文化・芸術 Feed

2023年10月28日 (土)

芭蕉の足跡巡り《秋の山寺・立石寺》

     

閑さや岩にしみ入る蝉の声

          (芭蕉)

      

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立石寺入山券(写真参照)の案内図のとおり、芭蕉が詠んだと思われる岩を観察しながら、山寺の「奥の院」まで老躯を労わり労わりして、千段余りの石段を登りました。

写真をタップ拡大してルートをご覧下さい。

    

ここをクリック(タップ)して、立石寺のホームページの写真やすばらしい動画(最後にある。2:32)をご覧になると、山寺の全貌が分かります

   

ここをクリック(タップ)して「蝉の俳句を鑑賞しよう」(俳句HAIKU)をご覧下さい。

   

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この写真はクラブツーリズムのパンフレット「旅のしおり」の一部分です。

  

芭蕉が掲句を詠んだ季節とは異なっても、その岩を実際に見ておきたいとの思いで、クラブツーリズムの「テーマのある旅」のツアーに参加し、「芭蕉と曽良が二人旅でニ-ニー蝉の声を聴き、芭蕉ならではの感性で『閑さや』の名句が生まれたのだ」と、一応納得しましたが、毛越寺にお参りする時間がなかったので、来年の夏(蝉の鳴く頃)にもう一度平泉や山寺など岩手県や山形県の観光地をゆっくり訪ね吟行したいと思います。

   

慌ただしいツアーで閑さを詠むのは難しく、月並みの凡人俳句ですが、「俳句は好き好き」と、思いつくままにブログ用にまんぽ俳句を口遊みました。

     

秋茜芭蕉と曽良の座像に来 

小鳥来る芭蕉と曽良の座像かな 

秋茜」(=赤とんぼ)や「小鳥来る」は取合せのしやすい秋の季語です。

    

蝉塚に暫し憩ふや秋茜

「秋茜」は「赤蜻蛉」のことですが、「冬茜」は「冬夕焼」のことです。

   

縁石に躓き転ぶや秋の山 

五大堂へ行く断崖の石畳の道は狭いので、スマホ写真を撮りながら後退りをして道を譲ったところ、縁石に踵が躓き仰向けに倒れましたが、どなたかに引き起こして頂き、幸いなことに怪我をせず、駄句を口遊みました。 

 

根本中堂でお祈りをしていたお陰か怪我をしませんでしたが、縁石の傍に雨水溝の水を落とす穴があり、危ない所でした。 

 

この拙句は中七が字余りの「5・8・5」の破調です。

ここをクリック(タップ)して「著名な俳人の『字余りの俳句』の鑑賞」をご覧下さい。

  

初紅葉仰げば岩の大蛙    

        

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掲句は、「初紅葉だ」と、仁王門を見上げた時に蛙の口に似た大岩が見えたので、ブログ用に詠んだ即興句ですが、この奇岩は見方を変えると、片目の猫に見えます。

(写真をタップ拡大してご覧下さい。)

   

  

石磴を上る千段天高し

俳聖を偲び千段秋の夏

奥の院詣でし汗や初紅葉

薄黄葉背にしたる奥の院

山寺に詣でし昼餉芋煮蕎麦

       薫風士

   

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「秋の夏」は当日の秋晴れの「夏日」を表現した造語です。

「背」は「そびら」と、「5・7・5」のリズムで読んで下さい

        

  

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芋煮は山形の特産だけの美味しさがありました!

お暇があれば写真をタップ拡大して疑似吟行をして頂けると幸いです。

 

最新の俳句や英語俳句の記事は、青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップしてご覧下さい。

   

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2023年10月11日 (水)

「客観写生」と「花鳥諷詠」の違い

  

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冒頭の写真は、花鳥2024年8月号(P54~55)「紙ふうせん」の記事ですが、薫風士がネット俳句交流の誘いをしています

   

2番目の写真は、花鳥2023年11月号の「花鳥徒然」の記事(薫風士の投稿)です。

タップ拡大してご一読下さい。

    

高浜虚子は、自由にものが言えない戦時中の俳句では「客観写生」を唱道し、戦後自由にものが言えるようになると、「花鳥諷詠」を推奨したのだろうと推測していましたがウイキペディアには次の解説があり、両者の違いについて明確な定義は無いようです。

  

「花鳥諷詠」は1928年4月21日の「大阪毎日新聞」の講演会で提唱された。「花鳥」は季題の花鳥風月のことで、「諷詠」は調子を整えて詠う意味である[注 1]  

一般に「花鳥風月」といえば「自然諷詠」の意味になるが、虚子によれば「春夏秋冬四時の移り変りに依って起る自然界の現象、並にそれに伴ふ人事界の現象を諷詠するの謂(いい)であります」(『虚子句集』)と「人事」も含めている。この「花鳥諷詠」は「ホトトギス」(俳誌)の理念であるが、それまで主張していた「客観写生」との関係は必ずしも明らかではない。虚子は終生この主張を変えることなく繰り返したが、理論的な展開は示さなかった。

 (以下省略)

    

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この写真は、人と自然の博物館のイベントのパンフレットと新館の軒からの眺めです。

 

ひとはく」(兵庫県立人と自然の博物館)の新館の軒にある鎖樋が秋雨に奏でる音を聴きながら「まんぽ俳句」を口遊み、冒頭の写真を見ながら拙句を推敲していて、ふと客観写生と花鳥諷詠のことを考えました。  

   

(A. 客観写生)

秋雨の旋律奏づ鎖樋

  

(B. 花鳥諷詠)

秋雨の旋律愛づや鎖樋

   

掲句について、「Aは客観写生であり、Bは花鳥諷詠である」と言えるのではないでしょうか?

