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2019年6月16日 (日)

Bashō’s Haiku in English and Japanese (6/300) (Revised)

     

・岩躑躅染る泪やほととぎ朱 (6)

  iwatsutsuji somuru namidaya hototogisu

  

 (A) Translation by John White & Kemmyo Taira Sato

  rock azaleas

  so it seems, have been dyed red

  by the cuckoos’ tears

  

(B) Translation by L.P. Lovee

the rock azalea_ 

  dyed with the tears of

  a cuckoo

   

(C) Translation by L.P. Lovee

  the tears 

  dyed with the rock azaleas_

  a cuckoo

         

ほととぎす」には「杜鵑」「時鳥」「子規」など色々の当て字があります。一般的に「ほととぎす」の詩歌は「鳴き声」に焦点を当てますが、芭蕉は「ほととぎ朱」と書き、色に焦点を当て新鮮味を出したものでしょう。 ちなみに、「血の涙」という言葉もありますが、評伝・正岡子規(柴田宵曲著)によると、正岡子規は俳号「子規」の元になった五言絶句で「杜鵑が血を吐いて鳴く」という趣旨のことを詠んでいます。

(B)の翻訳が最適でしょうが、文法的には(C) のごとき翻訳も可能です。

   

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