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2016年12月26日 (月)

俳句《年忘れ・忘年会・新年会》

     

(2024.12.25 更新)     

ひとかどのグルメ幼の年忘

年忘れ「わかる?」頻発十歳児

胃無き我和牛一品年忘れ

年忘れ世界遺産の地酒無く

欲しきもの世界遺産の新酒かな

年忘れ平和の味を噛みしめて

年忘れ世界遺産の和食愛づ

       (薫風士)   

 

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この写真は三田屋本店でランチに食べた一品料理等の一部分です。

平和の有り難さを噛みしめながら、「日本酒の造り方」がユネスコ無形文化遺産に登録されたのに、美味しい地酒を何故置いていないのだろう?と、不思議に思いながら、冒頭の拙句を詠みました。

  

年忘(としわすれ)は「忘年会」を意味する言葉ですが、「カラー図説日本大歳時記」によると、「年忘れ」は室町時代から使われているようです

 

日本大歳時記には、芭蕉の俳句「人に家を買はせて我は年忘れ」が冒頭にあり、一茶の俳句「独り身や上野歩行(あるい)とし忘れ」など多数の例句が記載されています。

  

一茶の俳句で「とし」と「ひらがな」を用いたのは、「年」と「歳」の二つのニュアンスを出すためでしょうか。

  

芭蕉の俳句やがて死ぬけしきは見えず蝉の声」の「けしき」と同じような表現手法でしょう。蝉の俳句を鑑賞しよう」参照。)

   

「年忘れ」の俳句に富安風生の面白い俳句があります。

   

老いはいや死ぬこともいや年忘れ

   

この俳句は風生70歳の時に作った句です。

「年忘れ」には「自分が何歳か歳を忘れたい」というニュアンスも含ませた俳句でしょう。

   

風生は1979年(昭和54年)222日に93歳で亡くなっていますが、222日は高浜虚子の生誕の日です。

  

風生は虚子に師事しており、虚子は次の俳句を作っています。

   

風生と死の話して涼しさよ

    

運命の赤い糸」で結ばれているという言葉がありますが、虚子と風生の間に何か不思議な縁を感じます。

   

575筆まか勢」を見ると、「年忘れ」「忘年会」の俳句が無数にあります。

目についた例句をランダムに下記します。

    

せつかれて年忘れする機嫌かな

        (松尾芭蕉)

  

年忘橙剥いて酒酌まん

        (正岡子規)

  

年忘れ老は淋しく笑まひをり 

        (高浜虚子)

「笑まふ」は「にこにこ笑う」という意味ですが、「俳句鑑賞・その八 高浜虚子」には「年忘れ老は淋しく笑まひけり」とあります。

「をり」は現在微笑んでいる状態を詠んだものであり、「けり」は過去のことを思いだして詠んだことになります。

  

年忘れ最も老を忘れけり 

        (富安風生)

  

どろどろに酔うてしまひぬ年忘

        (日野草城)

   

とんとんと上る階段年忘れ

        (星野立子)

  

にぎやかに河豚食うて年忘れけり

      (森澄雄)

   

客あれば客あるで又年忘れ

       (高濱年尾)

   

深大寺蕎麦にあづかる年忘

       (上田五千石)

   

義埋もまた楽しみもまた年忘

        (稲畑汀子)

  

厨にも味見の客や年忘

       (坊城中子) 

       

「文学者掃苔録」というサイトには風生の次の俳句などが掲載されています。

(そう)(たい)」とは広辞苑によると、「墓参り、特に盂蘭盆の墓参」のことで秋の季語です。

死を怖れざりしはむかし老の春

わが老をわがいとほしむ菊の前

老木の芽をいそげるをあはれみぬ

    

忘年会や新年会などの話題になると、句友の栄治さんが作った俳句「先輩はいつも先輩花見酒」を思いだしますが、拙句を下記に掲載します。

   

席順に気苦労したる忘年会

相棒は愛犬チュヌよ年忘れ

セクハラとパワハラ憂ひ年忘れ

句に興じブログに興じ煤籠り

   

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写真は数年ぶりに家族で訪ねた三田屋本店(やすらぎの郷)レストランのフル-ト演奏や窓に見える能舞台の風景、二階の「羽衣」で開催されたコーラスグループの「大人の発表会」の情景です。

       

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コメント

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