Haiku of Bashō (191/300)《虫》
よるべをいつ一葉に虫の旅ねして
(yorube-o-itsu hito-ha-ni-mushi-no tabi-ne-shite)
an insect asleep
on a floating leaf_
when will it reach a shore?
(Click here to see "Ultimate LOVE" by L.P. Lovee.)
よるべをいつ一葉に虫の旅ねして
(yorube-o-itsu hito-ha-ni-mushi-no tabi-ne-shite)
an insect asleep
on a floating leaf_
when will it reach a shore?
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家はみな杖にしら髪の墓参
(ie-wa-mina tsue-ni-shiraga-no hakamairi)
the whole family_
visiting the grave,
with sticks and grey-haired
玉祭りけふも焼場のけぶり哉
(tamamatsuri kyo-mo-yakiba-no keburi-kana)
today too_
the crematory
smoking
蕣や是も又我が友ならず
(asagao-ya koremo-mata waga-tomo-narazu)
morning glories_
neither they
my companions
五月雨や色紙へぎたる壁の跡
(samidare-ya shikishi-hegi-taru kabe-no-ato)
the early summer rain_
a trace on the wall:
peeled-off poetry-card
子ども等よ昼顔咲きぬ瓜むかん
(kodomo-ra-yo hirugao-saki-nu uri-mukan)
Children!
Bindweeds are in bloom_
I’ll peel cucumbers for you.
五月雨や桶の輪切る夜の声
(samidare-ya oke-no-wa-kiruru yoru-no-koe)
the early summer rain_
the tub’s hoop break:
the voice of night
(注)
この俳句をWEB検索すると、「桶の輪切る」を「箍が切れた」と解釈していますが、「桶の輪切れし」とか「桶の輪切れたる」という表現でないので、そのような解釈は誤りでしょう。
「夜の音」といわず「夜の声」と擬人的表現をして、「桶の箍が切れるほど強い五月雨に桶の水が溢れている音がする」のを比喩的に詠んだ俳句と解釈して、「切る」を「break」と不定詞(動詞の現在形の「s」を付けない原形)にして、仮定法現在で訳出しました。
ちなみに、「575訳」も次のとおり翻訳していますが、誤訳と言えるでしょう。
in the summer rain
the hoop of the pail has split,
a sound of the night
「575訳」とは何か、ここをクリックして、国際俳句協会HPの「英語でわかる芭蕉の俳句」をご参照下さい。
伊藤園「新俳句大賞」「英語俳句とは・・・」というサイトに、「英語俳句は英語の現在形で自由に創る三行詩です。」という記載がありましたが、「英語の現在形」という限定をしている理由を教えて頂けると幸いです。
(上記の写真)
常勝寺のパンフレット(一部分)と
読売新聞記事(切り抜き)
2月11日の建国記念日に行われた丹波市・常勝寺の追儺式「鬼こそ」を句友と吟行した際の写真を掲載します。
写真を見ながら、思いつくままに吟行紹介の拙句を逐次掲載しますが、皆さんも追体験・疑似吟行をして頂けると幸いです。
丹波路の低き山並春浅し
鬼こそへ三百六十五段をも
千年の杉を仰ぐや春の磴
稚児縋る大師の像や寺の春
仁王像目を光らせて鬼やらい
鬼こその法螺貝響き尉(じょう)舞ひ來
この句の「尉」は、「老翁」ではなく、「炭火の白い灰」の意味です。
追儺式世界平和を祈る声
寿老尊笑み綻ばす追儺式
般若経の転読はやし鐘太鼓
「はやし」は「早し」と「囃し」の掛詞です。
里山へ法螺響かせて鬼やらい
鬼こそに目を輝かせ肩車
御堂裏鬼残雪に出番待ち
鬼の剣幼仰ぐや鬼やらい
鬼こそや童仙人面の笑み
鬼こその由来知りたき追儺式
(薫風士)
NHK関西ブログによると、常勝寺は桜も楽しめるのでまた吟行に行きたいと思います。
しばしまもまつやほととぎす千年
(shibashima-mo matsu-ya hototogisu sen-nen)
awaiting a cry of a little cuckoo,
for a short time_
as if for a thousand years
(注)
この俳句は「5-8-4」の破調です。
「松は千年竹は万年」という諺に因んで、「まつや」を「待つや」と「松や」の掛詞にしています。
(2023.12.16 更新)
冬霧に朝日の霞む並木道
ここをクリック(タップ)して、「《冬霧》丹波並木道中央公園」をご覧下さい。
十八番パターを急かす冬の霧
12月15日なのに10月並みの気温に恵まれて、曇りながら時雨ることもなく今年最後の健康管理ゴルフを仲間とエンジョイしました。