 

客観写生をして、感じたことや思ったことを俳句に詠み込めば、それが花鳥諷詠だと思います。

「俳句 365 haiku」をご覧下さい。

   

最新の俳句や英語俳句の記事は、青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップしてご覧下さい。

    

2023年8月30日 (水)

「盆の月」に祈ること

  

八月尽何の兆しか宵の空

       (薫風士)

    

ウラジスラバ - シモノバさんの俳句を読んで思ったことを書きました。

  

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(写真)

8月31日の満月

   

  

空の雲の模様が「四季の雲(写真・俳句)《早春・春の雲》」の空に似て、何かが対峙して噛み合っているかのようにも見えます。

    

30日の「盆の月」は曇りで見えなかったので、31日の満月を愛で、世界の平和を祈りましたが、ウクライナ戦争の終結の兆しはありません。
  

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日本経済新聞電子版8月27日付の「春秋」(写真参照)に、ウラジスラバ・シモノバさんの俳句が次のとおり引用されていました。

  

真っ青な空がミサイル落としけり

  

シモノバさんのウクライナ語俳句の翻訳の「空がミサイルを落とす」という表現は腑に落ちません。

ミサイルを落とすのは空ではなく、人間です。  

次の仮想俳句や川柳に込める薫風士の思いを世界の人々がシェアしてくれることを祈っています。

   

ミサイルの打ち止めならず盆の月      

        (俳句)

 

月面へ覇権争い持ち込むな

        (川柳)

月面や月の資源の権益については、「宇宙条約」が適用されるのでしょうが、国際条約が反故にされることが無いことを祈っています

        

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写真は、日本伝統俳句協会のカレンダー8月後半部分です。

   

写真をタップ拡大すると、掲載の俳句をご覧になれます。

     

   

  

チュヌの便り」として2014年に掲載を始めた薫風士のブログは、2018年にチュヌが亡くなったのを契機に、ブログの名称を「俳句HAIKU」に変え

キャッチフレーズを

俳句を通じて世界平和を! 

World peace through HAIKU!   

故郷を『まんぽ俳句』で元気に、

未来へ繋ごう!

に改めました。

   

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(写真)

俳句HAIKUのアクセス累計

「チュヌの便り」~「俳句HAIKU」の10年間のアクセス累計は、お陰様で8月30日(盆の月)に百万件の大台にのりました。

    

ブログ用の川柳擬きの拙句をご笑覧下さい。    

  

満月やチュヌにアクセス百万に

百万のアクセス謝すや盆の月

盆の月馳せる思ひはウクライナ

月面へ競ふ先着盆の月

盆の月憂ふ未来の宇宙戦

満月や慈悲の心を月面へ

恙無き白寿目指すや盆の月

         (薫風士)

  

ここをクリック(タップ)して、「花祭《21世紀の宗教・世界平和を考える》」をご一読下さい。

   

歳時記(俳誌のサロン)から「盆の月」の例句を気の向くままに抜粋・掲載させて頂きます。

青色文字(季語)をタップして、例句の詳細をご覧下さい。

  

盆の月1 

本音述べ後悔もあり盆の月

        (後藤とみ子)

  

盆の月2

戦前派戦中派老い盆の月

       (吉田多美)

  

盆の月3

話したきことの溢るる盆の月

       (一民江)

    

最新の俳句や英語俳句の記事は、青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップしてご覧下さい。

     

2023年8月26日 (土)

西瓜食み馳せる思ひやウクライナ

     

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(写真)

親戚がくれた暑中見舞い状と、

鴉か何かに食われた無惨な西瓜

     

8月23日の「処暑」が過ぎても、残暑とは言いがたい猛烈な暑さが続いています。

  

残暑お見舞い申し上げます

 

ロシア軍がウクライナ侵攻を始めてから1年半が経ちましたが、停戦の気配はありません。

  

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タイトルは、ウクライナ戦争の終結を祈りつつ詠んだ、ウクライナ応援のブログ記事用の拙句です。

  

   

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先日、日本経済新聞電子版8月27日付の「春秋」のコピー(写真参照)を後輩が送って呉れました 

その記事に、ウラジスラバ・シモノバさんの俳句が次のとおり引用されていました。

  

真っ青な空がミサイル落としけり

 

この俳句はシモノバさんがウクライナ語で詠んだ俳句の翻訳でしょうが、「空がミサイルを落とす」という表現は腑に落ちません。

ミサイルを落とすのは空ではなく、人間です。

自然現象は止めることが出来ませんが、人間のすることは止めることが出来ます

 

この点を認識して原句が作られたのかどうか、ウクライナ語は知らないので、英語訳があれば是非それを見て確認したいものです

     

梅東風や届け世界にこの思ひ」が令和の人々の目の黒いうちに実現するとは思えませんが、その平和の祈りは、俳句を通じて続けることによって世界の人々にシェアして頂き、未来へつながれることを願っています。

  

青色の文字をタップして、リンク記事をご覧下さい。 

  

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事のタイトルが表示され、この「俳句HAIKU」をタップすると最新の全ての記事のタイトルが表示されます。

    

 

2023年8月19日 (土)

俳句の日季語を活かして句に遊ぶ

  

八月や季語を活かしてこそ俳句

  

タイトルや掲句はブログ記事用の川柳擬きの拙句ですが、俳句は季語やリズムを活かしてこそ俳句の良さがあるのではないでしょうか

819日は「俳句の日」とされていますが、正岡子規の忌日は9月19日ですから、「句育」と語呂合わせをして、「俳句の日」~「子規忌」を「平和の俳句月間」とし、「俳句を通じて世界平和を」の運動を推進して欲しいものです。   

八月の俳句に思うこと」や「終戦記念日の俳句に思うこと」をご覧下さい。

(青色の文字をクリックすると、その記事をご覧になれます。)

   

インターネットを検索していると、民間出身の初代宮内庁長官だった田島道治(たじま・みちじ)が書いた「昭和天皇拝謁記」の概要を紹介する記事が「文春オンライン」にありました。

その一部分を抜粋掲載させて頂きます。

(この記事は削除されたのか、詳細をご覧頂くことが出来ません。ここをクリックして、NHK NEWS WEB の記事「昭和天皇拝謁記」をご覧下さい。)

  

「・・・・、開戦を命令した宣戦の詔勅であるが、本当は平和裡に解決して欲しいけれどもやむなく開戦に至ったのであるという文言こそ、自分の意思なのだと天皇は強調していた。それも理解せずに自分の退位を請願するような老人の主張はおかしいと田島に愚痴をこぼしたのである。 

