俳句 (Haiku) Feed

2016年11月15日 (火)

西近江路・琵琶湖周辺の吟行俳句と写真

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晩秋西江路・琵琶湖周辺(高島市)を俳句仲間(神戸同人)と一泊(今津サンブリッジホテルの吟行旅行・俳句会をしました。初日は近江高島駅から白髭神社鵜川四十八体石仏群乙女の池大溝城址→「琵琶湖周航の歌記念館(今津港)を吟行しましたが、時々強い風が吹いて今津港で帽子を琵琶湖に吹き飛ばされるなどのハプニングがありました。翌日(11月7日:立冬)は穏やかな日和に恵まれてメタセコイアの大並木を車で往復見物し、マキノピックランドでのんびりと吟行し、サンブリッジホテルで句会をしました。因みに、夜明けにホテルの窓から琵琶湖を眺めると日の出の太陽が湖面に映り光が橋のように伸びましたが、ホテルの名称の「サンブリッジ」はその風景とは関係ないそうです。

    

青色文字をクリックすると解説や「歳時記」の俳句などがご覧になれます。写真はクリックすると拡大されます。

チュヌの主人(俳号:さとし)の俳句と写真を下記に掲載します。

行く秋の一日を惜しむ西近江

朱の鳥居すくと琵琶湖暮れの秋

初冬白髭神社翁の碑

・柔和なる鵜川石仏小春の日

比良下ろし止みよろめくや城址の磴

(ひつじ)(うみ)を左右に直線路

・訪ね来し安曇川(やな)崩れ跡

(にお)の群れ朝日に白く黒く飛ぶ

・三角に朝日に光る鳰の水脈(みお

・吹き飛びし帽子拾ふ()鳰の湖

初冬(はつふゆ)の吟行日和ピックランド

ピックとは所縁(ゆかり)を論じ小春の園

小林檎を捥ぎて味見すマキノの園

  

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2016年11月 3日 (木)

《花は桜》(俳句と写真特集)

  

余花散るやソフトパワーの師の逝きて

初桜花と緑のまんぽ道

散る桜残花に馳せるこの思ひ

芦屋から希望の丘へ花回廊

椿寿忌や隣の花を雨に愛で

 

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2024年の我が町の桜の開花は、4月1日の万愚節でした。

  

   

2024年4月6日に大阪城公園を吟行し、花日和の満開の桜の花見を満喫しましたが、花祭りの今日は、雨の隣の枝垂れ桜を家居の窓に愛でています。

     

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この写真は、tenki.jpの2024年開花予想(PC画面)です。

   

   

  

「歳時記」(俳誌のサロン)には、「桜」は50頁にわたり約7,000句、「花」は41頁にわたり約3,500句掲載され、桜に関する主な季語(「初桜」「山桜」「糸桜」「枝垂桜しだれ桜)」「余花」「残花」「花筏」など)を使った俳句など、掲載句数は数え切れません。

例句の詳細は青色の文字(季語)をクリックしてご覧下さい。

    

まんぽ俳句近詠》

お隣の枝垂れ桜の舞ふ吾庭

城跡の空の青さや花万朶

「万朶」は「ばんだ」と読み、「多くの花の枝」とか「多くの枝の花」の意味です。

  

我が町や「さくら橋」より花並木

花咲きて鴉見守るさくら橋

初桜善意が守る丘の径

武庫川や鵜の啄みし花筏

我が狭庭隣の桜借景に

         (薫風士)

  

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ここをクリックして、「桜の俳句と写真(丹波篠山吟行)」をご覧下さい。

  

    

   

ここの青色文字をクリックすると、「皇居の花便り」や「京都の桜」、「姫路城の桜」の写真集(Google検索結果)をご覧になれます。

        
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写真は、カラー図説 日本大歳時記の解説(一部分)ですが、   

初桜・彼岸桜・枝垂桜・桜・花・山桜などの例句をご覧になれます。   

(写真をタップ・拡大してご覧下さい。)

               

歳時記(俳誌のサロン)から、「花」や「桜」の例句を気の向くままに各頁から1句ずつ下記の通り抜粋掲載させて頂きます。

  

散る桜残る桜も散る桜

         (良寛

     

咲満ちてこぼるゝ花もなかりけり

        (高浜虚子)

            

花1

人ひと魚の如く月下の花に漂へり 

       (高浜虚子)

  

花2

花の幹大河流るる音したり 

       (三村純也)

 

花3

人と犬引張りあへる花の昼 

     (佐久間純子)

  

花4

昇り来し満月花にとどまれる 

    (三村純也・円虹)

   

花5

花かげに句友を偲び琴の会    

     (河野友子・六花)

   

花6

借景も花や藩主の花の邸    

    (密門令子・雨月)

   

花7

花散るや角の減りたる石の階  

    (江頭信子・馬酔木)

    

花8

日曜の度に落合ひ花行脚    

 (大久保白村・ホトトギス)

   

花9

蛇ケ谷の花の奈落に句碑一基  

    (笠間圭子・京鹿子)

   

花10

舟朽ちし海津の浜に花あらし  

  (角谷美恵子・ぐろっけ)

   

花11

花明り並べ見せらる胃の写真  

 (波田美智子・をりをりに)

   

花12

白酒や兼六園の花固く     

     (長沼紫紅・朝)

   

花13

咲き満ちて花重くなる日暮かな 

    (下平しづ子・雨月)

   

花14

すぐそこの花に充ち足り夕仕度 

     (十文字慶子・朝)

  

花15

どこからも日当たる花の隅田川  

       (外川玲子)

  

花16

花ぐもり電車で乙女紅をさす

        (森理和)

  

花17

散る花に追討ちかけて雨滂沱

       (友田直文)

  

花18

本復の人に五月の花溢れ

       (稲畑汀子)

  

花19

留守宅は震度五に遭ふ花の雨

       (三輪慶子)

  

花20

父祖の地へ花の峠を越えにけり

       (苑実耶)

   

花21

今年又長寿一族花の宴

       (鈴木照子)

 

花22

立ち代り花をそびらに「はい、チーズ」

       (守屋井蛙)

  

花23

花燗漫傘寿の誕日祝げるかに

       (大橋淳一)

   

花24

花曇り老犬止まり大欠伸

       (大滝香釈)

  

花25

醍醐寺の花もしまひの雨廂

       (河崎尚子)

   

花26

花びらを留めぴかぴかランドセル

       (木野裕美)

  

花27

ニューヨークヘ赴任の友と花巡り

       (廣見知子)

  

花28

金比羅の磴に散りしく花の塵

       (山口耕堂)

  

花29

老木に女ばかりの花の宴

       (小林碧郎)

  

花30

この陽気一気に花をいざなへり

       (稲畑汀子)

     

花31

蘇生して今生の花に逢ひ得たり

       (大橋敦子)

  

花32

花ふぶく吾に天寿をいましばし

       (中尾杏子)

  

花33

国言葉すらと飛びだす花の宴

       (吉弘恭子)

  

花34

待たすより待つ間樂しや花の下

       (藤見佳楠子)

  

花35

喘ぎ来て彦根の城の花いまだ

       (菅野日出子)

  

花36

妻と子の逝きし病院花の中

       (鈴木とおる)

  

花37

もう米寿いやまだ鳩寿花万朶

       (井田実代子)

  

花38

教へ子も八十路に入ると花便り

       (平賀扶人)

  

花39

そらみみの花の便りや江戸切子

       (熊谷ふみを)

  

花40

  急ぐのは郵便夫のみ花の坂

       (村上すみ子)

   

花41

弘前を素通り出来ぬ花の旅

       (大久保白村)

   

  

桜1

一本の桜のために廻り道    

       (山田弘子)

  

桜2」 

雪を花とし相老の桜の木     

     (鷹羽狩行・狩)

   

桜3

濡れている仔馬の瞳遠桜    

    (富沢秀雄・船団)

 

桜4

今はただ戦没ざくらに憶ひ継ぐ  

   (宇都宮滴水・京鹿子)

 

桜5

生きてゐる事をよろこび櫻時 

      (袴田信子・戸峰)

 

桜6

被爆地の桜の下に画架を据ゑ 

     (藤中正治・狩)

  

桜7

湖の水の豊かに桜散る    

    (池田草曷・雨月)

  

桜8

どこからも富士見ゆる村桜咲く 

     (岡久枝・酸漿)

  

桜9

桜散り花の小路となりにけり  

    (富田志げ子・酸漿)

  

桜10

桜舞ふ駅の広場に鼓笛隊    

   (小石英子・サイサリス)

  

桜11

老夫婦手をとり合うて夕桜   

      (水田清子・朝)

 

桜12

雲寄するやち一面に雛桜   

   (菊地恵子・サイサリス)

  

桜13

灯の一つともる夜道や八重桜 

       (青山丈・朝)

  

桜14

観桜の後は至福の男酒    

      (松田和子・璦

  

桜15

教へ子は女ざかりや初桜   

     (長田曄子・火星)

  

桜16

みよし野の桜に心つながりし 

  (稲畑汀子・ホトトギス)

   

桜17

向学心なほある白寿さくら咲き 

      (前川ユキ子・璦)

   

桜18」 

降り立てばさくら夙川のどかなり

     (蓮尾みどり)

 

桜19

直会を終へてまた観る桜かな

      (小原登志春)

「直会」は「なおらい」と読み、「神前に供えたお神酒などを祭りの終了後に神職や参列者で戴くこと」を意味します。

   

