俳句 (Haiku) Feed

2018年11月27日 (火)

俳句《冬の薔薇・冬薔薇》

    

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ここをクリック(タップ)すれば「冬の俳句特集」をご覧になれますが歳時記(俳誌のサロン)などから気の向くままに「冬薔薇」の俳句を抜粋・掲載させて頂きます。

  

例句の詳細は青色文字(季語)をクリック(タップ)してご覧下さい。

      

冬の薔薇1

冬薔薇や気になる人のとほくゐて 

         (環順子)

   

冬薔薇古城に聴きしオルゴール 

              (川端和子)

(注)俳誌のサロン「歳時記」(2015.12.27)の「古域」は「古城」の入力ミス・文字化けと判断し、修正して掲載しています。

  

冬薔薇を贈られしより誕生日 

        (稲畑汀子)

   

第九歌ふ壇に深紅の冬薔薇 

        (吉見文子)

  

冬の薔薇2

したたかにこの世を生きて冬薔薇 

        (栢森定男

   

冬薔薇にはにかむ色もありにけり 

        (菊地一枝)

  

精一杯生きて八十路や冬の薔薇 

         (筏愛子)

   

子の文に癒やされし夜の冬薔薇 

       (相沢有理子)

  

冬の薔薇3

喜寿の友米寿の吾へ冬薔薇 

       (松崎鉄之介)

   

冬薔薇開かぬまゝに友逝きし 

        (舩越美喜)

   

友の訃の葬無しとのみ冬薔薇 

        (相良牧人)

   

妻逝くも吾は翁ぞ冬の薔薇 

        (林友次郎)

  

冬の薔薇4

文机の冬薔薇匂ふ芙美子の間 

      (小石川後楽園)

   

新築の槌音うれし冬薔薇 

        (林友次郎)

   

冬薔薇の紅き蕾のままに落つ 

        (前川明子)

   

冬薔薇の風に吹かれて中之島 

       (出口貴美子)

  

冬の薔薇5

表札の外されてをり冬の薔薇 

        (加藤惠子)

   

とぼとぼと帰りの道に冬薔薇 

         (秋川泉)

  

筆まか勢

一輪の冬ばら投げてフィギュア終ふ

     (小川濤美子

  

冬薔薇の咲いてしをれて人遠き

       (日野草城

  

冬薔薇の蕾のままに昭和果つ

       (五島久子

   

菊枯れて冬薔薇蕾む小庭かな

       (正岡子規

   

銀座には銀座の生活冬薔薇

       (高木晴子

  

最後に拙句(まんぽ俳句)をご笑覧下さい。

暮れ近き土佐堀川や冬の薔薇

黄の一輪狭庭に凛と冬薔薇

白と黄の一輪ごとの冬の薔薇

丈高き白き一輪冬薔薇

門先に白き一輪冬の薔薇

門入ればアーチに一つ冬の薔薇

冬薔薇のアーチに著し白一輪

冬薔薇のアーチに偲ぶ逝きし友

   

「冬薔薇」は「ふゆそうび」か「ふゆばら」と5・7・5のリズムに読み、「著し」は「しろし」と読んで下さい。

     

青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

   

2018年11月20日 (火)

有馬・瑞宝寺公園 (紅葉の俳句と写真)

 Click here to enjoy bilingual haiku in English. 

 

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11月9日に有馬温泉瑞宝寺公園を吟行し、時雨上がりの明るい空の下に目を見張る美しい紅葉を満喫することが出来て非常にラッキーでした。

   

写真と拙句を掲載しますが、圧倒されるような美しさはとても満足に表現できません。

   

(写真はタッチ・タップして拡大できます。青色文字をクリックすして、歳時記や解説記事をご覧下さい。)

   

・目を見張る紅葉彩る瑞宝寺

  

・晴れ男句作に興じ紅葉狩

  

・行く程に瀬音高まる紅葉径

   

・有馬路の癒しの森の紅葉かな

  

・一行の去りて瀬音や紅葉園

  

太閤の碁盤てふ石紅葉置く

  

・句帳手の俳人の背散る紅葉

  

・紅葉径尺八の音の嫋嫋

  

白き杖暫し佇む紅葉狩

   

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

トップ欄か、この「俳句HAIKU」をタップすると、最新の全ての記事が掲示されます。

  

2018年11月16日 (金)

俳句の鑑賞 :「初時雨」「片時雨」「古都時雨」

    

Click here to see "Bashō's haiku in Japanese and English by L. P. Lovee".

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(冬の俳句特集)不意打ちのオミクロン株冬の雷 をご一読下さい。  

   

歳時記俳誌のサロン「初時雨」の俳句を気の向くままに抜粋・掲載させて頂きます。

   

    

初時雨1

 

初時雨仮住ひまだ解けぬまゝ 

        (松本松魚)

 

南座四条大橋初しぐれ  

        (坂本俊子)

    

初時雨2

  

さいはては雪と聞く夜の初時雨 

        (長谷川春)

  

初しぐれ赤い首輪の迷ひ犬 

       (藤井智恵子)

  

初時雨3

 

初しぐれ煮込みうどんの昼餉とす 

       (大野ツネ子)

 

病院に着きて安堵の初時雨 

        (平島利男

   

初時雨4

  

病癒えし夫に寄り添ひ初時雨 

        (堀田清江)

  

句碑訪ひて巡る余呉湖や初しぐれ 

        (大橋淳一)

  

初時雨5

 

