山寺や紅葉を見れば奇岩見ゆ
初紅葉見仰ぐや奇岩仁王門
仁王門仰げば奇岩初紅葉
(薫風士)
冒頭の写真は立石寺(山寺)の仁王門の初紅葉ですが、仁王門の屋根の上に蛙の口に似た奇岩が見えます。
この奇岩は、見方を変えると、「片目の猫の顔」に見えます。
俳句は、詠人次第ですが、読み人次第で面白い深読みが出来ます。
芭蕉の「奥の細道」の足跡を廻りたいとの思いで2023年10月に東北旅行をしました。
旅程はこの写真(クラブツーリズムのパンフレット「旅のしおり」の一部分)のとおりですが、芭蕉所縁の下記の「奥の細道」の名所と「厳美渓」「鳴子峡」「山形県総合運動公園」「寒河江温泉の紅葉公園」「秋保大滝」「磊々峡」など、観光スポットを訪ねて詠んだ紅葉(黄葉)の「俳句」とその写真を逐次掲載します。
最後に掲載した写真をタップ拡大して、皆さんも疑似吟行をエンジョイして頂けると幸いです。
これまでに書いた次の記事のタイトル(青色文字)をタップして、紅葉の俳句や写真などをご覧下さい。
中尊寺-金色堂 《秋の平泉》(写真と俳句)
最上川秋の舟下り(写真と俳句)
芭蕉の足跡巡り《秋の山寺・立石寺》
季語をタップすると、歳時記(俳誌のサロン)などをご覧になれます。
富士川や富士雲隠れ草紅葉
朝9時頃東京駅発のツアーに参加するために前日上京の新幹線で詠んだ拙句です。
翌日からは夏日のような秋晴れに恵まれ、吟行の旅をエンジョイしました。
皇居映ゆ朝餉の窓や薄黄葉
ホテルの朝餉の窓に見えた皇居の景色の写生句です。
晩秋の車窓に仄か富士の峰
東北新幹線「やまびこ号」の車窓の彼方に富士山がほのかに見えました。
中尊寺手前の道は初紅葉
破蓮や小さき池の片隅に
ここをクリック(タップ)して、「中尊寺の歴史」をご覧になると、観光客が紅葉に気をとられて見落とした小さな蓮池に藤原氏の歴史が残されていることが分かります。
大杉の間の日差し黄葉映ゆ
薄紅葉映ゆる日差しや月見坂
「間」は「はざま」と、詩的なリズムで読んで下さい。
(薫風士)
紅葉より団子人気や厳美溪
黄葉より団子が良しと旅の人
薄紅葉写し流るや厳美溪
「厳美溪」は「げんびけい」と読み、岩手県一関市の紅葉の名所で、奇岩と青い流れの景色が写真愛好家の人気スポットですが、渓流を挟んで「郭公だんご」がロ-プを使って販売され、外国からの観光客の人気を呼んでいるようです。
写真をタップ拡大すると、「かっこうだんご」を運ぶ籠がロープにぶら下がっているのが見えるでしょう。
駆けつけしダム湖の山は薄黄葉
薄紅葉とてバスガイド詫び重ね
薄黄葉鳴子のダムの谷深く
5時の閉門ぎりぎりに間に合い、晴天のお陰でダムの眼下や山の薄紅葉を愛でることが出来ました。帰路は日が暮れて真っ暗の山道にスリルを感じましたが、山交バスの安全運転で無事ホテルに着きました。
バス送る花笠音頭秋の旅
山形の郷土料理「芋煮ご膳」を満喫してバスに乗ると、いつまでも店の方が花笠を振って見送って呉れました。
溪谷の岩にハ-トや薄紅葉
潦(にわたずみ)岩のハ-トに秋の空
鳴子峽秋水映ゆるハ-ト岩
(薫風士)
秋保温泉郷観光案内所「秋保・里センター」では宮城県のゆるキャラ「むすび丸」の像が迎えて呉れました。
「磊々峡」(らいらいきょう)の呼称は「石が沢山ある峡谷」の意味とのことですが、「秋保」を「あきう」と読む根拠や謂れを聴き忘れました。
岩の窪みに雨水が溜まり見事なハ-トの形をしています。
写真をタップ拡大して、画面の左下の岩盤をご覧下さい。
雨に愛ず秋保大滝薄紅葉
秋保(あきう)は、宮城県仙台市の紅葉の名所で、紅葉の山と秋保大滝の美観が写真スポットです。
午前中は雨が降り続いていたそうですが、幸いなことに雨が上がり、薄紅葉を見て紅葉の盛りの美観を想像しました。
国際俳句協会のホームページに芭蕉の俳句の英訳記事「英語でわかる芭蕉の俳句」を投稿しています。ここをクリック(タップ)して、ご覧下さい。
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