くなり、九州北部の大洪水など流木の影響で被害が増大しています。温暖化防止の努力を無視するようなひどい大統領に失望しています。
旱星食器を鳴らす犬と石
(秋元不死男)
かんかん照りの日が沈み、星空の下で甲高い器の音をたてながら犬がガツガツ餌を食べている情景が浮かびますね。
星涼し遊歩甲板の籐椅子に
豪華客船のクルーズで満天の星を愛でたいものです。
父祖の地に入りて微塵の星涼し
(橋本榮治)
面舵(おもかじ)に船傾きて星涼し
(高浜虚子)
「夏の星 補遺」
夕雲にちらりと涼し一つ星
(正岡子規)
青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。
トップ欄か、この「俳句HAIKU」をタップすると、最新の全ての記事が掲示されます。
(2025.8.18 更新)
AIに潜むリスクや揚花火
揚花火急いては事を仕損ずる
揚花火代理戦争お断り
「つかの間の最後飾るや揚げ花火」をご覧下さい。
(2017.7.10の記事)
今日は七夕ですが、NHKニュースによると九州北部は局地豪雨の洪水・地滑りなど被害甚大でなので、星祭や句作などしているのは呑気なようで申し訳ない気がします。
掲句は、切字が「や」と「けり」二つあり、ダメ句と言われるでしょうが、被災者の方々へのお見舞いの強い思いを一句にして、笹飾りに吊るしたものと甘受して頂ければ幸いです。
(ここをクリックすると、気象庁の梅雨明け情報(速報値)などご覧になれます。)
梅雨が明けると本格的な夏です。
家族で花火をしたり、花火見物に出かけたりする方が多いでしょう。
神戸港開港150周年記念に当たる今年のメリケンパーク沖の海上花火大会では1万5000発の花火を打ち上げるそうですが、綺麗に見えるといいですね。
(ここをクリックすると、「花火カレンダー・全国花火大会」のサイトで各地の花火大会の情報がご覧になれます。)
「歳時記」(俳誌のサロン)から「花火」の例句を気の向くままに抜粋させて頂きます。
青色文字(季語など)をクリックすると、例句の詳細や解説記事をご覧になれます。
(花火1)
花火やむあとは露けき夜也けり
(正岡子規)
髪の根の乾かぬままの初花火
(浦山輝代)
(花火2)
空に伸ぶ花火の途の曲りつゝ
(高浜虚子)
花火の中へ花火打ち込む流れ雲
(松崎鉄之介)
(花火3)
喚声のあとの喚声大花火
(沼口蓬風)
花火果つ天に一つの星もなし
(渡辺喜久子)
(花火4)
一輪の花となりたる揚花火
(山口誓子)
暗がりに肩を叩かれ花火の夜
(伊藤トキノ)
(花火5)
追ひ追はれ鼠花火と幼き子
(緑川啓子)
花火の夜病院の人和みあふ
(大西八洲雄)
(花火6)
満天を砕く打ち止め花火かな
(山田六甲)
ぢぢばばとちちははとやや庭花火
(野沢しの武)
(花火7)
鑑真の着きたる浜の大花火
(川端俊雄)
おひらきは線香花火やいとこ会
(德田千鶴子)
(花火8)
花火終へ星空と海ありにけり
(嶋田一歩)
鎮魂の花火につづく闇の黙
(安原葉)
(遠花火1)
死にし人別れし人や遠花火
(鈴木真砂女)
湯浴みして髪梳く夜の遠花火
(倉本美代子)
(遠花火2)
別のこと考へてゐる遠花火
(黛まどか)
子のこころ読めぬとまどひ遠花火
(白井剛夫)
青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。
トップ欄か、この「俳句HAIKU」をタップすると、最新の全ての記事(タイトル)が表示されます。記事のタイトルをタップ(クリック)して、ご覧下さい。
(2025.6.18 更新)
糟糠は古語となりしか明易し
(薫風士)
これらの写真は、NHK-TV ニュース画面の一部分です。
完全は幻想なりや明易し
