« 2021年5月 | メイン | 2021年7月 »

2021年6月

2021年6月29日 (火)

著名な俳人の「字余りの俳句」の鑑賞

    

かって、「俳句の定型とリズム」という記事を書きましたが、コロナ禍の慰みに俳句の面白さをエンジョイして頂きたく、著名な俳人の「字余り」の代表句を掲載します。

青色文字をクリック(タップ)して解説のリンク記事をご一読下さい。

  

松尾芭蕉

旅に病んで夢は枯野をかけ廻る

芭蕉の辞世句として有名なこの俳句は「6・7・5」の字余りですが、辞世句には字余りの俳句が多くあり、今更付言することはありません。

《枯野》<芭蕉の辞世句> ドナルド・キーン訳の推敲を考える」や「辞世句(俳諧・川柳・俳句)を集めました」をご覧下さい。

        

 かれ朶に烏のとまりけり秋の暮

「中七」を「中九」の字余りにして、烏が飛んで行く行き先を見届けた時間的経過を表現していると思います。

    

与謝蕪村 

 しら梅に明る夜ばかりとなりにけり

「中七」を「中八」にして詠嘆することにより、辞世句としての感慨を強調しています。

蕪村は、薫風やともしたてかねついつくしま」という破調「5・8・5」の、深読みすると面白い、俳句も作っています。

ここをクリック(タップ)して「俳句鑑賞 <蕪村の俳句『薫風や』は面白い>」をご笑覧下さい

  

小林一茶 

雀の子そこのけそこのけお馬が通る

この俳句は「5・8・7」と「中七」と「下五」が字余りですが、リズムは整っていて俳諧味があります。

  

 正岡子規 

糸瓜咲いて痰のつまりし仏かな

この俳句は子規の辞世3句の一つですが、句意を明瞭にするためにやむを得ぬ「上五」が「上六」の字余りになっています。一般に、上五の字余りは許容されています。

    

高浜虚子 

我のみの菊日和とはゆめ思はじ

この俳句は「下五」が「下六」の字余りです。句意を明瞭に強調するのにやむを得ない字余りの表現でしよう。

     

星野立子

父がつけしわが名立子や月を仰ぐ

 この俳句は「上五」と「下五」が字余りの「6・7・6」の破調です。助詞「や」の詠嘆的切字と「下六」の「月を仰ぐ」とが呼応して、破調により、感慨深い句になっています。

   

金子兜太 

水脈の果炎天の墓碑を置きて去る

626_112631

この俳句は、「中七」を「中八」にして、句意を明瞭にするとともに感情表現を強調しています。

(写真はトラック島における金子兜太の戦争体験「酒止めようか どの本能と遊ぼうか」61頁)

  

夏井いつき先生の査定で、プレバト梅沢富美男永世名人の俳句「読み終へて痣の醒めゆくごと朝焼」(「5・9・4」の破調)が「俳句のお手本」とされました。

そのことに納得できず、「お手本のリズム音痴や熱帯夜」という記事をかきました。ここをクリック(タップ)してご笑覧下さい

   

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

トップ欄か、この「俳句HAIKU」をタップすると、最新の全ての記事が掲示されます。

  

2021年6月25日 (金)

俳句の鑑賞:「昼寝」

   

210625

昨日「まんぽ」をしていて、合歓の花が咲いているのに気付きました。「ネムノキ」は夜になると葉が合わさって閉じることから「夫婦円満」の象徴とされています。

夏至も過ぎ、梅雨の中休みで昼下がりには眠気を催し、昼寝をすことが多くなりました。

東京五輪開催まで後1か月を切りましたが、新型コロナウイルス変異株の感染拡大が高止まりから増大傾向にあり、心配なことです。

老いの身では如何ともしがたく、「まん歩」して俳句を口遊み、眠気を催せば昼寝をして、自然環境に恵まれたベッドタウンの自粛ならぬ自由気ままな健康管理をするばかりです。

薫風士の昼寝の俳句をご笑覧下さい。「昼寝」や「風死す」は夏の季語です。

    

 何もかも昼寝したるか風死して

 

コロナ禍や自由気ままな昼寝せむ 

 

 昼寝してコロナに負けず大の字に

 

コロナ禍の昼寝大の字我が天下

 

大の字に老躯広げて夏座敷

 

 ママを呼ぶ隣家の声昼寝醒め

 

 選手権五輪はテレビ昼寝しつ

 

 我知らぬ永久の眠りへ昼寝して

     

上記の「永久の眠り」の俳句のように、茶寿も健やかに祝って永久の眠りにつくことが薫風士の理想ですが、この俳句の助詞を入れ替えて、次のとおり修正すると薫風士の辞世句か追悼句になるのではないでしょうか?