しかし田島は、天皇の命令が下されたならば必ず謹んで従う(つまり戦争をすることが当然と受け止める)し、そもそも「朕が志ならんや」は日清・日露戦争の宣戦の詔勅でもあった常套句で、そうは受け止めないのが普通であると答えた。このあたり、民間出身の田島らしい返答でもあろう。必ずしも昭和天皇におもねるような答えを返すのではなく、正直に思うことを述べたのである。(以下省略)」

  

コミュニケーションの難しさをあらためて感じましたが、「大寒の俳句(コロナ禍国際同盟に思うこと)」や「季語・季題が大寒の俳句を集めました」、天皇誕生日の俳句に思うこと」、「夏祭り最後を飾る揚げ花火」などをご覧頂き、薫風士の思いをシェアして頂けると幸いです。

「ロ-マは一日にして成らず」「ちりも積もれば山となる」「さざれ石の苔のむすまで」

という思いで、世界平和を祈りながら、健康長寿を目指して「俳句HAIKU 」の記事を書いています。

  

最新の俳句や英語俳句の記事は、青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップしてご覧下さい。

この「俳句HAIKU」をタップすると最新の全ての記事をご覧になれます。

     

2023年6月20日 (火)

五月雨《三輪明神窯史跡園を訪ねて》

   

P.S. 2023.10.14)

米寿祝ぐ三田青磁や富士の山 

        (薫風士)

三田青磁の手作りの富士山を手作りの庭の日本列島に置き、米寿のお祝いの「まんぽ俳句会」をするのが夢です。

     

(2023.6.20の記事)

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冒頭の写真は三田三輪明神窯史跡園のパンフレットの一部分です。

 

秋に開催する仲間の吟行の事前確認のために梅雨の晴れ間に三輪明神窯跡園を訪ねたところ、係の方が史跡園などの説明を丁寧にしてくれて、三輪神社に通ずる小道の案内もしてくれました。

俄雨(にわか雨)が上がるまでの雨宿り中に展示品を見ながら三田青磁の詳しい説明を聞くことができて非常に有意義でした。

  

五月雨や青磁史聞きつ雨宿り

五月雨や三輪明神の加護祈る

五月雨虹故郷偲びけり

          (薫風士)

    

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「五月雨」は、「さみだれ」か「さつきあめ」か、いずれかに、俳句の定型リズム「5・7・5」にして詠んで(読んで)下さい

  

   

写真をタップ拡大してご覧になると、三輪明神窯跡園の一端がわかるでしょう。

   

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧になれます。

  

2023年5月 8日 (月)

コロナ禍も余生を生きて花は葉に

  

(2025.5.8 更新)
花は葉にソフトパワーの師の逝きて

   

芦屋から希望の丘へ花は葉に

初夏句碑巡りせむ句を口に

句に遊び平和を愛づや花は葉に

葉桜や平和ありての句を口に

口遊まん平和の祈り花は葉に

 「口遊まん」は「くちずさまん」と読み、「口ずさもう」と解釈して下さい

      薫風士

  

俳句はかく解釈しかく味う  

        高浜虚子)

   

青色文字をクリック(タップ)してリンク記事をご覧頂けると幸いです。

     

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これらの写真は、武庫川の葉桜の風景と「希望の丘 句碑園」のパンフレットの一部分です。

  

   

   

   

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事のタイトルが表示され、この「俳句HAIKU」をタップすると最新の全ての記事のタイトルが表示されます。

  

2023年4月28日 (金)

《たんぽぽ・蒲公英・タンポポ》俳句鑑賞

  

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冒頭の写真の黄色い花は、彼方此方で見かけますが、タンポポでしょうか? 

オオキンケイギクでしょうか

  

 

蒲公英は春の季語ですが、この茎の細長い冒頭の写真と同じ種類の花は、夏至の日(6月21日)ゴルフ場のカート径の傍に咲いていました。

    

この花は蒲公英なりや黄の盛り

蒲公英や句友誘ひまんぽの句

たんぽぽの花は最後かまんぽ道

     (薫風士)

 

「誘ひ」は「いざない」と詩的に読んで下さい。

「さそい」と読むと、字足らずになりますので、例えば、「句友を誘ひ」として、中七のリズムを整える必要がありますが、散文的になります。

 

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歳時記(俳誌のサロン)から「たんぽぽ・蒲公英」の例句を気の向くままに抜粋・掲載させて頂きます。

例句の詳細は青色文字(季語)をクリック(タップ)してご覧下さい。

    

   

たんぽぽ1

たんぽぽや転び上手に子が遊び

     (佐野美恵子)

 

たんぽぽ2

たんぽぽや上手に乗れる一輪車

       (土橋柚花)

  

たんぽぽ3

たんぽぽや野をとほりゆく笑ひ声

       (浜田はるみ)

 

たんぽぽ4

たんぽぽの絮吹き心決りけり

       (立石萌木)

 

たんぽぽ5

たんぽぽに正午の日差し池に亀

      (きくちきみえ)

 

たんぽぽ6

タンポポの返り咲きたる白秋忌

       (藤井美晴)

  

たんぽぽ7

たんぽぽが主役脇役いぬふぐり

       (松田泰子)

  

蒲公英1

車椅子起つや蒲公英まで数歩

       (井上春子)

  

蒲公英2

蒲公英や毅然と歩くレトリバー

       (伊藤美緒)

   

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写真は先日放映された「NHK俳句」のTV画面の一部分です。

  

「それが今ならば蒲公英を棺に」という俳句について、選者の夏井いつき先生は「今死ぬとすれば」と作者が自分自身の死を想定して詠んだ俳句と解釈して解説していました。

その通りかも知れませんが、「タンポポが好きだった夭逝の人子供を偲んで詠んだのかも知れない」、「この俳句は破調であるが、破調にする必然性があるのか? 5・7・5の定型で読む方が良いのではないか?、「選者受け」を狙った単なる小手先の創作俳句ではないか?、etc.