明易や止めよ独裁挑発を
短夜や長き独裁腐敗する
明易の生きてる証ブログ書く
明易の疲れ眼休め微睡みて
明易や直ぐ旧聞にブログ記事
コロナ禍の外出自粛規制が繰り返され、お互いに気遣いすることが多く、緊急事態宣言などの解除後も幼孫の口癖は「大丈夫?」でした。
明易や「仕舞ひ忘れ」の探し物
明けやすやハイクで俳句口遊み
明易や漫歩に俳句口にして
明易やまんぽ俳句に明け暮れて
動かざる園の時計や明易し
明易の目覚まし時計孫セット
明易や孫の口癖「大丈夫?」
大丈夫?大丈夫だよ!明け易し
腰痛を防ぐ漫歩や明易し
憂さ晴らす朝の散歩や明易し
掲句は、薫風士の「まんぽ俳句」です。
(2017.6.28の記事)
6月21日は「夏至」です。
「夏至」といえば、「明易」や「短夜」の俳句、殊に高濱虚子の風変わりな俳句「明易や花鳥諷詠南無阿弥陀」のことを思い出しますが、この俳句の解釈には「高濱虚子の100句を読む」(坊城俊樹著)などの解説が参考になります。
(青色文字をクリックして俳句の詳細や解説記事などをご覧下さい。)
季語「短夜・明易し・明急ぐ・明早し」について、山本健吉が次のように解説しています(カラー図説日本大歳時記から抜粋)。
「春分の日から夜は昼よりも短くなり、夏至に至ってもっとも短くなる。俳句では日永は春、短夜は夏、夜長は秋、短日は冬と定めているが、これはその感じを主にして言うのである。短夜の語は万葉以来である。(以下省略)」
ここをクリック(タップ)すると、「夏の俳句特集《コロナ禍のストレスを発散しよう!》」 をご覧頂けます。
チュヌの主人(薫風士)の下記の即興句もご笑覧下さい。
愛犬の促す散歩明易し
明易や犬の確かな腹時計
明易のカーテン過る蝶の影
明易や時の流れは止められず
明易の徹夜国会生みし法
短夜のニュースに響くデモの声
何事も運用次第明易し
明易や人の噂も何とやら
明易や昭和は遠くなりにけり
短夜や睡眠負債なき吾が身
明易のパソコン疲れうたた寝す
短夜の風呂のうたたね夢数多
恙なき白寿を夢に明易し
明易やパンダの赤子すくすくと
インターネット歳時記の「明易」から目についた俳句を気の向くままに次の通り掲載させて頂きます。
明易1
松島を見よとて湾の明易き
(鷹羽狩行)
すぐ来いといふ子規の夢明易き
(高浜虚子)
宿坊に井戸使ふ音明易し
(代田青鳥)
サッカーの深夜観戦明易き
(高谷栄一)
短夜や空とわかるゝ海の色
(几董)
刷り上げしインキの匂ひ明早し
(梅田泰正)
上野動物園(東京都台東区)は16日、ジャイアントパンダの雌シンシン(11歳)が産んだ赤ちゃんについて、乳首に吸い付く1回当たりの時間が長くなっており「しっかりと母乳を飲めているようだ」と明らかにした。
青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。
トップ欄か、この「俳句HAIKU」をタップすると、最新の全ての記事が掲示されます。
大蛍ゆらりゆらりと通りけり
(小林一茶)
一茶の俳句にはおおらかな句が多いですね。
学問は 尻から抜ける ほたる哉
(与謝蕪村)
ほうたるや耳学問の老の日々
(薫風士)
(青色の文字をクリックして解説記事をご覧下さい。)
草の葉を落るより飛蛍哉
(松尾芭蕉)
(向井去来)
蛍火の今宵の闇の美しき
(高浜虚子)
(夏目漱石)
NPOホタルの会「ホタルと日本人・蛍狩り」のサイト「蛍の文化史」に様々な俳句や短歌が紹介されています。
手から手へ思ひを伝へ初蛍
掲句は蛍狩りでチュヌの主人(薫風士)が初蛍を捕らえ、仲間に順に見せその喜びを伝えたことを詠んだ俳句です。チュヌの主人にとっては蛍狩りは童心に返る楽しいものです。単に「喜び」とせず、少しロマンチックな表現にして俳句会で高得点を得た俳句です。
