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2017年8月

2017年8月29日 (火)

俳句の鑑賞 <「七夕」・「星祭」と「盆踊」>

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今年の8月28日は「旧暦の七夕」に当たります。「七夕祭」は新暦(太陽暦)に基づいて7月にする所が多いようですが、俳句では「七夕」や「七夕祭」「星祭」は旧暦(陰暦)に則る行事として「秋の季語」とされています。

7月7日は梅雨の雨が降る可能性が大ですから、星空を愛でるにも「七夕祭」は8月にする方が望ましいですね。

盆踊」は地方によって、7月に行う所と8月に行う所があるようですが、「盂蘭盆会(うらぼんえ)」の伝統的行事として旧暦に準じ8月にする方が相応しい気がします。

天の川入ってみたいな彦星

・童吊る七夕竹や初俳句

・七夕や子等の短冊雨に散る

・水害の復興なりて盆踊

・留守居酒をどり音頭の遠音して

 

上記の俳句は前座としてのチュヌの主人(薫風士)の俳句と幼孫の俳句です。

(写真はクリックすると拡大します。青色文字の季語をクリックして俳句の詳細をご覧になれます。)   

下記のとおり歳時記(「俳誌のsalon」)の俳句を気の向くままに抜粋掲載させて頂きます。

七夕1

・七夕やまだ指折って句をつくる (秋元不死男

・七夕やてるてる坊主も吊されて (山本潤子)

七夕2

・七夕や真の願ひの胸にあり (森るか)

・七夕竹本気の願ひひとつかけ (平田紀美子)

七夕3

・七夕や猫駅長の人気駅 (桂敦子)

・食卓を飾る笹の葉七夕膳 (難波篤直)  

盆踊

・五重の塔そびらに奈良の盆踊 (阿波谷和子)

・今年また年寄ばかり盆踊 (谷口一献)

をどり

・つまづきしこしも仕草に盆をどり (永田等)

落人の商も陽気に阿波をどり (臼杵游児)

・歯一枚失せて果てたる踊下駄 (山田弘子

・花びらの散りゆくごとし踊果て (菰田晶)

   

2017年8月28日 (月)

俳句の鑑賞 <「新涼」・「涼新た」>

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全国高校野球大会」や「地蔵盆のシーズンが終わると、さすがに朝晩は秋めいて凌ぎ易くなります。

台風豪雨が大災害をもたらさなければよいのですが・・・。

歳時記から「新涼」の俳句を抜粋し、下記に掲載させて頂きますが、その前座としてチュヌの主人の俳句5句掲載します。

・新涼の湖染めし落暉かな

薄雲を透かし月蝕涼新た

・新涼やジョガー行き交ふ桜田門

・開眼のゴルフスィング涼新た

・孫の来て去りてまた良し秋涼し    

(写真はクリックで拡大出来ます。青色文字の季語をクリックして俳句の詳細をご覧下さい。)   

新涼1

・新涼や小雨いとはぬ畑仕事 (伊藤宇太子)

・新涼やパンの香満ちしパリの街 (長谷川通子)

新涼2

露天湯にゐて新涼の雨に濡れ (木村享史)

・五指ひらき閉ぢて新涼つつがなし (斎藤道子)

新涼3

・新涼の音選びをり調律師 (千坂美津恵)

・新涼の珈琲旨き朝かな (村本真由美)

新涼4

・新涼や心通へる友の文 (荒井慈)

・新涼の湖の上ゆく飛行船 (星井千恵子)

新涼5

・新涼の画を見る女画の女 (福田蓼汀

・新涼や砂紋定かに由比ヶ浜 (榊原見牛)

新涼6

・新涼や先づは越前おろし蕎麦 (塩路隆子)

・新涼や白波たつる隅田川 (青木政江)

新涼7

・新涼やホテルの朝の奈良茶粥 (田下宮子)  

・新涼や日々成長の園通ひ (松田和子)

   

ちなみに、「俳誌のsalon」の歳時記「新涼」には「新涼」以外の例句は見当たりませんでしたが、「575筆まか勢」には「新涼」の例句が無数にあり、「涼新た」「秋涼し」などの例句も沢山あります。 ここをクリックしてご覧下さい。

  

2017年8月24日 (木)

俳句の鑑賞 <「台風」・「野分」>

             

夏の甲子園大会(高校野球)が終わると台風シーズンになりますが、今年は花咲徳栄の初優勝で熱戦の幕を閉じました。

 (青色文字をクリックすれば解説記事をご覧になれます。)