桜20

山肌に桜こんもり嵐山

     (石川かおり)

   

桜21

兄逝けり万朶のさくら間に合はず

      (松本三千夫)

   

桜22

海峡に雨降り初むる桜狩

       (涼野海音)

  

桜23

姉の遺児母となりけり八重桜

       (青木朋子)

   

桜24

ケーブルカー桜吹雪の中帰る

       (杉浦典子)

  

桜25

降れるもの湧くもの桜吹雪かな

       (能村研三)

   

桜26

満開の桜の下に健診車

         (有村明子)

  

桜27

帰路に又しかと見納む滝桜

       (柳川紀子)

  

桜28

誘はれて遅桜見る旅日和

       (守屋井蛙)

   

桜29

幻覚に踏みいりにけり夜の櫻

       (長崎桂子)

   

桜30

故郷のわが句碑に添へ初桜

       (村越化石)

   

桜31

鳥獣は眠り桜は星のもの

       (山田弘子)

  

桜32

踊り子の宿や河津の早桜

       (木暮剛平)

   

桜33

碧落に揺るぎなきかな大桜

       (青垣和子)

「碧落」(へきらく)とは「青空」「大空」のことです。

    

桜34

散るさくら堰に織り成す縞模様

       (大井邦子)

   

桜35

宮さくら道折れてより寺さくら

       (有吉桜雲)

   

桜36

夕桜入り江見下ろす露天風呂

       (齋藤朋子)

  

桜37

ブーメラン投げ合ふ親子夕桜

       (坂上香奈)

   

桜38

千年の塔に桜の枝垂れたり

       (大橋晄)

   

桜39

さくら咲き箱根八里の一里ゆく

       (堀内一郎)

  

桜40

うたた寝に煌めく湖とさくらかな

       (杉原ツタ子)

  

桜41

さくら散る海を眼下に蕪村の碑

       (笹村政子)

   

桜42

八重桜四天王寺の苑深く

       (大橋晄)

  

桜43

堂堂と遅れ咲きたり八重桜

      (加山ひさ子)

  

桜44

芦屋川渡るよろこび散るさくら

      (後藤比奈夫)

  

桜45

老木の幹に吹きたる桜かな

      (住田千代子)

   

桜46

決意とはなべてひそやか冬桜

       (片山煕子)

  

桜47

青天に桜真っ赤な新車来る

       (治部少輔)

  

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尼寺の築地塀より八重桜

       (下田奉枝)

  

桜49

桜の森抜ける一日若返る

       (火箱ひろ)

  

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 癒えし身に山河ありけり初桜

      (小原芙美子)

     

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

    

2016年10月10日 (月)

楽しい吟行俳句アルバム <芭蕉の足跡・加賀路>

    

松尾芭蕉の足跡を訪ねて、2010年10月に「神戸同人」の俳句仲間と加賀路を吟行しました。吟行先は「安宅の関跡」「日吉神社」「多太神社」「浅井畷古戦場」「木場潟湖」「那谷寺」「全昌寺」です。その際に仲間が作ってくれた俳句アルバムを掲載します。

 (青色文字をクリックすると解説記事などがご覧になれます。)

アルバムの写真をクリックすると拡大されて俳句の詳細などご覧になれますが、チュヌの主人(さとし)の俳句を下記に掲出します。

加賀の名に惹かれて来たる秋の旅

鯖江過ぎ車窓に著き蕎麦の花

加賀の秋ジェット機を見て句碑を見て

葦の穂白山望む木場潟湖 

那谷寺遊仙境や栗たわわ

・晴れ男なれど遭ひたる秋時雨

・裏山の麓にひそと秋海棠(しゅうかいどう

   

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2016年10月 8日 (土)

<伊賀上野・草津宿> 吟行俳句アルバム

          

松尾芭蕉の忌日は陰暦10月12日で、今年は11月11日、「一の酉に当たります。(「芭蕉発句全集」はここを、時雨忌・翁忌・桃青忌の歳時記」はここを、クリックしてご覧になれます。)

インターネットで検索していると、伊賀タウン情報YOUの『俳句』をユネスコ無形文化遺産へ 初の発起人会 伊賀市」という下記の記事を見かけました

「松尾芭蕉の生誕地・伊賀市から『俳句』をユネスコ無形文化遺産に登録しようと、国際俳句交流協会有馬朗人会長(85)と岡本栄市長の二人が呼び掛け人を務める発起人会が7月22日、同市上野丸之内の偲翁舎で開かれた。」

記事の詳細や解説は青色文字をクリックしてご覧下さい。

  

英語の俳句に興味のある方は芭蕉翁顕彰会「聖松尾芭蕉翁 平成28年度芭蕉翁献詠俳句英語の部」の入選句(オーストラリアやアメリカなど各国の俳人の投句)をご覧下さい。

        

2011年10月に俳句仲間と松尾芭蕉生誕の地伊賀上野から草津宿へ一泊の吟行旅行をした際に仲間が作ってくれた俳句アルバムを掲載します。写真はクリックすると拡大され、俳句の詳細がご覧になれますが、チュヌの主人(俳号「さとし」)の俳句を下記に掲出します。

伊賀甲賀吟行日和竹の春

・秋冷の風吹き抜けし数馬茶屋

・鳶舞ひて俳聖殿秋高し

俳聖の生家の庭に鉦叩き

道灌や試飲賑はふ新走り

小鳥来るやっぽんぽんてふ甲賀の湯

     

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青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事のタイトルが表示され、この「俳句HAIKU」をタップすると最新の全ての記事のタイトルが表示されます。

 

2016年10月 5日 (水)

秋風の俳句を鑑賞しよう

   

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冒頭の写真は、カラー図説日本大歳時記の秋風の解説と例句の頁です。

写真をタップ拡大して、ご覧下さい。

 

   

   
江戸時代から現代までの著名な俳人の俳句をご鑑賞下さい。

「秋風」について、カラー図説 日本大歳時記(講談社)の解説:

「秋風は秋風一般に言い、またとくに秋の初風を言う場合もあり、晩秋の身にしむような蕭颯(しょうさつ)たる風を言う場合もある。『色無き風』は秋の風をいう。中国の五行思想で秋に白を配し、秋を素秋、秋風のことを素風といったのを歌語になおしたもので『色なき』とは華やかな色の無いこと、つまり、無色透明の中に身にしむような秋風の寂寥感をいったものである。」(抜粋)

    

「歳時記(俳誌のSalon)」には、「秋風」「秋の風」「色なき風」「金風」など例句が約1900句あり、各ページの冒頭句などを下記に掲載させて頂きます。  

(青色の文字をクリックすると例句の詳細や解説がご覧になれます。)

      

秋風1

秋風や薮も畠も不破の関  

          (芭蕉

   

秋風2

秋風やそのつもりなくまた眠り

      (久保田万太郎)

  

秋風3

藷畑にただ秋風と潮騒と    

        (山本健吉)

  

秋風4

秋風や模様のちがふ皿二つ 

        (原石鼎)

  

秋風5

吹きおこる秋風鶴をあゆましむ

        (石田波郷)

  

秋風6

秋風や水より淡き魚のひれ

        (三橋鷹女)

  

秋風7

秋風や眼中のもの皆俳句

        (高浜虚子)

  

秋風8

秋風の吹きくる方へ帰るなり 

        (前田普羅)

  

秋の風1

身にしみて大根からし秋の風

       (芭蕉)

  

秋の風2

かな釘のやうな手足を秋の風

          (一茶)

  

秋の風3

人の國の牛馬淋しや秋の風

        (飯田蛇笏)

  

秋の風4

線香の折鶴つたふ秋の風

        (高島茂)

  

秋の風5

秋の風ことしの音の耳ざわり

       (長谷部朝子)

       

色無き風

色なき風音なき風や鈴が森   

       (長谷部朝子)

      

「増殖する俳句歳時記」の「季語が秋風の句」に上記の俳句のいくつかの解説があり、他にも芭蕉の俳句「物言えば唇寂し秋の風」など興味ある俳句と解説があります。

  

秋風や囲いもなしに興福寺

        (正岡子規

この俳句「」について、しばやんの日々 野球の殿堂入りした正岡子規の野球への愛情と奈良の旅行」という興味あるブログ記事があります。

   

(2016.10.5)

愛犬「チュヌ」の散歩をしながら口遊んだ拙句を前座に掲載します。    

  

旧りし街色なき風を老犬と

大夕日色なき風の町を染め

         (薫風士

  

(P.S. 2022.10.23)

俳句《涼し》死の話」や終戦記念日・墓参・盆」の俳句をご覧下さい。 

 

日本のみならず、世界の指導者が公明正大な政治を推進しない限り、世界の平和は維持できないでしょう

      

青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

    

2016年10月 3日 (月)

俳句を楽しもう! (フラワータウンカレッジ講演の要旨)

  

(2023.12.20 更新)

   

 I 俳句とは    

文芸評論家の山本健吉(1907~1988)は、「俳句は滑稽なり、俳句は挨拶なり、俳句は即興なり。」と言っています。
ウイキペディア「俳句」参照。 後述の「V-1 俳句の歴史・発展参照。)
 
俳句は「5・7・5の17音」で表現する世界一短い詩です。入りやすくて奥が深く、日本文化の一つの典型と言えます。
 
芸術は自己実現・個性を発揮するものです。「俳句は好き好きである」と割り切って、自分なりの俳句を作り楽しめば良いと思います。

俳句は一人で暇つぶしなどにも楽しめますが、家族や仲間などと吟行や句会をすると、俳句が一層楽しいものになります。    

(青色文字・下線をクリックすると解説記事などがご覧になれます。)

       

II 俳句を作ろう! 

