日記 Feed

2018年11月14日 (水)

俳句の鑑賞 「七五三」

   

思い出の写真俳句を作ろう! 

故郷を「まんぽ俳句」で元気にしよう!

青秋晴れ色文字をクリック(タップ)してリンク記事をご覧下さい。   

  

(2023.11.16更新)

秋晴れの七五三の日に健康管理のゴルフをエンジョイし、駄句を口ずさみました。

  

七五三孫爺離れ吾ゴルフ

       (薫風士)

 

Img_1958

Img_1966_2

1115_142642

  

  

   

    

七五三の俳句を「歳時記」(俳誌のサロン)から気の向くままに抜粋・掲載させて頂きます。

  

例句の詳細は青色文字(季語)をクリックしてご覧下さい。

    

七五三1

 

家を出てもう背に負はれ七五三 

       (田口千恵子)

  

七五三細きうなじの願ひ事 

       (武岡東西

 

この村の観音日和七五三 

       (大橋敦子

  

宮島の鹿のおじぎや七五三 

       (影山わこ)

   

ジーパンの母に連れられ七五三 

       (岡本たか子)

  

七五三2

 

七五三妊婦もつとも美しき 

        (佐藤鬼房

  

子等よりも祖父祖母父母が七五三 

       (稲畑廣太郎)

  

やさしげに姉が手を曳き七五三 

        (溝内健乃)

   

絢爛の負んぶや抱っこ七五三 

        (紀川和子)

  

喜びも倍加双子の七五三 

        (楯野正雄

  

七五三3

  

ひたすらに晴着嬉しき七五三 

         (大橋晄)

  

七五三七人育てし親敬ふ 

       (井田実代子

  

ホスピスに晴着の母子や七五三 

        (石田康明)

  

社殿まで抱かれて雨の七五三 

       (柴田佐知子

  

線量計つけて被災地七五三 

       (大西よしき)

  

最後に拙句を掲載します。

七五三「いい子いい子」と掲げ上げ

恙なく七五三祝ぐ三世代

我が夢は七五三祝ぐ四世代

祈るには数へ年よし七五三

祝ふには満年齢の七五三

神主の商ひ上手七五三

       (薫風士)

  

青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。 

  

2018年11月11日 (日)

俳句の鑑賞《冬に入る・立冬・冬立つ》

Click here to enjoy J-E Bilingual HAIKU of Kyoshi Takahama in English.  

Click here to enjoy J-E Bilingual HAIKU of Bashō in English.

       

(P.S. 2021.11.18)

Img_1800_2

(写真はタップ・拡大してご覧下さい。

  

暖冬の天気予報に違わず、立冬(11月7日)の翌日は夏日のような陽気で久しぶりのゴルフを満喫しました

      

前座として拙句を掲載しますが、ここをタップすれば「(冬の俳句特集)不意打ちのオミクロン株冬の雷」をご覧になれます

   

  

冬に入るエイジシューター友にして

 

冬立つもゴルフに興ず晴れ男

  

冬紅葉狙ひ快音ティーショット

 

立冬のゴルフの一日満喫す

       

  

(2018.11.11)

    

歳時記(俳誌のサロン)の俳句を気の向くままに抜粋・掲載させて頂きます。

 

(詳細は青色文字の季語をクリックしてご覧下さい。)

 

  

冬に入る1

  

庭を掃く乾きし音や冬に入る 

       (黒川悦子)

 

味噌汁の湯気に朝の日冬に入る 

        (木下節子)

  

 

冬に入る

 

心臓の断面撮られ冬に入る 

        (高田令子)

 

エンゲージリング嵌められ冬に入る 

       (鈴木えり子)

  

冬に入る

 

スカーフの数また増えて冬に入る 

       (嶋田摩耶子)

 

八ヶ岳の大いなる影冬に入る 

        (密門令子)

 

冬に入る4

  

冬に入るいつもの場所に血圧計 

       (鈴木多枝子)

 

血圧の一喜一憂冬に入る 

       (岡本直子)

 

冬に入る

  

冬に入る今宵の夫は道後の湯 

       (増田一代)

 

夫の愚痴聞くも看取りや冬に入る 

       (田村加代)

  

   

立冬

 

立冬のことに草木のかがやける 

        (沢木欣一

 

立冬といふも実感なき陽気 

        (稲畑汀子

 

立冬の風と覚ゆる峠かな 

         (泉和美)

 

  

冬立つ

 

あらたのし冬立つ窓の釜の音 

          (鬼貫)

 

冬立つや富士くつきりと高架駅 

        (塩千恵子

   

211118211118_2

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

  

 

     

俳句の鑑賞「文化の日」

Img_1737

Click here to enjoy J-E Bilingual HAIKU of Kyoshi Takahama in English.  

  

歳時記(俳誌のサロン)の季語「文化の日」に掲載された俳句の中で次の俳句が目にとまりました。

・新しき館旗と国旗と文化の日 (島崎晃・遠嶺)

「国旗」を「こっき」と読むと「中七」が字余りとなりますが、俳句の定型に拘る読者には「国旗」を「はた」と読むことを作者は期待しているのでしょうか?

「館旗」とはどこの館旗か興味が湧き、作者の名前で検索すると、ウイキペディアに次の記載がありました。

    

島崎 晃(しまざき あきら、1941年 - )は、イギリスの元政治家。ニックネームはJack Bara Caws[1]。西ウェールズの町カーディガンで、2012年から2017年まで町議会議員を務めた。

2017年時点で、日本人として唯一、イギリスの町議会議員を務めていたことで知られる。なお、国籍は2000年以降イギリスである。

  

この島崎晃氏は、この俳句の作者なのか単なる同姓同名の方なのかわかりませんが、文字通りの日本人が外国に帰化した珍しい例でしょう。

何方か心当たりのある方からコメントを頂けると幸甚です。

   

歳時記「文化の日」には興味深い俳句が沢山ありますが、気の向くままに例句を下記の通り引用させて頂きます。

   

・円卓の末席さがし文化の日 (水谷契江)

・蒙古斑みせて這ひ這ひ文化の日 (水谷契江)

・聖戦の硝煙映す文化の日 (斉藤静枝)

・古語多き校長訓話文化の日 (乗光雅子)

・文化の日留学生の山形弁 (横内かよこ)

・カタカナが万事に多し文化の日 (遠藤実)

  

川柳の友を偲ぶや文化の日 (薫風士)

これは文化の日に川柳友達の訃報のメールを受信して詠んだ拙句です。

彼は先日の川柳句会で拙句「セクハラを恐れ冗談言えぬ世よ」を優秀句に選んでくれていました。

俳句仲間の句会で拙句「愛犬の深めし絆文化の日」について、「『愛犬の』は『愛犬と』とする方が良い」とか、「『文化の日』は取り合わせの季語として不適切でないか?」など、句友から批判的コメントがありました。

一般論としては、二つとも至極当然な批判です。しかし、この俳句は愛犬「チュヌ」の永眠を知った知人が文化の日に、愛犬の死についての新聞投稿記事を「お悔み」に送ってくれたことを文字通りの俳句にしたものです。

俳句の定型や技巧を考慮することは勿論重要ですが、作者の思いや感動を事実に基づいて表現することの大切さも無視すべきではないでしょう。

俳句も川柳も好き好きであり、所詮片言で私的なものですから、日記代わりに自分の納得できる俳句や川柳を作り楽しむのもよいと思っています。

  

  

2018年11月 7日 (水)

俳句の鑑賞 「露けし・露」

   

(P.S. 2022.11.5)

露けしや日々の終活ブログ書く

露けしや今年の漢字「露」(ロ)と応募

「露」は通常は「つゆ」と読みますが、かってロシアを漢字で「露国」(ろこく)と表示する場合がありました。

ロシア軍のウクライナ侵攻や安倍晋三元総理大臣の暗殺など、多くの人々が「この世の儚さ・人生の儚さ」を感じているでしょう。

     