入館の列のしんがり初しぐれ 

        (門伝史会)

  

モネの池通りすぎたる初しぐれ 

        (中谷富子)

   

  

歳時記の「時雨」から「片時雨」の句を抜粋させて頂きます。

 

時雨1

参拝は急ぎなされと片時雨 

        (佐藤康子

     

時雨2

水面から雨の降り出す片時雨 

        (丸山敏幸

    

時雨3

旅果に逢ふ嵯峨野路の片時雨 

       (佐藤よしい

 

時雨4

軒を借る西行堂の片時雨 

       (堀田恵美子

 

時雨5

天平の鴟尾をけぶらせ片時雨 

       (荻原八重子 

(注)「時雨5」(2015年5月30日 作成)の掲句にある「鴎尾」は「鴟尾」の文字化けと解釈して訂正・引用しています。

      

最後に拙句を掲載させて頂きます。 

幼いふ京都らしいと古都時雨 

目覚めれば音のかそけき初時雨 

有馬路やフロントガラス片時雨 

      薫風士

  

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

    

夕月とスマートフォン (第51回三田俳句大会)

   

(P.S. 2023.9.15)

ここをクリックして、「四季の吟行《三田市》」をご覧下さい

    

ここをクリックすると、「俳句鑑賞『落葉』《第50回三田俳句大会に参加して》」をご覧になれます

   

(2018.11.16)

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(写真)

大会前の踊り(目に障害のある方)や高得点者受賞の花

  

   

掲題は2018年11月10日に開催された第51回三田市民文化祭俳句大会の席題です。

伝統的な「夕月」と現代的な「スマートフォン」を当日投句の席題とされたのは三田俳句協会若森京子会長のご配慮でしょうね。 

参加者(選者も含む)は「夕月」か「スマートホン」かの席題で各人が1句投句し、40句の投句がありました。 

高得点句5句を下記に掲載させて頂きます。

  

もう居ない犬小屋の上夕月夜 

        (桑原政子)

 

夕月やきょう一日の試歩終る 

        (仲加代子)

 

夕月や献上の絹おりし音 

       (出井なつ子)

 

スマートホン持たずに死のう古酒新酒 

        (木割大雄)

  

文化の日喜寿の手習いスマートホン 

       (木下さとし)

  

選句は、一般の参加者は各自3句、選者は5句(?)で投句作者の氏名は得点集計後に発表されました。

筆者の愛犬「チュヌ」が先月永眠しましたので、愛犬家として共感できる「もう居ない」の句を先ず選び、「試歩」の句などを採りました。俳句愛好家には愛犬家も多く、「もう居ない」の句は断トツでした。

選者(木割大雄先生)の俳句と拮抗して筆者の俳句も高得点を得たのは名誉なことでした。   

ここをクリックして、「俳句HAIKU」・「チュヌの追悼」をご高覧頂ければ望外の喜びです

  

森三田市長も来賓として駆けつけて来られ、次の俳句を披露されました。   

ビール注ぐグラスの先に妻の顔

        (森 哲男)

ビール」は夏の季語です。「妻の顔」を読者の想像に任せた中々の秀句ですね。

市長以下関係者の方々には三田市民俳句協会の発展のご支援をお願いしたいものです。

        

(2021.3.11 追伸)

今日は東日本大震災から10年になります。東北忌に思うことNHKの「東日本大震災アーカイブス」3.11映像 あの日、何が起きていたのか」青色文字をクリック or タップしてリンク記事をご覧下さい。

  

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

トップ欄か、この「俳句HAIKU」をタップすると、最新の全ての記事が掲示されます。

  

2018年11月15日 (木)

J-E HAIKU in English(バイリンガル英語俳句)

    

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See "Enjoy bilingual haiku of Kyoshi Takahama" in HIA HP.

2018年11月14日 (水)

俳句の鑑賞 「七五三」

   

思い出の写真俳句を作ろう! 

故郷を「まんぽ俳句」で元気にしよう!

青秋晴れ色文字をクリック(タップ)してリンク記事をご覧下さい。   

  

(2023.11.16更新)

秋晴れの七五三の日に健康管理のゴルフをエンジョイし、駄句を口ずさみました。

  

七五三孫爺離れ吾ゴルフ

       (薫風士)

 

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七五三の俳句を「歳時記」(俳誌のサロン)から気の向くままに抜粋・掲載させて頂きます。

  

例句の詳細は青色文字(季語)をクリックしてご覧下さい。

    

七五三1

 

家を出てもう背に負はれ七五三 

       (田口千恵子)

  

七五三細きうなじの願ひ事 

       (武岡東西

 

この村の観音日和七五三 

       (大橋敦子

  

宮島の鹿のおじぎや七五三 

       (影山わこ)

   

ジーパンの母に連れられ七五三 

       (岡本たか子)

  

七五三2

 

七五三妊婦もつとも美しき 

        (佐藤鬼房

  

子等よりも祖父祖母父母が七五三 

       (稲畑廣太郎)

  

やさしげに姉が手を曳き七五三 

        (溝内健乃)

   

絢爛の負んぶや抱っこ七五三 

        (紀川和子)

  

喜びも倍加双子の七五三 

        (楯野正雄

  

七五三3

  

ひたすらに晴着嬉しき七五三 

         (大橋晄)

  

七五三七人育てし親敬ふ 

       (井田実代子

  

ホスピスに晴着の母子や七五三 

        (石田康明)

  

社殿まで抱かれて雨の七五三 

       (柴田佐知子

  