 

II-1 俳句の作り方《5つのポイント》

   

(1)季語・季題(季節の分かる言葉)は一つ入れます。季語の無い俳句は川柳と同じことになりがちです。季語が分からなければ歳時記で確認出来ます。歳時記を持っていない場合は、ともかく季節が分かる言葉が俳句に一つあれば良いと割り切って俳句を作れば良いのです。季語は二つあっても、その効果があれば差支えがありません。しかし、初心者は季語を一つだけ使うのが無難です。季語が二つある所謂(いわゆる)「季重ね」の俳句は句意が分かりにくくなることがよくあります。 

江戸時代の俳人山口素堂の有名な俳句:「目には青葉山ほととぎす初鰹」は、季語が3つあり、三段切れになっていますが、句としての面白さがあり成功しています。江戸時代には「初鰹は女房を質に入れても食え」というほど高価で珍重されたそうです。この俳句は、巨人や大鵬の全盛時代に流行した言葉「巨人・大鵬・卵焼き」のように、当時の人々に親しまれて有名になったのでしょう。

             

(2)「切れ」は一つ入れます。「切れ」としては「切字」ばかりでなく、名詞や動詞の終止形なども用いることが出来ます。「切字」には「や」「かな」「けり」などがあります。「切れ」は、その直後に俳句の切れ目、すなわち、「間」を作ります。この「間」によって、俳句の詠まれた背景などを読者が想像することにより味わい深い俳句になります。「切れ」が無いと、普通の文章、いわゆる散文の断片的な一部に過ぎなくなりがちです。「や」は「上五」に使われることが多く、「中七」にも使われます。俳句の作り方・「や」参照)

「けり」は「下五」に持ちいるのが普通ですが、「中七」にも使えます。句の作り方・「けり」参照)

「かな」は「下五」に用いるのが原則です。俳句の作り方「かな」参照) 

            

(3)5-7-5音のリズム・調べがよくなり、句意が明瞭になるように語句の選択や語順を工夫します。 

   

(4)無駄な語句を省き、イメージが浮かぶ俳句にします。

       

(5)文語にするか口語にするかは好み次第です。文語(旧仮名遣い)には詩的に簡潔に表現できるメリットがあります。口語には親しみやすい現代的な表現が出来るメリットがあります。いずれにせよ、どちらかに統一します。

          

II-2 季語の使い方 :「一物仕立て」と「取り合わせ」 

俳句を「一物仕立て」で上手に作ることは容易ではありませんが、季語との「取り合わせ」にすると作り易くなります。

正岡子規の有名な俳句「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」は「取り合わせ」の面白さがある句です。実際には東大寺の鐘を聞いたのを「法隆寺」に置き換えたものだそうです。「東大寺」は大仏二月堂の印象が強いのですが、「法隆寺」は奈良の斑鳩(いかるが)にあり、季語の「柿」との取り合わせがよくマッチして秋の風情が感じられます。「取り合わせ」の妙味です。

この俳句の「柿くへば」の助詞「ば」は「仮定」ではなく、「したところ」という意味で、「柿を食った時に丁度」という意味です。また、この「ば」が「切字」になっています。        

この俳句は正岡子規が日清戦争に連隊付き記者として従軍中に喀血して、神戸の病院に入院したのち故郷松山に戻り、夏目漱石の下宿(()陀仏(だぶつ)(あん))で50日ほど過ごし、上京の途中に奈良に滞在した時に詠んだ俳句です。子規は柿が大好きだったそうですから、その点でも「柿くへば」の句が有名になり、名句と言われるようになったのだと思います。      

正岡子規(1867~1902)が夏目漱石(1867~1916)と別れる時に詠んだ俳句に「行く我にとゞまる(なれ)秋二つ」があります。「汝(なんじ)」と言う字は「なれ」とも読みます。このように、俳句では、語調を整えるために一般の読み方とは異なる読み方をすることがあります。   

飯田蛇笏(1885~1962)の有名な俳句「くろがねの秋の風鈴鳴りにけり」は「一物仕立て」の俳句です。「くろがね」は「鉄」を意味する古い言葉です。単なる「風鈴」は夏の季語ですが、「くろがねの風鈴」の音に秋を感じて詠んだ俳句でしょう。「くろがねと」と「秋の風鈴」とがよくマッチして、秋の風情が感じられる名句になっていると思います。

空をあゆむ朗朗と月ひとり

       (荻原井泉水)

この俳句は自由律俳句の巨匠と言われている荻原井泉水(1884~1976)の句です。「6・5・5」の変調で「三段切れ」ですが、新鮮な響きがあります。荻原井泉水の俳句は同年代の飯田蛇笏の「伝統俳句」と対照的な「自由律俳句」と言えます。

荻原井泉水は「咳をしても一人」という自由律俳句を作ったことで有名な尾崎放哉(1885~1926)の師匠でした。

              

II-3 「取り合わせ」と「季語・語句の選択」

俳句を作る時の季節や俳句に詠む事がらの季節の季語を選び、先ず作ることが大切です。

「季語の付き過ぎ」とか「季語が動く」とか、問題にされることがありますが、そのような難しいことは気にしないで、まず俳句を作って見ることです。このような季語の取り合わせの留意点は経験すれば自然に身についてきます。

(季語の選択には「歳時記」「季寄せ」「国語辞典」を活用しましょう。) 

        

II-4 語句の選択・配置を工夫しよう!

句意の明瞭化・語調を考慮して、語句の選択・配置など、工夫します。

            

II-5 助詞が句意を変える

「が」「と」「な」「に」「の」「は」「へ」「も」「や」など、助詞の使い方を工夫する。

・爽やかや研修中のバスガイド

ツアーで沖縄観光をした時、若々しいバスガイドがまだ研修中で、彼女の爽やかなガイドの仕方が印象的だったので作った句です。この俳句の「や」を「に」変えて、「爽やかに研修中のバスガイド」と修正すると、「爽やかに研修しているバスガイド」を詠んだことになり、句意のニュアンスが変わります。

・爽やかな「ふれあいカフェー」老い集ふ      

この市民センターの「フラワーふれあいオープンカフェ」の雰囲気が爽やかなことを詠んだ句です。この句は説明的な感じがしますが、「爽やかな」を「爽やかや」に置き換えると、「季節が爽やかであるだけでなく、老人達が憩い談笑などしているカフェが爽やかである」と言う感じがして、俳句に深みが生じます。切字「や」の効果で、季語「爽やか」が生きてきます。

・死のことも語り爽やか卒寿女と

この句は愛犬「チュヌ」の散歩をしている時に、四阿(あずまや)で休んでおられた「Fさん」と雑談したことから思いついた俳句です。人間の寿命のことなどもしゃべり爽やかな気分だったことを詠んだものです。90歳を過ぎた今もお元気で毎朝「書」を書いておられるそうです。この句を「卒寿女や死のこと語り爽やかに」に修正すると、切字の「や」が三段切れの俳句にしてしまい、句意を曖昧にしてしまいます。死のことを語ったのは「卒寿女」なのか、「作者」なのか、どちらなのかが不明瞭です。

後で説明しますが、芭蕉の俳句「名月や池をめぐりて夜もすがら」にもこの句と同じように、切字「や」の使い方に問題があります。 

爽やかに茶寿も祝ぎたし句に遊び     

この句は「恙なく108歳まで生きて俳句を作り、爽やかに茶寿も祝いたい」という思いを詠んだ俳句です。この句の「爽やかに」を「爽やかや」にすると、「『俳句に興じ茶寿も祝いたいものだ』と、爽やかな季節を感じながら、ふと思ったとことを詠んだことになり、原句と句意が異なります。 

何歳まで元気に生きて行けるかどうか分かりませんが、「俳句は楽しい。『句に興じ茶寿も祝ぎたし新茶汲む」というタイトルのブログを書きました。ブログを面白くするために、「米寿」とか「卒寿」とか言わず、「茶寿」と欲張って大げさな表現をしています。

      

II-6  「漢字」と「ひらかな」の使い分け

読みやすくて句意が明瞭になるように「漢字」と「ひらかな」の使い分けを工夫します。下記の俳句は句意のニュアンスが視覚でも感じられるように工夫したり、遊び心を表している俳句です。

 やがて死ぬけしきは見えず蝉の声 

      (芭蕉)

 

 春の山屍を埋めて空しかり  

(高浜虚子 1874~1959)
 

をりとりてはらりとおもきすすきかな

        (飯田蛇笏

 

ワガハイノカイミョウモナキススキカナ 

        (高浜虚子)

 

前ヘススメ前ヘススミテ還ラザル 

    (池田澄子 1936~)

       

III 俳句会はどのように行われるか?   