露けしや人の葬儀も様々に

      (薫風士)

   

俳句《涼し》死の話」や終戦記念日・墓参・盆』の俳句」、言葉の力・俳句の力《癒し》をご覧下さい。

   

(2018.11.7)

俳誌のサロンの歳時記から「露けし」や「露」の俳句を気の向くままに抜粋して掲載させて頂きます。

例句の詳細は青色文字の季語をクリックしてご覧下さい。

             

露けし1

花火やむあとは露けき夜也けり 

      (正岡子規)

    

祝はれてをりて露けくをりにけり 

      (山田弘子)

  

露けし2

踏切のレール露けき通夜戻り 

       (恩田甲)

    

子規墓前露けき言葉交しつゝ 

      (稲畑汀子)

  

露けし3

落雷の欅露けし挙兵の地   

      (江崎成則)

   

露けしや母の逝きたる夜の白む 

     (大橋麻沙子)

  

露けし4

握手して別れしことも露けしや 

       (安原葉)

   

湯の街の更けゆくほどに露けき灯 

        (三村純也)

   

露けし5

露けしや苔を鎧ひし将の墓 

        (長谷川翠)

    

大本営跡の地下壕露けしや 

       (大久保白村)

     

露けし6

ついてくる己が足音露けしや 

        (岩岡中正)

   

露けしや不戦の城の四百年 

        (涌羅由美)

   

露1

なほ露の綺羅置く吉備の野路を行く 

        (稲畑汀子)

   

露に座す一度盗まれたる仏  

        (村越化石)

   

露2

見舞ふこと叶はず露の別れかな 

        (稲畑汀子)

   

露拭けば木椅子の木目雲の如し 

       (能村登四郎)

   

露3

芋の葉の露もて遊びては落し 

        (安西可絵)

   

芋の露こぼして泥の手を洗ふ 

         (杉良介)

   

露4

露の山鐘楼に鐘なかりけり  

        (比田誠子)

   

翁忌の露ふりこぼす朝の鳥 

       (高橋とも子)

      

露5

露深し胸毛の濡るゝ朝の鹿  

       (河東碧梧桐)

  

握手して露の別れとふと思ふ 

         (安原葉)

   

露6

石仏のあたり露濃き嵯峨野なる 

         (豊田都峰)

   

草千里露の千里となりにけり  

         (佐藤京子)  

  

露7

朝の日に露光りけり残る菊  

        (兼子栄子)

   

吊橋の揺れに露の身ゆだねけり 

       (中島知恵子)

  

露8

露濡れの身を震はせて犬帰る 

        (泉田秋硯)

   

露の世にライバルとして友として 

       (今橋眞理子)

  

露9

朝露の日の出とともに光り初む 

       (大久保白村)

   

喪の家の欅がためる露の玉  

        (坪内稔典)

  

露10

気が合へば歩幅も合へり露の坂

         (川村文英)

   

朝露の椰の記念樹奈良ホテル

         (小澤菜美)

    

露11

タイガースフアンてふ露の世の私 

       (稲畑廣太郎)

   

横川路の露踏み重ね五十年 

       (稲畑汀子)

  

露12

今日蛇笏明日は素十忌露葎 

         (岩木茂)

   

露の世や先日会ひしばかりの訃 

         (安原葉)

  

露13

一めんのきらめく露となりにけり 

      (久保田万太郎)

   

雁渡るいつもどこかで戦あり 

        (山田正子)

  

「チュヌの便り」の愛犬「チュヌ」は 2018.10.16 に永眠しました。

ここをクリックして「チュヌの俳句・四季」をご高覧下さい。

  

愛犬の姿無き庭露けしや  

愛犬を偲ぶ芝庭露光る

        (薫風士)

    

Img_1743

Img_1740_2_2

青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

2018年10月26日 (金)

「チュヌの追悼」by L.P. Lovee

       

Click here to enjoy J-E Bilingual HAIKU in English.

(青色文字をクリック or タップするとリンク記事がご覧になれます。) 

   

(P.S. 2022.10.16)

10月16日は2018年に亡くなったチュヌの命日です。

Dscf0166_2

チュヌの存命中は旅行はペット同伴を認めてくれる所が少なくて満足な旅行が出来ませんでしたが、2018年7月にはポーランドを訪ね、温泉町で開催された音楽祭において俳句の講演をしました。

ここをクリック(タップ)して、「ポーランドの旅(写真と俳句・講演のことなど)」をご覧下さい。

     

ここをクリックして、「楽しい吟行・俳句の旅(四季の写真俳句特集)」をご覧下さい

      

(2018.10.26)   

秋の夜や愛犬抱けば目に泪

愛犬を看取る寝息や秋深む

愛犬を看取りし夜長母偲ぶ

愛犬を荼毘に付すちちろ鳴く

愛犬の弔ひに来し鉦叩

鉦叩テーブル巡り悼みけり

愛犬の昇天したる天高し

愛犬の深めし絆秋高し

  

チュヌの追悼に来た鉦叩の声をお聞き下さい。ここをクリックするとご覧になれます  

ペット愛好者はチュヌを弔い「ペット」(愛犬の写真)をご覧下さい。

俳句愛好家は「俳句」や「俳句談義」「俳句エッセイをご覧下さい。

川柳愛好家は「川柳」をご覧下さい。

英語俳句に関心のある方は「HAIKU バイリンガル英語俳句」をご覧下さい。

政治に関心をお持ちの方は「政治談議」をご覧下さい。   

「いじめ」の問題など、子供の教育に関心のある方は是非ともチュヌの思い「究極のラブを!」をご覧下さい。

チュヌは天国から皆さんのお幸せを見守っています!

「チュヌの便り」をご愛読ありがとうございました。

チュヌは2018.10.16に永遠の眠りにつきました。   

    

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

   

2018年10月20日 (土)

俳句の鑑賞:「柿」(追補版)

   

Click here to enjoy J-E Bilingual HAIKU in English.        

(青色文字をタップするとリンク記事をご覧になれます。)

      

(2025.1.15 更新)

奈良の柿 郷(さと)にも浦にも 茂る秋

      (石破茂)

   

20241118_19155220241118_191702

冒頭の写真は、2024.11.18のNHK-TV ニュース画面(内閣支持率等)の一部分です。

 
石破茂内閣の人気は当初から低迷していますが、「柔剛を制す」の諺どおり、「単なるポチ」にならず、「偽りの無い」・「有りの儘の素顔」で「世界の人々の信」を得て、「日本の平和」・「世界平和」の為に尽力されることを祈っています。

  

我田引水のコメントで恐縮ですが、石破茂首相の掲句の「秋」は「かな」に変えた方が、ご自身のPR効果が増すのみならず、俳句として「秋の季重なり」が解消されます。

  

もっとも、「茂」は「夏の季語」とされているので、人によってはダメ句だと貶すでしょうが、「ぺんは剣より強し」なので、「まんぽ俳句」を口遊んで、ご自身の健康管理と表現力を磨いて、地方再生の政策を推進しされる事を切望しています。

   

チンするは句友の呉れし吊るし柿

  

221115

「チンする」は、「愛犬の伏せ」ではなく、電子レンジで温めたことを面白く表現したものです。

  

  

俳句大会で知り合った句友が先日呉れた吊るし柿を早速食べると美味しかったのですが、試しにチンして食べると、中身が非常にジューシーになって更に美味しい気がしました。

皮がやや硬くなって噛み応えがあり、口に入れたとき気を付けて噛まないと中身を零すことになりそうでした。

    