「この俳句は詠み人次第・読み人次第」の一例になると、ふと思いました。

    

たんぽぽのぽぽと絮毛のたちにけり

       (加藤楸邨)

   

たんぽぽのぽぽのあたりが火事ですよ

       (坪内稔典)

 

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2023年4月17日 (月)

花鳥七百号記念大会•坊城中子お別れ会に参加して


 

漕ぎ終へし重き櫓櫂や星流る

        (薫風士)

  

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掲句は、高浜虚子が長男高浜年尾の長女(故坊城中子)の興健女子専門学校(聖路加看護学院の前身)受験の際の餞(はなむけ)に詠んだ俳句「春潮にたとひ櫓櫂は重くとも」の本歌取りとして詠んだ拙句ですが、期待通り事前投句の坊城俊樹選に入選しました。

   

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409_185402コロナ禍の行動制限が解除されて、2023年4月9日に待望の花鳥七百号記念大会と坊城中子(2021.8.16逝去、享年93歳)お別れ会が東京の富岡八幡宮婚儀殿で開催され、参加しました。

    

残花愛で七百号の花鳥祝ぐ

  

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この拙句は当日投句の入選句です。

  

   

「祝ぐ」は「ほぐ」と読んで下さい。

  

   

当日の俳句大会の選者は、ゲスト選者3氏(稲畑廣太郎•井上泰至•星野高士)と坊城俊樹主宰•岡田順子副主宰の5氏でした。  

参加者の投句と選句は各3句でしたが、1句でも入選したことは幸いでした。  

事前投句の入選句集の一部分と当日の句会や懇親会の写真など、タップ拡大してご覧下さい。  

             

句会終へ句友と惜しむ春の宴

          (薫風士)

  

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正岡子規は下戸だったようですが、懇親会の選者のテーブルに置かれたお酒の瓶をみると、「どの選者が下戸か酒豪か分かる」と愚考しています。

 

  

一つ根に離れ浮く葉や春の水

       (高浜虚子)

  

水は命の源泉です

古壺新酒(ここしんしゅ)」という高浜虚子の言葉の通り、先生方が令和の俳句界を牽引されることを願っています。

    

句に遊び茶寿も祝ぎたし新酒酌む

       (薫風士) 

      
409_183821花鳥6百号記念大会の際にゲストとして参加された有馬明人氏や稲畑汀子さん、黒田杏子さんなど著名な方々は亡くなられ、若い世代の俳句への関心がかって程なく、俳句は川柳程人気が無い現状を考えると、俳句界の将来が危惧されますが、まんぽ俳句を口ずさみ、心身の健康を維持して、花鳥8百号記念大会が開催される将来に備えたいと思っています。

  

句心を子等に繋がむ蝌蚪の紐

 

蝌蚪の紐(かとのひも)」は、蛙の卵の意味ですが、花鳥の吟行に初めて参加した際に中子師から教わった思い出深い春の季語です。

 

この池の生生流転蝌蚪の紐

      (高浜虚子)

  

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(写真)

日本伝統俳句協会8月のカレンダーの一部分  

坊城俊樹花鳥主宰の俳句が掲載されています。

タップ・拡大してご覧下さい。

      

若い世代の方々が花鳥や花鳥諷詠に参加してくれると嬉しいですが、特定の結社に属さなくとも、多くの方々がそれぞれの「まんぽ俳句」を口ずさみ、俳句人口の裾野が広がることを願いつつ、「俳句HAIKU 」の記事を書いています。 

  

この記事は、「ヨイクの日」(4月19日)にゴルフをして仲間と雑談した時に得たヒントにより見直しました。

写真をタップ拡大したり、青色文字をクリックしてリンク記事をご覧頂くと、面白さが倍増するでしょう。

    

我が命妻の料理に支えられ

幸せよ世界遺産を日々食って

  

上記の2句は仲間の川柳句会で高得点を取った薫風士の川柳です。   

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写真の弁当は、胃の無い老躯にもなかなか美味しく、三無さんのご配慮に感謝しながら隅田川藤棚の下でも頂きました。 

    

  

色紙の写真は参加者として頂いた坊城俊樹主宰のミニ色紙です。 

 

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観光立国を目指しているからには、電線の地下ケーブル化を促進してほしいものです

 

この記事が読者の何らかのヒントになれば幸いです

  

  

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事のタイトルが表示され、この「俳句HAIKU」をタップすると最新の全ての記事のタイトルが表示されます。

  

2023年4月15日 (土)

人と船往来のどか隅田川

  

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2023年4月9日に開催された「花鳥7百号記念大会坊城中子お別れ会」に参加した翌日、隅田川沿いの「俳句の散歩道」などを散策し、藤棚の下で弁当を食べ、大川の春を満喫しました。

タイトルはブログ用の拙句です。

まんぽ俳句と写真を掲載します。

写真はタップ拡大してご覧下さい。

  

異邦人俳句の道の春を愛で

煌めくや鳩も愛でゐる春の川

麗かや俳句の道を愛犬と

大河辺足の早きは新社員

河辺りを新入社員シャツ姿

春風や河辺の椅子にごろ寝人

縄跳び女彼方に春のスカイツリー

春光の大川辺りに縄跳び女

のどけしや大川辺の太極拳

春光のジョガー行き交ふ大川辺

隅田川春の釣り人何釣るや

藤棚の香に愛づ弁当缶ビール

満喫せり春の東京隅田川

  

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「和文俳句」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

  

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2023年4月13日 (木)

麗かやスカイツリーを撮り漫歩

    

タイトルはブログ用の拙句です。

春の季語を使って「スカイツリー」(6音)の俳句にチャレンジし、まんぽ俳句を詠みました。 

  

花鳥700号記念大会坊城中子お別れ会に参加するために上京して、泊まったKKRホテル東京の窓に見えたスカイツリー隅田川沿いの散歩に見えたスカイツリーの写真や拙句を掲載します。

  

春の夜のスカイツリーや宿の窓

星朧スカイツリーはくっきりと

春の宿カーテン開けばスカイツリー

春暁のホテルの窓のスカイツリー

暖かしスカイツリーの見ゆる宿

スカイツリー見渡す宿の春の窓

風光るビルの彼方にスカイツリー

スカイツリービルの彼方に朧なる

スカイツリー春の大川より望む

春光やスカイツリーを望む河

スカイツリー春の大川煌めきて

藤棚の蔓花越しにスカイツリー

春の釣りスカイツリーの見ゆる河

釣り人やスカイツリーは朧なる

藤の蔓スカイツリーを釣るが如

朧なるスカイツリーを苦吟せり

  

字数の多いスカイツリーの句作にチャレンジしました。

貴方も遊び心で俳句にチャレンジしませんか?

