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2017年11月

2017年11月28日 (火)

本との出会い <母と子・優しさと厳しさと>

        

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ブログ「チュヌの便り・虚子の俳句『去年今年貫く棒の如きもの』の棒とは何か?」を契機に知った宗内敦氏(臨床心理学者)の近著「エッセイで読み解く 教育・指導のエッセンス」を最近読み始めました。共感することが多々あるのでここに紹介させて頂きます。教育関係者のみならずチュヌの便りの読者など一般の人々に是非読んで頂きたい好著です。

青色文字をクリックすると解説記事などがご覧になれます。 

     

「いじめ」や「登校拒否」などの問題は教育者のみならず、広く一般の人々が他人事としないで関心を持ってほしい問題ですが、このような問題を無くするためには「思いやりを持って他人の立場を理解し、多様性を認める寛容性を基本にした和の精神を教育することが何よりも肝心である」とチュヌの主人は思っています。

この「和」の精神は戦前の「封建的な和」でなく、「民主主義制度における和」です。戦前の全体主義的・国家主義画一教育は「いじめ」の解消にならないでしょう。

道徳教育で大切なことは、児童があくまでも自発的に物事を考え、自分の考えを主張すると同時に他者の考えにも耳を傾けることを学び、自己と他者、自己と社会との関わり合いを考え、自分の能力や個性を自分のためばかりでなく、社会に役立つようにするバランス感覚、合理的な思考能力などを培うことでしょう。

宗内敦氏が「教師の権威と指導力」で述べているように、「権力」にもとづく教育でなく、「権威」に基づく教育をすることが肝心でしょう。

道徳教育を教科にして、「道徳嫌い」を生む恐れのある「一方的な成績評価序列評価をすること」には反対です。道徳教育においては、評価は子供の自尊心を生かし、やる気を出させるのに効果のある個別評価、教育効果を評価するための範囲に限定すべきでしょう。

子供たちが将来幸せな一生を過ごすことができるようにするには、「自分を知り、『一個人としての自分』と『組織の一員としての自分』とのバランス、『個と全体関わり合い』を考え、『過去をベースに未来を見据え、現在に視点を置いて、よく考え、行動すること』、『自己家族市民国民地球人』など、様々な視点で相対的に考える教育をすることが大切です。     

子供の教育のためのみならず、住みよい平和な社会が維持されることを祈りつつチュヌの主人が書いた「究極のLOVEを実践しよう!」の「究極のLOVE]は下記の通りです。  

・「L」は Love(愛する)・Learn(学ぶ)・Liberty(自由・権利)・Legality(合法性)、Laugh(笑う)・Life(生活一生)です。    

・「O」は Optimism(楽観・楽天主義)・Originality(個性・独創性)・Objective(目標・客観的)・Obligation(義務・義理)、Opportunity(機会・好機)・Organization(組織団体組織化すること)です。  

・「V」は Vitality(活力・元気)・Vision(ビジョン・先見性)・Venture(冒険・思い切ってする)・Value(価値・評価)・Volunteer(ボランティア・自発性)、Viewpoint(観点視点切り口)です。  

・「E」は Effort(努力)・Enjoy(楽しむ)・Ethic(倫理・道徳)・Equity(公平・公正)・Endurance(忍耐・持続)・Each(個人・自己)です。        

・Love(愛)

親子の愛、男女の恋愛、夫婦の愛など人に関する愛のみならず、動物、自然、故郷、住んでいる町や国、平和、自分の仕事など全てが対象です。まず自分を愛し、自分のしていることを愛し、その結果が他者への愛、すべてのものに対する愛につながることが理想です。  

・Learn(学ぶ)

教師や反面教師として、全てのことから学ぶことが出来ます。

身近な両親、兄弟姉妹、友達、先輩・後輩、先生などから直接学ぶことが沢山あります。書物や新聞・ラジオ・テレビ、インターネットなどで地域と時代を超えて様々なことを学ぶことができます。また、自分自身や他人の失敗や成功の実例から学ぶことも大切です。   

・Liberty(自由・権利)