221115

221115_2

1030_123232

今日(11月15日)は、近くの句友が新鮮な柿を呉れたので、早速吾庭のトマトなどと一緒にサラダにしましたが、あっさりした甘さがあり美味しく頂きました。

   

サラダにす句友の呉れた富有柿

       

「柿」の俳句といえば、正岡子規の「柿食へば鐘が鳴るなり法隆寺」が有名ですが、正岡子規は柿が大好きだったようで、ウイキペディアによると、「柿落ちて犬吠ゆる奈良の横町かな」という俳句も作っています。

  

2021年11月25日に、岸田文雄首相は首相官邸で、「奈良の柿PRレディー」の広瀬麻理奈さん(25)らの表敬を受け、柿を試食して次の一句(即興句?)を披露されたとのことです。

   

柿食えば、コロナ打ち勝つ、奈良の町

  

この「柿食へば」は、助詞「ば」が条件の意味であり、子規の「柿食へば」の俳句の「ば」と異なる使い方です。

 

たとえば、「柿食えばコロナに勝てり奈良の人」とすれば、助詞「ば」が子規の俳句と同じ用法に解釈できます。

 

『柿食へば』の誤訳《俳句の力・言葉の壁》をご覧下さい。

  

2021年の暮に書いたブログ《「大晦日」・「大年」の俳句(岸田内閣に望むこと)》をご覧下さい。

   

俳句を通じて世界平和を念じている観点から、岸田首相の掲句に便乗して願望の駄句を詠みました。 

    

奈良柿を食みてコロナに打ち勝たむ

奈良の柿食みて米寿を恙無く

奈良柿も食みて祝ぎたし己が茶寿

   

   

(2018.10.20)

 

熟柿落つ愛犬目指し駆け出しぬ

  

愛犬の深めし絆柿たわわ

    

掲句はチュヌの主人がありのままに詠んだ俳句です。

  

俳誌のサロンの歳時記から柿の俳句を気の向くままに抜粋させて頂きます。

 

(青色文字「柿」をクリックすると歳時記の詳細がご覧になれます。)

   

1)

よくひびく子猫の鈴や柿日和 

        (内田雅子)

  

2)

三千の俳句を閲(けみ)し柿二つ  

        (正岡子規)

 

3)

よろよろと棹がのぼりて柿挟む 

       (高浜虚子)

  

4)

大和路や軒場に吊す柿すだれ 

       (井上輝男)

 

5)

故郷へ向かふ車窓や柿の秋 

        (篠藤江)

   

6)

境内を駆け回る子等柿日和 

      (谷野由紀子)

   

7)

柿を捥ぐ吾を烏の見てをりぬ 

      (塩田博久)

 

8)

柿日和ゴルフに和む古稀と喜寿 

      (河本利一)

 

9)

里ふりて柿の木もたぬ家もなし 

      (松尾芭蕉

         

10

斑鳩の三塔見えて柿日和 

       (山村修)

 

11

柿たわわ獲る人もなき山の里 

      (西田史郎)

 

12

白壁に柿の実映ゆる二月堂 

       (田宏之)

 

13

落日に染まる一村柿の秋 

      (宮平静子)

    

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

  

2018年10月16日 (火)

俳句徒然《小鳥来る・鳥渡る・渡り鳥》

   

Click here to enjoy J-E Bilingual HAIKU in English.

See "Enjoy bilingual haiku of Kyoshi Takahama" in HIA HP.

           

小鳥来るやっぽんぽんてふ甲賀の湯

         

  

508

掲句はチュヌの主人が芭蕉ゆかりの伊賀上野・草津を吟行し、露天湯に浸り疲れを癒していた時に小鳥が来たのを詠み、吟行仲間の句会で高得点を得ました。

 

「小鳥来る」は取り合わせがし易いのか、人気がある「秋の季語」です。

(ちなみに、「鳥帰る」は仲春の季語です。)

  

写真は天気予報の5月8日の雲の動きのPC画面の一部分ですが、琵琶湖の形が小鳥に見えたので遊び心で掲載しました

  

歳時記(俳誌のサロン)から小鳥の俳句を気の向くままに抜粋させて頂きます。

    

小鳥来る1)

 

小鳥来る音うれしさよ板びさし 

        (与謝蕪村)

    

 

伊賀焼の芭蕉坐像に小鳥来る 

       (長谷川閑乙)

  

 

小鳥来る日の斑の遊ぶ登山道 

        (高橋瑛子)

 

 

小鳥来る何時も不在の駐在所 

       (吉永すみれ)

  

  

太陽の塔の翼に小鳥来る   

       (鷹羽狩行)

  

  

小鳥来る2)

 

小鳥来て午後の紅茶のほしきころ 

       (富安風生)

  

 

小鳥来る三時五分の花時計  

       (浅田光代)

  

  

小鳥来る3)

 

久びさに子の弾くワルツ小鳥来る 

       (三木千代)

  

 

湯の町のこけし工房小鳥来る 

        (堺昌子)

  

 

渡り鳥

 

葬列や数人仰ぐ渡り鳥   

      (山川蝉夫

  

 

渡り鳥気づけばすでに遠き空 

       (稲畑汀子)

  

 

鳥渡る1)

 

鳥渡る老人ホームのティータイム 

       (山尾玉藻)

  

  

大いなる渡良瀬川を鳥渡る  

       (小林修水)

  

   

鳥渡る2)

 

夕日負ふ芭蕉の座像鳥渡る 

      (菅野日出子)

  

  

夕映えの丹沢連峰鳥渡る  

      (安田とし子)

     

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

      

2018年10月11日 (木)

俳句鑑賞 《後の月》

   

(2023.10.28 更新)

_185539

「13夜」・「後の月」は10月27日なのに午後3時過ぎから雨が降り、月見が出来るか懸念していましたが、7時ごろには晴れ間に月が見えました。

  

月を仰ぎ戦禍に思ひを馳せにけり

         (薫風士)

  

掲句はウクライナやパレスチナなどに思いを馳せて、意図的に字余りにしました

「月仰ぎ戦禍に思ひ馳せにけり」と定型にせず、字余りにした評価は如何でしょうか?

「戦果」の裏には必然的に「戦禍」が生じます。

せんか」のダジャレ俳句を詠むには戦争の犠牲はあまりにも大きく、胸が痛みます

戦争と平和(俳句と川柳:終戦記念日特集)」をご覧下さい。

    

22108

(写真)

2022年10月8日の「13夜」・「後の月」を見て、「まんぽ道」にあるお家の玄関先の大きな月下美人(蕾)と月をスマホで撮った写真です。

           

        

     

      

(2018.10.11の記事)

Dsc_590910

(写真)

日本伝統俳句協会の2021年10月のカレンダーの一部。

タップ・拡大してご覧になれます。

     

  

「後の月」は、陰暦八月の「十五夜」に対して、陰暦九月の「十三夜」の月で、2021年は10月18日に当たります。

三方(さんぼう)に栗や枝豆を盛って祭る習慣から「後の月」を「栗名月」「豆名月」などと呼ぶこともあります。

歳時記(俳誌のサロン)から「後の月」の俳句を気の向くままに抜粋させて頂きます。(詳細は青色文字「後の月」をクリックしてご覧下さい。)

    

後の月1)

後の月鴫たつあとの水の中  

        (与謝蕪村

 

療養の須磨に雲間の後の月 

       (田畑美穂女)

   

後の月2)

木曽の痩もまだなをらぬに後の月 

        (松尾芭蕉

 

芭蕉句碑照らし須磨なる後の月 

        (手島伸子)

  

後の月3)

後の月賢き人をとふ夜かな 

        (与謝蕪村

 

鐘の無き火の見やぐらや後の月 

        (宮崎高根)

   

青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

トップ欄か、この「俳句HAIKU」をタップすると、最新の全ての記事(タイトル)が表示されます。記事のタイトルをタップ(クリック)して、ご覧下さい。

  