写真はタップ拡大してご覧下さい。

 

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧になれます。

   

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2023年3月29日 (水)

俳句《卒業・卒園・卒業式》

 

青春の抱負を述べて卒業す

一浪生卒業運に恵まれし

卒業式我が琴線に触れし弁

村長の熱弁胸に卒業す

  

卒業や師の思ひ出のこもごもに

卒業や次の一歩を考へて

卒業や数多の視点チェックして

卒業や宇宙の視点身につけて

世界への飛躍を夢に卒業す

この道に進むと決めて卒業す

  

卒業や終活就活我と孫

卒業や終活の道まん歩せむ

ここをクリック(タップ)して、「まんぽ俳句を楽しもう!」をご覧下さい。

 

閉校とて卒業の門訪ねしも

老ひ集ふ卒業の門今無くも

 

思ひ出の卒業式や我が答辞

卒業式人それぞれの思出に

卒業式マスクをしたる晴れ姿

卒園や親子の思ひこもごもに

インフルエンザ卒業式に孫休む     

         (薫風士

  

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この写真は来年に閉校される母校(小学校)の校歌ですが、幹事さんの計らいで還暦祝ひの同級会で校歌の額を寄贈したようです。

 

閉校後も新しい環境で子供達が健やかに成長して、将来「俳句HAIKU」をフォローして、俳句愛好家の平和への思いを繋いでくれると、嬉しいです。 

     

歳時記(俳誌のサロン)から気の向くままに例句を抜粋・掲載させて頂きます。

  

(卒業1

花束の混んでロビーは卒業期

      (鴛尾敏子)

 

卒業2

卒業子一人送りて廃校に

     (荻島雪子)

  

卒業3

スカートの最後の寝圧し卒業す

     (奥田茶茶)

 

(卒業4

卒業生起立そろひて二人なる

      (西村梛子)

 

卒業5

連山の峰くつきりと卒業日

       (瀬口ゆみ子)

 

卒業6

大き夢抱きて吾子の卒業す

      (青野安佐子)

 

卒業7

吾子もまたガウンに帽子卒業す

       (岡村彩里)

 

卒業8

卒業や校歌の山に登りもし

      (升田ヤス子)

 

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事のタイトルが表示され、この「俳句HAIKU」をタップすると最新の全ての記事のタイトルが表示されます。

   

2023年3月10日 (金)

日々の散歩に5-7-5《まんぽ俳句3月》

   

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まんぽ俳句」とは、「散歩」を「万步」や「漫歩・漫遊」などの掛詞にした薫風士の造語です

  

「俳句は好き好き」と割りきって、健康長寿を目指して、まんぽ俳句を口ずさんでいます。  

      

頼もしき無邪気な幼春の園

春浅き家路の子らの声元気

春めくや老の感慨一入に

まん步にはマスク忘るな花粉症

庭隅に植ゑし球根芽を出しぬ

不死鳥に剪定したる垣根杉

杉垣根花粉は嫌と花芽切る

小さくとも松竹梅あり庭の春

  

朝日さす舗装工事や暖かし

3.11の今日は夏日になるところもあるそうです。

福島の復興が未来志向で促進されることを祈っています。

      (薫風士)

 

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俳句HAIKUの最新の記事を見るには、この青色文字の俳句HAIKUをタップして下さい

  

   

2023年2月 6日 (月)

Haiku of Bashō (芭蕉300句の英訳 178/300)《山吹》

  

山吹や宇治の焙炉の匂ふ時

(yamabuki-ya uji-no-hoiro-no niou-toki)

  

Japanese rose blossoms_

the time for driers of tea-leaves

to scent at Uji

2022年12月14日 (水)

「猿回し」《季語とは何か》

 
221214写真は、「カラー図説 日本大歳時記」の1981年発行「猿回し」の解説ページです。

タップ拡大してご覧下さい。

   

ウイキペディアによると、猿回しは、「4500年前のメソポタミア文明に職業としてあったが、日本には奈良時代に中国から伝わり」、「昭和30年代(1955年 - 1964年)にいったん絶滅した[6]」が、「1978年(昭和53年)に周防猿まわしの会が猿まわしを復活させ、現在は再び人気芸能となっている。」とのことです。

 

正月の行事(牛馬の厄払い)として行われた「猿回し」は、現在では本来の宗教的行事ではなく「大道芸」として親しまれていますから、選者の選句で「猿回し」を「正月の季語」として厳密に適用されると違和感があります。

 

松尾芭蕉は「不易流行(ふえきりゅうこう)と言い、高浜虚子は「古壺新酒(ここしんしゅ)と言っています。

  

「季語」は古い歳時記の分類に捉われず、弾力的に運用すれば良いでしょう。

  

健康長寿の俳句をエンジョイするためには、「正月」でなくとも、「季重なり」になっても、あまり気にせず、実際の猿回しの情景を素直に詠んで句作を楽しめば良いと思っています。

   

猿曳やアナクロ専制如何にせむ

         (薫風士

  

掲句は川柳擬き・俳句擬きのブログ用俳句ですが、「歳時記(俳誌のサロン)」などから「猿回し」の「季重なり」の例句を気の向くままに抜粋・掲載させて頂きます。

例句の詳細は青色文字をタップ(クリック)してご覧下さい。

   

歳時記

花吹雪人だかりして猿廻し 

        (松沢久子)

  

梅の下掛声高き猿回し 

       (古川さかえ)

   

秋日和猿回しゐる天満宮 

       (長濱順子) 