基本的人権として思想・言論・信教の自由などが憲法で保障されています。しかし、自由の権利を乱用すると、自由を失う恐れがあります。常に権利と義務、個(自分自身)と全体(社会・国)、公平・公正の原則とのバランスを考慮することが肝要です。多くの若者が選挙権参政権の行使を放棄していることは幸福を追求することを放棄していることになるのではないかと危惧しています。  

・Legality(合法性)

誰でも自由に考えて行動すれば良いのですが、それが法律に適っていることが前提です。法律は人々の生活を守り社会の秩序を維持するためのものですから、日常生活で余り難しく考えることは無いでしょう。しかし、何か特別のことを始める時にはそれが合法的かどうかチェックすることも必要でしょう。   

・Laugh(笑う)

笑う門には福来たる」(「Laugh and get fat.」「Fortune comes in by a merry gate.」)です。

泣きたいときには泣くとよいでしょう。でも、辛い時でも笑顔を忘れずに前向きに過ごして行けばきっと良い時も来るでしょう。  

・Optimism(楽観主義)

人間万事塞翁が馬」(Joy and sorrow are today and tomorrow.)、「人生は山あり谷あり」、「努力をすれば何とかなる」、「人事を尽くして天命を待つ」と楽観的に考えることです。いわゆるプラス思考・ポジティブシンキング(positive thinking)を実践することです。      

・Originality(個性・独創性)

世界に一人しかいない自分という貴重な存在を活かしましょう。単なる「猿真似」や「迎合」ではなく、人それぞれに出来ること・天性・個性を生かして、学んだことを更に発展させ実践することです。現代は多様性の時代です。様々な個性が集まって全体の調和が生まれることが理想です。    

・Objective(目標・客観的)

将来何をするか自分の目標を定める際に、それを達成することが可能か、楽観的に考えると同時に、冷静に客観的に評価しておくことも大切です。高い目標を掲げることは良いのですが、目標は高ければ高いほど成果の高望みをしないでstep-by-stepで一歩ずつ前進することです。   

・Obligation(義務・義理)

「世の中は持ちつ持たれつ」、「お互い様」です。自己の権利を主張するばかりでなく、義務もあることを認識して他者の権利・立場も認め、自他のバランス(Give-and-take)を考えることが大切です。   

・Opportunity (機会・好機)

好機逸すべからず」です。英語のことわざには「Now or never.」とか「Everything has its time.」などがありますが、機会をとらえTPO(時と場所と場合)を考えて適切な行動をすることが大切です。 

・Vitality(活力・元気)

何事もやる気と元気がなければ達成出来ません。精神的にも肉体的にも健康を維持することが大切です。「過ぎたるは及ばざるがごとし」です。時には無理が必要なこともあるでしょうが、頑張りすぎないで、自分の出来る範囲でやれば良いでしょう。

・Vision(ビジョン・先見性)

「憲政の神様」と言われた尾崎行雄は「人生の本舞台は常に将来に在り」と言っています。自分は何をしてきたか、今何をすべきか、自分の将来の目標は何か、自分の人生のどの時点でも、常に過去・現在・未来という流れの中で自分自身と社会の将来を見据えて考え・行動することが理想です。

・Venture(冒険・思い切ってする)

慎重に考えて行動することも大事ですが、難しいと思うことでも時には思い切ってやって見ることも必要でしょう。成功するか否かは自分の才能や努力のみならず運に左右されるものです。最もうまく行く場合と最悪の場合とを考え、腹を据えて思い切って行動すると良いでしょう。

・Value(価値・評価)

価値観は人によって異なりますが、自分にとって何が大切か、何をしたいか、それは自分のためだけではなく、親のためや人のために役立つことになるか、と考えながら目標を立て・行動することが大切です。

・Volunteer(ボランティア・自発性)

何事でも自分のしたいことをするときは苦労が苦労でなく、楽しくなります。最近はボランティア活動をしている若者も沢山いることはありがたいことです。自分が出来ることを自発的に行い、自分のみならず人のためにもなり、世の中に役立つことができれば最高です。

・Effort(努力)

天賦の才に恵まれていても努力をしなければその才能を生かすことは出来ません。ささやかな才能であっても努力することによって、それを伸ばすことが出来ます。大切なことは他者との比較や序列・勝ち負けそのものではなく、それを励みとして自分自身の天分を育てる努力をしているかどうかです。 

・Enjoy(楽しむ)

