芭蕉300句の英訳チャレンジ:「涼し」(18/300)
・潮越や鶴はぎぬれて海涼し
(shiogoshi-ya tsuruhagi-nurete umi-suzushi)
(A)
crossing at low tide
the legs of the cranes are wet
with the sea’s coolness
(B)
carrying out “shiogoshi”,
with their bare legs wet_
the cool sea
(C)
at the “shiogoshi”
my bare legs are wet_
the cool sea
「鶴脛(つるはぎ)」とは「衣の短い裾からすねが長く現れること」、また、その「すね」のことです。
(A)(「575訳」)は「鶴脛」を「鶴の脛」と解釈した翻訳ですが、(B)(Lovee訳)では「鶴脛」を定義どおりの意味にとり、「人が潮越をしているのを見て詠んだもの」と解釈して翻訳しました。
「潮越」とは、広辞苑によると「潮水をひき導くこと」ですが、「芭蕉俳句全集」の「奥の細道」の解説のように、「浪が打ち入る所」と解釈すると、芭蕉が潮越を歩いて詠んだものとして最も俳句らしい翻訳ができます。実態に即した最適の翻訳は(C)(Lovee訳)でしょう。
いずれにせよ、「潮越」に対応する英語の言葉はないので、そのままローマ字で表記せざるをえません。
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