俳句は『座の文学』と言われます。吟行や俳句会で仲間と俳句を作り、お互いの俳句を鑑賞するのが面白いし、勉強になります。  

俳句会では作者の名前を伏せて、選者による選や参加者による互選をします。互選では自分以外の他の人が作った俳句の中で良いと思う俳句を選びます。作者が分からないのでお互いに気兼ねすることなく、公平な選句ができます。その結果、初心者でも参加者の多くの共感を得た俳句には高得点を得ることが出来ます。選に入らなかった俳句の作者名は公表しないのが普通です。選者がアドバイスするために名前を確認する場合もありますが、選に漏れても恥ずかしい思いをする心配はご無用です。俳句は好き好きです。選に漏れても何も恥ることはありません。      

俳句会の実際の例として、今年の4月に東京で開催された第二回花鳥同人俳句会・披講風景(YouTube)をご参考までにご覧下さい。

                

IV-1 俳句の鑑賞

(下記の季語をクリックすると、それぞれの季語について「俳誌のSalon」の「歳時記」で例句をご覧になれます。)   

よろよろと棹がのぼりて柿挟む

       (高浜虚子

 この俳句は擬人化の例です。長い竿で柿を捥ぐときの情景が浮かびますね。 

  

曼珠沙華

曼珠沙華あれば必ず鞭うたれ

       (高浜虚子

子供の頃に曼珠沙華を見れば棒で薙ぎ倒して遊んだことを懐かしく思い出します。

  

秋風

秋風や眼中のもの皆俳句 

       (高浜虚子

身の回りのものは何でも俳句に詠むことが出来ます。

  

台風・野分

人生の台風圏に今入りし 

       (高浜虚子

この俳句が作られた背景は知りませんが、守旧派と言われる高浜虚子一門の俳句を批判して、河東碧梧桐などが主張した新傾向俳句が流行った頃に詠んだ俳句でしょうか? 興味がある方は、「俳句談義14:俳句の片言性と二面性(改訂版)」をご覧下さい。    

正岡子規は「野分して蝉の少なきあした哉」という(ごく)自然な俳句を作っています。ニュースを見ていると、最近の台風は、温暖化のせいか北海道まで上陸し、台風・豪雨の被害は深刻ですね。

  

さはやか

爽やかといふほかはなし山の朝 

        (稲畑汀子

この俳句は「その通りだ」と納得できる俳句ですね。 

     

名月

名月や池をめぐりて夜もすがら

         (芭蕉  

  
この句の「や」を感動を表す助詞と取るか、単に「切字」ととるかで意味が異なります。「や」を感動の助詞とすれば、「この名月は一晩中池を巡るのだ」と詠嘆していることになります。「や」を「切字」と解釈すれば、名月に感動して、芭蕉が一晩中池を巡っていたことになります。名月と池に映る月の美しさに感動して、実際に池を巡って歩いた後も、頭の中で名月のことを思い浮かべていたことを大げさに表現したものかもしれません。

 

木のそよぎ池のさざなみ宮の秋

これは鷹羽狩行俳人協会会長の俳句です。

      

IV-2 句意の解釈 (「ひらがな」と「漢字」)

松尾芭蕉の俳句「やがて死ぬけしきは見えず蝉の声」や高浜虚子の俳句「春の山屍を埋めて空しかり」などの解釈について解説しました。

詳細は「蝉の俳句を鑑賞しよう」「俳句談義(1)虚子辞世句の解釈」などをご覧下さい。

   

IV-3 子規と虚子の辞世句

(正岡子規の辞世句)

糸瓜咲いて痰のつまりし仏かな

痰一斗糸瓜の水も間に合はず

をととひのへちまの水も取らざりき

「チュヌの便り」『敬老の日』の『糸瓜忌』に思うこと)に子規の絶筆3句の解説や肉筆の紹介記事を書きました。

   

(高浜虚子の辞世句)

独り句の推敲をして遅き日を

春の山(かばね)を埋めて空しかり

これらの俳句の解説も「チュヌの便り:俳句談義(2)「虚子辞世句の新解釈について」をご覧下さい。

     

IV-4 秋の卑近な例句と句評

覚束ぬピアノの遠音 秋の蝶 

       (木下さとし)   

(自句自解)

上記の句は俳句雑誌「花鳥」の「さいかち集」(兼題が「秋の蝶」)に投稿したものです。孫の引くピアノを聞いているときに、取り合わせの句として思いついたものです。 

 

(俳人栗林圭魚氏の句評)

「どこの家からか、習い始めたばかりのような、ゆっくりゆっくり指を選んでいるピアノの音が聞こえて来る。先程から庭先を飛んでいる蝶の秋を惜しむような姿を見ながら、ピアノの幼い遠音に心が安らいでいることに気づいたのである。「遠音」という描写が、秋の蝶としっかり調和している。」

    

IV-5 政治家の俳句

英語の俳句に興味をお持ちの方が居られますので、オバマ大統領の俳句や前EU大統領のロンパイ氏の俳句などを紹介しました。

詳細は「俳句談義18:政治家と俳句<俳句を通して世界平和を!> 」をご参照下さい。

  

IV-6 英語の俳句

拙句(名月の俳句)と英訳の例をご参考に披露させて頂きます。

  

名月や新装なりし白鷺城 

    the harvest moon

    above 

    renewed Himeji castle  

この俳句は国際俳句協会の全国大会で稲畑汀子選に入ったもので、講演のために英訳して見ました。「白鷺」は英語では「white heron」ですが、英語のHAIKUとしては名前の通りHimejiと表現した方が分かりやすいと思います。 

 

名月や異変気象の只ならず

   such a full moon!

    despite

    the recent alarming weather

 この俳句は、近年の異常気象を憂いて詠んだものです。

     

 言語の壁 

スウェーデン大使館俳句コンペティション入選句から日本語の5-7-5音の定型と英語の5-7-5音節を考える。

a Swedish log house

on my way to the station,

fragrance of coffee 

   

上記入選句は、要件としての5-7-5音節と「スウェーデン」に言及していますが無季ですから川柳として評価されています。

この句を次のとおり季語「夏」のある英語俳句にすると、6-6-6音節となり、5-7-5音節の要件を満たすことができません。

fragrance of coffee from

summer  Swedish log house

on my way to office

  

入選句を5-7-5音の定型で日本語に試訳すると、

通勤路スウェーデン風ログハウス

通勤路珈琲の香のログハウス

などとせざるを得ず、英語の原句の全内容を5-7-5音の「定型」に含めることは不可能です。

又、英語の原句の全内容を季語のある俳句として1句の「定型」に含めることは出来ず、例えば次のよ3句で表現することになります。爽やかな珈琲の香やログハウス薫風の珈琲の香や通勤路若葉風スウェーデン風ログハウス

       

V-1 俳句の歴史・発展 

ウイキペディアの俳句の解説を抜粋編集)  

俳句は近世に発展した文芸である俳諧連歌(俳諧)から生まれた近代文芸です。室町時代に流行した連歌の遊戯性、庶民性を高めた文芸が俳諧ですが、17世紀松尾芭蕉がその芸術性を高め、単独でも鑑賞に堪える自立性の高い発句を数多く詠んだ事が後世の俳句の源流となりました。

さらに近代文芸として個人の創作性を重視して俳句を成立させたのが明治時代の正岡子規です。正岡子規は江戸末期の俳諧を月並俳諧と批判して近代化の文学運動を行い、発句を俳句として確立しました。俳句確立後の視点から、芭蕉などの詠んだ俳諧の発句も俳句と呼ぶようになりました。

    

V-2 高浜虚子 (1874 ~ 1874) の考え方

正岡子規の始めた「ホトトギス」を引き継いだ高浜虚子は、正岡子規写生論を発展させて客観写生を提唱しました。俳句は自然(花鳥)を詠い、自然を透して生活・人生を詠い、自然に依って志を詠う「花鳥諷詠の文芸」「極楽の文学」であると言っています。虚子の唱導した「花鳥諷詠」は人事も含む言葉です。

春風や闘志抱きて丘に立つ  

    (高浜虚子1874~1959)

 

学問のさびしさに耐へ炭をつぐ 

      (山口誓子 1901~1994)

  

( 詳細は「俳句談義(8):高浜虚子の句『初蝶来 何色と問ふ 黄と答ふ』<虚子の対話の相手は誰か?>」や「俳句談義(12):『椿寿忌』の俳句と高浜虚子」をご覧下さい。)

      

VI 俳句への思い   

俳句は人それぞれの立場で、自分の思い、好みで作り、楽しめばよい。

月並みであっても、句作で頭の体操をし、吟行の旅を楽しみ、句友と酒を飲みながら俳句談義など放談・切磋琢磨して老後の生活を楽しめば良い。少しでも多くの人に評価される句が作れるなら、それに越したことはない。俳句の世界は、入り易いが奥が深く、向上心があれば飽くことがない。国際俳句協会では俳句を国際的に広めて、無形文化世界遺産に登録されるようにしようと努力している。俳句は和食と異なり、言語・言葉の問題が障壁になるから世界遺産登録を実現することは容易でない。この言語の壁にチャレンジして英語の俳句も広めたい。日本語の俳句の精神が世界のHAIKU(俳句的な短詩)として、それぞれの国の風土や言葉に適応・発展し、俳句がその母体として評価されるようになることを祈っている。いずれにせよ、自分なりに専門分野の体験を活かし、言語の壁にチャレンジして英語の俳句(HAIKU)を通じて国際交流を促進する一助になることができれば幸いです。 俳句談義」 をご覧下さい。

     

VII-1 参考情報              

季語や例句、俳句雑誌などは次のインターネットサイトでご覧になれます。 

きごさい』ネット歳時記 ・「増殖する俳句歳時記

・「俳誌のサロン」 

月間俳句雑誌: 「俳句」、「俳壇」、「俳句界」、など。      

俳句の結社 :