2018年8月30日 (木)

ポーランドの旅(写真と俳句 講演のことなど)

   

祈りつつアウシュビッツの夏の野を 

   

Img_1190

掲句はチュヌの主人(薫風士)が俳句講演のためにアウシュビッツを詠んだ俳句です。

   

   

23228

(写真はクリックすると拡大します。青色文字をクリックするとリンクした解説記事などをご覧になれます。)

   

   

講演はポーランドの「ルブリン県」の温泉町で開催された音楽祭の機会に行いました。

  

   

・晴れ渡る温泉町や白鳥来

・白鳥来平和の国を永久(とこしえ)に 

   
Img_0825

  

 

     

   

講演のタイトルは「Let's enjoy haiku!」で、「World piece through haiku」をサブタイトルにし、ファン・ロンパイ前EU大統領(日本EU俳句交流友好大使)と写したツーショットを掲載させて戴くなど、工夫を凝らし好評でした。

Img_5095

  

      

   

   

      

・晴れ渡るアウシュビッツや青葉風

Img_0498

   

 

  

  

   

  

・貨車一つ鉄路の遺跡夏草に

Img_0502

  

  

  

  

・青嵐ホロコーストの灰の池

Img_0513

   

  

  

  

・青嵐アウシュビッツの呻き声

   

Img_0544

アウシュビッツ見学の当日は好天気で平和なポーランドを象徴しているように思いましたが、時々耳に唸るように強い風が吹き、「ナチス犠牲者の霊の呻き声」ではないかなどと感じました。

  

Img_0532

    

  

  

   

   

クラクフや古都を見下ろす塔涼し

Img_0602

   

   

  

   

   

     

・聖堂の時報のラッパ夏の空

  

Img_0616

   

   

   

   

   

   

・新装のショパン生家や青葉風

Img_1110

   

   

   

   

   

庭涼しショパン生家のピアノ曲

Img_1103

    

   

   

   

    

・聖堂に響くオルガン夏の宵 

  

・コンサートホールを出でし園白夜

   

400年前のパイプオルガンのコンサートがカジミエシュ・ドルニーの教会の聖堂で開かれ、たまたま聴く機会がありました。

Dsc00578

          

ショパンの生家ではショパンコンクールに入賞したピアニストがショパンのポロネーズなどを演奏しました。

  

ちなみに、この俳句の講演をした音楽祭ではイタリアなどから来たピアニストなどが演奏しましたが、日本からは片山柊氏(2017年第41回ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリ、併せて聴衆賞、文部科学大臣賞、スタインウェイ賞受賞)が「エチュード〜書、俳句、一つの線」(細川俊夫作曲)という興味ある曲などを演奏しました。

   

俳句でも音楽と同様に国際交流がもっと促進されることを願っていますが、俳句による人との出会いや音楽との出会いに不思議な縁を感じました。

   

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事のタイトルが表示され、この「俳句HAIKU」をタップすると最新の全ての記事のタイトルが表示されます。

タイトルをタップしてその記事をご覧頂ければ幸いです。

   

2018年8月23日 (木)

野球の俳句を作って楽しもう!

    

(P.S. 2022.10.17)

お題「大谷翔平」を詠んだ昇吉さんの俳句「白秋の雲穿ぐ右投げ左打ち」の推敲記事プレバト『金秋戦2022』の俳句を考える」をご覧下さい。

俳句の面白さがわかるでしょう。

    

  

今年の全国高校野球選手権大会は第百回の記念大会で56校が甲子園で熱戦を繰り広げましたが、大阪桐蔭が優勝し史上初の2回目の春夏連覇を達成し、秋田県立金足農業高等学校が準優勝で故郷に錦を飾りました。

  

そこで、皆さんも野球の俳句など気軽に俳句を作って楽しんでほしいとの思いから、テレビ観戦をしてチュヌの主人が作った俳句を下記の通り掲載させて頂きます。

   

甲子園球児ら謳歌終戦日

球児らの百花繚乱天高し

球児らは勝ち負けを超え天高し

炎天下好打好守のユニフォーム

炎天へ白球伸びて大アーチ

炎天へガッツポーズのホームラン

熱戦や日焼け球児の歯の白き

サイレンや並ぶ球児の

処暑の空球児讃ふる校歌かな

来年を期して奮起す雲の峰

   

青色文字のこの「HAIKU」をタップすると、最新の「英語俳句」の記事をご覧になれます。

トップ欄か、この「俳句HAIKU」をタップすると、最新の全ての記事が掲示されます。

  

2018年8月12日 (日)

盆休み孫と一日を「ひとはく」で

   

(P.S. 2023.10.10)

秋の雨・秋雨・秋時雨・秋霖

青色文字のタイトルをクリックして、ひとはくの秋雨の風情を詠んだ「まんぽ俳句」と写真をご覧下さい。

  

  

(2018.8.12 の記事)

  

夏休みで遊びに来た孫を連れて久しぶりに「ひとはく」(兵庫県立「人と自然の博物館」)に行きました。

阪神・淡路大震災を引き起こした活断層である「野島断層」の展示板の見方がよくわからなかったので係の方に質問したら丁寧に説明してくれました。

 

お昼の時間には「山の日 ひとはくサロンコンサート」で兵庫県立北摂三田高等学校吹奏楽部が「学園天国」などを演奏し、子供たちも楽しんでいました。

   

掲題の俳句はチュヌの主人がブログの見出し用に作った即興句です。

「孫を詠んだ俳句は甘くなってつまらない」とよく言われますが、「孫の成長を日記代わりに俳句に詠んで、自分の人生を心豊かにするのも俳句の楽しみ方の一つだ」と、チュヌの主人は思っています。

  

夏休み孫は来て良し去りて良し

       (薫風士)

  

歳時記(俳誌のサロン)の「盆休み」の俳句から、親しみやすい2句を下記に引用させていただきます。

  

歳時記の俳句の詳細はここをクリックしてご覧下さい。

    

盆休み身二つとなり帰り来る 

        (福間慶子)

  

旧姓で呼ばるる一と日盆休 

        (武田巨子)

    

 

『薄紅葉』の俳句と『ひとはく』ホロンピアの写真」もここをクリックしてご覧下さい。

(写真はクリックすると拡大します。)

    

青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

  

Img_1224_2

Img_1206

Img_1211

Img_1193

Img_1198

Img_1200

2018年7月31日 (火)

俳句をユネスコ世界無形文化遺産へ(草の根運動)

     
(2024.4.28 更新)
 
 
      
農林水産省HPの記事によると、「和食」は、「自然を尊ぶ」という日本人の気質に基づいた「食」に関する「習わし」を、「和食;日本人の伝統的な食文化」と題して、ユネスコ無形文化遺産に登録されました。
 
「俳句」も、世界的に広がってきている「和食」などと同様に、「自然を尊ぶ」という日本人の気質に基づいた「自然とのかかわりのある習わしや行事、生活」などを詠む「世界最短の詩・文芸」として、世界遺産に登録されてもよさそうに思います。
 
俳句は和食と異なり、言葉の壁がありますので、日本語としての本来の俳諧・俳句その物ではなくても、「HAIKU」として国際的に広がってきている現存の世界的文化として、ユネスコ無形文化遺産に登録され、俳句・HAIKUを通じて世界平和が実現する日の来ることを祈っています。
  

「HAIKU」という言葉は国際的に認知されていますから、俳句界(結社)と川柳界(結社)が共に協力して、俳句を本来の俳諧の精神に則って世界に共有される「HAIKU」としてユネスコ無形文化遺産に登録すべく運動を推進すると、「HAIKU」の世界遺産登録への道が開かれるのではないでしょうか?