線量計つけて被災地七五三 

       (大西よしき)

  

最後に拙句を掲載します。

七五三「いい子いい子」と掲げ上げ

恙なく七五三祝ぐ三世代

我が夢は七五三祝ぐ四世代

祈るには数へ年よし七五三

祝ふには満年齢の七五三

神主の商ひ上手七五三

       (薫風士)

  

青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。 

  

2018年11月11日 (日)

俳句の鑑賞《冬に入る・立冬・冬立つ》

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(P.S. 2021.11.18)

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(写真はタップ・拡大してご覧下さい。

  

暖冬の天気予報に違わず、立冬(11月7日)の翌日は夏日のような陽気で久しぶりのゴルフを満喫しました

      

前座として拙句を掲載しますが、ここをタップすれば「(冬の俳句特集)不意打ちのオミクロン株冬の雷」をご覧になれます

   

  

冬に入るエイジシューター友にして

 

冬立つもゴルフに興ず晴れ男

  

冬紅葉狙ひ快音ティーショット

 

立冬のゴルフの一日満喫す

       

  

(2018.11.11)

    

歳時記(俳誌のサロン)の俳句を気の向くままに抜粋・掲載させて頂きます。

 

(詳細は青色文字の季語をクリックしてご覧下さい。)

 

  

冬に入る1

  

庭を掃く乾きし音や冬に入る 

       (黒川悦子)

 

味噌汁の湯気に朝の日冬に入る 

        (木下節子)

  

 

冬に入る

 

心臓の断面撮られ冬に入る 

        (高田令子)

 

エンゲージリング嵌められ冬に入る 

       (鈴木えり子)

  

冬に入る

 

スカーフの数また増えて冬に入る 

       (嶋田摩耶子)

 

八ヶ岳の大いなる影冬に入る 

        (密門令子)

 

冬に入る4

  

冬に入るいつもの場所に血圧計 

       (鈴木多枝子)

 

血圧の一喜一憂冬に入る 

       (岡本直子)

 

冬に入る

  

冬に入る今宵の夫は道後の湯 

       (増田一代)

 

夫の愚痴聞くも看取りや冬に入る 

       (田村加代)

  

   

立冬

 

立冬のことに草木のかがやける 

        (沢木欣一

 

立冬といふも実感なき陽気 

        (稲畑汀子

 

立冬の風と覚ゆる峠かな 

         (泉和美)

 

  

冬立つ

 

あらたのし冬立つ窓の釜の音 

          (鬼貫)

 

冬立つや富士くつきりと高架駅 

        (塩千恵子

   

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青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

  

 

     

俳句の鑑賞「文化の日」

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歳時記(俳誌のサロン)の季語「文化の日」に掲載された俳句の中で次の俳句が目にとまりました。

・新しき館旗と国旗と文化の日 (島崎晃・遠嶺)

「国旗」を「こっき」と読むと「中七」が字余りとなりますが、俳句の定型に拘る読者には「国旗」を「はた」と読むことを作者は期待しているのでしょうか?

「館旗」とはどこの館旗か興味が湧き、作者の名前で検索すると、ウイキペディアに次の記載がありました。

    

島崎 晃(しまざき あきら、1941年 - )は、イギリスの元政治家。ニックネームはJack Bara Caws[1]。西ウェールズの町カーディガンで、2012年から2017年まで町議会議員を務めた。

2017年時点で、日本人として唯一、イギリスの町議会議員を務めていたことで知られる。なお、国籍は2000年以降イギリスである。

  

この島崎晃氏は、この俳句の作者なのか単なる同姓同名の方なのかわかりませんが、文字通りの日本人が外国に帰化した珍しい例でしょう。

何方か心当たりのある方からコメントを頂けると幸甚です。

   

歳時記「文化の日」には興味深い俳句が沢山ありますが、気の向くままに例句を下記の通り引用させて頂きます。

   

・円卓の末席さがし文化の日 (水谷契江)

・蒙古斑みせて這ひ這ひ文化の日 (水谷契江)

・聖戦の硝煙映す文化の日 (斉藤静枝)

・古語多き校長訓話文化の日 (乗光雅子)

・文化の日留学生の山形弁 (横内かよこ)

・カタカナが万事に多し文化の日 (遠藤実)

  

川柳の友を偲ぶや文化の日 (薫風士)

これは文化の日に川柳友達の訃報のメールを受信して詠んだ拙句です。

彼は先日の川柳句会で拙句「セクハラを恐れ冗談言えぬ世よ」を優秀句に選んでくれていました。

俳句仲間の句会で拙句「愛犬の深めし絆文化の日」について、「『愛犬の』は『愛犬と』とする方が良い」とか、「『文化の日』は取り合わせの季語として不適切でないか?」など、句友から批判的コメントがありました。

一般論としては、二つとも至極当然な批判です。しかし、この俳句は愛犬「チュヌ」の永眠を知った知人が文化の日に、愛犬の死についての新聞投稿記事を「お悔み」に送ってくれたことを文字通りの俳句にしたものです。

俳句の定型や技巧を考慮することは勿論重要ですが、作者の思いや感動を事実に基づいて表現することの大切さも無視すべきではないでしょう。

俳句も川柳も好き好きであり、所詮片言で私的なものですから、日記代わりに自分の納得できる俳句や川柳を作り楽しむのもよいと思っています。

  

  

2018年11月 7日 (水)

俳句の鑑賞 「露けし・露」

   

(P.S. 2022.11.5)

