芭蕉の俳句・Haiku of Bashō:「蝉」(23/300 )
・閑さや岩にしみ入蝉の聲
(shizukasa-ya iwa-ni shimiiru semi-no-koe)
(A)
amid the stillness
the rocks are penetrated
by cicada songs
(B)
silence_
penetrating the rocks,
cicada voices
(C)
the stillness_
the voice of a cicada
seeping into the crags
(A) は575訳、(B)はStephen Addiss訳、(C) はL.P. Lovee訳です。(A) も (B) も「しみ入る」を「penetrate」と英訳していますが、「penetrate」には「突き進む」というニュアンスがあり、「しみ入る」の訳語としては(C)の「seep into」の方が適切な気がします。また、「蝉の声」を「cicada songs」や「cicada voices」と複数にしていますが、「奥の細道」の解説などを読むと、山寺の静寂の中で一匹の「ニイニイゼミ」が岩に浸み込むような声で鳴いている情景を詠んだものと思います。従って、(C) のようにその句意が明瞭になるように翻訳するのが良いでしょう。
余談ですが、先ほどNHKテレビニュースで米・朝首脳会談の状況を放映していました。世界平和を維持するために首尾よく会談が進展することを祈るばかりです。
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