   

曳猿の空を見てゐる梅白し 

      (宇都宮敦子)

  

先日句友と「道の駅 神戸フルーツフラワーパーク大沢」にて吟行し、日記代わりに詠んだ猿回しの拙句と写真を掲載します。

  

2022年12月17日(土)18日(日)には、神戸モンキーズ劇場にて特別公演(手話を取り入れた猿まわしショー)をするとのことですが、機会があれば夜のイルミネーションに吟行をしたいと思っています。

   

日溜まりに人待ち顔の猿回し

猿回し電飾用の馬像背に

句材にと話しかけたる猿回し

佳い句をと祈って呉れし猿回し

猿回し八艘飛びを十八番(おはこ)とし

しくじりも演技の一つ猿回し

曳猿のお辞儀頭を地に付けり

猿曳の弁舌に乗り笊へ札

さよならの手振り合はすや猿回し

曳猿の齢は幾つ幸祈る

     

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ここをクリックして

「マイちゃん」の八艘飛びの動画をご覧下さい。

(動画は句友が撮ってくれたものです。)

  

        

青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

       

2022年10月 7日 (金)

京都・秋の旅《大徳寺吟行》

  

10月3日に、洛北・紫野にある大徳寺(臨済宗大徳寺派の大本山)を拝観しましたが、「黄梅院」と「興臨院」の院内は撮影禁止だったので、残念ながら受付近辺の庭の写真しか撮れませんでした。

  

拙句と本坊庭園のスマホ写真を若干掲載します。 

       

色変へず金毛閣を囲む松

朱に聳る金毛閣や天高し

花頭窓見やる小径や初紅葉

石庭の細波白し秋高し

裏庭の澄みし水音禅寺かな

悠然と禅寺の庭の秋の鯉

黄梅院直中庭の秋高し

禅寺の瓢箪池秋の声

      

掲句の「禅寺」は、「ぜんじ」や「ぜんでら」と、「5-7-5」のリズムにしてお読み下さい

  

下記の青色文字のタイトルをタップ(クリック)して公式ホームページなどをご覧下さい。

  

ふらふら京都散歩(興臨院

 

大徳寺紅梅院直中庭と茶室「一枝庵

 

ぶらり京都-97 [大徳寺・利休の三門] -金毛閣-

 

京都のお寺探訪 13(大徳寺

 

四季の吟行《京都

  

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2022年9月30日 (金)

秋蝶・秋の蝶 (写真と俳句)

  

葉の色に羽を染め舞ふ秋の蝶

遠目には枯れ葉の如く秋の蝶

秋の蝶サッシの黒に紛れけり

秋の蝶花に見せかけ蜜を吸ふ

コスモスの花に見紛ふ秋の蝶

秋の蝶寒露を過ぎて尚元気

秋の蝶睦合ひつつ飛び行きぬ

      (薫風士)

  

(2024.10.10 更新)

写真を撮れと言わんばかりに親し気に寄って来た秋蝶の写真を追加しました。

   

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吾庭には、蝶が何処かに潜んで住み着いているようですが、「蝶の昼」には、大小合わせて2,3種類の秋の蝶が舞っています。

   

  

   

   

   

  

   

黒蝶だと思っていた蝶が、留まる場所によって壁の色やカーテンなどの色に合わせて保護色に変色していることに気付きました。
  

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手作りの庭のテラスで休んでいると黒蝶が親し気に目の前を舞って、フラーワーボックスのペチュニア花の蜜を吸い始めました。

    

          

庭を愛でテラスに座せば秋蝶來

秋の蝶これ見よ見よと舞ひ変化

撮れ撮れと親し気に舞ひ秋の蝶

秋蝶の舞ふごと擬態変化して

       (薫風士

   

掲句は秋蝶の舞う情景をありのまま・感じたままに詠んだ拙句ですが、見たまま詠めば「客観写生」、感じたままに詠めば「花鳥諷詠」だろうと、高浜虚子の唱道した客観写生・花鳥風詠を自分なりに解釈し、「まんぽ俳句」をエンジョイしています。

   

高浜虚子は、自由に物を言えない時代には「客観写生」を唱道し、自由に物を言える時代になれば「花鳥諷詠」を唱道したのではないでしょうか

  

俳句談義(5):戦時中の高浜虚子・文芸家としての良心」をご覧下さい。

  

歳時記(俳誌のサロン)から気の向くままにの例句を抜粋・掲載させて頂きます。

例句の詳細は青色文字(季語)をクリック(タップ)して、ご覧下さい。

     

秋蝶1

秋蝶の隠れ上手や晶子の碑 

      (柴田久子)

  

秋蝶2  

秋蝶の睦み合へるも風のまま 

       (松田泰子)

    

秋の蝶1
行く我をひとめぐりして秋の蝶    

       (星野立子)

 

秋の蝶2

わが庭をよるべとしたる秋の蝶 

        (稲畑汀子)

  

秋の蝶3

舞ひ落つる色葉と見ゆる秋の蝶 

         (菅原孟)

 

秋の蝶4

小流れの続く野の道秋の蝶 

         (岡淑子)

 

秋の蝶5

秋の蝶吹かるるままに紛れけり 

        (稲畑汀子)

     

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写真をタップ拡大すると、画面左上隅に蝶が「秋の蝶吹かるるままに紛れけり」の上記例句のとおり、紛らわしく留まっているのが見えますが、最後の写真は上部中程に枯れ葉に留まっている蝶がぼんやり見えます。

   

ここをクリック(タップ)して、「冬の蝶」の俳句をご覧下さい

    

青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

   

2022年9月15日 (木)

兵庫陶芸美術館・登り窯吟行(俳句と写真)

    

写真俳句《旅の思い出》を作ろう! 

