HAIKU (バイリンガル英語俳句) Feed

2023年2月16日 (木)

Haiku of Bashō (185/300)《昼顔・瓜》

  

子ども等よ昼顔咲きぬ瓜むかん

(kodomo-ra-yo hirugao-saki-nu uri-mukan)

  

Children!

Bindweeds are in bloom_

I’ll peel cucumbers for you.

  

2023年2月15日 (水)

Haiku of Bashō (184/300)《五月雨》

    

五月雨や桶の輪切る夜の声

(samidare-ya oke-no-wa-kiruru yoru-no-koe)

   

the early summer rain_

the tub’s hoop break:

the voice of night

   

(注)

この俳句をWEB検索すると、「桶の輪切る」を「箍が切れた」と解釈していますが、「桶の輪切れし」とか「桶の輪切れたる」という表現でないので、そのような解釈は誤りでしょう。

「夜の音」といわず「夜の声」と擬人的表現をして、「桶の箍が切れるほど強い五月雨に桶の水が溢れている音がする」のを比喩的に詠んだ俳句と解釈して、「切る」を「break」と不定詞(動詞の現在形の「s」を付けない原形)にして、仮定法現在で訳出しました。

ちなみに、「575訳」も次のとおり翻訳していますが、誤訳と言えるでしょう。  

in the summer rain

the hoop of the pail has split,

a sound of the night  

「575訳」とは何か、ここをクリックして、国際俳句協会HPの「英語でわかる芭蕉の俳句」をご参照下さい。

伊藤園「新俳句大賞」「英語俳句とは・・・」というサイトに、「英語俳句は英語の現在形で自由に創る三行詩です。」という記載がありましたが、「英語の現在形」という限定をしている理由を教えて頂けると幸いです。

   

2023年2月10日 (金)

Haiku of Bashō (183/300)《ほととぎす》

   

しばしまもまつやほととぎす千年

(shibashima-mo matsu-ya hototogisu sen-nen)

  

awaiting a cry of a little cuckoo,

for a short time_

as if for a thousand years

  

(注)

この俳句は「5-8-4」の破調です。

「松は千年竹は万年」という諺に因んで、「まつや」を「待つや」と「松や」の掛詞にしています。

   

2023年2月 7日 (火)

Haiku of Bashō (芭蕉の俳句 182/300)《雲雀》

   

雲雀鳴く中の拍子や雉の声

(hibari-naku naka-no-hyōshi-ya kiji-no-koe)

  

cries of pheasants,

making rhythmical beats

among chirps of skylarks  

Haiku of Bashō (芭蕉の俳句)(181/300)《梅》

  

降る音や耳も酸うなる梅の雨

(huru-oto-ya mimi-mo-suunaru ume-no-ame)

  

the sounds of rain,

falling on plum-trees,

make my ears sour.

2023年2月 6日 (月)

Haiku of Bashō (芭蕉300句の英訳 180/300)《鶯》

   

うぐいすを魂にねむるか嬌柳

(uguisu-wo tama-ni-nemuru-ka taoyanagi)

  

graceful willow-trees

seem to sleep, dreaming of them

as bush warblers

Haiku of Bashō (芭蕉300句の英訳 179/300)《蝶》

  

物好や匂はぬ草にとまる蝶

(monozuki-ya niowanu-kusa-ni tomaru-chou)

   

whims!

butterflies staying on

scentless grasses

Haiku of Bashō (芭蕉300句の英訳 178/300)《山吹》

  

山吹や宇治の焙炉の匂ふ時

(yamabuki-ya uji-no-hoiro-no niou-toki)

  

Japanese rose blossoms_

the time for driers of tea-leaves

to scent at Uji

2023年2月 4日 (土)

Haiku of Bashō (芭蕉300句の英訳 177/300) 《蝶》

   

起きよ起きよ我友にせんぬる胡蝶

(okiyo-okiyo waga-tomo-ni-sen nuru-kochou)

    

wake up! wake up!

make friends with me_

sleeping butterfly

 

(注)

命令形ですが、俳句は散文ではないので文頭を大文字にせず、感嘆符を用いて句意を明瞭にしています。

  