   

我知らず永久の眠りに昼寝して

    

「歳時記(俳誌のサロン)」や「575筆まか勢」の例句を気の向くままに抜粋・掲載させて頂きます。青色文字(季語など)をクリック(タップ)して例句の詳細をご覧下さい。

 

昼寝1

昼寝より覚め一憂に戻りたる 

         (山田弘子)

  

昼寝2

天寿とは昼寝の覚めぬ御姿         

       (阿波野青畝)

  

昼寝3

腹を見せ木陰のパンダ大昼寝  

         (小林佐江子)

 

昼寝4

約束をころりと忘れ昼寝せり  

          (伊藤通友)

 

昼寝5

かみの毛のそよいでゐたる昼寝の子 

          (加藤みき)

 

昼寝6

山鳩のけだるく鳴けり昼寝覚  

          (北崎展江)

 

昼寝7

子どもらの歓声遠く昼寝かな 

       (波戸辺のばら)

 

575筆まか勢

どこででも昼寝すそれがひと憩ひ  

         (高浜年尾)

 

鼻通る空気のうまき昼寝かな          

        (京極杞陽)

  

大昼寝父子よく似る土踏まず                  

        (影島智子)

  

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

トップ欄か、この「俳句HAIKU」をタップすると、最新の全ての記事が掲示されます。

  

Dsc_5172

2021年6月23日 (水)

コロナ禍の続く忍従沖縄忌(補填版)

        

(P.S. 2022.6.23)

今年の沖縄忌は沖縄返還50周年の節目です。

沖縄は6月20に梅雨明けしました。

   

梅雨明や七歳児詠む平和の詩

沖縄忌本土復帰の五十年

慰霊の日俳句に託すこの思ひ

梅雨明けや覇権争ひ止める知恵

この思ひLINEに載せよ沖縄忌

沖縄忌ままならぬとて諦めず

  

ウクライナ戦争終結と世界の恒久平和のために、世界の政治指導者が「究極の愛Ultimate LOVE」を発揮して、賢明な政治を推進してくれることを祈っています。

    

(2021.6.23)

コロナ禍の続く忍従沖縄忌

忍従の雨の祈りや沖縄忌

          木下さとし

   

1495

6月23日は「沖縄忌」とされていることを知り、沖縄の人々のご苦労に思いを馳せて詠んだ拙句をタイトルにしました。

ここをクリックして、ウイキペディアの「沖縄戦」の解説をご覧下さい

   

沖縄忌乙女の詩(うた)の高らかに

平和の世誓ふ乙女や沖縄忌 

沖縄忌乙女の詩に雨しとど

雨洗ふ平和の礎(いしじ)沖縄忌

五月雨の洗ふ礎や平和の灯

ビデオにて首相挨拶沖縄忌

六二三語り繋がむ沖縄忌

   

掲句は、今年の「平和の詩」に選ばれて「みるく世の謳」を朗読した上原美春さん(宮古島市の中学生)の堂々とした態度をNHK-TVの実況放映を見て感動して詠んだ拙句です。

菅首相は、コロナ禍のビデオメッセージで、「『できることはすべて行う』との方針の下、沖縄の基地負担の軽減に向け、一つ一つ、確実に結果を出していく決意であります。」と述べています。安倍流(?)の口先の美辞麗句に終わらず、是非とも言行一致にしてほしいものです。

歳時記(俳誌のサロン)の「沖縄忌」の俳句から2句抜粋・掲載させて頂きますが、例句の詳細はここをクリックしてご覧下さい

   

沖縄忌手榴弾など知らぬ世に  

          (川村欽子)

