俳句鑑賞 《夏帽子・麦わら帽》
気の向くままに「歳時記」(俳誌のサロン)から例句を抜粋・掲載させて頂きます。
「歳時記」(俳誌のサロン)の例句の詳細は季語(青色文字)をタップ(クリック)して、ご覧になれます。
(麦わら帽)
犬小屋の上に褪せたる麦わら帽
(倉澤節子)
麦藁帽墓に忘れてもどりくる
(柴田靖子)
(夏帽子1)
遠目にも銀座に似合ふ夏帽子
(千坂美津恵)
夏帽へ空へイルカの水しぶき
(吉村玲子)
(夏帽子2)
スキップで渡る撥ね橋夏帽子
(関薫子)
夏帽子ふはりと海が見たくなり
(小澤克己)
(夏帽子3)
友の夏帽が新らしい海に行かうか
(尾崎放哉)
さりげなく齢を隠す夏帽子
(並木重助)
(夏帽子4)
夏帽子自給自足の畑に佇つ
(岡野ひろ子)
勝手知るガス検針の夏帽子
(廣畑忠明)
(夏帽子5)
旅先に忘れてならぬ夏帽子
(稲畑汀子)
吟行も夫婦二人や夏帽子
(園部蕗郷)
(夏帽子6)
どこへでも行きたがり屋の夏帽子
(松岡和子)
また来てと目が請ふ母の夏帽子
(和田郁子)
(夏帽子7)
ふるさとに来て夏帽を真深にす
(比田井美都江)
影を追ふ園児等二列夏帽子
(漆山浩一)
次の拙句の表現とニュアンスの違いが句作に何らかのご参考になれば幸いです。
(A)は気に入っていた白い夏帽子をポーランド旅行中にうっかり置き忘れたことを詠み、
(B)~(D)は、スーパーで買った麦わら帽子が結構似合ったので街へ出かけるときも被ったことを詠んだ句です。
(C)と(D)はニュアンスの違いを表現したつもりですが、
(C)は、麦わら帽を被ると若返った気分になり街に出かけたこと、
(D)は、麦わら帽で街を闊歩すると若返った気分になること、
を詠んでいます。
(A)夏帽子異国のカフェに忘れけり
(B)新調の麦わら帽子気に入りて
(C)街を闊歩麦わら帽に若返り
(D)街闊歩麦わら帽に若返る
(P.S. 2022.8.27)
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