 ・ホトトギス ・日本伝統俳句協会 ・現代俳句協会 

 ・国際俳句協会 ・花鳥(主宰:城俊樹

 (花鳥のHPは http://news.haiku-kachou.jp/about/です。) 

虚子記念文学館 ・現代俳句協会・インターネット俳句会「俳句入門」

       

VII-2 俳句と川柳と短歌の違い(ウイキペディアの解説を参考に編集) 

 

(川柳とは)

川柳は俳句の要件である季語切れは不要です。 俳句は俳諧連歌の「発句」が独立したものですが、川柳は俳諧連歌の「前句附」が独立したものです。川柳は、現在では口語が主体で、政治や世相・人情などの風刺を表すものなど、俳句より滑稽さや駄洒落があり、自由律の言葉遊びのものも少なくありません。しかし、最近は俳句に近い「詩性川柳」もあり、季語の無い自由律俳句と川柳とは両者の境界が不明確です。   

短歌とは

「短歌」は5・7・5・7・7形式の和歌です 。「万葉集」は、7世紀後半から8世紀後半にかけて編まれた日本に現存する最古の和歌集です。

「百人一首」は平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活動した藤原定家公家)が選んだ秀歌撰です。

古今和歌集」(「古今集」)は、平安時代(794 - 1185/1192頃)前期の勅撰和歌集です。                                                                     以上

  

青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

トップ欄か、この「俳句HAIKU」をタップすると、最新の全ての記事(タイトル)が表示されます。記事のタイトルをタップ(クリック)して、ご覧下さい。

   

2016年9月22日 (木)

「敬老の日」「子規忌・糸瓜忌・獺祭忌」に思うこと

     

(2025.9.17 更新)

2024年の「敬老の日」は、9月16日でした。

敬老会《俳句と写真》」をご覧下さい。

   

獺祭忌己が苦吟を句吟して

子規の忌や己がまんぽ句口遊む

口ずさむ平和の俳句獺祭忌

         薫風士

  

冒頭の俳句は、「苦吟」と「句吟」の同音異義語のダジャレ・ブログ用川柳擬きの拙句です。

 

最近は「詩吟」のみならず、「俳吟」も楽しんでいる句友がいます。

  

今日は「子規忌」なので、「上五」を「獺祭忌」にしましたが、「秋高し」とか「秋風や」とか、様々な季語を当て嵌めて「まんぽ俳句」に遊びながら、まず俳句のリズムを身につけるのが吟行俳句上達のコツです。

   

(2022.9.10 更新)    

22831_9

この写真は、日本伝統俳句協会9月のカレンダー(後半の一部分)です。

   

 写真をタップ拡大して、掲載された俳句をご覧下さい。

   

  

  

   

    

2022年は「敬老の日」と「子規忌」が重なります。

著名俳人の『季重なり』俳句集」をご覧下さい。

(青色の文字をクリックすると、歳時記の例句や関連の解説記事などをご覧になれます。)       

          

(2016.9.22の記事)

9月19日は子規忌(「糸瓜忌」・「獺祭忌」)ですが、9月20日は「敬老の日」に当たります。

       

早世の子規を偲ぶや敬老日

   

駄句を口遊みながらインターネット歳時記(俳誌のsalon)の子規忌の俳句を検索すると、次の句が目に留まりました。

 

子規忌なりいまは美顏に使ふ水

       (中原道夫)

この俳句の水は糸瓜水のことでしょう。 

  

正岡子規は肺結核の喀血や脊椎カリエスの激痛に耐えて俳句の道に励んでいたが、次の三句を絶筆に、35歳の若さで亡くなりました。

 

糸瓜咲いて痰のつまりし仏かな

痰一斗糸瓜の水も間に合はず

をととひのへちまの水も取らざりき 

当時、糸瓜の水は咳止めや痰を切るのに効き目があるとされ、特に十五夜に取った糸瓜の水は効果があるとされていたようです。「をととひのへちまの水もとらざりき」とはこの十五夜の糸瓜の水を取らなかったことを詠んでいることを最近知りました。

正岡子規自分の死の近いことを直感して「糸瓜咲いて痰のつまりし仏かな」などの句を詠んだのではないでしょうか。この3句を詠んだ後に昏睡状態になり、亡くなったとのことです。

   

糸瓜忌や絶筆に知る句のこころ

凡人は長寿が頼り獺祭忌

         (薫風士

  

自分の死をも滑稽味のある俳句にする悲壮な覚悟を思うと、申し訳ないような気もしますが、凡才の駄句を口遊みながら、子規の凄さを偲んだ凡人の「敬老の日」でした。

    

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

  

2016年8月28日 (日)

蝉の俳句を鑑賞しよう

     

Click here to see “Haiku of Bashō” in English.

   

(2025.7.29 更新)

蝉一声小枝にとまる蟷螂に

螳螂は小枝に見えし蝉の声

蝉の声産声ならぬ悲鳴とは

螳螂に噛まれし蝉の最後かな

一頻吾庭の朝の蝉時雨

       (薫風士) 

  

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冒頭の写真は、螳螂が蝉を捉えた様子です。

    

    

蟷螂の俳句は、ここをクリック(タップ)して、「俳句の定型とリズム」をご覧下さい

ここをタップして、俳句HAIKUの記事「芭蕉の足跡巡り《秋の山寺・立石寺》」をご覧下さい。

  

松尾芭蕉が元禄2年5月27日(1689年7月13日)に出羽国(現在の山形市)の立石寺に参詣した際に詠んだ発句「閑さや岩にしみ入る蝉の声」が有名ですが、芭蕉は「やがて死ぬけしきは見えず蝉の声」という俳句も作っています。

この句の「けしき」に該当する漢字は「気色」と「景色」のどちらでしょうか?

「景色」を当てはめて、「蝉の声は聞こえるが、その景色を見ることはできない。」と、病で伏してやがて死ぬ身であることを嘆いている作者の気持ちを詠んだ句であると解釈することもできないことはないでしょうが、「気色」を当てはめ、蝉の命は1~2週間(?)と短いが、やがて死ぬ様な気配もなく鳴いていることを詠んだ俳句であると解釈するのが正解でしょう。

蝉は間もなく死ぬことも知らずに鳴いている、と「命の儚さ」を詠んだ句と受け止めるか、短い命でも精一杯元気に謳歌している、と解釈するか、読者の人生観次第です。

(青色の文字をクリックすると俳句の詳細や解説がご覧になれます。)

       

高浜虚子は終戦の年に「秋蝉も鳴き蓑虫も泣くのみぞ」という句を作っています。

敵といふもの今は無し秋の月」「黎明を思ひ軒端の秋簾見る」と併せて読むと、「秋蝉蓑虫も泣くのみだ。泣きたいものは思いぞんぶん泣けばよい。だが、自分は泣かない。終戦になって、自由に句作が出来る。さあこれから本番だ。」と、清々した気持ちで詠んだ句だと思われます。

      

正岡子規は「野分して蝉の少なきあした哉」と誰もが体験したことのあるような自然現象・季節の移ろいを句にしています。

   

琉球新報の記事に「『平和の願いを蝉とともに叫ぼう』仲間さん、摩文仁で詩朗読へ」という見出しで、糸満市摩文仁で行われる沖縄全戦没者追悼式で仲間里咲(りさ)さん(金武小6年)が自作の詩「平和(ふぃーわ)ぬ世界(しけー)どぅ大切(てーしち)」を朗読することが紹介されていました。

 

詳細はココ(http://ryukyushimpo.jp/news/entry-295999.html)をクリックしてご覧下さい。

    

広島長崎原爆忌や終戦の日は例年の如く型通りの報道がなされましたが、今年はリオ・オリンピック報道に埋もれてしまった感があります。

   

金メダル囃す夜明けの蝉しぐれ

鳴くや「ナチの手口」に嵌るなと

空蝉(うつせみ)ポケモンGO空け者(うつけもの)

わだつみの声を聞けよと秋の蝉

平成の大御心や法師蝉

      (薫風士)

 

歳時記(俳誌のSalon)を見ると、「」は芭蕉の「撞鐘もひびくやうなり蝉の声」や一茶の「蝉鳴くや我が家も石になるやうに」など2200句ほどあり、「蝉時雨」は約800句、「空蝉」は400句余り、「蝉の殻」100句余りなど、例句が約3500句あります。 

     

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

   

2016年8月25日 (木)

俳句を楽しもう!(フラワータウンカレッジ 2016.10.2 講演用レジメ)

 (講演会のチラシはココ(FTC16-10-2)をクリックしてご覧下さい)

   

I 俳句とは

「俳句は滑稽なり。俳句は挨拶なり。俳句は即興なり」(山本健吉ウイキペディアの解説「俳句」から抜粋)

・世界一短い詩形5+7+5=17音)で、入りやすく奥が深い。

・見たこと、感じたこと、思い出などを俳句にしましよう。

俳句は好き好きです。一人で、家族で、友達と、仲間と、気軽に楽しみましょう。

 (青色の文字をクリックすると解説や記事の詳細がご覧になれます。)

   

II 俳句を作ろう! 

(1)季語は一つ入れる。

  ・季語になるか否かは歳時記で確認するとよい。

(2)切字を1つ入れる。切字は2つ入れないのが原則。

(3)無駄な言葉を省き、イメージが浮かぶ俳句にする。

  

III 俳句会に参加しよう!