蛍の鑑賞スポットをインターネットで検索すると、「死ぬまでには見ておきたい!関東の美しすぎる『ほたる鑑賞』スポット7選」というサイトなどがありました。
インターネット歳時記には季語が「蛍・ほたる・ほうたる」の俳句が2000句余り掲載されています。気の向くままに下記に抜粋します。
(季語「蛍」などをクリックして俳句の詳細をご覧下さい。)
(蛍1)
人殺す我かも知らず飛ぶ蛍
(前田普羅)
(蛍2)
浮島にいのち継ぐ火や姫螢
(岡田貞峰)
(蛍3)
かこひたる掌にふれずして舞ふ
(赤座典子)
(蛍4)
螢火を見に來し宿で醉ひつぶれ
(片岡祥子)
(蛍5)
蛍の闇にふれたる手のぬくみ
(大森美恵)
(蛍6)
手の螢見せて匂ひぬ人の妻
(竹貫示虹)
(蛍7)
ゆるやかに着て人と逢ふ蛍の夜
(桂信子)
(蛍8)
無人駅夜は蛍火の銀座なる
(延江金児)
湯の町の旅の一夜や蛍狩
(松元末則)
(蛍10)
蛍より多きギャラリー渓の径
(金山藤之助)
(蛍11)
死なうかと囁かれしは蛍の夜
(鈴木真砂女)
(蛍12)
蛍火の明滅滅の深かりき
(細見綾子)
(蛍13)
螢獲て少年の指みどりなり
(山口誓子)
(蛍14)
放たれし一夜仮設の蛍かな
(松本秀子)
(蛍15)
峡の湯の熱りを冷ます蛍狩
(升田ヤス子)
(ほたる)
朝がきて虫となりたるほたるか
(和田瑞子)
(ほうたる)
ほうたるの匂ひ幼き日の匂ひ
(細野みさを)
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万緑や夢風船てふロープウェイ
万緑のハーブ園歩し香に酔へり
万緑にほのかな色や煙の木
万緑や風の丘より茅渟の海
掲句はチュヌの主人(薫風士)の即興句です。
俳句愛好者が増えることを願って、「俳句は身近なことや自分の思いなどを詠んで気軽に作るとよい」ということを知ってほしい、との思いから掲載しました。
青色の文字をクリックして、解説などをご覧下さい。
写真はクリックすると拡大します。
この青色文字(「俳句」や「HAIKU」)をタップすると、「俳句HAIKU」の最新の俳句や英語俳句の記事をご覧になれます。
掲句はチュヌの主人(薫風士)が作ったブログ写真の説明用俳句です。
(写真はクリック or タップして、拡大してご覧下さい。)
写真はチュヌの主人が深田公園を散歩して、「ひとはく」のホロンピア館前の広場で巧みにブレイブボードをしている女の子を見て撮ったものや淡路夢舞台で開催された母校の同窓会に参加した際に淡路島国営明石海峡公園を散策して撮ったもの等、「万緑」の写真です。
万緑やブレイブボード操る子
万緑の苑に早朝太極拳
万緑に聳ゆマンション朝日差す
万緑や光の中をペダル踏む
万緑の窓に一点紅の薔薇
万緑や吟行の友吾庭に来
万緑の一日淡路の夢舞台
万緑の俳句といえば、中村草田男の俳句が有名ですが、インターネット歳時記には季語「万緑」の俳句は1000句余りも掲載されています。気の向くままに下記に抜粋します。
(青色文字をクリックして俳句の詳細や解説をご覧下さい。)
(万緑1)
(中村草田男)
(万緑2)
(石田波郷)
(万緑3)
万緑に朴また花を消すところ
(皆吉爽雨)
(万緑4)
(橋本多佳子)
(万緑5)
里山を守る万緑でありにけり
(稲畑廣太郎)
(万緑6)
万緑や抱へて重き子のいのち
(生方ふよう)
(万緑7)
万緑の山もこもことブロッコリー
(宮崎左智子)
(万緑8)
万緑の真ん中に居て余震なほ
(田山登喜子)
(万緑9)
万緑にくひ入る百八やぐらかな
(鈴木庸子)
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風薫る5月です。
若葉の俳句を楽しみましょう!