青色文字の「俳句」や「HAIKU」をタップすると、それぞれ最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事のタイトルが表示され、この「俳句HAIKU」をタップすると最新の全ての記事のタイトルが表示されます。

タイトルをタップしてその記事をご覧頂ければ幸いです。

   

Haiku of Bashō (芭蕉300句の英訳 176/300)《梅》

  

旅がらす古巣はむめに成りにけり

(tabigarasu furusu-wa mume-ni-narinikeri)

 

(試訳A)

a wandering crow_

its old nest has turned into

plum blossoms

 

(試訳B)

a wanderer_

his old hermitage has turned into

plum blossoms

  

(試訳C)

upon returning from a trip,

I found plum blossoms

around my old hermitage

 

(注)

試訳Aは原句を文字通りに英訳し、試訳Bは「旅烏」を人の意味に解釈して英訳し、試訳Cは句意の比喩を英語で理解できるように翻訳しました。

   

2023年2月 3日 (金)

Haiku of Bashō (芭蕉の俳句175/300)《春の夜・桜》

  

春の夜は桜に明けて仕廻けり

(haru-no-yo-wa sakura-ni-akete shimaikeri)

   

the spring night

has turned to dawn,

while viewing the cherry-blossoms

   

(注)

この俳句は「一句一章」の形式ですが、散文ではないので文頭を大文字にしていません。

Haiku of Bashō (芭蕉の俳句 174/300)《花の雲》

 

観音のいらかみやりつ花の雲

kannon-no iraka-miyaritsu hana-no-kumo

   

the cloud-like cherry blossoms

seen around

the tiled roof of the kannon-temple

 

Haiku of Bashō (芭蕉300句の英訳 173/300)《月》

    

月ぞしるべこなたへ入せ旅の宿

(tsuki-zo-shirube konatae-irase tabinoyado)

   

the moon is your guide_

come here

for an inn on your journey

  

(注)昨年の試訳を見直しました

  

2022年8月 8日 (月)

英語俳句誤訳集《言葉の壁》

   

1910_8(写真)
日本伝統俳句協会8月のカレンダー(一部分)


8月7日は立秋です。

 


 


「立秋」の俳句は、青色文字をクリックして、「歳時記(俳誌のサロン)」の例句ご覧下さい。

 


1911(写真)
(ロンパイ夫妻の鎌倉訪問の「俳写」の一部。)
「Beigian」とあるのは「Belgian」のミスタイプで、酷い誤訳になります。

写真をクリック(タップ)拡大してご覧下さい。


 

俳句の英訳を紹介するサイトが最近増えており、知人がメールしてくれたような翻訳というよりデザイン性を高めた「俳写」と称する写真英語俳句などもあるようです。

 

220809_a

1914_b ロシア侵攻によるウクライナ戦争に思いを馳せて元EU大統領ファン・ロンパイさんが詠んだ次の俳句と翻訳が、句友が知人からもらった新聞記事に、ありました。

 

 

新聞の写真をタップ拡大してご覧下さい。

 

Cannons thunder
while summer flourishes
The sun will win

 

砲音に太陽真上日の盛り
   (星野高士訳)


 

俳句は様々な解釈が出来ます。
星野さんの翻訳は伝統俳句的名訳でしょうが、その翻訳からロンパイさんの句に込めた思いを理解するのは難しいのではないでしょうか?
翻訳する場合は作者の意図を汲んで原句の意味を忠実に訳出する方が望ましいと思っています。
ロンパイさんはイソップ寓話「北風と太陽」を念頭に、「太陽が勝つ」という表現をしたのではないでしょうか?
上記の翻訳にはそのような原句のニュアンスが無いので、原句の句意を尊重して、次のように試訳しました。

 

 

夏最中 轟く大砲 勝つ太陽

 

上記試訳は、「なつさなか とどろくたいほう かつたいよう」と、三段切れですが、原句の句意を忠実に訳出しています。

 

英語と日本語とは言語の構成が全く異なるので、リズムより句意を優先して翻訳するのが良いと思います。

 

