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2014年7月29日 (火)

俳句・HAIKU 言語の壁を破るチャレンジ(7)

今回は加藤楸邨の俳句「木の葉ふりやまずいそぐないそぐなよ」の翻訳にチャレンジする。

     

この俳句の英訳として、国際俳句交流協会HIA)のホームページの「俳句・ハイク」「名句選」に次の英訳が掲載されている。 

leaves falling

never-ending

yet why, so fast

   

   

現代俳句協会現代俳句データベースにある次の解説(抜粋)は上記の英訳に近い内容である:

    

いったい何をそんなに急ぐ必要があるのか。もっとゆっくりしたらどうか。「いそぐないそぐなよ」と呼びかけずにはいられない楸邨思い滲み出ている。

    

    

この句について、山本健吉は「定本 現代俳句」において次のように解説している:

    

いかにも楸邨らしい句である。病床に倒れた彼は、あらゆる点で焦燥を感じていたであろう。「いそぐないそぐなよ」とは自分に言い聞かせているつぶやきであるが、落葉を急ぐ木の葉たちに言いきかせているようでもある。無慈悲な冬の季節の訪れに対して、ひそかに自分の心の準備を整えようとする気持ち―――そこに季節的に感合する気持ちを捕えたのである。もちろん「いそぐないそぐなよ」は、作者の人生態度そのものであり、何か微笑ましい感銘をさそうのである。

       

上記の解説を考慮すると、次のように素直に翻訳すれば原句の表現・趣旨を訳出できるだろう。

the leaves falling ceaselessly

don't hurry

don't rush

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