努力も色々工夫しながらすると、苦労でなく楽しみとなります。楽しみながらすると努力を続けることが出来ます。少しでも努力の成果が出ると楽しくなります。すぐに成果が表れなくても長い目で見れば必ず成果が出て来るものですから、それを楽しみに努力を続けることです。

・Ethics(倫理・道徳)

技術が高度に発達し専門化している現代社会においては個人や組織が倫理を大切にして活動することが不可欠です。最近の世相をみると、長い間に築いた信用を倫理観の欠如から一瞬に失い、自滅するだけでなく社会に大きな弊害をもたらしている例が少なくないことは残念なことです。

・Equity(公平・公正)

才能や努力の成果を生かすには考え方や行為が公正であることが大切です。どのような場合でも公正かどうかという観点でチェックすることが望まれます。公明正大な振舞いをすることによって明るい気持ちが維持できます。明るい気持ちは必ず幸福を呼び込むでしょう。   

・Endurance(忍耐・持続)

豊かな現代社会においては何でも簡単に出来、手に入るので誘惑が多く、我慢することが難しくなっています。

ITSNSが発達し便利になっていますが、スマホによるゲームの氾濫や不適切な交流サイトなど、子供の教育や十代の若者の新たな社会問題になっています。  

三つ子の魂百まで」、「継続は力なり」です。大きくなってから抑えることは難しくなりますので物心が付き始めた幼い時から我慢することのしつけもしておくと良いでしょう。 

上記のことは、ご存知のことばかりでしょうが、それをLOVEという親しみやすく大切な一語に集約して覚えやすくしたのが味噌です。LOVEを実践する人々が増え、住みよい社会が日本から世界に広がることがチュヌの主人の念願です。

                    

2017年11月25日 (土)

俳句の鑑賞「落葉」<三田俳句大会に参加して>

   

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今回は「歳時記」(俳誌のサロン)から「親しみやすい俳句」と「凝った俳句」とを気の向くままに抜粋掲載させて頂きますが、下記の3句は、「白寿」(99歳)まで元気に生きる夢を詠んだチュヌの主人の俳句です。

貴方はどの俳句に共感されますか?

(1)句に興じ白寿夢見つ落葉焚く

(2)句に興じ白寿を夢に落葉焚き

(3)落葉道白寿を夢に愛犬と

   

冒頭(1)の俳句は11月11日(土)に開催された三田(さんだ)市民文化祭記念俳句大会に初参加したチュヌの主人の当日句です。各参加者が「手紙」か「落葉」の席題で1句投句した中で、この俳句は選者や参加者の互選で共感を呼び高得点を得ました。

(2)と(3)は、選者の一人が(1)の句について「動詞を三つも用いるのは如何なものか?」と批判的句評をされたので、後日推敲して作ったものです。(2)は動詞を一つにしています。(3)は動詞を使っていませんが、落葉道の散歩を詠んだもので当日句と句意が異なります。「俳句は形式が大事だが、形式よりも自分の感じた事や意思を詩的に表現することが先決である」と、チュヌの主人は気軽に句作を楽しんでいます。

ところで、今年の三田(さんだ)市民文化祭は50周年記念とのことです。三田俳句協会主催の俳句大会には三田市以外の参加者もあり、元気な高齢者が沢山参加して結構なことでしたが、もっと若い世代も参加してくれると更に盛り上がったと思います。この大会の投句の選者は10名で、様々な句評があり参考になりました。参加者の自由な発言も認められる有意義な大会でした。若い世代も巧拙にとらわれず気軽に俳句を作り、ともかく参加して俳句の楽しさを知ってくれることを願っています。俳句は入りやすく、奥が深いものです。初心者は初心者並みに、ベテランはベテランとして楽しめます。チュヌの便り「芭蕉や虚子の面白い俳句をまとめました」もご覧下さい。 

(最後の写真は高得点の賞としてチュヌの主人が貰ったクイーンローズです。)    

(青色文字をクリックすれば歳時記の他の俳句や関連の解説記事などをご覧になれます。) 

落葉1

・駅ごとに落葉舞ひこむ有馬線 (中尾廣美)

・落葉掃くシーシュポスが二三人 (武井康隆)