俳句の翻訳や英語俳句が普及することは大いに歓迎すべきですが、時折気になる誤訳があります。
さまざまなタイプの誤訳がありますので、誤訳に関する記事を特集しました。

    

これまでに書いた記事は次の通りです。
青色文字のタイトルをタップ(クリック)して、ご覧下さい。

 

俳句の国際化 《言葉の壁を破るチャレンジ

 

柿食へば」の誤訳《俳句の力・言葉の壁

 

俳句をユネスコ世界無形文化遺産へ(草の根運動

 

高浜虚子の俳句「壺すみれ」をHAIKU(英語俳句)に翻訳する

 

俳聖の偉蹟を尋ね秋の伊賀(俳句と写真

 

芭蕉300句の英訳チャレンジ:「あやめ草」(21/300

 

高浜虚子の100句(100 HAIKUs of TAKAHAMA Kyoshi)(31~40

 


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2022年7月30日 (土)

「柿食へば」の誤訳《俳句の力・言葉の壁》


222730

松尾芭蕉や高浜虚子の俳句を英訳して、国際俳句協会のホームページに投稿している関係で、「英語俳句」をGoogle検索して、「英語で俳句!?詠んでみましょう!Haiku!」を読んでいると、正岡子規の俳句「柿食へば」の英訳に誤訳があるのに気付きました。
(写真をタップ拡大してご参照下さい。)

 


柿食へば鐘が鳴るなり法隆寺

この俳句の「柿くへば」の助詞「ば」は「仮定」ではなく、「したところ」という意味で、「柿を食った時に丁度」という意味です。
(「俳句を楽しもう! フラワータウンカレッジ講演の要旨」参照。) 

 

NativeCampさん
英語が巧でも日本語をよく理解しなければ俳句の英訳は出来ませんよ!

どうぞ、「英語で俳句!?」の記事を速やかに見直して、

子規の有名な俳句の誤訳を訂正して下さい。

子規の代表句の一つの誤訳が世界に広まって、俳句や子規に対する誤解が生じては拙いですよ!
  
先日、「俳句HAIKU」の記事「言葉の力・俳句の力《癒し》」を書きましたが、国際俳句協会HPの「英語でわかる芭蕉の俳句」や「高浜虚子の俳句をバイリンガルで楽しもう!」を読んで頂き、「俳句の奥深さ・面白さ」や「翻訳の難しさ」をご理解頂けると幸いです。

 


国際紛争の原因の一つは「言葉の壁」です。
ロシアがウクライナ侵攻を止め、「血に染むなドニエプルてふ春の川」で述べた如く、ウクライナに春が来ることを祈っています
政治家も言葉を大切にして欲しいものですが、世界の人々が「言葉の壁と力」を理解して、俳句を通じて世界平和を実現する地道な努力をしてくれることを切望しています
この思いをSNSでシェアーして頂けると望外の喜びです。

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2022年7月14日 (木)

「言葉の力」・「俳句の力」《癒し》

     

2022年7月11日に、鎌倉八幡宮の「直会殿(なおらいでん)」で開催されたヘルマン・ファン・ロンパイ氏(EU理事会初代議長)と高野ムツオ氏(日本現代詩歌文学館館長•「小熊座」主宰)の講演(俳句ユネスコ登録推進協議会国際俳句協会の共催)を拝聴しました。

 

この講演会は、「言葉の力」がテーマでしたが、両氏のお話から「俳句は癒しになる」という印象を受けました。

   

1792_haikuロンパイ氏は次の自句を引用し、「自然を観察して俳句を詠むことによって、人は謙虚になる」と言われました。

 

ロンパイさんのお考えに共感し、俳句を世界に普及する一助となればとの思いで、2017年頃から草の根運動の記事を「俳句HAIKU」に書いています

  

An old dog faithfully

plodding at his master’s side,

Growing old together.