 

故郷を「まんぽ俳句」で元気に、未来に繋ごう

      

(P.S. 2024.11.11)

「九谷焼《赤絵の極致》吟行」をご覧下さい。

   

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写真は、4ch.TVの一画面です。 

  

故郷の繁栄福島の復興を祈っています

  

(2022.9.15の記事)   

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9月10日から開催されている兵庫陶芸美術館のルネ・ラリック展を俳句仲間と見に行き、登り窯の吟行やランチをエンジョイしました    

         

   

   

    

水澄む陶モニュメント映ゆる池

爽やかやルネ・ラリックのガラス展

秋色の花柄の皿陶器展

受付の冷房効くや祝電板

アベマキの古木に宿る実南天

実南天宿る神木五百歳

神木の黄葉し守るや窯幾代

秋暑し穴塞がれし登窯

裾分の林檎も愛でて句座の昼

段菊を愛でつ昼餉や虚空蔵

丹波路の虚空蔵山薄紅葉

       薫風士

   

この青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

  

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2022年9月 4日 (日)

著名俳人の「季重なり」俳句集

  

2022年は「敬老の日」が9月19日となり、「子規忌・獺祭忌」と重なりました  

「季重なり」の俳句が「名句」か「迷句」か、よく議論になりますが、「論より証拠」、気の向くままに著名俳人の「季重なり」の俳句を集めました。

   

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(写真)

日本伝統俳句協会9月のカレンダー

   

(写真はタップ拡大できます。)

  

   

        

著名俳人の「季重なり」の俳句を気の向くままに掲載します。

   

松尾芭蕉・1644~1694)  

 

春や来し年や行きけん小晦日   

鶴の毛の黒き衣や花の雲

         

「小晦日」は「こつごもり」と読み、「冬の季語」です。

「鶴」は「冬の季語」ですが、「花の雲」が季語として主でしょう。

   

与謝蕪村・1716~1784

 菜の花や月は東に日は西に

 寒月や門なき寺の天高し 

「菜の花」は春の季語、「月」は秋の季語です。

寒月」は「冬の季語」、「天高し」は「秋の季語」です。

    

正岡子規・1867~1902

運動会の旗あちこちす春の山 

夕月に大根洗ふ流かな         

運動会」は「秋の季語」ですが、「春の山」が主な季語でしょう。

月」は秋の季語ですが、「大根」は冬の季語です。

      

高浜虚子・1874~1959

鴨の嘴よりたらたらと春の泥

朝顔の映り熱帯魚は沈む          

「鴨」は「冬の季語」ですが、「春の泥」が季語として主でしょう。

朝顔」も「熱帯魚」も「夏の季語」です。

国際俳句交流協会の「高浜虚子の俳句をバイリンガルで楽しもう!」には掲句の他にも「季重なり」の例句があります。

   

種田山頭火・1882~1940

雪かぎりなしぬかづけば雪ふりしきる

夕立が洗つていつた茄子をもぐ

」の俳句は、「冬の季語」が二つあり、破調「7・5・7」の自由律俳句です。

夕立」も「茄子」も「夏の季語」です。

   

中村草田男・1901~1983

手の薔薇に蜂来れば我王の如し

宵月のやがて大根の葉に照りぬ          

薔薇」も「」も「夏の季語」です。

月」は「秋の季語」、「大根」は「冬の季語」です。

   

水原秋櫻子・1892~19081

谷深くうぐいす鳴けり夕霞

啄木鳥や落葉をいそぐ牧の木々         

うぐいす)」も「」も「春の季語」です。

「啄木鳥」は「秋の季語」、「落葉」は「冬の季語」です。

   

星野立子・1903~1984

美しき緑走れり夏料理 

障子しめて四方の紅葉を感じをり   

「障子」は「冬の季語」、「紅葉」は「秋の季語」です。          

「緑」も「夏料理」も「夏の季語」です。

言語の壁を破るチャレンジ(6)《夏料理》」をご覧下さい。

   

金子兜太・1919~2018

霧に白鳥白鳥に霧というべきか

流れ星蚊帳を刺すかに流れけり           

「霧」は「秋の季語」、「白鳥」は「冬の季語」です。

「流れ星」は「秋の季語」、「蚊帳」は「夏の季語」です。

コロナ禍の俳句鑑賞《流星》」をご覧下さい。

   

稲畑汀子・1931~2022

桜よりはじまつてゐる初紅葉 

苗代寒さそへる雨となりにけり           

「苗代寒」は、現代俳句協会「現代俳句データベース」によると、「春の季語」です。

この俳句は、切れを「苗代」と「寒さ」の間に入れて読むと句意が明瞭ですが、「苗代」は「春の季語」、「寒さ」は「冬の季語」です。

「桜」は「春の季語」、「初紅葉」は「秋の季語」です。

俳句の鑑賞 《初紅葉・薄紅葉》」をご覧下さい。

          

鷹羽狩行・1930~

稲刈りの進めば進む蝗かな

梅雨磧湿らぬ翅の蝶をのせ

「稲刈り」も「蝗」も秋の季語です。  

梅雨」は「夏の季語」、「蝶」は「春の季語」です。

  

岩岡中正・1948~

はくれんの落花を掃くといふ仕事

「はくれん」は、「ハクモクレン」(白木蓮)と解釈すると「春の季語」ですが、「白蓮」と解釈すれば「夏の季語」です。

「落花」は主に桜の花の落花を意味する「春の季語」です。

この俳句の場合、「白蓮の落花」と解釈すると「夏の季語」になるでしょうが、「白木蓮の落花」(春の季語)と解釈すべきでしょう。

作者は「はくれん」と平仮名で記述して、「俳句の解釈の面白さ」を狙ったと考えるのは穿ち過ぎでしょうか

  

室生犀星・1889~1962

とんぼうの腹の黄光り大暑かな           

「とんぼ」は「秋の季語」ですが、「大暑」は「夏の季語」です。

 

村上鬼城・1865~1938

小春日や石を噛み居る赤蜻蛉           

「小春日」は「冬の季語」、「赤蜻蛉」は秋の季語です。

「俳句《とんぼ・蜻蛉・秋茜・赤蜻蛉・やんま》」をご覧下さい。

   

季節の移ろいや時間の流れを詠むと、必然的に「季重なり」になります。

  

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著名俳人の掲句や写真の後に掲載した拙句などを読むと、納得して頂けるのではないでしょうか。