そして、恒久的世界平和実現への道が開かれるのではないでしょうか

  

そういう思いで、チュヌの主人・薫風士はブログに俳句の翻訳や「俳句・HAIKU by L. P. Lovee」などを書いています。 

  
ちなみに、「国際俳句交流協会」は、名称を「国際俳句協会」に変更して、俳句ユネスコ無形文化遺産登録推進協議会の事務局としての任務を遂行しています。   
  
(2018.7.31)

Cimg5945_3

この写真は、2017年1月16日に「日EU俳句交流大使ファンロンパイEU大統領を囲む夕食会の際のファン•ロンパイ氏と薫風士のツ-ショッ卜です。

  

この夕食会はファンロンパイ氏のアジアコスモポリタン賞受賞の祝賀と俳句愛好家の交流のために開催されたものですが、俳句愛好家の集まりなので正岡子規の号「獺祭書屋」に因んで乾杯の酒に「獺祭の発泡にごり酒スパークリング」があり、ファンロンパイ氏が挨拶で俳句の世界遺産登録への運動に協力すると賛意を表明され、大いに盛り上がりました。

(写真はファンロンパイ氏とチュヌの主人のツーショットです。

       

ここをクリック(タップ)して、ロンパイ氏の文化賞受賞記念講演「今日のグローバル化し緊迫した世界情勢下での俳句の役割」をご一読下さい。

  

2017年4月に俳句の登録を目指す推進協議会が発足し、「俳句のユネスコ登録をめざす」活動が推進されています。

その草の根運動の一助にでもなればとの思いから、「高浜虚子の100句を読む」(坊城俊樹著)の掲句を第1回から最終回まで随時HAIKU(英語俳句)に翻訳してブログ「チュヌの便り」に掲載していましたが、それに虚子の辞世句の新解釈などを補足・編集して「高浜虚子の俳句をバイリンガルで楽しもう!」というタイトルで国際俳句協会(HIA) のホームページに掲載して頂きました。

  

俳句は音楽やスポーツなどと異なり、その国の文化や言葉を理解している人々でないかぎり外国人にはよく理解出来ないでしょう。

俳句の面白さを理解し、俳句に興味を持つ人々が少しでも増えることを願いつつ、俳句の英訳や英語俳句の和訳にチャレンジして、及ばずながら俳句の国際交流に努めたいと思っています

   

ファン・ロンパイ氏のスピーチの記事がHIAのホームページにあり、同氏の即興句の翻訳: 「雪の奈良 美は良し悪しを 隠しけり」 が掲載されていました。

「隠しけり」 という表現は、政治・官僚組織や企業の隠蔽(いんぺい)体質が問題になっていることでもあり、腑に落ちなかったので英語の原句を見ると、下記の通りです。

  

Nara in the snow

Beauty is falling down

It covers right and wrong

   

そこで、次の通り和訳してみました。 

   

降り来る美 正誤を包む 雪の奈良」

   

 ファン・ロンパイさんは、「私たちは世界の調和を夢見ています。自然の美しさや自分を取り巻く様々なものが、シンフォニーを奏でるように美しく調和することを夢見ています。そして、調和を夢見ることは、差別や偏見などのマイナスな感情の解毒剤になるのです。」 と述べています。

ファン・ロンパイさんは、立場の違いなどによって正誤の価値観が異なるということを認識して、この俳句を詠まれたのだろうと拝察しています。

         

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

 

        

2018年5月20日 (日)

俳句《卯の花腐し》

    

(2025.6.3 更新)

Cimg6212

冒頭の写真は、吾庭の卯の花です。

  

「卯の花腐し」(うのはなくだし)とは梅雨に先立って降る長雨のことで、夏の季語です。

  

庭手入れ卯の花腐し来る前に 

  

雨音や卯の花腐し居間の今

テレビ買ひ卯の花腐し吾を癒す

 

癒さるる卯の花腐しテレビ買ひ

  

疲れ目を卯の花腐し癒しけり

  

草を抜く卯の花腐し止みし芝 

         (薫風士)

  

歳時記(俳誌のSalon)から親しみやすい俳句を気の向くままに抜粋掲載させて頂きます。

  

犬倦みて今日も卯の花腐しかな 

        (稲畑汀子

 

休養をとれと卯の花腐しかな  

         (安原葉)

 

電話よく鳴る日卯の花腐しかな 

        (七田文子)

  

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

トップ欄か、この「俳句HAIKU」をタップすると、最新の全ての記事が掲示されます。

  

Cimg6210

この写真は、手作りの吾庭の日本列島です。

  

20250603_123018

この写真は、NHK Eテレの「クラシック音楽館」の一画面の切抜きです。

 

2018年5月16日 (水)

俳句鑑賞:「梅雨に入る」「入梅」「梅雨」

   

_070801_2

冒頭の写真は、6月16日朝のNHK-TV天気予報の一部分(梅雨入りの解説画面)です。

  

老犬とまん歩の夫婦梅雨入り前

せいのう!と足場解体梅雨に入る

近畿地方夏至に梅雨入りや庭手入れ

       (薫風士)

  

_165627_165328

_112507


掲句と写真は、買い物をした帰路の風景です。

「梅雨入り」は、「ついり」か「つゆいり」と、俳句が定型(5-7-5)のリズムになるように読んで下さい 

 

ここをクリック(タップ)して、俳句HAIKUの記事「梅雨の俳句(梅雨入り・梅雨明け)」をご覧下さい

  

気象庁の速報記事によると、沖縄の梅雨入りは今年(令和6年)は5月21日頃でしたが、2018年の梅雨入りは5月8日でした。

  

俳句(梅雨・梅雨入り・梅雨明け)」をご覧下さい。

  

歳時記(俳誌のSalon)などから「梅雨」を詠んだ親しみやすい俳句を気の向くままに抜粋掲載させて頂きます。

(歳時記の例句の詳細は青色文字の季語をクリックしてご覧下さい。)

  

梅雨に入る(1)

病む友のまた一人増え梅雨に入る

        (松崎鉄之介)

  

屋根持たぬマンションぐらし梅雨に入る 

         (岡本眸)

   

梅雨に入る(2)

二度聞きが癖となる耳梅雨に入る 

         (柴野静)

  

山鳩の声のくぐもり梅雨に入る 

        (宮平静子)

  

梅雨(1)

背伸びして声出て梅雨も峠かな 

         (岡本眸)

 

削らるる丘を見てゐし梅雨の駅 

        (高村洋子)

   

梅雨(2)

宇佐の宮梅雨空ずしとのし掛かり 

         (大橋晄)

  

神宮の森の暗さや梅雨鴉   

        (暮目良雨)

 

梅雨(3)

目をそらし受ける点滴梅雨じめり 

         (長山野菊)

  

荒梅雨やごうごうと鳴る神田川 

       (宮原みさを)

 

梅雨(4)

梅雨の雷昨日も今日も人逝きぬ 

       (高橋作之助)

  

落柿舎の投句用紙の梅雨じめり 

        (岸本敬子)

  

梅雨(5)

せせらぎの風の軽さや梅雨あくる 

        (川村政枝)

   

山の彩戻して去りし梅雨の霧 

        (吉村玲子)

  

梅雨(6)

梅雨兆す武庫の川波ややあらし 

       (志水千代子)

   

ベランダの干し物を訪ふ梅雨の蝶 

        (沼口蓬風)

  

梅雨(7)

歌舞伎座は華やいでゐる梅雨の夜 

         (芝尚子)

 

センサーの付きしともしび点る梅雨 

         (鈴木實)

  

梅雨(8)

駅に待つゲリラ梅雨とふ降りやうに 

         (久保晴子)

 

梅雨の蝶犬猫墓地をさまよへり 

         (岡光子)

  

梅雨(9)

鐘の音の一打に梅雨の明けてゆく

         (坊城俊樹)

  