      (Rompuy)

   

忠犬や主人に沿ひて相老ひて 

       (訳:薫風士)

   

犬や猫などペットを飼っている人は沢山いますから、ロンパイさんはそのことを意識してこの俳句を詠まれたのでしょう。

この俳句には、季語がありませんが、ひょっとして愛犬「チュヌ」をスポークス・ドッグにした「チュヌの便り」のことも小耳に挟まれたかもしれないなどと、我田引水の解釈をしています。(お笑)

  

ポーランドの旅(写真と俳句・講演のことなど)」をご覧下さい。

    

ロンパイ氏が東京新聞に投稿された俳句の試訳をしました。

  

A sunny wheat field

Strewn with senseless death

Hungry for peace

  

陽に煌めく麦畑

遠近(おちこち)に意味なき死

平和に飢ゑつ

  

上記の和訳は、5・7・5の定型に捉われず原句のニュアンスを訳出した薫風士の試訳です。

 

原句は「5・5・4」音節ですから、「俳句」と言えるでしょうが、この試訳は「10・10・7」のリズムですから「俳句」というより「三行詩」というべき翻訳です。

 

俳句は省略の文芸ですから、悪く言えば片言であり、その解釈は読者次第です

 

英語などの俳句を翻訳する場合は、日本語としての俳句の形式より、作者が原句に込めた思い・句意を訳出することが大切だと思います。

                  

高野氏は東日本大震災に遭い、自宅へ徒歩で帰る途次にも自然に俳句が浮かび力づけられたと、「俳人の『俳』は人に非ずと書く」と冗談気味に言われたのが印象的でしたが、この言葉と津波を詠んだ次の俳句と関連付けて深読みすると、この俳句の面白さ・深さがわかるでしょう。

  

車にも仰臥(ぎょうが)という死春の月

    (高野ムツオ)

  

1790

高野ムツオ氏の俳句はここをクリックしてご覧になれます

   

   

  

   

ここをクリック(タップ)すると、HIA 国際俳句協会HPの記事「ファンロンパイ旋風」で、ファン・ロンパイ夫妻の来日・俳句交流の状況などの写真をご覧になれます。         

  

川柳の友を偲ぶや文化の日   

ヨイクの日和平祈るや朧月

夏休み孫の成長我が癒し

大人びた言葉口真似夏休み

「ちなみに」が口癖の子風涼し

         (薫風士

   

ここをタップして、ウクライナへの応援句「ヨイクの日和平祈るや朧月」をご覧下さい

      

ここをクリック(タップ)して、「『花祭』の俳句《21世紀の宗教・世界平和を考える》」をご覧下さい。

  

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1613

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2022年3月 3日 (木)

芭蕉の俳句《ひなの家》・Haiku of Bashō “house with hina-dolls”

    

Click here to see “HAIKU of Basho” in English.

   

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今日は3月3日「雛祭り」の日です。

芭蕉の俳句300句の翻訳の切っ掛けになった著書「575 THE HAIKU OF BASHO」(White & Sato)には「雛」の俳句が掲載されていません。

「奥の細道」の冒頭部分にある重要な俳句ですが、句意の解釈に諸説があり、White & Sato の両氏は翻訳に躊躇したのでしょうか? その理由はともかくとして、重要な俳句を無視できませんので、通説に従い「Haiku of Bashō・芭蕉の俳句」の番外編として書きました。  

         

草の戸も住替る代ぞひなの家

(kusa-no-to-mo sumi-kawaru-yo-zo hina-no-ie)   

   

the house with a grass-door,

now a dwelling for

a family with hina-dolls

  

芭蕉は次の俳句も詠んでいます。 

草の戸も住み替る世や雛の家

(kusa-no-to-mo sumi-kawaru-yo-ya hina-no-ie)

  

(「世」を「所帯・家族」と解釈した翻訳)  

the house with a grass-door,

from family to family_

a dwelling with hina-dolls

 

または、

(「世」を「世代」と解釈した翻訳)

the house with a grass-door,

generation to generation_

a dwelling with hina-dolls

   

(注)    

助詞「ぞ」と「や」の違い、すなわち、「住み替る世ぞ」と「住み替る世や」のニュアンスの違いを上記のように訳出しました。「雛の家」とは「雛の有る家」と解釈して、「with」を用いました。

  

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2022年2月27日 (日)

Haiku of Bashō (芭蕉の俳句 172/300)《泉》

  

掬ぶより早歯にひびく泉かな

(musubu-yori haya-ha-ni-hibiku izumi-kana)

  

before scooping the water,

sooner affecting my teeth_

such a fountain!