露けしや日々の終活ブログ書く

露けしや今年の漢字「露」(ロ)と応募

「露」は通常は「つゆ」と読みますが、かってロシアを漢字で「露国」(ろこく)と表示する場合がありました。

ロシア軍のウクライナ侵攻や安倍晋三元総理大臣の暗殺など、多くの人々が「この世の儚さ・人生の儚さ」を感じているでしょう。

     

露けしや人の葬儀も様々に

      (薫風士)

   

俳句《涼し》死の話」や終戦記念日・墓参・盆』の俳句」、言葉の力・俳句の力《癒し》をご覧下さい。

   

(2018.11.7)

俳誌のサロンの歳時記から「露けし」や「露」の俳句を気の向くままに抜粋して掲載させて頂きます。

例句の詳細は青色文字の季語をクリックしてご覧下さい。

             

露けし1

花火やむあとは露けき夜也けり 

      (正岡子規)

    

祝はれてをりて露けくをりにけり 

      (山田弘子)

  

露けし2

踏切のレール露けき通夜戻り 

       (恩田甲)

    

子規墓前露けき言葉交しつゝ 

      (稲畑汀子)

  

露けし3

落雷の欅露けし挙兵の地   

      (江崎成則)

   

露けしや母の逝きたる夜の白む 

     (大橋麻沙子)

  

露けし4

握手して別れしことも露けしや 

       (安原葉)

   

湯の街の更けゆくほどに露けき灯 

        (三村純也)

   

露けし5

露けしや苔を鎧ひし将の墓 

        (長谷川翠)

    

大本営跡の地下壕露けしや 

       (大久保白村)

     

露けし6

ついてくる己が足音露けしや 

        (岩岡中正)

   

露けしや不戦の城の四百年 

        (涌羅由美)

   

露1

なほ露の綺羅置く吉備の野路を行く 

        (稲畑汀子)

   

露に座す一度盗まれたる仏  

        (村越化石)

   

露2

見舞ふこと叶はず露の別れかな 

        (稲畑汀子)

   

露拭けば木椅子の木目雲の如し 

       (能村登四郎)

   

露3

芋の葉の露もて遊びては落し 

        (安西可絵)

   

芋の露こぼして泥の手を洗ふ 

         (杉良介)

   

露4

露の山鐘楼に鐘なかりけり  

        (比田誠子)

   

翁忌の露ふりこぼす朝の鳥 

       (高橋とも子)

      

露5

露深し胸毛の濡るゝ朝の鹿  

       (河東碧梧桐)

  

握手して露の別れとふと思ふ 

         (安原葉)

   

露6

石仏のあたり露濃き嵯峨野なる 

         (豊田都峰)

   

草千里露の千里となりにけり  

         (佐藤京子)  

  

露7

朝の日に露光りけり残る菊  

        (兼子栄子)

   

吊橋の揺れに露の身ゆだねけり 

       (中島知恵子)

  

露8

露濡れの身を震はせて犬帰る 

        (泉田秋硯)

   

露の世にライバルとして友として 

       (今橋眞理子)

  

露9

朝露の日の出とともに光り初む 

       (大久保白村)

   

喪の家の欅がためる露の玉  

        (坪内稔典)

  

露10

気が合へば歩幅も合へり露の坂

         (川村文英)

   

朝露の椰の記念樹奈良ホテル

         (小澤菜美)

    

露11

タイガースフアンてふ露の世の私 

       (稲畑廣太郎)

   

横川路の露踏み重ね五十年 

       (稲畑汀子)

  

露12

今日蛇笏明日は素十忌露葎 

         (岩木茂)

   

露の世や先日会ひしばかりの訃 

         (安原葉)

  

露13

一めんのきらめく露となりにけり 

      (久保田万太郎)

   

雁渡るいつもどこかで戦あり 

        (山田正子)

  

「チュヌの便り」の愛犬「チュヌ」は 2018.10.16 に永眠しました。

ここをクリックして「チュヌの俳句・四季」をご高覧下さい。

  

愛犬の姿無き庭露けしや  

愛犬を偲ぶ芝庭露光る

        (薫風士)

    

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青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

2018年10月30日 (火)

「菊」の俳句

  

Img_1699「菊」は「桜」とともに日本人が格別の思いを寄せる花です。

 

「菊の御紋」は皇室の紋章ですが、日本の国章として表示され、靖国神社の門には「菊の紋章」があります。

 

ノジギクは兵庫県の県花に指定されています。

      

   

高浜虚子は文化勲章を受けた際に次のとおり、喜びの俳句を詠んでいます。(「高浜虚子の100句を読む坊城俊樹著参照。)   

  

我のみの菊日和とはゆめ思はじ

     

   

この虚子の句は下五が字余り(5・7・6)です。

一般に、「下五の字余りはダメ」と言われますが、上五の字余りは認められます下記「菊7」参照)

 

虚子は俳句の定型を重視しましたが、この句のように格別の内容を表現する場合は許されるべきであると考えたのでしょう

 

俳誌のサロン歳時記から「菊」の俳句を気の向くままに抜粋させて頂きます。

 

(青色文字をクリックすると、歳時記の詳細や解説記事をご覧になれます。)

  

1

今生は愉しかりしと菊に逝く 

        (山田弘子

 

2

暮れて着く菊の香著きわが家かな 

        (稲畑汀子)

  

3

犬がゐて小菊よく咲く駐在所 

       (阿部ひろし)

  

