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2018年10月

2018年10月30日 (火)

「菊」の俳句

 

Img_1699」は「桜」とともに日本人が格別の思いを寄せる花です。「菊の御紋」は皇室の紋章ですが、日本の国章として表示され、靖国神社の門には「菊の紋章」があります。

ノジギクは兵庫県の県花に指定されています

         

我のみの菊日和とはゆめ思はじ

     

この俳句は高浜虚子が文化勲章を受けた際に詠んだものです。(「高浜虚子の100句を読む坊城俊樹著参照。)

   

この虚子の句は下五が字余り5・7・6)です。

一般に、「下五の字余りはダメ」と言われますが、上五の字余りは認められます下記「菊7」参照)

虚子は俳句の定型を重視しましたが、この句のように格別の内容を表現する場合は許されるべきであると考えたのでしょう

 

俳誌のサロン歳時記から「菊」の俳句を気の向くままに抜粋させて頂きます。

 

(青色文字をクリックすると、歳時記の詳細や解説記事をご覧になれます。)

  

1

今生は愉しかりしと菊に逝く (山田弘子

 

2

暮れて着く菊の香著きわが家かな (稲畑汀子

  

3

犬がゐて小菊よく咲く駐在所 (阿部ひろし)

  

4

野路菊や風が遊んでゐるばかり (近藤公子)

  

5

菊日和古希の集へるクラス会 (西野通代子

   

6

新たなる母の一歩や菊日和 (与川やよい)

  

7

野路菊国体孫優勝を逸しけり (河本利一)

   

8

犬嫌ひに犬も身構へ菊花展 (泉田秋硯)

   

9

残るてふこと美しき黄菊かな (鷹羽狩行

 

10

菊日和名馬の訃報一面に (松井洋子)

  

11

手を繋ぐ卒寿の夫婦菊日和 (福島松子)

   

12

手話の子の手のひらひらと菊花展 (松本三千夫)

   

13

玉砂利に足音絶えぬ菊日和 (石川叔子)

  

余談ですが、「平成」は今年が最後です。

来年の年号は何になるのでしょうか? 

永遠の平和を象徴する元号を決めてほしいものです。

  

  

 

2018年10月29日 (月)

「年賀状」の俳句(特集)

      

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早くも年賀状御節料理の予約販売が始まりました。

そこで、「年賀状」の俳句を「歳時記」(俳誌のサロン)や「575筆まか勢」から気の向くままに抜粋させて頂きます。

詳細は青色文字をクリックしてご覧下さい。

    

年賀状 1

・独学のパソコン自在賀状刷る (山田千代)

・会いたいといつも添書年賀状 (松村美智子)

  

年賀状 2

・仔犬にも美容院より賀状来る (萬条ハマヨ)

雪すでに深しと北の賀状来る (岡本眸)

  

年賀状 3

・賀状来る世相の愚痴の多さかな  (仁平則子)

去年の問今年の賀状で返答す (伊吹之博)

  

年賀状 4

・賀状書きその翌日の訃報かな (石川元子)

古稀の思ひ密かに込めし年賀状 (佐田昭子)

  

年賀状 5

・顔浮かぶ字の美しき年賀状 (沖則文)

・幾とせも逢はず賀状でつなぐ友 (榊美壽子)

     

年賀状 6

賀状書く新たな縁こころにし (水田壽子)

・まだ賀状書ける幸せ米寿来る (高村令子)

    

(「575筆まか勢」の「賀状の俳句」より抜粋)

・読み返す当たりくじある年賀状 (歳森亨一)

・幼な文字賀状はみ出しめでたけれ (築城百々平

・旧賀状取り出し偲ぶその字面 (高澤良一

 

2018年10月26日 (金)

「チュヌの追悼」by L.P. Lovee

  

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(青色文字のタイトルをクリックするとその記事がご覧になれます。)

   

・愛犬を看取る寝息や秋深む

・愛犬を看取りし夜長母偲ぶ

・愛犬を荼毘に付すちちろ鳴く

・愛犬の弔ひに来し鉦叩

鉦叩テーブル巡り悼みけり

・愛犬の昇天したる天高し

・愛犬の深めし絆秋高し

  

チュヌの追悼に来た鉦叩の声をお聞き下さい。ここをクリックしてご覧下さい。 

 

ペット愛好者はチュヌを弔い「ペット」(愛犬の写真)をご覧下さい。

俳句愛好家は「俳句」や「俳句談義」「俳句エッセイをご覧下さい。

川柳愛好家は「川柳」をご覧下さい。

英語俳句に関心のある方は「HAIKU バイリンガル英語俳句」をご覧下さい。

政治に関心をお持ちの方は「政治談議」をご覧下さい。   

「いじめ」の問題など、子供の教育に関心のある方は是非ともチュヌの思い「究極のラブを!」をご覧下さい。

チュヌは天国から皆さんのお幸せを見守っています!