「俳句は『座の文学』である。」と言われる。吟行や俳句会で仲間と俳句を作り鑑賞するのが面白い。  

句会では作者の名前を伏せて選者による選や参加者による相互の選(互選)をする。初心者でも参加者の共感を得た句だと高得点を得ることが出来る。選に入らない句の作者の名前は公表しないのが普通であるが、選者がアドバイスするために名前を確認する場合もある。

   

インターネットで検索すると、三田俳句協会があり、フラワータウンでは「しぐなる俳句会」がある。(連絡先: 藤野慧子) 

この講演を契機に俳句を始めようと思う人が気楽に楽しめる俳句会を立ち上げると面白いかもしれないと思っています。

    

IV 俳句の鑑賞

 兼題の季語の俳句は下記URLをクリックすると詳細がご覧になれます。

「柿」http://www.haisi.com/saijiki/kaki1.htm

「曼珠沙華」 

  http://www.haisi.com/saijiki/manjushage1.htm

「秋風」http://www.haisi.com/saijiki/akikaze1.htm

「台風・野分」http://www.haisi.com/saijiki/taihuu1.htm

「さはやか」http://www.haisi.com/saijiki/sawayaka1.htm

「名月」http://www.haisi.com/saijiki/meigetu.htm

「秋」http://homepage3.nifty.com/a-un/za/meiku/aki.html

      

 卑近な例句から

 ・覚束ぬピアノの遠音秋の蝶 (木下さとし)

(自句自解)

上記の句は俳句雑誌「花鳥」の「さいかち集」(兼題が「秋の蝶」)に投稿したものです。孫の引くピアノを聞いているときに、取り合わせの句として思いついたものです。

(俳人栗林圭魚氏の句評)

「どこの家からか、習い始めたばかりのような、ゆっくりゆっくり指を選んでいるピアノの音が聞こえて来る。先程から庭先を飛んでいる蝶の秋を惜しむような姿を見ながら、ピアノの幼い遠音に心が安らいでいることに気づいたのである。「遠音」という描写が、秋の蝶としっかり調和している。」 

   

V 俳句の歴史・発展

 ウイキペディアの俳句の解説抜粋

俳句は近世に発展した文芸である俳諧連歌、略して俳諧から生まれた近代文芸である。室町時代に流行した連歌の遊戯性、庶民性を高めた文芸が俳諧であったが17世紀松尾芭蕉が出てその芸術性を高め、なかでも単独でも鑑賞に堪える自立性の高い発句、すなわち地発句を数多く詠んだ事が後世の俳句の源流となる。

さらに近代文芸として個人の創作性を重視して俳句を成立させたのが明治時代の正岡子規であった。子規は江戸末期の俳諧を月並俳諧と批判して近代化した文芸たらしめるための文学運動を行い、発句が俳句として自立した。俳句の自立後の視点から、芭蕉などの詠んだ俳諧の発句をさかのぼって、俳句と同一視するようになった。」

   

高浜虚子の考え方

正岡子規写生論を発展させて客観写生を提唱した。

・俳句は自然(花鳥)を詠い、自然を透して生活・人生を詠い、自然に依って志を詠う「花鳥諷詠文芸「極楽の文学」である。

  

(川柳とは)

俳諧、すなわち俳諧連歌から派生した近代文芸である。俳句と同じ五七五の音数律を持つが、俳句が発句から独立したのに対し、川柳は連歌付け句の規則を、逆に下の句に対して行う前句付け(前句附)が独立したものである。俳句にみられる季語切れの約束[1]がなく、現在では口語が主体であり、字余りや句跨りの破調、自由律駄洒落も見られるなど、規律に囚われない言葉遊びの要素も少なくない。かつての俳諧では雑俳に含めて呼ばれたことがある。

   

短歌とは

「短歌」は5・7・5・7・7形式 。

万葉集』(まんようしゅう、萬葉集)は、7世紀後半から8世紀後半にかけて編まれた日本に現存する最古の和歌集である。

「百人一首」は平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活動した公家藤原定家が選んだ秀歌撰である。

古今和歌集」(略称:「古今集」)は、平安時代(794年 - 1185年/1192年頃)前期の勅撰和歌集。

  

VI 俳句への思い(木下さとし)

俳句は人それぞれの立場で、自分の思い、好みで作り、楽しめばよい。

月並みであっても、句作で頭の体操をし、吟行の旅を楽しみ、句友と酒を飲みながら俳句談義など放談・切磋琢磨して老後の生活を楽しめば良い。少しでも多くの人に評価される句が作れるなら、それに越したことはない。俳句の世界は、入り易いが奥が深く、向上心があれば飽くことがない。秀句・名句はプロの俳人に任せるにせよ、自分なりの俳句の道で精進したい。

スウェーデン大使館の英語俳句・川柳コンペティションに応募したところ、小生の川柳が1句、家内の俳句(小生が英訳)が2句入選した。

国際俳句交流協会では俳句を国際的に広めて、無形文化世界遺産に登録されるようにしようと努力している。微力ながらその一助にでもなればと思い国際俳句交流協会に入会した。俳句は和食と異なり、言語・言葉の問題が障壁になるから世界遺産登録を実現することは容易でない。この言語の壁にチャレンジして英語の俳句も広めたい。

日本語の俳句の精神が世界のHAIKU(俳句的な短詩)として、それぞれの国の風土や言葉に適応・発展し、俳句がその母体として評価されるようになることを祈っている。いずれにせよ、自分なりに専門分野の体験を活かし、英語の俳句(HAIKU)を通じて国際交流を促進することができれば幸いである。

  

VII 参考情報                

季語や例句を検索できるインターネットサイト

『きごさい』ネット歳時記

・「増殖する俳句歳時記

・「俳誌のサロン」(季語や色々な俳誌を見ることが出来る)

月間俳句雑誌

・「俳句」、「俳壇」、「俳句界」などがある。    

俳句のや主宰のホームページ 

ホトトギス  伝統俳句協会 現代俳句協会 

国際俳句交流協会  

・花鳥(主宰:坊城俊樹

 (HPは http://news.haiku-kachou.jp/about/です。)

虚子記念文学館特選句集 ・円虹 

雨月大橋晄のFacebook

   

電子辞が便利です。ご参考までに下記の文字をクリックしてご覧下さい。

カシオ電子辞書 ・シャープ電子辞書

                                                           以上

2016年8月20日 (土)

八月の俳句に思うこと

            

2025.8.28 写真更新

 

八月やトランプゲ-ム嵌まらずに

              (薫風士)

  

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冒頭の写真は、NHK-TV ニュース画面の一部分です。

     

20250828_0751228_0858482022_8

これらの写真は、日本伝統俳句協会のカレンダー八月の一部分です。 

  

写真をタップ拡大して掲載句をご覧下さい。

(青色の文字をクリックすると俳句の詳細や解説がご覧になれます。)

   

  

広島忌に思うこと」や俳句《涼し》死の話」、終戦記念日・墓参・盆の俳句」、言葉の力・俳句の力《癒し》」などをご覧下さい。

      

(2016.8.20の記事)

八月の昭和通りをゆきにけり 

     (大久保白村)

       

ウイキペディアによると、昭和通りは関東大震災の復興事業として計画され、1928年昭和3年)に完成しているが、共同通信社の記事によると、戦中・戦後の食糧難を補うために昭和通りの中央分離帯は菜園にされています。

戦前・戦中・戦後の昭和を生きた人々には「昭和通り」や「皇居前広場」には特別の感慨があるでしょう。

NHK戦後史証言アーカイブス「戦後ゼロ年」<皇居前広場のゼロ年チュヌの便りの「八月の思ひ格別皇居前」をご覧下さい。

    

リオ・オリンピックでは日本選手の連日のメダル獲得に日本中が湧いています。

そこで即興の俳句を作りました。 

  

平和なる五輪開幕原爆忌

長崎忌リオの五輪の渦の中

金メダル囃す夜明けの蝉しぐれ

鳴くや「ナチの手口」に惑はされ

炎天下ポケモンGOのスマホ連

わだつみの声を聞けよと秋の蝉

平成の大御心や蝉しぐれ

   

俳句談義18:政治家と俳句」に於いて述べたように、

「日本人は自然を愛し平和を愛する国民である」ことを俳句やブログで内外に発信し、日本の平和のみならず、国際親善・世界平和のために少しでも役立てたい、とチュヌの主人は思っています。政治談議」もご覧下さい。

   

天皇陛下は先日(2016.8.8)「お気持ち」を表明されました。

「日本の将来」「国民の将来」を慮り、「象徴天皇」が継承されることを見届け、平和な日本、平和な世界が、未来永劫に続くことを祈る気持ちを表明されたものであると、チュヌの主人は「終戦の詔書」と合わせ謹んでお聴きしました。

  

「戦後レジームからの脱却」や「日本の心を大切にする」を主張している人々、憲法改正を意図している人々等、すべての人々に、この天皇陛下の思いをシェアしてほしいものです。

           

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2016年8月 5日 (金)

八月の思ひ格別皇居前

   

(2024.3.7 更新)

注目を集める為なのか、レッテル張りをして喧伝する政治家や評論家がいますが、劣情に訴える煽動政治家が蔓延ることを懸念しています

  

掲題の俳句「八月の思ひ格別皇居前」は2014年(平成26年)823日に開催された花鳥六百号記念俳句大会日比谷公園皇居周辺吟行)における薫風士(チュヌの主人)の入選句です。

(青色の文字をクリックすると俳句の詳細や解説などをご覧になれます。)

    

季語別俳句8」(歳時記)を見ると、無数の季語と俳句があります。

八月」の句は600句ほどあり、冒頭には「聲に出て確める遺書八月來る (高島茂)(暖流)」が掲載されています。

「原爆忌」・「原爆の日」の俳句は400句余りあり、トップページには、「原爆の日の洗面に顔浸けて平畑静塔や「戦争を知らぬ子ばかり原爆忌稲畑汀子などが掲載されています。

敗戦」の俳句は約320句あり、冒頭には「敗戰日妻子入れむと風呂洗ふ」秋元不死男が掲載され、「終戦」の俳句は430句余りあり、冒頭には「馬兵に終戰の日は暑かりし」角川源義あります。

「敗戦」の句よりも「終戦」の句が多いのは、「戦争は金輪際終わりにしたい。戦争は繰り返してはならない。」という庶民の思いの表れではないか?

