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2017年2月10日 (金)

俳句鑑賞《梅・梅の花・紅梅・白梅》

   

(P.S.) 2022.3.18

日本では平和のお陰で、コロナ禍なりに雛祭り探梅梅見を楽しんでいますが、ウクライナの人々はロシアの侵攻による戦時下に苦しんでいます。

プーチン大統領や世界の指導者が賢明な決断をしてくれることを切望して、この P.S.を追加しました。   

青色文字をクリック(タップ)して、梅東風や届け世界にこの思ひや「血に染むなドニエプルてふ春の川」をご覧下さい。

              

(2017.2.10)

梅咲くや古木の洞に二つ三つ

木の洞に活け花の如梅の花 

   

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インターネット歳時記には「梅」の俳句が約1800句、「紅梅」約800句、「白梅」約500句、「梅ヶ香(梅匂ふ)」約500句、「探梅」約350句、「梅咲く」約260句、「枝垂れ梅」121句、「老梅」59句、「梅の花」250句など、梅を詠んだ俳句が無数にあり興味が尽きません。

  

季語「白梅」の冒頭には、阪神・淡路大震災を詠んだ俳句「白梅や天没地没虚空没永田耕衣)」があります。

歳時記には味わい深い俳句や個性的な俳句など沢山ありますが、与謝蕪村の俳句「しら梅に明くる夜ばかりとなりにけり」の新解釈(「チュヌの便り」)もここをクリックしてご覧下さい

歳時記からたまたま目についた俳句をランダムに抜粋させて頂きます。

(青色文字をクリックすると俳句や作者の解説など詳細がご覧になれます。)

    

老梅

老梅の穢き迄に花多し  

        (高浜虚子

  

老梅の白の気品の衰へず 

        (石谷淳子)   

  

梅1

風に日に梅に忌心整ひし 

       (稲畑廣太郎)

  

色褪せて一瞥さるる梅やある 

        (大橋敦子) 

 

梅2

雪しづれして丸窓の古都の梅 

        (大西正栄)

  

廃校の母校の跡の梅に佇つ 

        (松田欽吾)

   

梅3

梅よりも空の蒼さを讃へをる 

        (落合絹代)

  

子と犬と抱き上げ夫婦梅をかぐ 

        (勝野薫)

  

梅4

梅は散り君は彼岸のみほとけに 

         (

  

春競ふ源平梅や二条城 

        (田中呑舟) 

   

梅5

学問の神の庭園梅固し 

        (中村星児)

   

梅の下にけふ落日を見るゆとり 

        (瀧春一 

 

梅6

人寄りて梅の素顔を見つめをり 

       (黒澤登美枝)

   

梅活けし小部屋の襖開きおく 

        (水谷ひさ江)

   

梅7

二もとの梅に遅速を愛す哉  

         (与謝蕪村)

  

梅固し憂ひは常に極秘なり 

         (荻野千枝) 

  

梅8

折り取りし梅添へ仕上ぐ節料理 

         (ことり)

  

老人の話筒抜け梅三分 

        (中島あきら) 

  

梅9

火照る(こつ)拾ひて梅の風に出づ 

         (藤井美晴)

   

妻佇ちし梅ほつほつと開きゆく 

          (大橋晄) 

  

梅10

軒端なる梅のひなたの石手水 

         (豊田都峰

   

知らぬ間の隣人の訃や梅二輪 

         (布川孝子) 

  

梅11

梅が枝の折れんばかりや雪止まず 

        (小川玉泉)

  

梅早し遅しと虚子の誕生日 

        (稲畑汀子) 

 

梅12

毎年の梅の開花を愛でゐしに 

         (大橋晄)

  

盆梅や盆梅課ある城下町 

        (小澤菜美) 

 

梅13道ひとつ違へ野梅につきあたる 

       (石田阿畏子)

  

家ごとに小さき橋掛け梅の里 

       (松本三千夫) 

 

梅14

廃業の老舗の名残垂れ梅 

        (宮本俊子)

  

盆梅の気品遺して逝かれけり 

       (稲畑廣太郎)

  

梅の花

正直は亡母の諭し梅の花 

        (小林鱒一)

  

一輪車上手にくぐる梅の花 

       (小菅美代子)

      

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、「俳句(和文)」や「英語俳句」の最新記事をご覧頂けます。

  

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コメント

俳句の比喩と掛詞《白鳥》
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/haiku/

をご覧下さい。 (薫風士)

俳句特集《新年・正月・一月》
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2015/12/post-8611.html

をご覧下さい。 (薫風士)

「梅東風や届け世界にこの思ひ」をご覧下さい。
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2022/03/post-4fd0.html

・冬帝やアナクロ専制如何にせむ
      (薫風士)