(注)「シーシュポス」とは、「ウイキペディア」の解説によると、「ギリシア神話に登場する人物」であり、「徒労を意味する『シーシュポスの岩』で知られる」とのことです。 

落葉2

・改札を出てそれぞれの落葉道 (稲田眸子)

・耳掻いてかさりこそりと落葉の音 (能村登四郎

落葉3

・落葉焚一人が跳んで見せにけり (小田玲子)

拾得は焚き寒山は掃く落葉 (芥川龍之介

(注)拾得が箒を持っている絵や寒山が木靴を履いている絵が有名ですね。ウイキペディアの寒山と拾得についての解説をご覧になれば芥川龍之介がこの俳句を作った理由がわかります。)  

落葉4

・何処からか煮物の匂ふ落葉掃き (関戸国子)

・漢江へ掃き落す日々の落葉かな  (朴魯植)

落葉5

・静けさに手を休めゐる落葉掻 (川瀬さとゑ)

・落葉踏み行く脱藩の竜馬道 (上岡末喜)

落葉6

・日曜の路地は落葉の駆けくらべ (斎藤道子)

・落葉みな大判小判狐狸の里 (村越化石)

落葉7

一輪車巧に乗る児落葉径 (安陪青人)

・啄木鳥や落葉を急ぐ牧の木々 (水原秋桜子

落葉8

・鯉の池掬ふ落葉の泳ぎけり (三関浩舟)

・風を呼び風に牙むく落葉焚 (井上孝夫)

落葉9

・土のなき都市にさまよふ落葉かな (前田陽子)

・おんころころそわかそわかと落葉かな (犬塚芳子)

「おんころころそわか」の句は「般若心経」などを捩って俳諧味を出した俳句でしょうか?

高浜虚子は「般若心経」を念頭に辞世の句として、「春の山屍を埋めて空しかり」という俳句を作ったのだろう、とチュヌの主人は考えています。「空しかり」を貴方は何と読みますか?「むなしかり」と読みますか?「くうしかり」と読みますか? 俳句談義(1)虚子辞世句の解釈」をご覧下さい。

   

落葉10

・落葉掃く人に交じりて鳩歩く (重本文子)

・風の落葉おちばの風と乱れ打つ (尾崎紅葉

尾崎紅葉の俳句は風や落葉が窓を打っている情景を詠んだ句でしょうか?

落葉11

・風巻いてまいて落葉を舞はせたる (稲畑康太郎)

(注)2014年11月27日 作成の「歳時記」に「稲畑康太郎」とありますが、稲畑廣太郎」の間違いではないでしょうか?

・楸邨の墓やゆつくり落葉降る (牧知子)

(注)「楸邨の」の句は加藤楸邨の俳句「木の葉ふりやまずいそぐないそぐなよ」を意識して詠んだものでしょう。「俳句・HAIKU 言語の壁を破るチャレンジ(7)」をご覧下さい。    

落葉12

・落葉掃き済みし二人の朝餉かな (鈴木幾子)

・ニコライの鐘の愉しき落葉かな (石田波郷

ここをクリックして「ニコライの鐘」の歌詞をご覧下さい。

落葉13

・何も彼も駅長独り落葉掃く (窪田粧子)

・母逝くや落葉乗せたる車椅子 (村井洋子)

落葉14

・友逝けり夫は無口に落葉焚き (田下宮子)

・紅葉落葉踏みて天城の峠越 (坂上香菜)

落葉15

・落葉踏む音のしみ入る静寂かな (嵐弥生)

・日溜りの落葉だまりや猫だまり (松井宮子)

落葉16

・猫の子がちよいと押へる落葉かな  (一茶) 

・バス停の屋根に落葉の縞模様 (五十嵐章子)

落葉17

・落葉踏み集ふシニアー落語会 (山本孝夫)

・落葉踏む次なる言葉出ぬままに (辰巳あした)

落葉18

・一年の早しと思ふ落葉時 (宮本加津代)

・からまつの落葉道ゆく湖畔かな (有賀昌子)

   

2017年11月24日 (金)

芭蕉や虚子の面白い俳句をまとめました

           

チュヌの便りの「俳句談義」や「俳句エッセイ」などから「面白い俳句」の記事をまとめました。

青色文字(記事のタイトル等)をクリックしてご笑覧下さい。

   