 

空の青海の碧さや沖縄忌   

         (滝口洋子)

   

6月21日に7都道府県の「緊急事態宣言」は解除され、「まん延防止等重点措置」に移行しましたが、沖縄県は7月11日まで「緊急事態宣言」が継続されます

戦没者のご冥福を謹んでお祈りするとともに、新型コロナウイルスの感染拡大がワクチン接種の徹底により速やかに収束することを祈ります。

  

本との出会い(1)「あの海にもう一度逢いたいをご覧下さい。

   

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

トップ欄か、この「俳句HAIKU」をタップすると、最新の全ての記事が掲示されます。

  

2021年6月21日 (月)

夏至の一日(夏の俳句と写真)

         

歳時記から、親しみやすい俳句を気の向くままに抜粋掲載させて頂きます。

例句の詳細は青色文字の季語をタップしてご覧下さい。

   

夏至1

夏至暮るる三度食事をしたるのみ 

           (中原幸子)

 

どの犬も合羽着てゐる夏至の雨  

          (木下節子)

 

犬待たせ一枚羽織る夏至の夜  

          (大柳篤子)

  

夏至2

常連の飲み会夏至の夕べかな   

          (渡辺安酔)

 

割り切れぬ思ひに暮れて夏至の雨 

         (窪田佳津子)

 

家中の窓開け放つ夏至の午後  

         (仁平則子)

     

575筆まか勢

 
夏至の月やうやく光得つゝあり 

          (坊城中子) 

 

白衣きて禰宜にもなるや夏至の杣  

         (飯田蛇笏)

   

(2021.6.21)

Dsc_5058

2021年6月21日、東京や大阪など7都道府県は「緊急事態宣言」が解除され、「蔓延防止等重点措置」に切り替えられ、少しはホットしましたが、沖縄は7月11日まで緊急事態宣言が継続されます

オリンピックの開催に伴い又「緊急事態宣言」が必要な事態になるかもしれませんね。心配なことです。

6月21日は夏至の快晴に恵まれ、清々しい早朝や夕暮れ前の「まんぽ」を満喫しました。

   

拙句10句と写真を掲載します。

青色文字をクリック(タップ)してリンク記事をご覧下さい。

夏至の朝ジョガー犬連れ行き交ひて

スマホもて夏至の燕の飛翔撮る

呼応する夏至の鴉の恋の声

玻璃の壁鏡に夏至の太極拳

自転車の曲乗り巧夏至の園

夏至の空水面に映ゆるアート池

夏至の空映ゆる水面の渦の恋

水輪とはアメンボの恋日暮れ前

水輪とは魚の夕餉夏至の池

夕月に夏至の一日を惜しみけり

  

(P.S. 2022.6.21)

明易や花鳥諷詠南無阿弥陀

       (高浜虚子)

   

明易一期一会句に祈り

手作りの骨壺を手に明易し

       (薫風士)

  

本との出会い(1)「あの海にもう一度逢いたい」

をご覧頂ければ幸いです。

   

ここをクリック(タップ)して、夏の俳句特集 《コロナ禍のストレスを発散しよう!》をご覧下さい

   

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。     

トップ欄か、この「俳句HAIKU」をタップすると、最新の全ての記事が掲示されます。   

   

Dsc_505620210621Dsc_5084Dsc_5049Dsc_5059Dsc_5119Dsc_5054Dsc_5078Dsc_5155Dsc_5112

  

   

          

  

 

  

  

 

  

2021年6月20日 (日)

「父の日」の楽しい句作と鑑賞:助詞 《や・の・を・も・に・と・は》

      

2023.6.18 更新

父の日やワンちゃんリブになつかれし

         (薫風士)

  

618_060409_2

父の日のプレゼントの花の定番は匕マワリだそうですが、向日葵はウクライナの国花でもあります。

ウクライナ紛争について、「已むに已まれぬ思い」を俳句に詠み、書いた記事血に染むなドニエプルてふ春の川をご覧下さい。

青色文字をクリック(タップ)して例句の詳細やリンク記事をご覧下さい。

父の日の率直な感慨を駄句に詠み、気の向くままに「歳時記」や「575筆まか勢」の例句を抜粋・掲載させて頂きます。

「助詞」や語順を入れ替えて、「俳句の面白さ・楽しさ」や「助詞の効用」をご笑味下さい。

   