     

 ここをクリック(タップ)すると、「575筆まか勢」・「泉」の例句をご覧になれます

」や「噴水」は「夏の季語」です。夏の俳句特集」をご覧下さい。

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Haiku of Bashō (芭蕉の俳句 171/300)《花の雲》

    

鶴の毛の黒き衣や花の雲

  (tsuru-no-ke-no kuroki-koromo-ya hana-no-kumo)

   

black feathers of a crane,

so looks your robe_

clouds of cherry blossoms

   

(注)

この俳句は蝉吟(芭蕉の門人)が伊勢に旅立つ時の銭別吟です。

」は「冬の季語」で、「花の雲」は「春の季語」ですが、この俳句の主たる季語は「花の雲」ですから、「季重なり」の問題はありません。

「so looks your robe」は「倒置法」による表現です。

  

興味があれば、

桜」・「花」の俳句と写真(特集

著名俳人の『季重なり』俳句集

をご覧下さい。

  
0708_2(写真)

カラー図説 日本大歳時記 「花」や「桜」の例句や解説の一部をご覧になれます。

      

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2022年2月26日 (土)

Haiku of Bashō (芭蕉の俳句 161~170)

    

衰ひや歯に喰ひ当てし海苔の砂

(otoroi-ya ha-ni-kuiateshi nori-no-suna)

           (161/300)

waning teeth_

noticed upon biting

a grain of sand in the laver

  

 

姥桜咲くや老後の思ひ出

(ubazakura saku-ya-rō-go-no omoi-ide)

          (162/300)

ubazakura in bloom_

causing me to think of

life in old age

  

  

世を旅に代掻く小田の行きもどり

(yo-o-tabi-ni shirokaku-oda-no iki-modori)

          (163/300)

life on journey_

like plowing for rice-planting

back and forth in small paddy fields

 

 

春や来し年や行きけん小晦日

(haru-ya-kishi toshi-ya-ikiken kotsugomori)

 

the spring has come_

has the year gone?

Kotsugomori

 

(注)

例年なら、「立春」は「大晦日」(陰暦12月30日)ですが、芭蕉は、「立春」が「小晦日」(陰暦12月29日)に当たり、例年ならまだ立春でないことを面白く俳句で表現したのでしょう。

この解釈が誤りであれば、問題点を指摘して、この俳句の正しい解釈を教えて頂けると幸甚です。

  

  

何の木の花とはしらず匂哉

(nannoki-no hana-towa-shirazu nioi-kana)

         (165/300)

what tree in bloom?

unknown to me,

so strong a scent

 

 

草臥て宿かる比や藤の花

(kutabire-te yado-karu-koro-ya fuji-no-hana)

          (167/300)

exhausted,

time to seek an inn_

wisterias in bloom

 

  

 

香に匂へうに掘る岡の梅の花

(kani-nioe uni-horu-oka-no ume-no-hana)

          (167/300)

Smell fragrant!

plum trees

on the peat-digging hill

 

  

蝶鳥の浮つき立つや花の雲

(chō-tori-no uwatsuki-tatsu-ya hana-no-kumo)

          (168/300)

butterflies and birds,

buoyant_

clouds of cherry blossoms

 

  

鶯や餅に糞する縁の先

(uguisu-ya mochi-ni-funsuru en-no-saki)

          (169/300)

a bush warbler,

droppings fallen on rice-cakes

at the edge of wooden veranda

  

  

海は晴れて比叡降り残す五月哉

(umi-wa-hare-te hiei-furi-nokosu gogatsu-kana)

          (170/300)

the sky cleared up over the lake,

still raining at the Mount Hiei_

such a May

   

(注)

「such a May」は、芭蕉が「五月かな」と「琵琶湖の5月の気象の特異性」を詠嘆したと解釈して、敢えて不定冠詞「a」をつけて、強調表現にしました。

  

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