「『敗戦』を『終戦』というのはまやかしである」とか、「戦争は負けたから悪いのだ。勝てば官軍だ。」というナショナリストもいる。そういう人が憲法改正(実態は改悪)を推進ししようとしている。

自分の考えに同調しなければ、「無責任だ」とか「売国奴」などとレッテル貼りをする煽動的政治家に振り回されてはならない。

「ウソがつけない奴は弁護士や政治家になれない」と某氏が放言している。それには一面の真理があるが、国民は嘘をつかない真面な政治家に政治を付託するようにしなければならない。

日ごろから政治家の発言に関心を持ち、一人一人が一歩踏み込んでよく考え、選挙の際には、自分の良心に基づき投票したいものである。

      

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2016年7月23日 (土)

「梅雨」の俳句に思うこと


     

気象庁によると関東地方はまだ梅雨明けしないが、7月18日に九州から東海地方が一斉に梅雨明けし、NHK-NEWS-WEBによると7月22日に北陸地方も梅雨明けした。

インターネット歳時記を見ると、季語が「梅雨」の俳句は3000句ほどあり、「走り梅雨」は300句余り、「梅雨に入る梅雨入」は400句余り、「梅雨明」は約400句、「梅雨晴間」は500句余りある。

(青色の文字をクリックすると俳句の詳細や解説がご覧になれます)  

増殖する俳句歳時記の「梅雨」には面白い俳句や句評がある。

  

学成らずもんじゃ焼いてる梅雨の路地

     (小沢信男

  

走り梅雨ホテルの朝餉玉子焼

     (馬渕結子

「・・・もしかすると、句の玉子焼は目玉焼なのかもしれないと思った。だとすれば、気休めにはそのほうがより効果的なような気がする。「目玉焼きは太陽である」というタイトルのエッセイが、草森紳一にあったのを思い出した。」

これは掲句「走り梅雨」に対する清水哲男氏の句評の末尾(抜粋)である。

この俳句を作者が詠んだ背景は分からないが、「梅雨模様の天気に、ホテルの朝食も相変わらず平凡な卵焼きで冴えない。」という気持ちを詠んだのかも知れない。

  

さいたま市大宮区の三橋公民館が発行する公民館だよりの関係者が「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」という俳句の掲載を拒否した問題について俳句の片言性と二面性」(俳句談義14)で触れた。

問題の掲句は、平和憲法を維持したいという思いで梅雨空にも拘わらずデモをしている人々を見た作者が感動して作ったとのことだが、この句は「梅雨はうっとうしいが、デモも気に入らない」と不愉快な思いを詠んだ俳句であると解釈出来ないこともない。その場合、伝統俳句の作者なら切字「や」を使って、「梅雨空や『九条守れ』の女性デモ」と詠むのだろうか?

  

日本の伝統的な侘び・寂の文化を好む俳人は俳句に政治や時事問題を持ち込むことを良しとしない。しかし、子供や孫のことを思うと、俳句の世界だけに浸る隠遁余生に甘んずる気にならない。

芭蕉の言葉に「不易流行」があり、高浜虚子の言葉に「古壷新酒」がある。

駄句・月並みと言われても、現代の世相・政治問題・国際問題も取り上げて、伝統俳句を尊重しつつ自分なりの俳句を作り続けたいと思っている。

   

梅雨空や明日は豪雨か真夏日

黒南風南西諸島波高し

梅雨晴間ミサイル落ちし日本海

梅雨暑しテロ騒動の次々と

   

与党・政府は外国の「ポチ」となることなく平和外交を促進し、平和憲法を堅持して国民を守る努力をしてほしい。それにしても、中国や北朝鮮、ISなどの指導者には、平和を願う日本が軍事力増強に走らざるを得なくなるような挑発的行為を直ちに止めてほしいものである。

11月の米国大統領選挙は民主党ヒラリー・クリントンと共和党ドナルド・トランプの対決になる。もしも後者が勝利すると戦後70間の日本国民の努力が吹き飛んでしまうことになるかも知れない。米国市民が良識を発揮することを祈るばかりである。

     

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2016年6月28日 (火)

吟行は楽しい! 俳句アルバム(若狭・小浜の旅)

       

2007年の5月頃、バラク・オバマ氏はまだ米国民主党大統領予備選挙の候補者でオバマ氏と小浜市の関係が話題になっていたので、NHK朝ドラで9月放映開始予定の「ちりとてちん」のロケ地である福井県小浜市を先取りして見ておくのも面白いだろうと、若狭・小浜へ吟行旅行をしたが、期待を裏切らぬ楽しい思い出になった

   

青葉旅もてなし厚き若狭人

      (さとし

   

俳句仲間(神戸同人)の作ってくれた俳句アルバムをご覧下さい。

 

青色文字をクリックすると解説記事をご覧になれます。アルバム(写真)をクリックすると俳句の詳細などをご覧になれます。

       

今秋11月の米国大統領選挙において、ヒラリー・クリントン民主党候補がオバマ大統領の後任になればよいが、ドナルド・トランプ共和党候補が万一大統領に選出されることになれば日米関係や世界の情勢が憂慮すべき事態になるだろう。

 

英国は国民投票の結果、EUを離脱することが決まった。だが、EU離脱に賛成投票したことを後悔している人も沢山いるようで混乱状態になっている

 

日本は戦後70年間戦争に巻き込まれることなく過ごすことができたのは平和憲法自衛隊のお蔭であり、どちらが欠けても日本の平和は維持できないだろう。

選挙には、棄権せず、良く考えて投票してほしいものである。

   

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2016年6月24日 (金)

《イタリア旅行》 HAIKU & pictures (Trip to Italy)

            

(2024.5.18更新)

青色文字をクリック(タップ)して、「血に染むなドニエプルてふ春の川をご覧下さい。

  

2007年にイタリア(ローマ、ナポリ、ベネチア、フィレンツェ、ピサ、ミラノ)へ旅行した時の俳句と写真を掲載します。

          

(写真はクリックすると拡大します。青色文字をクリックして表示された写真をクリックすると、更に他の写真や動画がご覧になれます。)

(Click a picture to enlarge it. Also, you can see more pictures or descriptions by clicking blue letters.) 

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(トレビの泉)

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爽やかなトレビの泉古希の旅

(sawayakana torebi-no-izumi koki-no-tabi)

    

refreshing Trevi Fountain_

a trip,

commemorating seventieth birthday       

   

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残月や大聖堂の天高し

(zangetsu-ya daiseidō-no ten-takashi)

      

the morning moon_

St. Peter's

clear autumnal day

  

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秋澄むやナポリの丘の昼の月

(aki-sumu-ya napori-no-oka-no hiru-no-tsuki)

       

the daylight moon

the hill of Napoli_

what a clear autumn day!

        

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秋潮の青のきらめきカプリ島

(akishio-no ao-no-kirameki kapuritō)

  

the glittering blue 

an autumnal tide

Isle of Capri

 

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素晴らしき青の洞窟秋の潮 

(subarashiki aono-dōkutsu aki-no-shio)

  

Grotta Azzzurra

in an autumnal tide_

what an experience!

            

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2

ベネチアや船頭の歌澄み渡る

(benechia-ya senndō-no-uta sumiwataru)

   

Venezia_

the skipper's singing voice

clear on the autumn canal

      

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ファサードの色爽やかや聖人像

(fasādo-no-iro sawayaka-ya seizin-zō)

   

the statues of saints_

invigorating colors

of the facade

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2_5

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斜塔押すポーズ遠近天高し

(shatō-osu pōzu-ochikochi ten-takashi)

  

high autumn sky,

tourists pose for 

supporting the tower of Pisa

   

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尖塔の聖人像や天高し

(sentō-no seizinzō-ya ten-takashi)

      

the statues of saints

spiring high on the top_

the autumnal sky

Photo 

     

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2016年6月15日 (水)

晴れても降っても吟行は楽しい!(北琵琶湖吟行俳句アルバム)

           

(2024.6.9 更新)

ここをクリック(タップ)して、「春の屋久島吟行(写真俳句集)」をご覧下さい。

  

2008年5月末に、俳句仲間(神戸同人)と北琵琶湖へ一泊二日の吟行旅行をしましたが、生憎の雨で当初予定のルートを急遽変更して、「観音の里」→「羽衣伝説の余呉湖」→「国友村」→「竹生島」→「長浜のまち」を巡りましたが、晴れても降ってもそれなりに対応すれば吟行は楽しいものです。

ここをクリック(タップ)して、「楽しい吟行・俳句の旅(四季の写真俳句特集)」をご覧下さい。

   