父の日のLINEの絵文字娘より

父の日や女は強し母強し

桑の実を苦吟の妻と父の日を

父の日や隣家に母と子等の声

父の日や母を呼ぶかに鴉の音

父の日の父へと娘のど自慢

父の日はニュースにならず暮にけり

気兼ねなき独酌が良し父の日も

父の日の家居を癒す手酌酒

父の日や話に夢中母娘

父の日も娘が来れば蚊帳の外

冷し酒娘自慢を胸に秘め  

    

父の日1

父の日や本音ちらりと頼られて 

         (松沢久子)

 

父の日を忘れし夫に酒届く   

         (山本潤子)

  

父の日2

父の日の話題とならず長電話  

         (中原敏雄)

 

祝はれしことなく父の日も暮れぬ 

         (木暮剛平)

  

父の日3

父の日の父便所にも見当らぬ

         (関根通紀)

 

父の日を一家総出で盛り上げる  

         (辻美奈子)

  

575筆まか勢

父の日に子が来て母と睦みけり   

         (千葉 仁)

 

父の日の話題は母のことばかり

         (三宅 桂)

   

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

トップ欄か、この「俳句HAIKU」をタップすると、最新の全ての記事が掲示されます。

   

Dsc_5042

2021年6月16日 (水)

俳句:「汗」と「オリパラ」

    

(P.S 2022.9.19)

ひまわり」はウクライナの国花とみなされています

「TOKYO 2020」の開催をワクチンの開発・普及が進み新型コロナウイルスの感染拡大の収束が期待されるまでの2年間の延期にしておれば、暗殺による安部晋三元総理大臣の不慮の死も起こらず、世界の歴史は変わっていたかもしれません。

安部晋三前総理大臣の発言にもかかわらず、「オリパラ」の開催を新型コロナウイルスの感染拡大が収束するまで何故延期しないのか、マスコミもそのことに何故触れないのか、不思議に思っています。

    

(2021.6.16)

20210617

コロナ禍の「外出自粛」が続き、汗をかく機会が少なくなっていますので、週に2回位は汗をかく運動をすることが「熱中症対策」として勧められています。

薫風士は「健康管理の月一ゴルフ」をして、「梅雨晴れ」の「真夏日」の汗をかきました。

そこで、歳時記から「汗」の俳句を気の向くままに抜粋・掲載させて頂きます。

  

汗1

 身二つとなりたる汗の美しき

         (野見山朱鳥)

   

喪服着て生けるしるしの汗しとど

          (田中藤穂)

 

汗2

ほのかなる少女のひげの汗ばめる

          (山口誓子)

 

汗の香の違ふテニス部ラグビー部  

         (木暮陶句郎)

  

汗3

 嬰あやす百面相に玉の汗     

           (今井忍)

 

にこやかな看護士顔に玉の汗   

          (長山野菊)

  

汗4

 初めての子を抱く若き父の汗  

          (柳沢典子)

 

子の汗をひたすら拭ふ汗の母  

         (名村早智子)

  

汗5

流る汗おのずとひきし杉木立  

         (加藤二三子)

   

汗引きてしまひしピアノコンサート 

          (二宮一知)

  

汗6

飽食のモナリザに似る顔の汗  

          (加藤峰子)

  

静脈を叩くナースに汗滲む  

         (北川キヨ子)

  

汗7

諦めしバスに間に合ひ汗やまず 

         (保田英太郎)

  

部活の子の乗り合ひバスの汗臭し 

          (岩崎靖子)

 

汗8

黙々と鍬ふる夫や汗滂沱    

          (大川暉美)

 

駄駄こぬる幼涙と玉の汗    

          (木村弓子)

  

汗9

ままごとの一人二役汗かいて  

          (北島智子)

  

順路とて迷路や汗の行き止まり 

          (稲畑汀子)

  

汗10

汗ひかる勝者敗者の区別なく  

          (岡佳代子)

 