インターホンとれば激しき梅雨の音 

        (小嶋洋子)

  

梅雨(10)

被災地へ着けず仕舞や梅雨滂沱 

       (田中つや子)

  

ただならぬ災害ニュース梅雨滂沱 

          (木村幸)

 

梅雨(11)

友の訃や梅雨のひと日を歩いてる 

          (鴨下昭)

  

ヘリコプター人を吊り上ぐ梅雨出水 

         (大矢雅子)

  

梅雨(12)

いつくしま静かに寄する梅雨の波

        (水田壽子)

  

暗渠より水をどり噴く梅雨出水 

         (鈴木伸一)

 

梅雨(13)

梅雨のけふ車内放送とめどなし 

         (秋田建三)

 

付悪き蛍光灯や梅雨の夜 

         (岩谷丁字)

 

梅雨(14)

梅雨の雷オルセー展の上走る

         (有賀昌子)

  

はやぶさの快挙に消ゆる梅雨の憂さ

         (稲畑汀子)

 

梅雨(15)

そばにゐるだけの看取や梅雨の月

        (阪上多恵子)

 

梅雨出水車道に泥鰌跳ねてをり

         (秋千晴) 

 

梅雨(16)

空ラ梅雨や女ばかりの食事会

        (中山純子)

 

床に聞く人の訃や梅雨荒るる

       (玉置かよ子)

  

梅雨(17)

梅雨憂しとせぬ明るさの家路とす

         (稲畑汀子)

  

拾ひ読みの何時か没頭梅雨深し

         (西村操)

  

梅雨(18

やや鬱と自嘲してをり梅雨長し

         (中原敏雄)

  

計画は着々梅雨も明くる頃

        (稲畑汀子)

      

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

トップ欄か、この「俳句HAIKU」をタップすると、最新の全ての記事が掲示されます。

   

2018年5月 6日 (日)

俳句《立夏・夏に入る・夏来る》

   

(2025.5.4 更新)

 

翔平打ファンを湧かすや夏に入る

  

上記の俳句は、大谷翔平の活躍を祝福する存問です。  

2024年5月にロスアンゼルス市は、5月17日を「大谷翔平の日」に決めました。

ここをクリック(タップ)して、NHK NEWS WEB 「ドジャース 大谷翔平 13号ツーランHR リーグ単独トップに」をご覧下さい

背番号の17に因んでいる由ですが、野球好きだった正岡子規の逝去を詠んだ高浜虚子の俳句「子規逝くや十七日の月明に」をふと思い出しました。

子規忌は9月19日ですが、当時は旧暦で17日に当たりました。

    

夏立つやフレイル防止まん歩せむ

夏に入る欲しきものとは剛健ぞ

         (薫風士) 

   
1225_5ここをクリック(タップ)して、「夏の俳句特集」 をご覧下さい。

      

P.S. 2022.3.13

ウクライナ紛争について、「已むに已まれぬ思い」を俳句に詠み、書いた記事を読んで頂きたく、「北京2022 パラリンピック閉会式を見ながらこの P.S.を追加しました。

ブログタイトル用俳句(青色文字)をクリック(タップ)して、「血に染むなドニエプルてふ春の川」や「春一番この発言はおぞましき」をご覧下さい。

    

_022152


2018年の
Cimg6195_2「こどもの日」「立夏」のNHKニュースによると、トランプ大統領キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長との米朝会談開催が決定されたとのことでしたが、「糠喜びに終わり、悪夢になることのないように」との祈りは残念ながら叶わず、親戚がくれた絵手紙の写真のようには晴々した気持ちになれませんでした。

    

夏来る幼のピアノ高らかに

夏立つや幼孫にも反抗期

米朝の会談如何夏に入る

まやかしをしない政治をこどもの日

  

歳時記(俳誌のSalon)から気の向くままに抜粋させて頂きます。

例句の詳細は青色文字の季語をクリックしてご覧下さい。

  

立夏                           

胎内の水音聴いてゐる立夏 

         (中村苑子)

  

花活けて立夏の卓を飾りけり 

        (稲畑汀子)

 

朝刊を大きくひろぐ立夏なり 

        (荒木治代)

 

立夏かな「和を以て貴しと為す

         (雨宮桂子)

 

外つ国の人も迎へて園立夏
        (稲畑廣太郎)

    

(青色文字の季語をクリックすると、歳時記の例句の詳細をご覧になれます。)  

夏立つ」・「夏に入る」・「夏来たる」・「夏めく

  

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

トップ欄か、この「俳句HAIKU」をタップすると、最新の全ての記事が掲示されます。

  

Cimg6186

2018年5月 5日 (土)

俳句:「こいのぼり」・「鯉のぼり」・「鯉幟」

     

_104726

Cimg6181_2

昨日のプレバト(俳句)では賑やかな司会と句評に例のごとく出演者が沸いていました。 

夏井いつきさんの添削に感心することが多いのですが、泉谷しげる氏の俳句(「学び舎の見上げる先は空の海」)の添削(「学び舎の頭上五月の空は海」)はやや腑に落ちません。

  

原句は無季なので、季語「五月」を使うのは結構ですが、「鯉」は淡水魚ですから、鯉幟の比喩に「海」を用いるのは不適切な気がします。

「学び舎の五月の空を泳ぐ鯉」と添削すると、「平凡すぎて面白くない」と言われるでしょうか?     

   

チュヌの主人は次のように親しみやすい俳句を作ることに心がけていますが、「凡人の最たるものである」と酷評されるでしょうか

    

いつの日も子等は希望よ鯉幟

来ぬ孫の恙なきをと鯉幟

来ぬ孫に写真をメール鯉のぼり

    

歳時記(俳誌のSalon)から親しみやすい俳句を掲載させて頂きます。 

(歳時記の詳細は青色文字の季語をクリックしてご覧下さい。)

    

鯉のぼり

鯉のぼりあげる祖父の手節くれて 

        (熊谷みどり)

 

六甲の風に育つ子鯉のぼり

         (山田弘子

 

真つ新の家に翩翻鯉のぼり  

        (田中みのる)

   

鯉幟

鯉幟影のをどつてをりにけり  

         (稲畑汀子)

 

泳ぐ日も拗ねる日もあり鯉幟

        (米山喜久子)

      

鯉幟手摺に尾びれじやれてをり

       (村田とくみ)    

   

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

トップ欄か、この「俳句HAIKU」をタップすると、最新の全ての記事が掲示されます。

  

2018年3月10日 (土)

俳句《春風・春の風》(改訂版)

       

(2025.3.12 更新)   

皐咲く十七日や翔平デー

  

_085237

掲句は、大谷翔平選手の結婚後の活躍を祝す存問の拙句です

  

ロサンゼルス市は大谷翔平の背番号17に因んで、5月17日を「大谷翔平の日」と定めたとのことです。

  

狭庭の躑躅の花は枯れましたが、皐が咲き始めました。

  

暗いニュースばかりでは気が沈みますので、心のバランスを保つべく、大谷翔平選手の結婚後の活躍など、折に触れて明るいブログ用の「まんぽ俳句」を口遊んでいます。 

  

春風に大ホ-ムラン左打ち

         (薫風士)

   

Cimg2923_2

大谷翔平の愛犬「デコピン」はもちろん可愛いですが、チュヌも可愛かったです

(青色文字をタップして、リンク記事をご覧下さい。) 

 

新型コロナウイルスの感染予防対策が日常化した心境を詠んだ次の拙句に共感して頂けたでしょうか?