(1)松尾芭蕉の俳句「やがて死ぬけしきは見えず蝉の声」

この俳句の句意は二通りの解釈が可能ですが、何と何か、当てて下さい。答えは「蝉の俳句を鑑賞しよう」にあります。 

高浜虚子の俳句「春の山屍を埋めて空しかり」の「空しかり」を貴方は何と読みますか?「むなしかり」と読みますか?「くうしかり」と読みますか? 俳句談義(1)虚子辞世句の解釈」をご覧下さい。

       

(2)与謝蕪村の俳句「薫風やともしたてかねついつくしま」

この俳句の面白さは句意が少なくとも4通りに解釈できることにあります。「いつくしま」は宮島のことです。「厳島神社」は世界遺産に登録されていますね。俳句鑑賞 <蕪村の俳句「薫風や」は面白い>を読んで、「宮島」を詠んだ与謝蕪村の遊び心を共有して下さい。

    

(3)高浜虚子の俳句「神にませばまこと美はし那智の滝」

この俳句は虚子が那智の滝の美しさを讃えて詠んだものですが、俳句の隠喩について面白い解釈が可能です。那智の滝」も世界遺産に登録されています。若者が自然に対する素朴な畏敬の念を失わず、人間本来の生命力を失わず、少子高齢化の日本の未来を救ってくれることを祈っています。「高浜虚子の俳句 <「去年今年」と「神にませば」>の面白い解釈」を読み、チュヌの主人の思いをご理解頂ければ嬉しいですね。

  

(4)高浜虚子の俳句「花疲れ眠れる人に凭(よ)り眠る」

この俳句の面白さや俳句の翻訳の難しさを取り上げた記事「俳句談義(13):<『花』と『鼻』> 高浜虚子と芥川龍之介や「バイリンガル俳句鑑賞 <花疲れ眠れる人に凭り眠る(高浜虚子)>をご覧下さい。

ちなみに、「漱石俳句集」というサイトに「正岡子規よりも夏目漱石の俳句が面白い」という趣旨の記事がありました。しかし、正岡子規は俳句本来の面白さを辞世の俳句などに残してくれています。「『敬老の日』の『糸瓜忌』に思うこと」をご覧下さい。

  

(5)高浜虚子の俳句『大寒の埃の如く人死ぬる』

俳句の面白さの一端はその短所とも言うべき片言性が解釈の二面性(滑稽とシリアス)を可能にしていることにあります。「俳句談義(4):高浜虚子の句『大寒の埃の如く人死ぬる』とは、『平和』を考える」をご覧下さい。

安倍政権やトランプ政権が暴走せず賢明な政策を推進して世界の平和を維持するように、識者が働きかけることを祈っています。恒久的世界平和の確立をはかない夢に終わらせないために、皆さんが声なき声を上げてくれることを願っています。

「俳句談義(1)~(18)通読版」に興味があれば、ここをクリックしてご覧下さい。

   

2017年11月14日 (火)

俳句の鑑賞 <「木枯」・「凩」・「こがらし」・「木がらし」>

           

10月30日に木枯し1号が東京や近畿地方で吹きました。NHK NEWS WEBによると、「去年と比べて、東京で10日早く、近畿で1日遅くなっている」とのことです。

   

俳誌のサロン」の歳時記から気の向くままに「木枯し」の俳句を引用させて頂きます。

青色文字の季語などをクリックすると、俳句の詳細や解説記事などがご覧になれます。

   

木枯1

・木枯や野菜づくしの喪の煮炊き (久崎富美子)

木枯2

・木枯やたばこを吸ひに外へ出て (山田六甲)

木枯3

・木枯しに大見得をきる古木かな (吉澤利治)

木枯4

・木枯を背に鍵穴を探りをり (加藤克)

木枯5

・木枯や水なき空を吹き尽す (河東碧梧桐

   

凩1

・一号と呼ばれ凩吹いてをり (斉藤美奈子)

凩2

・凩の止みて下弦の月静か (松村美智子)

凩3

・胸中の凩咳となりにけり (芥川龍之介

   

こがらし

・こがらしの樫をとらへしひびきかな (大野林火

    

ちなみに、「野煙る・俳句エッセイ」にある芥川龍之介の俳句の解説記事に、「木枯らしや目刺にのこる海の色」とあり、お皿の目刺しの写真がありますが、「目刺し」は春の季語ですね。芥川龍之介は実際に「干されている目刺し」の情景を詠んで、「木枯らしや」と冬の季語を用いたのではないでしょうか? 最近は実際の風景を見て詠むのではなく、観念的に創作しているのではないか、と思われる俳句をみかけますが、この芥川の俳句もその一例でしょうか? 