4

野路菊や風が遊んでゐるばかり 

        (近藤公子)

  

5

菊日和古希の集へるクラス会 

       (西野通代子

   

6

新たなる母の一歩や菊日和 

       (与川やよい)

  

7

野路菊国体孫優勝を逸しけり 

        (河本利一)

   

8

犬嫌ひに犬も身構へ菊花展 

        (泉田秋硯)

   

9

残るてふこと美しき黄菊かな 

        (鷹羽狩行

 

10

菊日和名馬の訃報一面に 

        (松井洋子)

  

11

手を繋ぐ卒寿の夫婦菊日和 

        (福島松子)

   

12

手話の子の手のひらひらと菊花展 

       (松本三千夫)

   

13

玉砂利に足音絶えぬ菊日和 

        (石川叔子)

  

余談ですが、「平成」は今年が最後です。

来年の年号は何になるのでしょうか? 

永遠の平和を象徴する元号を決めてほしいものです。

  

最新の俳句や英語俳句の記事は、青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップしてご覧下さい。

    

2018年10月29日 (月)

「年賀状」の俳句(特集)

      

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早くも年賀状御節料理の予約販売が始まりました。

そこで、「年賀状」の俳句を「歳時記」(俳誌のサロン)等から気の向くままに抜粋させて頂きます。

詳細は青色文字をクリックしてご覧下さい。

    

年賀状 1

・独学のパソコン自在賀状刷る (山田千代)

・会いたいといつも添書年賀状 (松村美智子)

  

年賀状 2

・仔犬にも美容院より賀状来る (萬条ハマヨ)

雪すでに深しと北の賀状来る (岡本眸)

  

年賀状 3

・賀状来る世相の愚痴の多さかな  (仁平則子)

去年の問今年の賀状で返答す (伊吹之博)

  

年賀状 4

・賀状書きその翌日の訃報かな (石川元子)

古稀の思ひ密かに込めし年賀状 (佐田昭子)

  

年賀状 5

・顔浮かぶ字の美しき年賀状 (沖則文)

・幾とせも逢はず賀状でつなぐ友 (榊美壽子)

     

年賀状 6

賀状書く新たな縁こころにし (水田壽子)

・まだ賀状書ける幸せ米寿来る (高村令子)

    

(「575筆まか勢」の「賀状の俳句」より抜粋)

・読み返す当たりくじある年賀状 (歳森亨一)

・幼な文字賀状はみ出しめでたけれ (築城百々平

・旧賀状取り出し偲ぶその字面 (高澤良一

 

2018年10月26日 (金)

「チュヌの追悼」by L.P. Lovee

       

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(青色文字をクリック or タップするとリンク記事がご覧になれます。) 

   

(P.S. 2022.10.16)

10月16日は2018年に亡くなったチュヌの命日です。

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チュヌの存命中は旅行はペット同伴を認めてくれる所が少なくて満足な旅行が出来ませんでしたが、2018年7月にはポーランドを訪ね、温泉町で開催された音楽祭において俳句の講演をしました。

ここをクリック(タップ)して、「ポーランドの旅(写真と俳句・講演のことなど)」をご覧下さい。

     

ここをクリックして、「楽しい吟行・俳句の旅(四季の写真俳句特集)」をご覧下さい

      

(2018.10.26)   

秋の夜や愛犬抱けば目に泪

愛犬を看取る寝息や秋深む

愛犬を看取りし夜長母偲ぶ

愛犬を荼毘に付すちちろ鳴く

愛犬の弔ひに来し鉦叩

鉦叩テーブル巡り悼みけり

愛犬の昇天したる天高し

愛犬の深めし絆秋高し

  

チュヌの追悼に来た鉦叩の声をお聞き下さい。ここをクリックするとご覧になれます  

ペット愛好者はチュヌを弔い「ペット」(愛犬の写真)をご覧下さい。

俳句愛好家は「俳句」や「俳句談義」「俳句エッセイをご覧下さい。

川柳愛好家は「川柳」をご覧下さい。

英語俳句に関心のある方は「HAIKU バイリンガル英語俳句」をご覧下さい。

政治に関心をお持ちの方は「政治談議」をご覧下さい。   

「いじめ」の問題など、子供の教育に関心のある方は是非ともチュヌの思い「究極のラブを!」をご覧下さい。

チュヌは天国から皆さんのお幸せを見守っています!

「チュヌの便り」をご愛読ありがとうございました。

チュヌは2018.10.16に永遠の眠りにつきました。   

    

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

   

「秋」の俳句を鑑賞しよう!

     

『終戦記念日』と『墓参り・盆』の俳句」をご覧下さい。 

     

「秋」の俳句を歳時記(俳誌のサロン)から気の向くままに抜粋させて頂きます。

 

(青色文字をクリックすると歳時記の詳細や解説記事をご覧になれます。)

  

下記の「秋1」の「一行」は団体客を詠んだもので、「いっこう」と読むことは自明です。「秋6」の「一行」は作者が俳句に専念してきたことを句にしたものと解釈して、「いちぎょう」と読むべきでしょう。しかし、「いっこう」と読み、吟行に来た詩人や俳人の一行のことを詠んだものと解釈することも可能でしょう。

  

1

一行の来ては去る茶屋古都の秋 

         (稲畑汀子

 

2

逸翁の文字流麗に句碑の秋 

         (大橋敦子

  

3

石蹴つてけつて路地ゆく子等の秋 

         (長浜好子)

   

4

百歳の耳しつかりと秋を聽く 

         (中原道夫

   