    

春風や森羅万象肯ひて

断捨離の心を知るや春の風

順縁を祈るコロナ禍日脚伸ぶ

  

(2018年3月の記事)

Cimg5965

「春風」といえば、高浜虚子の俳句「春風や闘志抱きて丘に佇つ」を思い出します。

この俳句の「春風」は「しゅんぷう」と読むのが相応(ふさわ)しいと思う人が多いようです。「増殖する俳句歳時記」(清水哲男)の句評はその典型的な例でしょう。青年の闘志には「しゅんぷう」が相応しいと考えるのが自然でしょうが、この俳句は虚子が39歳に詠んだものです。

 

高浜虚子の「自選自筆 虚子百句」には「はるかぜ」とふりがなが付けてありますから、虚子自身は「はるかぜ」と読者に読んでほしかったのでしょう。

 

「たつ」も「立つ」とせず、「たたずむ」という漢字「佇む」を用い「たつ」とふりがなをつけています。

  

虚子は「熱い心」をむき出しにせず、余裕をもって表現することを好んだようです。

  

夏目漱石は、「虚子は畢竟(ひっきょう)余裕のある人かも知れない。」と述べています。

 

(「俳句談義(4):高浜虚子の句『大寒の埃の如く人死ぬる』とは、『平和』を考える」をご参照下さい。)

     

歳時記(俳誌のサロン)から、気の向くままに「春風」・「春の風」を引用させて頂きます。

(俳句の詳細は青色文字の季語をクリックしてご覧下さい。)

     

春風

結んで開いて指の体操春風に

         (瀧春一)

 

式終へし子等春風へ放たれぬ 

      (山田禮子)

  

母が押す春風が押すベビーカー

     (津田このみ)

   

春の風1

泣いてゆく向ふに母や春の風

      (中村汀女)

  

朝刊の匂ふキヨスク春の風 

      (木下節子)

  

春の風ビル一面にビル映る 

      (中原幸子)

  

春の風2

今日よりは句碑の里山春の風

      (山田弘子)

  

ネクタイの玉虫色や春の風 

     (池崎るり子)

   

ゆつたりと着せし子の服春の風 

      (藤野力) 

  

春の風3

抜糸してタクシー待つや春の風 

       (内田しんじ)

  

竹林の光と影に春の風

       (早崎泰江)

  

春の風子らは古墳でかくれんぼ

       (武田ともこ)

  

2022年3月ウクライナ紛争について「已むに已まれぬ思い」を俳句に詠み、記事を書いた

血に染むなドニエプルてふ春の川」や春一番この発言はおぞましき」をご覧頂いたと思いますが、ロシア軍のウクライナ侵略やイスラエルのパレスチナ攻撃など、時代錯誤の戦争が収まらないのは悲しいことです。

  

ここをクリック(タップ)して、「戦争と平和(俳句と川柳:終戦記念日特集)」をご覧下さい。

     

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

   

2018年3月 9日 (金)

俳句の鑑賞:「早春」・「春浅し」

     

(2025.2.26 更新) 

早春や再開発の店仕舞ひ

早春や建替へ工事遠近に

早春やまん歩をすれば子等の声

  

20250226_120342_220250226_120543_220250226_153827_2

 

これらの写真は、掲句を詠んだ最近のまんぽ道の風景です。


  

早春や窓の日差しに癒されて

春浅し命の限り句を口に

        (薫風士)

  

0650_3

最後の掲句は、塩見三省氏の本に感動し、口遊みました。

   

(写真をタップ・拡大してご覧下さい。)

(青色文字をクリックして例句やリンク記事をご鑑賞下さい。)

     

剪定す不死鳥形に杉垣根

 

 早春の朝日に鴉光り翔ぶ

 

舞ひ上がる鴉の声音春浅し

 

早春の柔らかき丘愛犬と

 

春浅き夕日に想ふ子の未来

 

早春の梢の入日愛でにけり

       

23219

掲句は「早春」を詠んだチュヌの主人薫風士」の前座句です。

チュヌは2018年10月16日に永眠しました

      

歳時記(俳誌のSalon)から気の向くままに「早春」の例句を抜粋・引用させて頂きます。

      

早春1

早春の雨に落着く一日かな 

        (稲畑汀子)

   

早春の土の匂いぞ庭仕事  

       延川五十昭)

  

早春2

早春の湖に近江の逆さ冨士 

       (吉江潤二)

 

早春や波引くあとを砂が追ふ 

      (太田佳代子)

  

早春3

早春の夜の雨音に独り言   

       (上田明子)

   

早春や波静かなる由比ヶ浜  

       (中村則夫)

  

早春4

早春の見えぬ水音雑木山   

      (乙坂きみ子)

  

早春やリハビリ室のビバルディー 

      (波田美智子)

  

早春5

水際打つ波が奏でる早春譜 

       (藤岡紫水)

  

早春の夜明けの池の水鏡  

       (沼田巴字)

   

春浅し1

杉山へつづく轍や春浅し  

       (穴澤光江)

  

浅春や水あをあをと和紙の里 

       (平田安生)

  

春浅し2

人力車客未だつかず春浅し  

        (岡本直子)

 

工房に木屑の匂春浅し    

       (川瀬さとゑ)

  

春浅し3

春浅き麒麟の空の飛行雲   

        (三好達治)

  

浅春の忍冬亭の跡に佇つ   

        (林いづみ)

  

春浅し4

春浅き水を渉るや鷺一つ 

       (河東碧梧桐)

 

木曽駒のせせらぎに居て春浅し 

        (大橋晄)

  

春浅し5

浅春の相手に合はす白ワイン 

       (宮内とし子)

  

春浅き四万十川の投網舟   

        (高谷栄一)

  

春浅し6

うそ泣きを覚えたる孫春浅き 

        (河田孝子)

 

裸木の梢くれなゐ浅き春   

       (佐々木永子)

   

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

    

2018年3月 6日 (火)

俳句の鑑賞:「啓蟄」に思うこと

     

P.S.2022.3.18

ウクライナ紛争について、プーチン大統領や世界の指導者が賢明な決断をしてくれることを切望して、「やむにやまれぬ思い」を書きました。

青色文字(タイトル)をクリックして、「血に染むなドニエプルてふ春の川や「ロシアの旅(写真・俳句)Trip to RussiaPictures & Haikuをご覧下さい。

  

220305

4年前(2018年)の啓蟄には、韓国と北朝鮮の対話が始まり、民の期待を裏切らず南北対話が順調に進展することを願いつつ啓蟄の俳句を詠み、ブログ記事を書きましたが、案じた通り期待は裏切られました。

今年の啓蟄は残念ながら新型コロナ感染拡大が収束しないばかりか、ロシアがウクライナに侵攻し、世界平和が脅かされる事態になりました。

     

啓蟄やミサイル飛ばす独裁者

啓蟄やオミクロン株なほ絶えず   

啓蟄や多事多難なる現の世

啓蟄や民族闘争蘇り

啓蟄やコロナ専制疎む日々

     

啓蟄や尾曲り猫の鳴き合ひて

啓蟄や轍を行く子けんけんぱ

啓蟄や出でし言の葉おぞましき

   

掲句は、薫風士が「已むに已まれず」詠んだ「川柳擬き」の俳句です。

「已むに已まれず」は「やむにやまれず」と読みます。

貴方は、物議を醸した「誰かさん」と違い、「已みません」を読み間違いするような読みにくい「ひらがな」にしなくても「漢字」で読めるでしょう(?! 

市井の一老人に過ぎない薫風士は、ウクライナ問題が平和裏に速やかに解決されることを祈りながら駄句を口遊み、平和を訴えるしか手立てがありませんが、迎撃ミサイルが核爆発を起こさず100%防衛できるとは信じられません。

原子力発電所の安全確保も益々おぼつかなくなることは、ウクライナへのロシアの侵攻や北朝鮮のミサイル実験を見れば自明のことでしょう。

問題の解決には、覇権争いや経済制裁ではなく、共産主義圏と民主主義圏の住み分けをして、どちらが人類に幸せをもたらすか、文化やスポーツの世界で平和裏の競争をしながら見極めることでしょう。 

       

啓蟄や初金メダル北京パラ

 

村岡桃佳選手(1997.3.3 生れ)はアルペンスキー女子滑降「座って滑るクラス」と「スーパー大回転・座位」と2日連続の金メダルを獲得しました。まことにおめでとうございます。

知名度の上がったこの契機に是非ともパラリンピック・スポーツを通じて世界平和に貢献する活動をして頂きたいものですね!