掲句は、夜は雨が降る予報で18番ホ-ルではクラブハウスが霧に霞み始め、パットを急ぎながら頭に浮かんだ駄句(まんぽ俳句)です。
この写真はクラブハウスのレストランの一角です。
地酒は自腹でしたが、友達の誕生日優待券のお陰で美味しい鰻重をご馳走になりました。
(2023.2.8 の記事)
2月8日は「針供養」の日ですが、最近は針仕事や針供養をする主婦は殆ど居ないでしょう。
今朝の日の出は靄にくっきりと見え、国際俳句協会のホームページに翻訳を投稿した芭蕉の俳句がふと浮かび、このブログ記事を書くことにしました。
春もややけしきととのふ月と梅
(芭蕉)
この芭蕉の俳句を深読みして掛詞として翻訳し、国際俳句協会のHPに投稿しました。
ここをクリックして、「英語でわかる芭蕉の俳句」をご覧下さい。
歳時記(俳誌のサロン)から、気の向くままに例句を抜粋・掲載させて頂きます。
例句の詳細は青色文字(季語)をクリックしてご覧下さい。
濃きものは淡きに食はれ山霞
(鷹羽狩行)
曳船の霞んで上る隅田川
(及川澄江)
月斗忌の海おほいなる霞かな
(島谷征良)
大霞比良白嶺を浮き立たす
(沢田清子)
白内障の故か万物遠霞
(大橋晄)
春なれや名もなき山の薄霞
(芭蕉)
夕霞川面見下ろす露天風呂
(丸山酔宵子)
高階の都心眺望遠霞
(安原葉)
「靄」の例句を、なるべく宣伝の無いサイトから、気の向くままに抜粋・掲載させて頂きます。
詳細は青色文字をクリック(タップ)してご覧下さい。
「俳句季語一覧ナビ」の例句から1句
靄中にうく日輪や花菜雨
(西山泊雲)
「575筆まか勢」《冬の靄》から1句
冬の靄クレーンの鉤の巨大のみ
(山口青邨)
(薫風士)
青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事のタイトルが表示され、この「俳句HAIKU」をタップすると最新の全ての記事のタイトルが表示されます。
タイトルをタップしてその記事をご覧頂ければ幸いです。
雲雀鳴く中の拍子や雉の声
(hibari-naku naka-no-hyōshi-ya kiji-no-koe)
cries of pheasants,
making rhythmical beats
among chirps of skylarks
降る音や耳も酸うなる梅の雨
(huru-oto-ya mimi-mo-suunaru ume-no-ame)
the sounds of rain,
falling on plum-trees,
make my ears sour.
鶴の毛の黒き衣や花の雲
(tsuru-no-ke-no kuroki-koromo-ya hana-no-kumo)
(171/300)
black feathers of a crane,
so looks your robe_
clouds of cherry blossoms
(注)
この俳句は蝉吟(芭蕉の門人)が伊勢に旅立つ時の銭別吟です。
掬ぶより早歯にひびく泉かな
(musubu-yori haya-ha-ni-hibiku izumi-kana)
(172/300)
before scooping the water,
sooner affecting my teeth_
such a fountain!
月ぞしるべこなたへ入せ旅の宿
(tsuki-zo-shirube konatae-irase tabinoyado)
(173/300)
the moon is your guide_
come here
for an inn on your journey
観音のいらかみやりつ花の雲
kannon-no iraka-miyaritsu hana-no-kumo
(174/300)
the cloud-like cherry blossoms
seen around
the tiled roof of the kannon-temple
春の夜は桜に明けて仕廻けり
(haru-no-yo-wa sakura-ni-akete shimaikeri)
(175/300)
the spring night
has turned to dawn,
while viewing the cherry-blossoms
(注)
この俳句は「一句一章」の形式ですが、散文ではないので文頭を大文字にしていません。
(tabigarasu furusu-wa mume-ni-narinikeri)
(176/300)
(試訳A)
a wandering crow_
its old nest has turned into
plum blossoms
(試訳B)
a wanderer_
his old hermitage has turned into
plum blossoms
(試訳C)
upon returning from a trip,
I found plum blossoms
around my old hermitage
(注)
試訳Aは原句を文字通りに英訳し、試訳Bは「旅烏」を人の意味に解釈して英訳し、試訳Cは句意の比喩を英語で理解できるように翻訳しました。
起きよ起きよ我友にせんぬる胡蝶
(okiyo-okiyo waga-tomo-ni-sen nuru-kochou)
(177/300)
wake up! wake up!