5

星空に伸びる棚田や島の秋 

        (加藤あけみ)

    

6

一行の詩に徹し来て菊の秋

         (鷹羽狩行

    

7

田も納屋も黄金一色秋豊か 

         (栢森定男)

  

青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

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2018年10月20日 (土)

俳句の鑑賞:「柿」(追補版)

   

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(2025.10.6 更新)

奈良の柿食ひて句を詠む高市氏

 

柿食ひて作る句如何新総理

        (薫風士)

  

  

奈良の柿 郷(さと)にも浦にも 茂る秋

      (石破茂)

   

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冒頭の写真は、2024.11.18のNHK-TV ニュース画面(内閣支持率等)の一部分です。

 
石破茂内閣の人気は当初から低迷していますが、「柔剛を制す」の諺どおり、「単なるポチ」にならず、「偽りの無い」・「有りの儘の素顔」で「世界の人々の信」を得て、「日本の平和」・「世界平和」の為に尽力されることを祈っています。

  

我田引水のコメントで恐縮ですが、石破茂首相の掲句の「秋」は「かな」に変えた方が、ご自身のPR効果が増すのみならず、俳句として「秋の季重なり」が解消されます。

  

もっとも、「茂」は「夏の季語」とされているので、人によってはダメ句だと貶すでしょうが、「ぺんは剣より強し」なので、「まんぽ俳句」を口遊んで、ご自身の健康管理と表現力を磨いて、地方再生の政策を推進しされる事を切望しています。

   

チンするは句友の呉れし吊るし柿

  

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「チンする」は、「愛犬の伏せ」ではなく、電子レンジで温めたことを面白く表現したものです。

  

  

俳句大会で知り合った句友が先日呉れた吊るし柿を早速食べると美味しかったのですが、試しにチンして食べると、中身が非常にジューシーになって更に美味しい気がしました。

皮がやや硬くなって噛み応えがあり、口に入れたとき気を付けて噛まないと中身を零すことになりそうでした。

    

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今日(11月15日)は、近くの句友が新鮮な柿を呉れたので、早速吾庭のトマトなどと一緒にサラダにしましたが、あっさりした甘さがあり美味しく頂きました。

   

サラダにす句友の呉れた富有柿

       

「柿」の俳句といえば、正岡子規の「柿食へば鐘が鳴るなり法隆寺」が有名ですが、正岡子規は柿が大好きだったようで、ウイキペディアによると、「柿落ちて犬吠ゆる奈良の横町かな」という俳句も作っています。

  

2021年11月25日に、岸田文雄首相は首相官邸で、「奈良の柿PRレディー」の広瀬麻理奈さん(25)らの表敬を受け、柿を試食して次の一句(即興句?)を披露されたとのことです。

   

柿食えば、コロナ打ち勝つ、奈良の町

  

この「柿食へば」は、助詞「ば」が条件の意味であり、子規の「柿食へば」の俳句の「ば」と異なる使い方です。

 

たとえば、「柿食えばコロナに勝てり奈良の人」とすれば、助詞「ば」が子規の俳句と同じ用法に解釈できます。

 

『柿食へば』の誤訳《俳句の力・言葉の壁》をご覧下さい。

  

2021年の暮に書いたブログ《「大晦日」・「大年」の俳句(岸田内閣に望むこと)》をご覧下さい。

   

俳句を通じて世界平和を念じている観点から、岸田首相の掲句に便乗して願望の駄句を詠みました。 

    

奈良柿を食みてコロナに打ち勝たむ

奈良の柿食みて米寿を恙無く

奈良柿も食みて祝ぎたし己が茶寿

   

   

(2018.10.20)

 

熟柿落つ愛犬目指し駆け出しぬ

  

愛犬の深めし絆柿たわわ

    

掲句はチュヌの主人がありのままに詠んだ俳句です。

  

俳誌のサロンの歳時記から柿の俳句を気の向くままに抜粋させて頂きます。

 

(青色文字「柿」をクリックすると歳時記の詳細がご覧になれます。)

   

1)

よくひびく子猫の鈴や柿日和 

        (内田雅子)

  

2)

三千の俳句を閲(けみ)し柿二つ  

        (正岡子規)

 

3)

よろよろと棹がのぼりて柿挟む 

       (高浜虚子)

  

4)

大和路や軒場に吊す柿すだれ 

       (井上輝男)

 

5)

故郷へ向かふ車窓や柿の秋 

       (篠藤江)

   

6)

境内を駆け回る子等柿日和 

      (谷野由紀子)

   

7)

柿を捥ぐ吾を烏の見てをりぬ 

      (塩田博久)

 

8)

柿日和ゴルフに和む古稀と喜寿 

      (河本利一)

 

9)

里ふりて柿の木もたぬ家もなし 

      (松尾芭蕉)

         

10

斑鳩の三塔見えて柿日和 

       (山村修)

 

11

柿たわわ獲る人もなき山の里 

      (西田史郎)

 

12

白壁に柿の実映ゆる二月堂 

       (田宏之)

 

13

落日に染まる一村柿の秋 

      (宮平静子)

    

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2018年10月16日 (火)

俳句徒然《小鳥来る・鳥渡る・渡り鳥》

 

          

福を呼ぶ楽天主義や小鳥来る

小鳥来るやっぽんぽんてふ甲賀の湯

         

  

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掲句はチュヌの主人が芭蕉ゆかりの伊賀上野・草津を吟行し、露天湯に浸り疲れを癒していた時に小鳥が来たのを詠み、吟行仲間の句会で高得点を得ました。