冒頭の日本伝統俳句協会5月のカレンダー(一部分)の写真の色紙の俳句「夜の新樹すくと我らに未来あり」の作者(岩岡中正氏)は日本伝統俳句協会の会長です。
この俳句は、俳句界のことを念頭にして詠まれたのかも知れませんが、「我等」は「人類」を意味していると解釈しています。
上記カレンダーの掲載句「波よりも風の易しとつばめ魚」の作者山田佳乃さん(円虹主宰•昨年度NHK俳句番組選者)は、2017年5月20~21日に三田グリーネットのオープンガーデンが開催された時だったか(?)、数年前に俳人仲間と吾庭を訪ねてくれたことがあります。(写真参照)
来年のオープンガーデンの頃までには、句友に見られても恥ずかしくないように吾庭を綺麗に整備して、俳句の題材としても事欠かないようにたいとの思いで手作りのガーデニングをエンジョイしています。
「駄句でも楽しみながら俳句を作り、著名な俳人の俳句を鑑賞していると、そのうちに上手くなるだろう」と、庭弄りや散歩、吟行旅行、ゴルフなど、体を使うとともに、駄句を捻って頭の活性化に努め、老後の健康管理に留意して天寿を全うすることを願っています。
上記の写真で、三角に見える部分は、手作りの吾庭の日本列島の北海道です。
(写真はクリックすると拡大します。)
2017年5月21の午前中は清々しくて隣家のバラの庭のミニコンサートのマリンバのリズミカルな遠音を聞きながら手作りの庭の手入れもはかどりましたが、昼下がりには早くも真夏日になり、窓辺の柿の木越しにミニコンサート(午後の部)のシャンソンとピアノの調べが物憂げに聞こえました。
チュヌの主人(薫風士)の「若葉」の俳句10句を掲載します。
マリンバの弾む遠音や若葉風
シャンソンの愁も運ぶ若葉風
俳句好き吾庭に来るや若葉風
飯事の一人遊びに若葉風
土団子くるむ童や柿若葉
庭弄り腰を伸ばせば若葉風
愛犬のまどろむ芝生若葉風
雑草の生れし速さや庭若葉
庭いじり終へし夕餉や若葉風
打球飛ぶ追風なりし若葉風
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断捨離や卒婚の身に若葉風
鵯が来て小雀来るや庭若葉
音高く土黒々に若葉雨
椅子傾ぐ窓にブランコ樫若葉
愛犬を偲ぶ造形庭若葉
艶やかや椿の若葉日を返し
柿若葉チラと鶯谷渡り
(薫風士)
厨(台所)の窓の柿若葉に珍しく鶯が谷渡りの鳴き声をあげる姿が見えましたが、直ぐ飛び去り写真に撮ることが出来ず残念でした。
「鶯」や「ブランコ」は春の季語ですが、「若葉」や「柿若葉」は夏の季語です。
徒然に折々の実景を「季重なり」でも日記代わりに詠み、思い出にしています。
冒頭の写真は、読者からの礼状です。この方は鬼籍に入られたので、追悼の意味で礼状の写真を掲載させて頂きました。
(写真は、タップ拡大してご覧下さい。)
雨上がりの朝に撮った柿葉の写真には、巣箱をご覧になれます。
最初の若葉の写真は吾庭の若葉が走り梅雨に濡れ、日本列島の周りに雨水が溜まった状態ですが、手作りの庭は常に工事中(?)で未完成です。
初夏の風薫る好天の朝の柿若葉の下には、紫陽花が蕾を付けています。
最後の写真をタップ拡大すると、椿の葉裏にトンボの子が潜んでいるのが見えます。
雨露に傾ぐ狭庭の柿若葉
雨上がり陰影深き柿若葉
紫陽花の蕾覆ひし柿若葉
「柿若葉」も「紫陽花」も夏の季語です。