仲間が作成してくれた吟行アルバムを下記に掲載します。アルバム(写真)をクリックor タップし、拡大してご覧頂ければ幸いです。

     

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2016年6月13日 (月)

楽しい吟行の俳句アルバム(岡山城と後楽園ほか)

          

(P.S. 2024.6.8) 

     

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2012年10月に俳句仲間と岡山(宇野港・イギリス庭園~岡山城・後楽園)に渋川で一泊の吟行旅行をしましたが、2015年9月に大学のクラス会で岡山城と後楽園を見学し、岡山出身のクラスメイト秋田氏の名案内で後楽園や岡山城などに対する認識を新たにしました。

6月10日は「時の記念日」でNHKもどこかの時計草を紹介していましたが、ここをクリックすると時計草などの素晴らしい写真が沢山あるブログ「自然風の自然風だより」(Excite.ブログ)がご覧になれます   

青色文字をクリックすると関連の解説記事などがご覧になれます。 

先日、大阪市立大学付属植物園吟行時計草を見た時にふと岡山でのクラス会のことや俳句仲間との岡山吟行のことを思い出し、俳句仲間と吟行旅行をした時に初めて見た時計草のことを思いだしました。

そこで、俳句仲間が作ってくれていた吟行俳句アルバム(玉野市&岡山市後楽園)を写真にしてブログ「チュヌの便り」に載せることにしました。このブログも俳句に興味を持っている人々との新たな交流のきっかけになれば望外の喜びです。      

アルバム(写真)はクリックすると拡大され、仲間の俳句など詳細がご覧になれます。

ちなみに、チュヌの主人(俳号:さとし)の次の俳句が仲間の句会で最高点を獲得しました。夕食後、月見に出かけると、中学生が海蛍をとって賑やかにしていたので我々も海蛍を捕まえようと夢中になったことを詠んだ句です。

・海蛍月見心を奪ひけり

   

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2016年6月 7日 (火)

吟行の写真と俳句(大阪市大付属植物園)

            

平成28年(2016.6.5)に大阪市立大学理学部付属植物園に仲間と吟行に行きました。

時折降る小雨で植物園の睡蓮紫陽花が瑞々しくなり、森も風情が増していました。帰る頃には晴れ上がり、吟行に都合のよい天候でした。

    

睡蓮や小雨程よく瑞々し

  

睡蓮や小雨の水輪リズミカル

  

ハーブ園小雨に燕飛び交ひて

    

笹百合やおすすめコース辿り来て

    

・悠然と夏鴨一羽森の池

   

老鶯の森の静寂に遠鴉

   

老鶯や人声まれに森の奥

   

・たどたどし我が足音や梅雨の森

   

それと聞き撮りし一輪時計草

    

青色の文字をクリックすると解説記事などがご覧になれます。写真はクリックすると拡大されます。     

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2016年5月29日 (日)

バラ・ばら・薔薇 《俳句と写真・特集》

         

(P.S. 2022.6.6)

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赤いバラは根付きが悪くて弱いのか、土の手入れが下手なのか、数年前に買った年に咲いたきり、咲きませんでした。

今年は一輪咲いて喜んでいますが、雨滴の重さに耐えかねているようです。

  

大薔薇の赤き一輪雨に耐へ

  

関東甲信地方は今日梅雨入りしました。

  

(P.S. 2022.5.21)

故郷を「まんぽ俳句」で元気に、未来に繋ごう  

俳句《椎の花》(綾部バラ園吟行の俳句と写真)

をご覧下さい。

  

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5フラワータウンの高木邸のバラの庭で開催される恒例のチャリティ・オープンガーデン・ミニコンサートは、今年もコロナ禍の緊急事態宣言の実施により、昨年に引き続き開催されず、梅雨入り前の吟行日和を神戸市の須磨離宮公園のバラ園でエンジョイしました。

 

須磨離宮公園・バラと噴水(吟行の俳句と写真)」をご覧下さい。

 

(青色文字をクリックすると俳句の詳細や写真などをご覧になれます。)

   

(下記の2句は2016年のコンサートの紹介を兼ねて詠んだ拙句です。演奏や庭の写真など詳細に興味のある方はココをクリックしてご覧下さい。)

  

マリンバとピアノのデュオやバラの庭 

  

ポップスに手拍子弾むバラの庭 

   

薔薇の俳句と写真をインターネットで検索すると、歳時記の「バラ」の俳句は「雨宿りしてしばらくはバラの前(山口青邨)」など84あるが、現代俳句が多い。

伝統俳句はカタカナより漢字を好む傾向があり、「薔薇」を用いた俳句は1,200句余り掲載されている。

歳時記(俳誌のサロン)の「薔薇」の冒頭の俳句など、例句を抜粋させて頂きます。詳細は青色文字の季語をタップしてご覧下さい。

  

薔薇(1

寫眞の中四五間奥に薔薇と乙女 

        (中村草田男)

この句の鑑賞には「増殖する歳時記」の清水哲男氏の句評が参考になる。 

  

薔薇(2

薔薇の香の紛々として眠られず 

         (正岡子規

    

薔薇(3

手の薔薇に蜂来れば我王の如し 

        (中村草田男

      

薔薇(4

咲き切つて薔薇の容を越えけるも 

        (中村草田男)

   

薔薇(5

瞑るは見ることのため薔薇の花 

        (秋山牧車)

 

薔薇(6

薔薇買って帰れば何か言はれさう 

         (山口俊平)

  

薔薇(7

薔薇熟れて空は茜の濃かりけり 

         (山口誓子)

      

薔薇ちるや天似孫(テニソン)の詩見厭(あき)たり

         (夏目漱石

    

薔薇に付け還暦の鼻うごめかす

         (西東三鬼

   

己れ刺あること知りて花さうび

         (高浜虚子

   

薔薇匂ふはじめての夜のしらみつゝ

         (日野草城

    

薔薇園一夫多妻の場を思ふ    

         (飯田蛇笏

    

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2016年4月17日 (日)

「みどりの日」の俳句を読んで思うこと。

              

 

ロシア軍のウクライナ侵攻によって、多大の犠牲者が生じています。

 

プーチン大統領の侵略政策は決して許すべきではありません。しかし、経済的制裁の悪影響は世界に広がっており、持久戦に耐える覚悟が必要ですが、事態は持久戦で済まないかもしれません。

 

已むに已まれぬ思い」を俳句に詠み、紛争解決案を提言しました。青色文字をクリック(タップ)して、梅東風や届け世界にこの思ひ血に染むなドニエプルてふ春の川に書いた思いを一読し、シェアして頂ければ望外の喜びです。

 

5月4日は「みどりの日」です。

1989年(昭和64年)に今上天皇の即位に伴い12月23日が「天皇誕生日」とされ、そして、1948年の祝日法施行以来「天皇誕生日」であった「4月29日」は昭和天皇に因んで「みどりの日」とされ、更に2005年(平成17年)の祝日法改正により「昭和の日」となりました。それゆえ、2007年以降は「みどりの日」は5月4日です。 

  

戦後80年間日本が戦争に巻き込まれず平和を維持できたのは憲法第9条を中心とした平和憲法と自衛隊の存在のお蔭ですが、憲法を改悪すれば国際間の緊張を高め、戦争のリスクを増大することになるでしょう。

    

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2016年3月 3日 (木)

「春雪・春の雪」《雪の俳句を鑑賞しよう》

(2025.5.21 更新)

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冒頭の写真は、5月18日にサンシビック尼崎の大ホ-ルで開催された伝統俳句協会関西支部の俳句大会で頂いた入選句集の一部分です。写真をタップ拡大して入選句をご覧下さい。薫風士の「春の雪」が、応募総数1339句の中で、吉田節子選に入選しています。

   

ここをクリック(タップ)して、「俳句365 haiku (138) 《初夏5 Kunpūshi》」の「伝統の俳句大会初夏のアマ」をご覧下さい。

 

二番目の写真は、3月3日 放映のNHK-TV ニュース画面の一部分です。

  

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この写真は、まん歩して2月21日に撮った雪景色です。
 

   

雪遊び技を極めて金メダル

    

上記の俳句は、平野歩夢の快挙(「北京2022」スノーボード金メダル)を称えて、2016に書いた「春雪」の記事に追加しました。

    

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写真は2020年大晦日に孫と作った雪ダルマです。   

2016.3.1には春の雪が降り、この記事を書きました。

 

   

「歳時記」の「春の雪」を紹介させて頂きます。  

(青色の文字をクリックすると例句の詳細や解説がご覧になれます。)

   

春の雪(1)

冒頭には種田山頭火の俳句「春の雪ふる女はまことうつくしい」があり、

春の雪(2)」の冒頭には

「春の雪しきりに降りて止みにけり(白雄)」があり、

春の雪(3)」の冒頭には久保田万太郎の「泣蟲の杉村春子春の雪」という句があり、

春の雪(4)」の冒頭には

「春の雪青菜をゆでてゐたる間も (細見綾子)」があります。

  

春の雪(5)」の冒頭句は

「良寛のひとりあそびに春の雪 (高島茂)」ですが、

「唇に触れて消えゆく春の雪」(田所洋子・雨月)や「二・二六とふ日のありし春の雪」(水原春郎・馬醉木(あせび))など味わい深い俳句が掲載されています。

  

春の雪(6)」の冒頭には

「逢ふための一歩踏み出す春の雪(清水甚吉)」があり、

春の雪(7)」の冒頭には

一茶の俳句「古郷や餅につき込む春の雪」があります。

   

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