 

「小鳥来る」は取り合わせがし易いのか、人気がある「秋の季語」です。

(ちなみに、「鳥帰る」は仲春の季語です。)

  

写真は天気予報の5月8日の雲の動きのPC画面の一部分ですが、琵琶湖の形が小鳥に見えたので遊び心で掲載しました

  

歳時記(俳誌のサロン)から小鳥の俳句を気の向くままに抜粋させて頂きます。

    

小鳥来る1)

 

小鳥来る音うれしさよ板びさし 

        (与謝蕪村)

    

 

伊賀焼の芭蕉坐像に小鳥来る 

       (長谷川閑乙)

  

 

小鳥来る日の斑の遊ぶ登山道 

        (高橋瑛子)

 

 

小鳥来る何時も不在の駐在所 

       (吉永すみれ)

  

  

太陽の塔の翼に小鳥来る   

       (鷹羽狩行)

  

  

小鳥来る2)

 

小鳥来て午後の紅茶のほしきころ 

       (富安風生)

  

 

小鳥来る三時五分の花時計  

       (浅田光代)

  

  

小鳥来る3)

 

久びさに子の弾くワルツ小鳥来る 

       (三木千代)

  

 

湯の町のこけし工房小鳥来る 

        (堺昌子)

  

 

渡り鳥

 

葬列や数人仰ぐ渡り鳥   

      (山川蝉夫

  

 

渡り鳥気づけばすでに遠き空 

       (稲畑汀子)

  

 

鳥渡る1)

 

鳥渡る老人ホームのティータイム 

       (山尾玉藻)

  

  

大いなる渡良瀬川を鳥渡る  

       (小林修水)

  

   

鳥渡る2)

 

夕日負ふ芭蕉の座像鳥渡る 

      (菅野日出子)

  

  

夕映えの丹沢連峰鳥渡る  

      (安田とし子)

     

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2018年10月12日 (金)

俳句雑感(1)自他の区別について

     

白寿祝ぎゴルフコンペす天高し(A

白寿祝ぐゴルフコンペや天高し(B

白寿祝ぎゴルフコンペや天高し(C)

 

上記の俳句は会社の大先輩が白寿(99歳)を祝いゴルフコンペを開催された噂話を聞いてチュヌの主人が作った俳句です。

 

A)は「作者自身がゴルフコンペを主催している」と解釈するのが自然でしよう。

  

B)は開催されているゴルフコンペを作者が客観的に詠んだものと解釈するのが自然ですが、主催の自他の区別やゴルフコンペ参加の有無など、やや不明瞭です。

  

(C)は(A)に近いですが、(B)と同様に自他の区別や参加の有無が不明瞭です。

 

一般的には、俳句として(B)が良いとされるのではないでしょうか?

  

他人の行為を自分の行為のように詠むことは一般に許されているようですが、チュヌの主人は客観写生に基づく花鳥諷詠を重んじ、なるべく思いを素直に表現することを心掛けています。

  

あなたは、AB、C のどれが良いと思いますか?

  

高齢化社会社会保険制度健康保険制度の将来が危惧されています。

  

チュヌの主人は、次の俳句のように俳句や吟行を楽しみ、健康を維持し、健康長寿に努めたいと思っています。

   

句に興じ白寿夢見つ落葉焚く

句に興じ茶寿も祝たし新茶汲む

 

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2018年10月11日 (木)

俳句鑑賞 《後の月》

   

(2023.10.28 更新)

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「13夜」・「後の月」は10月27日なのに午後3時過ぎから雨が降り、月見が出来るか懸念していましたが、7時ごろには晴れ間に月が見えました。

  

月を仰ぎ戦禍に思ひを馳せにけり

         (薫風士)

  

掲句はウクライナやパレスチナなどに思いを馳せて、意図的に字余りにしました

「月仰ぎ戦禍に思ひ馳せにけり」と定型にせず、字余りにした評価は如何でしょうか?

「戦果」の裏には必然的に「戦禍」が生じます。

せんか」のダジャレ俳句を詠むには戦争の犠牲はあまりにも大きく、胸が痛みます

戦争と平和(俳句と川柳:終戦記念日特集)」をご覧下さい。

    

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(写真)

2022年10月8日の「13夜」・「後の月」を見て、「まんぽ道」にあるお家の玄関先の大きな月下美人(蕾)と月をスマホで撮った写真です。

           

        

     

      

(2018.10.11の記事)

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(写真)

日本伝統俳句協会の2021年10月のカレンダーの一部。

タップ・拡大してご覧になれます。

     

  

「後の月」は、陰暦八月の「十五夜」に対して、陰暦九月の「十三夜」の月で、2021年は10月18日に当たります。

三方(さんぼう)に栗や枝豆を盛って祭る習慣から「後の月」を「栗名月」「豆名月」などと呼ぶこともあります。

歳時記(俳誌のサロン)から「後の月」の俳句を気の向くままに抜粋させて頂きます。(詳細は青色文字「後の月」をクリックしてご覧下さい。)

    

後の月1)

後の月鴫たつあとの水の中  

        (与謝蕪村

 

療養の須磨に雲間の後の月 

       (田畑美穂女)

   

後の月2)

木曽の痩もまだなをらぬに後の月 

        (松尾芭蕉

 

芭蕉句碑照らし須磨なる後の月 

        (手島伸子)

  

後の月3)