1句に季語を二つ使うと、「季重り」でダメ句とされますが、日常的に眺めているリビングの窓の裏庭の印象的な初夏の情景をブログ俳句として敢えて二つの季語を用いて詠みました。
柿若葉朝日に著し今朝の庭
「著し」は「きわだっている」意味ですが、「しるし」と読んで下さい。
ブログ用の拙句を前座に掲載しましたが、季語が「若葉」・「柿若葉」の俳句を「歳時記」(俳誌のサロン)から思いつくままに抜粋・掲載させて頂きます。
(青色の文字をクリックすると例句の詳細や解説をご覧になれます。)
(若葉1)
高窓を一つ残して蔦若葉
(邑橋淑子)
地下鉄の3号出口蔦若葉
(中原幸子)
病院に母を置きざり夕若葉
(八木林之助)
鼓鳴る能樂堂の若葉かな
(正岡子規)
水晶の念珠に映る若葉かな
(川端茅舍)
日を散らす風の若葉となりにけり
(稲畑汀子)
物干して午前六時の若葉かな
(尾堂燁)
若葉して手のひらほどの山の寺
(夏目漱石)
退院は表口より若葉風
(松本文一郎)
をちこちに滝の音聞く若ばかな
(与謝蕪村)
若葉雨小樽運河の静もれり
(上原光代)
犬抱いてリフトに乗りし若葉山
(吉田悦花)
せせらぎや青葉若葉の川湯かな
(西田史郎)
若葉濃し日のあるうちの湯浴みかな
(鈴木庸子)
(若葉15)
窓若葉新居に笑ひ声の満つ
(田中藤穂)
若葉して光と影の賑はしき
(飛高隆夫)
(若葉17)
煙突が絵になる伊万里柿若葉
(鈴木基之)
(若葉18)
女児ひらく手に団子虫若葉風
(森清堯)
(柿若葉1)
今朝生れし仔牛歩めり柿若葉
(田中蘇水)
(柿若葉2)
雨上がり光り見えたる柿若葉
(山本田津子)
柿若葉柿の葉鮨のために摘む
(二瓶洋子)
(柿若葉4)
昼月や遠目にしるき柿若葉
(和田慈子)
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(2025.5.31 更新)
薫風や吾庭の呼称シサクとす
末広会長寿を祝ひ風薫る
薫風や吾の誕生日祝ふ曲
この写真は、音楽好きの娘が誕生日のお祝いに招待してくれたコンサートのプログラムの一部分です。
句を口に庭の手入れや風薫る
我が夢は吾庭の初夏のコンサート
薫風や俳句の極意極めむと
老とても見守りたいや風薫る
恙無き余生の庭や風薫る
一応の吾庭の仕上げ風薫る
牛歩して余生満喫風薫る
アナログも静止画も良し風薫る
卒婚し断捨離もせむ風薫る
薫風や聞き手の気持ち如何なる
カラオケで鍛へしリズム風薫る
薫風や音痴も楽し句を口に
風薫る同名ありきのど自慢
断捨離を知るや吾庭の風薫る
風薫る世界カメの日庭手入れ
紙風船飛ばし祈るや風薫る
風薫る吾庭の句会恙無く
薫風や俳句と言へば薫風士
薫風や来たれ吾庭に!俳句好き
(薫風士)
5月23日は「世界亀の日」です。「コロナ禍や狭庭の亀の松の芯」をご覧下さい。
俳句の鑑賞にとどまらず、折々に「まんぽ俳句」を口ずさみ、俳句の楽しさを実感して頂きたく、記事やタイトルを更新しました。
カラー図説日本大歳時記の青嵐や薫風のページの写真をタップ拡大して、例句や解説をご覧下さい。
薫風や我が誕生を祝ふ庭
薫風や吾庭に来たる俳句好き
ビニール袋隅に飛ばすや青嵐
今日の風は、薫風ならぬ青嵐の強さがありました。
ランチにもフル-ト演奏風薫る
(薫風士)
写真は誕生祝のランチを食べたレストランのフル-ト演奏と、「三田屋本店」の庭です。
今年のOB会は会場が大阪駅前すぐの所でしたが、受付時間に余裕があったので周辺を漫歩して「まんぽ俳句」を口遊みました。