セ・パ交流投手は汗を衿で拭く 

          (水野範子)

  

汗11

フィナーレの指揮者の背ナや透ける汗 

          (古沢幸次)

  

アンコールに応ふ指揮棒汗飛ばす   

          (石橋萬里)

   

汗12

汗知らぬ施設ぐらしに笑みあらず 

          (山崎靖子)

  

こんなにも汗の笑顔の集ふ会   

          (稲畑汀子)

    

最後に薫風士のコロナ俳句「汗」をご笑覧下さい

蛇足ですが、「オリパラ」は季語ではありません

  

飛び乗れば女性車両や玉の汗

  

コロナ禍の月一ゴルフ汗をかき

  

汗まみれバンカーショット繰り返し

  

コロナ禍汗と涙のオリパラ

  

コロナ禍のオリパラ汗の決勝(結晶)よ

  

オリパラのコロナ禍の汗リバウンド

 リバウンドは「新型コロナ変異ウイルス感染拡大の第5波(?)が起ること」を指しています。

   

オリパラに汗し抑えよリバウンド

      

オリパラやコロナ禍汗すその成果

  

コロナ禍のオリパラメダル汗の笑み

   

コロナ禍やオリパラ(苦)にし汗(褪せ)拭ふ

   

東京五輪・パラリンピックは文字通りスポーツの祭典として皆が心から楽しめることを期待して、新型コロナ感染拡大の恐れがなくなるまで延期することを「俳句HAIKU」で訴え続けてきましたが、ままならず、「コロナ禍の思い」をありったけ発散したくて、駄句を列記してしまいました。

青色の文字をタップしてリンク記事をご一読頂ければ幸いです

  

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

トップ欄か、この「俳句HAIKU」をタップすると、最新の全ての記事が掲示されます。

  

2021年6月15日 (火)

コロナ禍の梅雨のひととき「美かえる」で

  

Dsc_4977

「美かえる」は 「みかえる」と読み、兵庫県立美術館のシンボルです。「美かえる」の由来は冒頭の写真をタップ・拡大してご覧下さい。

タイトルの俳句の「美かえる」はこの県立美術館を指しています。

    

梅雨の晴れ間愛車の1年毎の定期点検で神戸に来た時間つぶしに、兵庫県立美術館を訪ねました。

時間の都合があり、特別展(コシノヒロコ展)は割愛して、常設展のみ見ましたが、久しぶりに美の世界に浸り満足しました。

(最後のパンフレットの写真をタップ・拡大してご参照下さい。)

    

少女像見つめる空や夏の潮

美術展梅雨のひととき二・三周

夏燕追ひて「美かえる」振り返る

  

歳時記によっては「美術展覧会」を秋の季語としています

ここをタップして、「コロナ禍の思い」《かえる》をご笑覧頂ければ嬉しいです

   

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

トップ欄か、この「俳句HAIKU」をタップすると、最新の全ての記事が掲示されます。

  

Dsc_498020210611_2Photo20210611Dsc_4976Dsc_5028aDsc_5029_a

2021年6月14日 (月)

コロナ禍や酒無き昼餉梅雨の灘

 

コロナ禍の緊急事態宣言下では蔵元の酒のサービスも無いことをうっかり忘れて、梅雨晴れに偶々所用で灘五郷に来た序に本場の酒を飲みながらランチを食べようと神戸酒心館を訪ね、駄句を口遊みました。

コロナ禍の憂さ晴らしに拙句と写真が聊かでもお役に立てば幸いです。ご笑覧下さい。

(青色文字をタップして、関連のリンク記事をご一読下さい。) 

  

梅雨晴間自粛と知らず酒蔵へ

  

酒蔵で冷酒も飲めず黙食す

   

酒蔵の卓の青葉や酒は無く

   

酒蔵の昼餉の窓や七変化

  

冷酒無くノンアルコール笊蕎麦に

  

ざるそばとノンアルコール梅雨の膳

   