チュヌは2018.10.16に永遠の眠りにつきました。

「チュヌの便り」をご愛読ありがとうございました。

 

「秋」の俳句を鑑賞しよう!

   

「秋」の俳句を歳時記(俳誌のサロン)から気の向くままに抜粋させて頂きます。

 

(青色文字をクリックすると歳時記の詳細や解説記事をご覧になれます。)

  

ちなみに、「秋1」の「一行」は団体客を詠んだもので、「いっこう」と読むことは自明です。「秋6」の「一行」は作者が俳句に専念してきたことを句にしたものと解釈して、「いちぎょう」と読むべきでしょう。しかし、「いっこう」と読み、吟行に来た詩人や俳人の一行のことを詠んだものと解釈することも可能でしょう。

  

1

一行の来ては去る茶屋古都の秋 (稲畑汀子

 

2

逸翁の文字流麗に句碑の秋 (大橋敦子

  

3

石蹴つてけつて路地ゆく子等の秋 (長浜好子)

   

4

百歳の耳しつかりと秋を聽く (中原道夫

   

5

星空に伸びる棚田や島の秋 (加藤あけみ)

    

6

一行の詩に徹し来て菊の秋鷹羽狩行

    

7

田も納屋も黄金一色秋豊か (栢森定男)

    

2018年10月20日 (土)

俳句の鑑賞 「柿」

  

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「柿」の俳句といえば正岡子規の「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」が有名です。ウイキペディアによると正岡子規は「柿落ちて犬吠ゆる奈良の横町かな」という俳句も作っています。正岡子規は柿が大好きだったようです。

   

熟柿落つ愛犬目指し駆け出しぬ

・愛犬の深めし絆柿たわわ

    

チュヌの主人がありのままに詠んだ俳句です。

  

俳誌のサロンの歳時記から柿の俳句を気の向くままに抜粋させて頂きます。

 

(青色文字「柿」をクリックすると歳時記の詳細がご覧になれます。)

   

1)

よくひびく子猫の鈴や柿日和 (内田雅子)

  

2)

三千の俳句を閲(けみ)し柿二つ  (正岡子規

 

3)

よろよろと棹がのぼりて柿挟む 高浜虚子

  

4)

大和路や軒場に吊す柿すだれ (井上輝男)

 

5)

故郷へ向かふ車窓や柿の秋 (篠藤江)

   

6)

境内を駆け回る子等柿日和 (谷野由紀子)

   

7)

柿を捥ぐ吾を烏の見てをりぬ (塩田博久)

 

8)

柿日和ゴルフに和む古稀と喜寿 (河本利一)

 

9)

里ふりて柿の木もたぬ家もなし (松尾芭蕉

         

10

斑鳩の三塔見えて柿日和 (山村修)

 

11

柿たわわ獲る人もなき山の里 (西田史郎)

 

12

白壁に柿の実映ゆる二月堂 (吉田宏之)

 

13

落日に染まる一村柿の秋 (宮平静子)

  

 

2018年10月16日 (火)

俳句 「小鳥来る」・「鳥渡る」・「渡り鳥」

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小鳥来るやっぽんぽんてふ甲賀の湯 

       

掲句はチュヌの主人が芭蕉ゆかり伊賀上野・草津を吟行し、露天湯に浸り疲れを癒していたときに小鳥が来たのを詠み、吟行仲間の句会で高得点を得た句ですが、「小鳥来る」は取り合わせがし易いのか人気がある「秋の季語」です。

  

歳時記(俳誌のサロン)から小鳥の俳句を気の向くままに抜粋させて頂きます。

  

(青色の文字をクリックすると歳時記の詳細や関連記事をご覧になれます)

  

小鳥来る1)

・小鳥来る音うれしさよ板びさし (与謝蕪村

伊賀焼の芭蕉坐像に小鳥来る (長谷川閑乙)