「口遊む」は「くちずさむ」と読んで下さい。
俳句HAIKUへの5月8日朝8時半のアクセス累計が「101」となり、懐かしい楽団の名称「101ストリングス」を思い出す一寸面白い数字だったので、PC画面を掲載します。
「チュヌ」はサモエド犬なので真白な長い毛がふさふさとしています。行き交う人は「これから暑くなって大変ですね」と声を掛けてくれます。
老犬を手押し車に乗せて買い物や散歩をしている老女を見かけますが、チュヌの主人は元気にチュヌの散歩をして、天寿を全うすることを願っています。
薫風や心のゆとり保ちたし
恙無きまんぽの日々や風薫る
薫風や労りの声愛犬に
犬の乗る手押し車や風薫る
愛犬と見下ろす街や風薫る
薫風やゴルフコンペへゴルフ駆る
漫歩して腰痛予防風薫る
薫風や歯科医の窓へ子等の声
薫風や電車の音も心地よく
賽銭の五円の音や風薫る
「五円」は「御縁」の連想・掛詞のつもりです。
掲句はチュヌの主人(薫風士)の前座的俳句です。
季語が「薫風」と「風薫る」の俳句をインターネットの歳時記(俳誌のサロン)からランダムに抜粋・掲載させて頂きます。
(青色の文字をクリックすると例句の詳細や解説などご覧になれます。)
(薫風1)
(与謝蕪村)
薫風を連れ虚子館の扉押す
(山田弘子)
(薫風2)
薫風や遠くに牛と白い雲
(小島とよ子)
薫風や軸に蕪村の翁像
(曷川克)
(薫風3)
薫風や犬の鼻先よく動く
(柴田久子)
薫風に押し戻されてナイス・オン
(鷹羽狩行)
(薫風4)
薫風の窓辺よろこぶ赤子かな
(本杉千保子)
薫風や子の号令の朝ごはん
(太田佳代子)
(薫風5)
薫風や仮設の村に一輪車
(松嶋一洋)
薫風や母が支へて父の腕
(德田千鶴子)
(風薫る1)
踏みならす橘橋や風かをる
(正岡子規)
弾みたるボール追ふ犬風薫る
(多田節子)
(風薫る2)
歌ひつつ音符書く子や風かをる
(大上武)
島に建つ仮設住宅風薫る
(元永高美)
(風薫る3)
風薫る献血の旗ひるがへり
(高木武人)
風薫るみすゞの詩集読みたき日
(松山正江)
(風薫る4)
モルダウの橋より橋へ風薫る
(白川敏彦)
風薫る曾良の菩提の正願寺
(小澤克己)
(風薫る5)
百歳の余生すこやか風薫る
(岡久枝)
半世紀住み古りし街風薫る
(大橋晄)
青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。
(P.S. 2022.4.5 更新)
ウクライナ紛争について、プーチン大統領や世界の指導者が賢明な決断をしてくれることを切望して、「已むに已まれぬ思い」を俳句に詠み、書いた記事を読んで頂きたく、この P.S.を追加しました。
青色文字をクリック(タップ)して、「梅東風や届け世界にこの思ひ」や「血に染むなドニエプルてふ春の川」をご覧下さい。
(2017.4.30)
与謝蕪村の俳句「薫風やともしたてかねついつくしま」が面白いと云うと、「何が面白いのだ」と不思議に思われる読者が多いでしょう。
この俳句は少なくとも4とおりの解釈が可能であるとチュヌの主人(薫風士)は考えています。
正岡子規の「俳人蕪村」(青空文庫)には「薫風やともしたてかねつ厳島」とあり、この俳句の意味が直ぐにはわかりませんでしたが、翌朝ふと句意の解釈を思いつきました。
(解釈1)
「ともし」は「灯」であり、「かね」は「鐘」だろう、「薫風や灯し立て鐘つい突く島」である、と解釈できるのではないか?