笊蕎麦にノンアルコールを飲んだのは初めてでしたが、意外に美味しくて満足しました。

酒のサービスが無いせいか、筆者の食事中に男ばかりの客は無く、女性客が何組か来ました。

「緊急事態宣言」が解除されても、政府は飲食店への規制は続ける方針のようですが、昨年「俳句HAIKU」の「大寒の俳句(コロナ禍の緊急事態宣言・国際同盟に思うこと」で述べた対策を是非講じて、良心的に運営している飲食店では日本酒などを楽しめるようにしてほしいものです。

      

青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

トップ欄か、この「俳句HAIKU」をタップすると、最新の全ての記事(タイトル)が表示されます。

記事のタイトルをタップ(クリック)して、ご覧下さい。

  

Dsc_4964

Dsc_4961

Dsc_4958

Dsc_4960

Dsc_4959

2021年6月 9日 (水)

コロナ禍の花鳥諷詠梅雨晴れ間

   
Dsc_5057

タイトルの拙句は検索の便宜を考慮して「梅雨晴れ間」と表記していますが、俳句では「梅雨晴間」と簡潔に記述するのが普通です。  

    

一般に、「冷酒」は「れいしゅ」とよみますが、次の俳句の「冷酒」は「5・7・5」のリズムにして、「ひやしざけ」と読んで下さい。

箸を置く度に陶製の箸置きの蛙の眼がクルクル動くのが可愛くて憂さ晴らしの駄句を口遊みました

        

箸置きの蛙相手に冷酒              

真夏日や五輪討論頓珍漢

梅雨晴間コロナの憂さは晴れぬまま

諦めの花鳥諷詠梅雨晴間

夏燕飛び行く空に円虹かな

コロナ禍の五輪は嫌と牛蛙

          

新型コロナ変異ウイルスの感染拡大を抑制するために「緊急事態宣言」が繰り返されましたが、その解除の都度に感染拡大のリバウンドが生じ、未だにコロナ感染の拡大は収束したと言えない状況です。

東京オリンピック・パラリンピックの開催には新型コロナ変異ウイルス感染拡大の大きなリスクがあることは、昨年2月から「俳句HAIKU」でも訴え続けました。

  

昨年、東京オリンピック開催について、IOCバッハ会長は「WHOの勧告に従う」と述べ、安倍晋三総理大臣(当時)は「大切なことは、完全な形で、オリンピック・パラリンピックを日本で開催をすることだ。」と述べていました。

 

しかし、IOC、日本政府、東京都は「不完全な形」でも実施する方針は変えていません。

日本政府や東京都と IOC との「話し合い」・「契約」はどうなっていたのでしょうか?

国際契約では「パンデミック」などによる「不可抗力」の規定を設けるのが常識ですが、このような規定はIOCとの契約に無いのでしょうか?

  

安倍政権を引き継いだ菅首相は「総理大臣として責任を取る」旨の発言をしていますが、人流が増加すれば新型コロナ感染が拡大することは経験則から自明です。

総理大臣が事後に責任を取っても、国民にとっては意味がありませんね!

政治家は国民の声を馬鹿にせず、謙虚に耳を傾け、国民の期待に応えるべく未来を見据えて速やかに政策を決定・実行してほしいものです。

東京オリンピック・パラリンピックは、参加者・支援関係者・医療関係者が感染防止対策を徹底することにより無事に実施され、コロナ感染拡大のリバウンドを起こさないことを祈るばかりです。

しかし、この願いは円虹の如く儚く消えることでしょう。

 

昨年6月に俳句HAIKUの記事「吟行に除疫祈るや梅雨晴間 (俳句と写真)」を書きましたが、新型コロナ感染防止対策は、まさか「神風」を期待する人は居ないでしょう。

大震災などの大災害が起こらないことはひたすら「神頼み」にせざるを得ませんが、コロナ感染拡大のリバウンドの防止は「神頼み」ではなく、政治・行政・国民の対応で解決すべきでしょう!