小鳥来る日の斑の遊ぶ登山道 (高橋瑛子)

小鳥来る何時も不在の駐在所 (吉永すみれ)

・太陽の塔の翼に小鳥来る (鷹羽狩行

 

小鳥来る2)

・小鳥来て午後の紅茶のほしきころ (富安風生

・小鳥来る三時五分の花時計 (浅田光代)

  

小鳥来る3)

・久びさに子の弾くワルツ小鳥来る (三木千代) 

・湯の町のこけし工房小鳥来る (堺昌子)

 

渡り鳥

・葬列や数人仰ぐ渡り鳥 山川蝉夫

渡り鳥気づけばすでに遠き空 (稲畑汀子

 

鳥渡る1)

・鳥渡る老人ホームのティータイム (山尾玉藻)

大いなる渡良瀬川を鳥渡る (小林修水)

  

鳥渡る2)

夕日負ふ芭蕉の座像鳥渡る (菅野日出子)

夕映えの丹沢連峰鳥渡る (安田とし子)

  

2018年10月12日 (金)

俳句雑感(1)自他の区別について

     

・白寿祝ぎゴルフコンペす天高し (A

・白寿祝ぐゴルフコンペや天高し (B

・白寿祝ぎゴルフコンペや天高し (C)

 

上記の俳句は会社の大先輩が白寿(99歳)を祝いゴルフコンペを開催された噂話を聞いてチュヌの主人が作った俳句です。

A)は「作者自身がゴルフコンペを主催している」と解釈するのが自然でしよう。

B)は開催されているゴルフコンペを作者が客観的に詠んだものと解釈するのが自然ですが、主催の自他の区別やゴルフコンペ参加の有無など、やや不明瞭です。

(C)は(A)に近いですが、(B)と同様に自他の区別や参加の有無が不明瞭です。

 

一般的には、俳句として(B)が良いとされるのではないでしょうか? 

他人の行為を自分の行為のように詠むことは一般に許されているようですが、チュヌの主人は客観写生を重んじ、なるべく事実を素直に表現することを心掛けています。

  

あなたは、AB、C のどれが良いと思いますか?

  

余談ですが、高齢化社会社会保険制度健康保険制度の将来が危惧されています。チュヌの主人は、次の俳句のように俳句や吟行を楽しみ健康を維持し健康長寿に努めたいと思っています。

  

句に興じ白寿夢見つ落葉焚く

句に興じ茶寿も祝たし新茶汲む

 

(青色文字をクリックすると関連の記事をご覧になれます)

   

2018年10月11日 (木)

俳句の鑑賞 「後の月」

     

「後の月」は、陰暦八月十五夜に対して、陰暦九月十三夜の月。今年(2018年)は10月21日に当たり、秋の季語ですちなみに、10月の満月は25日です。

三方(さんぼう)に栗や枝豆を盛って祭る習慣から「栗名月」「豆名月」などと呼ぶこともあります。

歳時記(俳誌のサロン)から「後の月」の俳句を気の向くままに抜粋させて頂きます。(詳細は青色文字「後の月」をクリックしてご覧下さい。

    

後の月1)

後の月鴫たつあとの水の中  (与謝蕪村

療養の須磨に雲間の後の月 (田畑美穂女)

  

後の月2)

木曽の痩もまだなをらぬに後の月 松尾芭蕉

芭蕉句碑照らし須磨なる後の月 (手島伸子)

  

後の月3)

後の月賢き人をとふ夜かな (与謝蕪村

鐘の無き火の見やぐらや後の月 (宮崎高根)

  

 

2018年10月10日 (水)

俳句 「時雨」・「しぐれ」

  

季語「時雨」を用いた俳句を歳時記(俳誌のサロン)から気の向くままに抜粋させて頂きます。

青色文字の季語「時雨」をクリックすると歳時記の詳細がご覧になれます。

     

時雨1

家路とは情のあるもの夕時雨 (粟津松彩子)

 

時雨2

幸福論尽きず時雨るる旅の宿 (池田倶子)

  

時雨

朝時雨杉の秀揃ふ美山町 (川野喜代子)

   

時雨

ゆきずりにラーメン啜るしぐれかな (木村茂登子)

  

時雨) 

湯の山てふ湯宿の駅の時雨かな (青木政江)

   

時雨6

小夜時雨上野を虚子の来つゝあらん (正岡子規)