俳句《水澄む・秋澄む・秋水》
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2022/10/post-7f03.html

をご覧下さい。 (薫風士)

「早春や命の限り句を口に (本との出会い)」
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2022/02/post-e18a.html

をご覧下さい。 (薫風士)

既成の医療体制の見直しや「デジタル田園都市国家構想」の実現を期待しています。

「年越やオミクロン株蔓延りて(医療の在り方)」
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2022/01/post-ed54.html

「大晦日」「大年」の俳句(岸田内閣に望むこと)
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2021/12/post-1143.html

「(冬の俳句特集)不意打ちのオミクロン株冬の雷」
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などをご一読下さい。 

(薫風士)

11月10日に第二次岸田内閣が発足しました。
国民の為の政策を如何に実行するか、注目しましょう!

(俳句と川柳) <衆院選> 第101代総理大臣への期待 (「吾亦紅」と「夜長」に思うこと)
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2021/10/10-d078.html
をご覧下さい。 

(薫風士)


8月19日は「俳句の日」とされています。
正岡子規の命日は9月19日ですから、8月19日からの1か月を「俳句月間」として俳句・教育関係者により俳句を通じて子供たちに日本文化の啓蒙活動をして頂いたら如何でしょうか?
俳句の教育はもう既に実践されているのでしょうが、コロナ禍の自粛生活で子供たちが無意味なwebゲームに夢中になっているのは親泣かせです。
俳句は、個性を発揮する芸術の一つであり、好き好きです。プレバトのような一方的な査定やランク付けはしないで教育すべきでしょう。
大人のための俳句の面白さの啓蒙の一助になれば幸いですが、
8月15日の終戦記念日の俳句を特集しましたので
俳句ブログ:終戦記念日 <「戦争と平和」特集>
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2021/08/post-452c.html
をご一読下さい。

(薫風士)

「春」の俳句特集:薫風士のブログ「俳句HAIKU」
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2021/02/haiku-f2f4.html

をご覧下さい。

突然ですが、

ガラ携(ガラケー)を使っていた高齢者はスマホを十分使いこなせないのに、20ギガを最低料金に設定する体制には納得できません。
在宅が多い私の体験からすると、インターネットをいくら使ってもWiFiがあれば、スマホは1ギガも使わずに済みます。
このような実態を知っている政治家やスマホを使いこなせる政治家はどれほどいるのでしょうか?

コロナ禍の外出自粛が要請されている高齢化社会にスマホやマイナンバーの活用を推進するために、
「1ギガの適性な最低料金をいくらにすべきか?」
高齢者もスマホ無しには生活できない事態になっていますから、
IT関係の政治家や専門家は、現体制を消費者の目線で再検討して欲しいものです。

・気の合ひし句友と談義年忘れ (薫風士)

SNS世代に俳句の楽しさ・面白さを知ってほしいと、
漫歩・万歩・SNSで楽しむ
「まんぽ俳句会」
を始めました。
ご投稿をお待ちしています。
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2019/11/post-d2ef-1.html
をご覧下さい。

(薫風士)

世界平和への思いを込めて「令和」の俳句をブログにしました。
「新元号祝ひ『花見』の俳句詠む」
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2019/04/post-e976.html
をご一読下さい。

4月8日は高浜虚子の忌日です。
虚子の俳句を100句英訳して、
・「高浜虚子の俳句をバイリンガルで楽しもう!」
・「Enjoy bilingual haiku of Kyoshi Takahama!」
というタイトルで国際俳句交流協会のホームページに掲載して頂いています。

http://www.haiku-hia.com/about_haiku/takahama_kyoshi/
をクリックしてご覧下さい。

虚子俳句の一端の面白さを知り、
英語学習のご参考になれば幸いです。

国際俳句交流協会俳句大会における
チュヌの主人の入選句(稲畑汀子選特選)
「亀鳴くや声なき声を聞けよとて」
に因んだエッセーをご一読下さい。
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2017/12/post-e4bd.html

東京の桜が今日3月21日に開花しましたが、
昨年の開花は福岡や名古屋が最初で3月19日、
東京は3月21日でしたね。
「桜」・「花」などの俳句と写真を集めました。
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2016/11/post-902b.html
をご覧下さい。

近畿日本鉄道の「花だより」
http://www.kintetsu.co.jp/flower/
に沿線(京都府、奈良県、大阪府、三重県、愛知県)
の梅の名所の開花状況が記載されています。

冒頭の俳句「老梅の穢き迄に花多し」は
自然をありのままに詠むのを良しとした高浜虚子らしい句です。
高浜虚子は人間も自然の一部として花鳥諷詠の対象として
固定観念にとらわれずクールに詠んでいます。

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