また、「古典・詩歌鑑賞(ときどき京都のことも)「増殖する俳句歳時記」の「季語が凩の句」などには、「木がらしや目刺にのこる海のいろ」と「凩」「木枯」などの漢字でなく「木がらし」と表記されています。芥川龍之介が「木がらし」(「かな漢字混じり」)や「のこる」など、「ひらがな」で表記しているのは「目刺し」と「海の色」の対比を目立たせて強調する意図的な技法だろうと思います。

芥川の俳句などについて興味ある解説記事が「ブログ俳諧鑑賞 芥川龍之介の句」というサイトにありますが、この俳句を芥川が作った背景をご存知の方があれば教えてほしいものです。なお、このサイトは特攻隊のことを詠んだといわれる山口誓子の俳句「海に出て木枯帰るところなし」についてもふれています。

正岡子規の「凩」・「木枯」の俳句に興味のある方はここをクリックすれば「webM旅」をご覧になれます。

夏目漱石の「凩」の俳句はここをクリックすれば「夏目漱石俳句集」をご覧になれます。夏目漱石はさすが文豪ですね。

芥川龍之介や夏目漱石など文豪の秀句を読むと駄句を作りブログに掲載するのは気が引けますが、庶民もそれぞれに俳句を楽しむことができることを多くの人々に知ってほしいと思ってブログを書いています。

      

        

2017年11月 1日 (水)

紅葉の俳句と写真集(改訂版)

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我が町・三田(さんだ)も黄葉・紅葉が深まり、「深田公園」や「兵庫県立人と自然の博物館」の周辺の黄葉も美しくなりました。文末の写真をご覧下さい。

インターネット歳時記を見ると、「紅葉・もみぢ」の俳句は2500句ほどあり、「初紅葉」「草紅葉」「冬紅葉」などを含めると3000句余りもあります。歳時記で目についた俳句をランダムに掲載させて頂きます。青色文字の季語「紅葉」をクリックするとそのページの俳句がご覧になれます。 写真はクリックすると拡大されます。    

紅葉

マリア像紅葉明りに脆く  坊城中子

紅葉

一輛にこれ程の人紅葉駅  塩路隆子 

紅葉

湯を浴びに行くや紅葉の下くぐり 大串章 

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紅葉寺秋櫻子句碑誓子句碑 塩川雄三 

紅葉5

トンネルの出口半円夕紅葉  小松誠一 

紅葉6

地獄谷越えロープウェイ紅葉谷  落合絹代 

紅葉7

一軒に小橋渡せる紅葉谿  朝妻力

バスの窓紅葉の山がはづむなり  瀧春一 

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おしやべりが紅葉林を歩きくる  清原彰子 

紅葉9

日に映えて樅の林の夕紅葉  阿部ひろし

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秘境めく観音沼の深紅葉  須賀敏子 

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紅葉せり女人高野の雨の磴  飯田角子

紅葉冷芭蕉義仲眠る寺  長谷川史郊 

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たけなはの小春紅葉や詩仙の間  坂上香菜 

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邂逅の握手紅葉の展望台  野沢しの武 

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生栗を噛みつつ紅葉峠越ゆ  山田六甲 

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水軍の裔と下城や山紅葉  片岡久美子 

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さざ波の消えて逆さの紅葉かな  松嶋一洋 

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須磨浦や眼下に紅葉沖に舟  永田万年青 

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湯の煙小芥子(こけし)の里の夕紅葉  川井素川 

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旅先の紅葉家路の薄紅葉  稲畑汀子

    

「深田公園」・「ホロンピア館」周辺をチュヌと散歩して撮った黄葉の写真を次に掲載します。

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ここをクリックして「黄葉・紅葉の写真(PHOTOHITO)」や

Google検索による「紅葉の名所」の画像集もご覧下さい。

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