後の月賢き人をとふ夜かな 

        (与謝蕪村

 

鐘の無き火の見やぐらや後の月 

        (宮崎高根)

   

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2018年10月10日 (水)

俳句 「時雨」・「しぐれ」

       

季語「時雨」を用いた俳句を歳時記(俳誌のサロン)から気の向くままに抜粋掲載させて頂きますが、ここをクリック(タップ)して、「髙源寺《黄葉の吟行》」をご覧頂けると幸いです

  

時雨1

家路とは情のあるもの夕時雨 

       (粟津松彩子)

 

時雨2

幸福論尽きず時雨るる旅の宿 

       (池田倶子)

  

時雨

朝時雨杉の秀揃ふ美山町 

      (川野喜代子)

   

時雨

ゆきずりにラーメン啜るしぐれかな 

      (木村茂登子)

  

時雨 

湯の山てふ湯宿の駅の時雨かな 

        (青木政江)

   

時雨6

小夜時雨上野を虚子の来つゝあらん 

        (正岡子規)

  

時雨

遠州の庭の石橋京時雨 

         (中村紘)

   

時雨

湯煙の大湧谷や雪時雨 

      (池谷鹿次)

  

時雨

時雨るるや長信号の交叉点 

        (吉田宏之)

   

時雨10

桟橋を巨船去りゆく初時雨 

        (善野烺)

 

時雨11

時雨虹友の訃のまた人伝に

      (中原敏雄)

 

時雨12

初時雨歯科医帰りの下り坂

       (松本鷹根)

    

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2018年8月30日 (木)

ポーランドの旅(写真と俳句 講演のことなど)

   

祈りつつアウシュビッツの夏の野を 

   

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掲句はチュヌの主人(薫風士)が俳句講演のためにアウシュビッツを詠んだ俳句です。

   

   

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(写真はクリックすると拡大します。青色文字をクリックするとリンクした解説記事などをご覧になれます。)

   

   

講演はポーランドの「ルブリン県」の温泉町で開催された音楽祭の機会に行いました。

  

   

・晴れ渡る温泉町や白鳥来

・白鳥来平和の国を永久(とこしえ)に 

   
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講演のタイトルは「Let's enjoy haiku!」で、「World piece through haiku」をサブタイトルにし、ファン・ロンパイ前EU大統領(日本EU俳句交流友好大使)と写したツーショットを掲載させて戴くなど、工夫を凝らし好評でした。

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・晴れ渡るアウシュビッツや青葉風

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・貨車一つ鉄路の遺跡夏草に

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・青嵐ホロコーストの灰の池

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・青嵐アウシュビッツの呻き声

   

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アウシュビッツ見学の当日は好天気で平和なポーランドを象徴しているように思いましたが、時々耳に唸るように強い風が吹き、「ナチス犠牲者の霊の呻き声」ではないかなどと感じました。

  

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クラクフや古都を見下ろす塔涼し

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・聖堂の時報のラッパ夏の空

  

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・新装のショパン生家や青葉風

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庭涼しショパン生家のピアノ曲

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・聖堂に響くオルガン夏の宵 

  

・コンサートホールを出でし園白夜

   

400年前のパイプオルガンのコンサートがカジミエシュ・ドルニーの教会の聖堂で開かれ、たまたま聴く機会がありました。

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ショパンの生家ではショパンコンクールに入賞したピアニストがショパンのポロネーズなどを演奏しました。

  

ちなみに、この俳句の講演をした音楽祭ではイタリアなどから来たピアニストなどが演奏しましたが、日本からは片山柊氏(2017年第41回ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリ、併せて聴衆賞、文部科学大臣賞、スタインウェイ賞受賞)が「エチュード〜書、俳句、一つの線」(細川俊夫作曲)という興味ある曲などを演奏しました。

   

俳句でも音楽と同様に国際交流がもっと促進されることを願っていますが、俳句による人との出会いや音楽との出会いに不思議な縁を感じました。

   

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俳句の鑑賞:「夏座敷」

    

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現代では住宅事情が昔と異なり、マンションのみならず一戸立ち住宅でも日本間が少なくなり、エアコンの普及で往年の夏座敷の風情を知る人は少なくなっています。

  

冒頭の写真は生家の書院ですが、孫を連れて実家を訪ねた時のことを詠んだ拙句を掲載します。

   

 

師の色紙掲げ苦吟す夏座敷

  

父偲ぶ虚子の短冊夏座敷  

  

パンツ脱ぎ闊歩の幼夏座敷

 

下窓を開けてごろ寝や夏座敷

   

  

              

俳誌のサロンの歳時記「夏座敷」から親しみやすい俳句を気の向くままに抜粋・掲載させていただきます。

    

  

大の字になれる幸せ夏座敷  

         (国包澄子)

  

  

夏座敷父の枕が置いてあり  

        (大杉千津子)

   

   

つつぬけに川風過ぐる夏座敷 

         (東芳子)

   

   

もてなしの山風入れて夏座敷 

         (前田陽子

   

   

夏座敷隣りの猫の足の跡   

         (水野範子)

   

  

這ひ這ひの児に明け渡す夏座敷 

        (和田友季子)

  

   

嬰児を寝かしつけたる夏座敷 

        (福田みさを)

  

  

はるかより這うて来る子や夏座敷 

         (岸本尚毅)

  

   

子の声の転がり合ふや夏座敷 

        (黒澤登美枝)

   

乳飲子の万歳寝する夏座敷  

        (上林富子)

     

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