すなわち、「灯しを立てると鐘も突きたくなる宮島」を詠んだものであるという解釈です。
「ホットライン教育ひろしま」というサイトに次の記事があり、この解釈が可能であることが裏付けられました。
「仏教では,その宗教的雰囲気を高めるための多くの鳴物が使用されるが,それら梵音具(ぼんおんぐ)と言われるものの中で最大の梵鐘に属するもので,天正15年(1587)に豊臣秀吉が,島津攻略の際に持ち返って,厳島神社に寄進したものと言われ,応永5年(1398)の銘がある。」
広辞苑(第6版)の「ともし②」に次の解説があります。
(「照射」と書く)猟人が夏・秋の夜、山中の木陰に篝をたき、または火串に松明をともして闇の中の鹿の眼が光に反射して輝くのを目当てに、これを射たこと。また、その火。(季:夏)
(解釈2)
広辞苑の上記解説を「ともし」に当てはめ、「薫風や照射立てかねつ厳島」と読み、「鹿を射ちかねている」ことを詠んだ俳句であると解釈することも可能でしょう。
(解釈3)
「薫風や灯し立てかねつ厳島」と読むと、「薫風で灯を立てかねている」句意であると解釈することも可能でしょう。
(解釈4)
「かねつ」に「加熱」を当てはめ、「薫風や灯し立て加熱厳島」と読み、「灯火が沢山立って熱くなっている」ことを詠んだものであると解釈することも可能でしょう。
俳句では「中七」を字余りにすることは拙いとされていますが、蕪村は意図的に「ひらがな」の「字余り」の俳句にして、「掛詞」の俳句にしたものであると思います。
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「山笑う」について飯田龍太はカラー図説日本大歳時記(講談社版)において次の通り解説しています。
「出典は中国宋代のころの禅宗の画家郭煕『春山淡冶にして笑ふが如く』にあるという。『冬山惨淡として眠るが如し』に対比される形容で、絶妙の喩である。褐色の生毛に蔽われたような早春の山々の木々が、次第に潤みを帯び、春の日に照らされて山そのものが笑みを浮かべているようだという。峻険な山にこの感じはないが、1000メートル程度までの低い山姿はまさしくこんな印象。それを素早く季題とした俳人の感度もなかなかのものと讃えたい。」
インターネット歳時記には「山笑う」の俳句は800句余りあります。次にランダムに抜粋させて頂きます。
青色文字の季語「山笑ふ」をクリックするとそのページの俳句の詳細が表示されます。
(山笑ふ1)
故郷やどちらを見ても山笑ふ
(正岡子規)
落伍せしゴルフレッスン山笑ふ
(山田弘子)
(山笑ふ2)
余生とは歩くことらし山笑ふ
(清水甚吉)
母と妻口論佳境山笑ふ
(保田英太郎)
名刹はべからずづくめ山笑ふ
(江国滋酔郎)
山笑ふ共に忘るる齢となり
(高倉恵美子)
山笑ふ胎動ときにへその裏
山笑ふ仏の顔の湯治客
(小林朱夏)
山笑ふその先高き甲斐の富士
(小俣剛哉)
山笑ふ裸のつきあひ露天風呂
(藤野寿子)
磨崖仏胎に蔵して山笑ふ
(上谷昌憲)
噛み合はぬ夫婦の会話山笑ふ
(水原春郎)
(山笑ふ7)
古希すぎて描く未来図山笑ふ
(岡真紗子)
リハビリの発声練習山笑ふ
(加藤千春)
「山笑う」という面白い季語のせいか、インターネット歳時記でも川柳まがいの俳句がありますが、チュヌの主人も「山笑ふ」の俳句を詠んでみました。
微睡て富士を見落とし山笑ふ
山笑ふ車窓の彼方富士の嶺
上京する際の新幹線ではいつも富士山の雄姿を見るのを楽しみにしていますが、ついうとうとして見落とすことがあります。
スコアを気にせず専ら健康管理のためのゴルフを楽しんでいます。
眠りから覚めたる山の笑ひをり
丹波路や山穏やかな笑ひ顔
故郷へ車を駆る度に丹波路の四季折々の穏やかな山並みに心が和みます。
ドナルドとシンゾウ談義山笑ふ
ここをタップして、「蝉時雨・山眠る・山笑う(政治家の引き際)」をご覧下さい。
外交は相手のあることですから、拙速主義で取り返しのつかないことにならないように、じっくり対策を練って進めて下さいね!