  

戦争を知らない世代元総理の発言「日米核共有」を何と考えるか、あなた次第ですが、子供たちの将来の為に、世界の政治指導者が21世紀に相応しい政治哲学を持ち、「究極の愛」を発揮して賢明な政策を推進してくれることを祈るばかりです。

次の参議院選挙は棄権をせず、しっかり考えて投票しましょうね!

         

(2018年の啓蟄の記事)

啓蟄や犬はひと際嗅ぎ回り

啓蟄や南北対話動き出す

  

雨上がりの朝の散歩で愛犬チュヌが一際(ひときわ)あちこちを嗅ぎ回りました。今朝のテレビニュースによると、「3月5日に韓国政府の特使が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長と会談した」とのことです。

 

南北対話が民の期待を裏切らず世界の平和のために順調に進展することを願いつつ、気の向くままに歳時記(俳誌のサロン)の俳句を引用させて頂きます。

(青色文字の季語をクリックし、例句の詳細をご覧下さい。)

    

啓蟄1

啓蟄や屋根くろぐろと寺の町

         (鷹羽狩行)

  

啓蟄や堆肥の匂ふ蜜柑畑   

         (大塚禎子)

  

啓蟄2

啓蟄や残らず靴を磨き上げ

       (石川のぶよし)

  

啓蟄や靴の減りぐせ父に似て

         (千田百里)

  

啓蟄3

啓蟄の蚯蚓の紅のすきとほる 

         (山口青邨)

  

啓蟄や汐留にビル競ひ建ち  

         (今村恵子)

  

啓蟄4

啓蟄や背伸びをすれば骨の鳴り 

         (八染藍子)

 

啓蟄の歩幅大きくなりにけり

        (寺田すず江)

  

啓蟄5

啓蟄や反抗期の子まだ寝床  

         (下山和美)

 

啓蟄や政変聞きつ厨事    

         (足利錞子)

  

啓蟄6

啓蟄や地下鉄を出て迷ひける 

         (竹内悦子)

 

啓蟄や探しあぐめる地下出口 

         (渡邉英子)

  

啓蟄7

啓蟄や小さき地震に耳立てて 

        (久津見風牛)

 

啓蟄や大地震の地よ甦れ   

         (木野裕美)

  

啓蟄8

啓蟄や要介護より抜け出せず 

         (吉村摂護)

 

啓蟄や犬の見てゐるショベルカー

        (平野みち代)

  

啓蟄9

啓蟄や仏足石の苔生して   

        (服部鹿頭矢)

  

啓蟄や杖つく足をやや高く  

         (吉村摂護)

  

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

トップ欄か、この「俳句HAIKU」をタップすると、最新の全ての記事が掲示されます。

 

2018年3月 3日 (土)

俳句《春一番・啓蟄》(更新版)

      

啓蟄やダ-クパタ-ンの溢るる世

啓蟄や言はぬが花か?今の世に

啓蟄や二度は試さむ諦めず

啓蟄や祈りの日々の八十路行く

啓蟄や e-Taxに取り掛からむ

  

朝からの雨で庭弄りは出来ず、手つかずのe-Taxに取り掛かることにしました。

  

以下は、2018年3月に書いた記事を2022年に更新したものです。

  

血に染むなドニエプルてふ春の川

・春一番おぞましきとはこの言葉

・啓蟄や出でし言の葉おぞましき

      

 「この言葉」とは何か、この青色文字をクリック(タップ)し、ご覧下さい

 

220305_2

2022年の「春一番」は3月5日の「啓蟄」でした。

      

  

・日々愛(お)しむキノコ雲なき春の雲

・親子行くキノコ雲無く春の雲

   

掲句は、薫風士が「已むに已まれず」詠んだ「川柳擬き」の俳句です。

「已むに已まれず」は「やむにやまれず」と読みます。

貴方は、物議を醸した「誰かさん」と違い、「已みません」を読み間違いするような読みにくい「ひらがな」にしなくても「漢字」で読めるでしょう(?!

   

戦争を知らない世代元総理の発言「日米核共有」を何と考えるか、あなた次第ですが、日本が「核保有国」になることが「自衛」になるとは、到底考えられません。

 

「ぶつぎをかもす誰かさん」の「アメリカファ-ス卜」のように、科学技術の進歩した現代に中世や西部劇時代の考え方で国民や国論を分断・対立を煽る発言されるのは困りものですね。

 

子供たちの将来の為に、世界の政治指導者が「究極の愛」を発揮して賢明な政治を推進してくれることを祈っていますが、参議院選挙は棄権をせず、あなた任せにせず、しっかり考えて投票しましょうね!

   

2018年の「春一番」は昨年より12日遅い(3月1日)発生でしたが、猛威をふるいました。

 

この記事は3月3日「雛祭り」・「平和の日」に書きました

 

歳時記(俳誌のサロン)から季語が「春一番」の俳句を気の向くままに引用させて頂きます。

(青色文字の季語をクリックすると掲載された俳句の詳細がご覧になれます。) 

  

春一番(1)」

春一番武蔵野の池波あげて 

       (水原秋桜子)

  

ポリバケツ逃げまどひたる春一番

        (柿沼盟子)

  

春一番(2)」

風見鶏欣喜回転春一番    

         (山口速)

  

猫探す貼り紙吹かる春一番  

       (池田加代子)

   

春一番(3)」

改札を春一番と通りけり   

         (本節子)

  

春一番阿鼻叫喚のフェニックス

       (松崎鉄之介)

   

春一番(4)」

春一番自転車あまた薙ぎ倒し

       (芝宮須磨子)

  

春一番小学生は駈けたがる  

       (今橋眞理子)

  

春一番(5)」

よろめきて春一番と諾ひぬ  

        (村上悦子)

    

(575筆まか勢)

呼鈴は空耳なりし春一番   

        (田中湖葉)

  

松に鳴り樫に響けり春一番  

        (川村紫陽)

  

白波の浮燈台や春一番

        (岡本静子)

  

若者に古着が流行る春一番  

        (有馬朗人)

      

(「増殖する俳句歳時記」)

胸ぐらに母受けとむる春一番 

        (岸田稚魚)

この俳句は、清水哲男氏の解説に「折りからの強風によろけた母親を、作者はがっしと胸で受けとめた。」とある通りのことを詠んだものでしょう。しかし、広辞苑によると「胸倉」は「着物の左右の襟の重なり合う辺りの部分。むながらみ。」という意味ですから、作者は「母の胸倉が強風で膨らんだ」状態を詠んだ、と解釈できないこともないでしょう。作者は「胸ぐら」と表示することによって二通りの解釈を可能にしたというのは穿ち過ぎでしょうか?

          

真夜中の犬の冒険春一番

 

掲句はチュヌの主人の即興句です。春一番の強風にカーポートのシャッターが少し開き、隙間からチュヌは夜中に冒険に出かけました。チュヌの居ないのに気付いた主人やお母さんが散歩道など探しましたが見つからず、警察署に届けました。でも、チュヌは朝食前にお家に帰ったので「遺失物」の届け出はすぐ解除されました。お巡りさん、お騒がせしてすみませんでした。

   

(補追)

チュヌは2018.10.16に永遠の眠りにつきました。

『チュヌの追悼』by L.P. Lovee」をご覧頂ければ幸いです。

    

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。