      

青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

トップ欄か、この「俳句HAIKU」をタップすると、最新の全ての記事(タイトル)が表示されます。記事のタイトルをタップ(クリック)して、ご覧下さい。

  

Dsc_4840

Photo

Dsc_4493

2021年6月 4日 (金)

俳句鑑賞《かえる・蛙・雨蛙・青蛙・牛蛙・土蛙・殿様蛙・蟇・河鹿》 

        

  

Dsc_4787

Dsc_4789

  (写真)

カラー図説日本大歳時記「蛙」のページの一部 

  

写真をタップ・拡大すると、例句や解説をご覧になれます。

青色文字をタップして、解説や例句など、リンク記事をご覧下さい。

    

0621

日本伝統俳句協会のカレンダー

2021年3月

 

527_102051

狭庭の草取りをしていると、目の前に蛙がじっとしているのに気付き、駄句を口ずさみました。

 

 目くらまし巧みな蛙吾が庭に

  

「蛙の俳句」といえば、松尾芭蕉の代表句「古池や蛙飛びこむ水の音」を思い浮かべるでしょう。 

「かえる」は伝統俳句では旧仮名遣いで「かはづ」と記述するのが普通ですが、東京都のコロナ感染拡大防止キャンペーンに因んで「かえる」をタイトルに用いました。

        

「蛙」は「春の季語」ですが、「雨蛙」や「蟇(がまがえる)」などは「夏の季語」です。

梅雨から夏の賑やかな鳴き声で蛙の存在を実感するのが一般的でしょう。  

     

蛙の音芭蕉を偲び句に遊ぶ

  

Dsc_4996

写真はお気に入りの陶蛙の箸置きです。

箸を置く度に目をクリクリと動かします。     

箸置きは陶の蛙や夏料理

         (薫風士)

  

「歳時記」(俳誌のサロン)の例句を気の向くままに、抜粋・掲載させて頂きます。

(「蛙」を詠んだ拙句と写真は最後に更に掲載します。ご笑覧下さい。)    

    

蛙1

コンビニのあかりは消えず遠蛙 

        (田中清司)

   

さながらにコントラバスや牛蛙 

         (大橋晄)

  

蛙2

初蛙広き仏間に一人寝る   

      (大西八洲雄)

   

初蛙やさしき雨の午後となり 

       (阿部正枝)

 

蛙3

点滴は妻の命脈蛙の夜    

       (関根初男)

  

手を握るのみの見舞や遠蛙  

       (間宮あや子)

  

蛙4

よく見ればよき面構へ青蛙  

         (足利徹)

   

掌にのれば仏頂面の青蛙   

       (樋口みのぶ)

  

蛙5

雨蛙かしこまりたる雨催    

        (稲畑汀子)

  

雨どつと沸騰点こす蛙かな  

        (村田岳洋)

  

蛙6

ニュータウンに残る古池牛蛙 

        (中田禎子)

  

蛙田の闇の広がる車窓かな  

        (松尾芳子)

  

蛙7

早暁や令和二日の遠蛙    

       (谷田貝順子)

  

千年の杉の霊気を青蛙    

       (楠本和弘)

  

最後に薫風士の「コロナ俳句」・「まんぽ俳句」と写真をご笑覧下さい。 

蛙の声はここをクリックして、お聞き下さい  

コロナ禍やコロナコロナと蛙鳴く  

コロナ禍や五輪変えろと鳴く河鹿

牛蛙コロナは嫌ブーイング

小さくして一葉に守(も)らる青蛙

土蛙汚らしくし身を守り

身構へる殿様蛙石模様

鎮座して殿様蛙すまし顔

ひき鳴きて姿暗ます保身術

蛙鳴くアートの池やホロンピア

チアダンス池のアートに夕蛙

蛙鳴く池の広場のチア練習

蛙鳴き鴉飛び立つチアダンス

蛙鳴く池越えショットナイスオン

コロナ禍やは自粛五輪とて  

冷房五輪は家で皆帰ろう

猛暑日の五輪マラソン一葉散る

(ひき)も鳴くガッツの涙初優勝

 日本ゴルフツアー選手権を見て、木下稜介選手の初優勝の感激を詠んだ俳句です。 (NHK-TV画面の写真参照) 

  

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

トップ欄か、この「俳句HAIKU」をタップすると、最新の全ての記事が掲示されます。

    
Img_1357_2

Dsc_1886_3Dsc_1888Dsc_4415Dsc_4801Dsc_480220210604Dsc_4806

20210606Dsc_4858_10chtv