「季語を二つ用いた俳句はダメ」という観念に捉われている主宰やその信奉者は表現の幅を狭めて俳句をつまらなくしていると思います。

 

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真夏日に句友の呉れし林檎愛づ

カナカナの声鎮まりて法師蝉

法師蝉夕日に黙し虫の声

新涼の日暮れの漫歩虫時雨

爽やかや野分の進路遠ざかり

       (薫風士

   

「野分」は「台風」のことです。

高浜虚子の詠んだ次の俳句安倍晋三元総理大臣の国葬の是非論支持率低下の最中にある岸田総理大臣の現況や今年の出来事に当てはまると思っています。

   

人生の台風圏に今入りし

去年今年貫く棒の如きもの

年を以て巨人としたり歩み去る

時ものを解決するや春を待つ

       (高浜虚子)

   

戦時下の自由にものが言えない時代に、高浜虚子は客観写生を唱道することによって正岡子規から引き継いだ俳句の伝統を守ったと思っていますが、現在は自由に物の言える民主主義の時代です。

何事も好き好き俳句も好き好きです。

一歩踏み込んでよく考え多様性の時代の俳句をエンジョイしましょう

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それが、結果として、「俳句を通じて世界平和を!」の実現に繋がれば望外の喜びです。

   

   

青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

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2022年8月17日 (水)

「終戦記念日・墓参・盆」の俳句

    

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J-Power Groupのカレンダー8月の一部分

   

   
ひまわり」がウクライナ
国花とみなされていることを最近知りました

梅東風や届け世界にこの思ひ」をご一読下さい。

    

あれ無くば愚痴のタラたら秋の昼

  

「TOKYO 2020」の開催をワクチンの開発・普及が進み新型コロナウイルスの感染拡大の収束が期待されるまで2年間延期していたら、暗殺による安倍晋三元総理大臣の不慮の死も起こらなかったかもしれません

  

安倍晋三前総理大臣の「完全な形で開催する」という発言にもかかわらず、「オリパラ」の開催を新型コロナウイルスの感染拡大が収束するまで何故延期しないのか、マスコミもそのことに何故触れないのか、不思議に思っていますが、ゴルフ談義政治談議も「あれが無かったら」と愚痴や反省がしきりです。

  

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(写真)

TV画面を撮った写真の一部分。

NHK-TV画面そのものではありません。   

  

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ここをクリック(タップ)して、「《戦争と平和》(俳句と川柳:終戦記念日特集)」をご覧下さい  

  

   

    

(2022.8.17の記事)               

  

墓参1

家はみな杖にしら髪の墓参   

         (芭蕉)

  

(墓参2)

にぎやかに孫の先達墓参 

      (山口郁子)

      

(青色文字をタップしてリンク記事をご覧下さい。)

「終戦記念日」の8月15日頃になると恒例の如く、閣僚の靖国神社参拝が話題になります。

  

「靖国神社」は、日本を「一億玉砕」という際限のない戦争に駆り立てた戦争責任者とその犠牲者を合祀しており、軍国主義・国家主義を推進した軍閥政府によって戦意高揚のために利用され、今や日本の伝統文化や現代の民主主義と相いれない歴史的遺物となっています。

政府主催の全国戦没者追悼式」や戦没者・遺族それぞれの「お墓参り」で追悼すれば良い筈なのに、何か不足があるのでしょうか?

      

「岸田政権になって初の『終戦の日』のきのう、高市早苗経済安全保障担当相と秋葉賢也復興相の2閣僚が靖国神社に参拝した。その2日前には、西村康稔経済産業相の参拝もあった。」

(・・・中略・・・)

「犠牲者を悼むのは当然だ。しかし、靖国神社は軍国主義を支えた国家神道の中心的施設である。しかも、東京裁判戦争責任を問われたA級戦犯14人が合祀(ごうし)もされている。

 閣僚ら政治指導者の参拝は、遺族や一般の人々が手を合わせるのとは違う。日本が戦争への反省を忘れ、過去を正当化しようとしていると受けとる人がいることに思いをはせるべきだ。憲法が定める政教分離の観点からの疑義も忘れてはならない。」

(以下省略)・・・

2022816日付けWEB朝日新聞社説「閣僚靖国参拝 首相の歴史観を問う」より抜粋)

  

岸田総理大臣は「民信無くば立たず」をご存知でしょう!?!

   

萩生田光一政調会長と生稲晃子議員など、政治家と「世界平和統一家庭連合」(旧名称:「世界基督教統一神霊協会」、旧略称:「統一教会」)とのもたれ合いの関係や「旧統一教会」の名称変更当時の政府・官僚の対応などが問題になっています。 

  

萩生田氏は「適切に対応する」と言っていますが、「何が適切な対応か」、純真で善良な信者が「いじめ」の対象にされないように、安倍亜流のまやかしや保身の為ではない、政治家として責任のある公明正大な説明をする義務があるでしょう

  

政治の透明性を確保するために、NHKなどマスコミは一歩踏み込んだ取材と報道をしてほしいものです

   

この「旧統一教会」に関わる問題や安倍晋三元総理大臣を国葬にすることの是非などについて国会での審議を求めている国民の声に是非とも応え、岸田政権が国民の声に耳を傾ける謙虚さを失わず、安倍・菅政権の単なる亜流の継承ではない国民の為の政策を推進してくれることを切望しています。

   

本との出会い(1)『あの海にもう一度逢いたい』」をご覧下さい。

薫風士の思いを詠んだ俳句・川柳擬きが、いささかでも貴方の「憂さ晴らし」になれば幸いです。

        

秋風や邪教に足をすくはれて

政治屋の卑怯な言動秋暑し

他人事(ひとごと)の如き答弁秋の空

アイドルの安倍チルドレン秋の風

   

爽やかな納得のゆく釈明を

願はくば釈明を聴き涼新た(りょうあらた

 これは「叶わぬ期待」でしょうか? 言葉の力・俳句の力《癒し》」をご覧下さい。

      

国葬の歴史たどりし秋思かな

      

宗教と科学の対立と融合」をご一読下さい。

   

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