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2017年11月14日 (火)

俳句の鑑賞 <「木枯」・「凩」・「こがらし」・「木がらし」>

           

10月30日に木枯し1号が東京や近畿地方で吹きました。NHK NEWS WEBによると、「去年と比べて、東京で10日早く、近畿で1日遅くなっている」とのことです。

   

俳誌のサロン」の歳時記から気の向くままに「木枯し」の俳句を引用させて頂きます。

青色文字の季語などをクリックすると、俳句の詳細や解説記事などがご覧になれます。

   

木枯1

・木枯や野菜づくしの喪の煮炊き (久崎富美子)

木枯2

・木枯やたばこを吸ひに外へ出て (山田六甲)

木枯3

・木枯しに大見得をきる古木かな (吉澤利治)

木枯4

・木枯を背に鍵穴を探りをり (加藤克)

木枯5

・木枯や水なき空を吹き尽す (河東碧梧桐

   

凩1

・一号と呼ばれ凩吹いてをり (斉藤美奈子)

凩2

・凩の止みて下弦の月静か (松村美智子)

凩3

・胸中の凩咳となりにけり (芥川龍之介

   

こがらし

・こがらしの樫をとらへしひびきかな (大野林火

    

ちなみに、「野煙る・俳句エッセイ」にある芥川龍之介の俳句の解説記事に、「木枯らしや目刺にのこる海の色」とあり、お皿の目刺しの写真がありますが、「目刺し」は春の季語ですね。芥川龍之介は実際に「干されている目刺し」の情景を詠んで、「木枯らしや」と冬の季語を用いたのではないでしょうか? 最近は実際の風景を見て詠むのではなく、観念的に創作しているのではないか、と思われる俳句をみかけますが、この芥川の俳句もその一例でしょうか? 

また、「古典・詩歌鑑賞(ときどき京都のことも)「増殖する俳句歳時記」の「季語が凩の句」などには、「木がらしや目刺にのこる海のいろ」と「凩」「木枯」などの漢字でなく「木がらし」と表記されています。芥川龍之介が「木がらし」(「かな漢字混じり」)や「のこる」など、「ひらがな」で表記しているのは「目刺し」と「海の色」の対比を目立たせて強調する意図的な技法だろうと思います。

芥川の俳句などについて興味ある解説記事が「ブログ俳諧鑑賞 芥川龍之介の句」というサイトにありますが、この俳句を芥川が作った背景をご存知の方があれば教えてほしいものです。なお、このサイトは特攻隊のことを詠んだといわれる山口誓子の俳句「海に出て木枯帰るところなし」についてもふれています。

正岡子規の「凩」・「木枯」の俳句に興味のある方はここをクリックすれば「webM旅」をご覧になれます。

夏目漱石の「凩」の俳句はここをクリックすれば「夏目漱石俳句集」をご覧になれます。夏目漱石はさすが文豪ですね。

芥川龍之介や夏目漱石など文豪の秀句を読むと駄句を作りブログに掲載するのは気が引けますが、庶民もそれぞれに俳句を楽しむことができることを多くの人々に知ってほしいと思ってブログを書いています。

      

        

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