  

時雨

遠州の庭の石橋京時雨 (中村紘)

   

時雨

湯煙の大湧谷や雪時雨 (池谷鹿次)

  

時雨

時雨るるや長信号の交叉点 (吉田宏之)

   

時雨10

桟橋を巨船去りゆく初時雨 (善野烺)

  

2018年10月 8日 (月)

川柳作家ベストコレクション 「前川 淳」

 

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チュヌの主人の先輩の川柳が新葉館出版から、川柳作家ベストコレクション「前川淳」として出版されました。
本の帯には、「光陰と歩む いつか輝く 陽を抱いて」、「短詩文芸誌に燦然と輝く、第一線川柳作家によるシリーズ全200巻。前川淳の柳言と秀句集」 とあります。

この本には、240句掲載されていますが、チュヌの便りの「先輩の川柳」に掲載の川柳も幾つかあります。
前川淳氏(兵庫県川柳協会常任理事)の川柳への思いは、
高浜虚子の「去年今年貫く棒のごときもの」における俳句への思いや、
チュヌの主人のブログに取り上げた俳句への思いに通ずるものがあります。

  
ここをクリックして「先輩の川柳」(改定通読版)をご一読下さい。

  

2018年10月 5日 (金)

先輩の川柳(改定通読版)

    

(2018.5.15掲載分)

(1)人はみな自分色したパンを焼く

(2)男から野心が消えて国痩せる

(3)夢中でたぐる青春のメモワール

(4)浮雲が乱調の美を見せている

(5)乾涸びた棚田に月は浮かばない

(6)消しゴムのカスはまことを知っている

(7)馬車馬のように走ってきたもんだ

  

(2017.3.1掲載分)  

① 雷鳴に呼び覚まされた能天気

② 鉄人の涙もろさを垣間見た

③ 世界地図どこを開けてもきな臭い

④ もう二度と降らせてならぬ黒い雨

⑤ 温もりを育み合った木の校舎

⑥ 国言葉一色になる同期会

⑦ 春めいて悲しい色が遠ざかる

  

(2016.9.20掲載分)

・野仏がひっそりと立つ炎天下

・ほどほどの暮らし平和な水の音

・自分史のところどころにシミがある

傷心のほころび縫ってくれた星

・公園にたむろするレイオフの群れ

・素知らぬ顔で光陰が滑り去る

・重箱の隅に潜んでいるヒント

   

(2016.5.15掲載分)

・都会の泥に泳ぎあぐねているどじょう

・背信の森で仏とすれ違う

・不即不離 黄金則で生きている

・どんぐりの列が突然乱れだす

・人間と共存したくない地球

・落日に向かって自問自答する

・縦横に伸びている母の配線

・究極の卒業式は葬だろう

  

(2015.9.1投句)

1)女性の惚れた靖国神社

2)貴殿の脚は百万ボルト

3)追想の衣に重ね着して生きる

4)横顔にわが背徳が透けて見え

5)落陽に祈るあしたの風のこと

6)サボってはいませんスローライフです

7)敗北の背中に過去が突き刺さる

8)遺言を書いておまけを生きている

9)鋭角に三日月懸かる冬の夜

10)はつらつと生きる人生二毛作

  

(2015.2.16投句)

色即是空 雑踏の真ん中で

・難敵だ弱火でそろり煮詰めよう

無位無冠 集まる群れの輪は丸い

・古傷が埋められている回り道

・まだ涸れぬ脳にせっせと種を蒔く

終章の淡い種火に点火する 

・踏まれると逞しくなる麦である

ストレスを食べる胃袋持っている

・氷原で聴く五線譜のラブレター

・流行のごとく繋がる事件事故

                

(2014.7.18投句)

・高尚な方と一緒の飯の味

・プロの打つ釘の頭は潰れない

・大法螺の口の綻び縫うている

・詩心湧く終着駅の町の色

・浮世離れの首が浮いてる露天風呂

・少しゆがんだぞモナリザ微笑

・無くせない戦を思う葉月来る

      

(2014.3.1投句)

・逞しい歩幅老け込む気配なし

・おばさんを舞姫にするコスチューム

・もう抜けぬ8020残さねば

リストラで辞めてゆくのは屋台骨

・力まずに勤め上げたと亀の自負

・風切った肩も次第に丸くなる

・虫眼鏡使って覗く利子の欄