山笑ふ旅の不安や忘れもの
なじり合ひまたかばひ合ひ山笑ふ
最近は何かにつけてよく物忘れをするようになり夫婦二人で一人前のスローライフです。
青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。
トップ欄か、この「俳句HAIKU」をタップすると、最新の全ての記事が掲示されます。
(2025.3.23 更新)
白梅の古木となりし二ュ-タウン
先立ちて枯れてしまひぬ垂れ梅
梅一輪煌めく昨夜の雨雫
(薫風士)
白梅の写真は、まんぽの街角で見かけた古木です。
紅梅の写真は、3月初旬の雨上がりの朝に撮った拙宅の庭の小さな梅ですが、冒頭の1句は毎年見るのを楽しみにしていた「まんぽ道」の大きな垂れ梅が枯れて切取られていることに気付き詠んだ拙句です。
日本では平和のお陰で、雛祭りや探梅・梅見を楽しんでいますが、ウクライナの人々はロシアの軍事侵攻による戦時下に苦しんでいます。
プーチン大統領や世界の指導者が賢明な決断をしてくれることを切望して、この 記事を更新しました。
青色文字をクリック(タップ)して、「梅東風や届け世界にこの思ひ」や「血に染むなドニエプルてふ春の川」をご覧下さい。
(2017.2.10)
梅咲くや古木の洞に二つ三つ
季語「白梅」の冒頭には、阪神・淡路大震災を詠んだ俳句「白梅や天没地没虚空没(永田耕衣)」があります。
歳時記には味わい深い俳句や個性的な俳句など沢山ありますが、与謝蕪村の俳句「しら梅に明くる夜ばかりとなりにけり」の新解釈(「チュヌの便り」)も、ここをクリックしてご覧下さい。
歳時記からたまたま目についた俳句をランダムに抜粋させて頂きます。
(青色文字をクリックすると俳句や作者の解説など詳細がご覧になれます。)
老梅の穢き迄に花多し
(高浜虚子)
老梅の白の気品の衰へず
(石谷淳子)
風に日に梅に忌心整ひし
(稲畑廣太郎)
色褪せて一瞥さるる梅やある
(大橋敦子)
雪しづれして丸窓の古都の梅
(大西正栄)
廃校の母校の跡の梅に佇つ
(松田欽吾)
梅よりも空の蒼さを讃へをる
(落合絹代)
子と犬と抱き上げ夫婦梅をかぐ
(勝野薫)
梅は散り君は彼岸のみほとけに
(林 翔)
春競ふ源平梅や二条城
(田中呑舟)
学問の神の庭園梅固し
(中村星児)
梅の下にけふ落日を見るゆとり
(瀧春一)
人寄りて梅の素顔を見つめをり
(黒澤登美枝)
梅活けし小部屋の襖開きおく
(水谷ひさ江)
二もとの梅に遅速を愛す哉
(与謝蕪村)
梅固し憂ひは常に極秘なり
(荻野千枝)
折り取りし梅添へ仕上ぐ節料理
(ことり)
老人の話筒抜け梅三分
(中島あきら)
火照る骨拾ひて梅の風に出づ
(藤井美晴)
妻佇ちし梅ほつほつと開きゆく
(大橋晄)
軒端なる梅のひなたの石手水
(豊田都峰)
知らぬ間の隣人の訃や梅二輪
(布川孝子)
梅が枝の折れんばかりや雪止まず
(小川玉泉)
梅早し遅しと虚子の誕生日
(稲畑汀子)
毎年の梅の開花を愛でゐしに
(大橋晄)
盆梅や盆梅課ある城下町
(小澤菜美)
道ひとつ違へ野梅につきあたる
(石田阿畏子)
家ごとに小さき橋掛け梅の里
(松本三千夫)
廃業の老舗の名残垂れ梅
(宮本俊子)
盆梅の気品遺して逝かれけり
(稲畑廣太郎)
正直は亡母の諭し梅の花
(小林鱒一)
一輪車上手にくぐる梅の花
(小菅美代子)
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