make friends with me_
sleeping butterfly
山吹や宇治の焙炉の匂ふ時
(yamabuki-ya uji-no-hoiro-no niou-toki)
(178/300)
Japanese rose blossoms_
the time for driers of tea-leaves
to scent at Uji
物好や匂はぬ草にとまる蝶
(monozuki-ya niowanu-kusa-ni tomaru-chou)
(179/300)
whims!
butterflies staying on
scentless grasses
うぐいすを魂にねむるか嬌柳
(uguisu-wo tama-ni-nemuru-ka taoyanagi)
(180/300)
graceful willow-trees
seem to sleep, dreaming of them
as bush warblers
うぐいすを魂にねむるか嬌柳
(uguisu-wo tama-ni-nemuru-ka taoyanagi)
graceful willow-trees
seem to sleep, dreaming of them
as bush warblers
物好や匂はぬ草にとまる蝶
(monozuki-ya niowanu-kusa-ni tomaru-chou)
whims!
butterflies staying on
scentless grasses
山吹や宇治の焙炉の匂ふ時
(yamabuki-ya uji-no-hoiro-no niou-toki)
Japanese rose blossoms_
the time for driers of tea-leaves
to scent at Uji
初午や万博期間延長を!
(薫風士)
写真は、2月6日 (初午)のNHK-TV ニュース画面の一部分です。
ここをクリック(タップ)して、俳句(haiku)の記事をご覧下さい。
(高浜虚子 )
健康管理の散歩をしながら雲の動きを鑑賞したり、朝起きてシャッターを上げる時に日の出の雲を観察したりして、面白い雲の形を発見すると駄句を口遊み楽しんでいます。
この写真は、日本伝統俳句協会2月のカレンダー(一部分)です。
2月初旬は、1日の「碧梧桐忌」、3日「節分」、4日「立春」、5日「初午(はつうま)(旧暦1月15日)、8日「針供養」etc、俳句の題材になる日が続きますが、一般の人々、特に現役の多忙な人々にはどれほど関心があるのでしょうか?!
歳時記(俳誌のサロン)の「初午」の例句は、ここをクリックしてご覧下さい。
昨日は立春の夕日と雲が兔のように見えましたが、今朝の雲はトカゲのように見えたので、冒頭に高浜虚子の俳句を掲載しました。
初午の日の出の雲は蜥蜴形
初午や蜥蜴のごとく逞しく
初午の字をよく見てよ牛じゃない
初午に進む英訳芭蕉の句
初午に俳句の未来祈りけり
初午に狐の剃りし頭哉
(松尾芭蕉)
比喩のようなこの俳句は、芭蕉の高弟宝井其角の従僕是橘が其角の父東順に医学を学ぶこととなった時の門出を祝って芭蕉が詠んだ一句、とのことです。(芭蕉db.参照)
青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧になれます。
起きよ起きよ我友にせんぬる胡蝶
(okiyo-okiyo waga-tomo-ni-sen nuru-kochou)
wake up! wake up!
make friends with me_
sleeping butterfly
(注)
命令形ですが、俳句は散文ではないので文頭を大文字にせず、感嘆符を用いて句意を明瞭にしています。
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タイトルをタップしてその記事をご覧頂ければ幸いです。
旅がらす古巣はむめに成りにけり
(tabigarasu furusu-wa mume-ni-narinikeri)
(試訳A)
a wandering crow_
its old nest has turned into
plum blossoms
(試訳B)
a wanderer_
his old hermitage has turned into
plum blossoms
(試訳C)
upon returning from a trip,
I found plum blossoms
around my old hermitage
(注)
試訳Aは原句を文字通りに英訳し、試訳Bは「旅烏」を人の意味に解釈して英訳し、試訳Cは句意の比喩を英語で理解できるように翻訳しました。