天理vs広陵」や「花咲徳栄vs東海大菅生」の準決勝や広陵vs花咲徳栄の決勝戦など、テレビ中継を見ながらチュヌの主人(薫風士)が口ずさんだ即興句を掲載します。  

炎天下好打好守のユニフォーム

炎天へ白球伸びて大アーチ

炎天へガッツポーズのホームラン

・熱戦や日焼け球児の歯の白き

・サイレンや並ぶ球児の

処暑の空球児讃ふる校歌かな

来年を期して奮起す雲の峰

「俳句は楽しむもの」「多くの人に俳句を気軽に作って楽しんでほしい」という思いでスナップ写真を撮るように駄句を気にせず口ずみ、臆面もなく掲載していますが、自己満足の月並み俳句ばかりでは申し訳ないので、歳時記(俳誌のSalon)から「台風」と「野分」の俳句を抜粋・掲載させて頂きます。

(青色の季語をクリックして俳句の詳細をご覧下さい。)

台風1

・人生の台風圏に今入りし (高浜虚子

・台風の進路またもや故郷に (谷口ふみ子)

台風2

・台風の真只中の句会かな (成嶋いはほ)

・台風の外れたる気配祭笛 (宮みさを)

台風3

・台風の雲千切れ飛ぶ伊吹山 (高野清風)

・台風禍畦にたたずむ老夫婦 (有島扇水)

台風4

・台風裡披講の声の響きけり (大串章

長寿村台風寸断して去りぬ (福田かよ子)

台風5

・台風の通過待ちする古都の駅 (森山のりこ)

・台風来少しわくわくしてゐたり (栗原公子)

台風6

・台風のそれて真つ赤の月昇る (大坪景章)

・一夜さを騒ぎ立たせて台風過ぐ (大橋晄

台風7

・台風来悠然として鯉の髭 (岩岡中正

・台風一過豪雨に耐へし渡月橋 (桂敦子)

台風8

・台風のさなか餃子に酢を効かす (岡部玄治)

・台風の予報進路にある旅路 (稲畑汀子    

野分1

・見所のあれや野分の後の菊  (芭蕉

・乗り継ぎを待つ空港の野分晴 (大久保白村

野分2

・野分後の流るる雲に見とれをり (浦川聡子)

・野分晴玻璃戸に乾く潮しぶき (水原春郎

野分3

・親捨てずこころざし捨つ野分雲 (田中藤穂)

・案山子の手吹き飛んでゆく野分かな (ことり)

野分4

・満天に星座定まる野分あと (深田稚敏)

・野分晴ひとりの家のひとり言 (浜口高子)

野分5

・蜘蛛の糸一本遊ぶ野分晴 (河崎尚子)

・巨船なほ揺らす野分の名残波 (栗田武三)

野分6

九十九里われより高き野分波 (菅谷たけし)

・野分来るたくあん噛んでゐてひとり (浜口高子)

野分7

・差す人の傘壊しゆく野分かな (大橋晄

・息詰まる思ひ野分の橋渡る (宮平静子)

野分8

・野分去り町にスタバの緑の灯 (大日向幸江)

・ビラ一枚枝に引つ掛け野分去る (高橋将夫)

   

ちなみに、2004年に台風が多発して親戚の屋敷の倒れた栗の木などの整理を手伝ったときにチュヌの主人(木下さとし)が詠んだ次の俳句が芦屋ホトトギス俳句会(同年9月)で特選に入りました。

・野分去り俄か樵となりにけり

  

2017年8月22日 (火)

俳句の鑑賞 <秋の雨・秋雨・秋時雨>

    

昨日(8月15日)は「終戦の日」でした。「終戦の日」には例年のごとくNHKスペッシャルなどを見ますが、ニュースで垣間見る北朝鮮の現状戦前の孤立した日本の姿と重なる点があります。北朝鮮が愚かな戦争を始めないように米・韓・中・露の指導者に日本政府が働きかけることを願っています。

ところで、関西では猛暑が続きましたが、NHKニュースYahoo!ニュースによると、東京などは8月1日から今日までの16日間に雨の降らなかった日が無いとのことです。天気予報によるとこの状態が20日頃まで続きそうで、長雨や集中豪雨など異常気象の影響が懸念されます。温暖化対策が促進されることを切に祈っています。

・東西の 長雨ひでり 温暖化 (薫風士)

秋の雨を詠んだ俳句を歳時記から幾つか抜粋させて頂きます。 

青色文字の季語をクリックすると俳句の詳細がご覧になれます。

秋の雨

閉めぎはの店に花買ふ秋の雨 (岡本眸

・石塔の梵字にたまる秋の雨 (柳堀喜久江)

震度五に容赦なく降る秋の雨 (柴田美佐子)

・悔い残る一言なりし秋の雨 (両角平) 

秋雨

秋雨や煙る湖より舟の音 (小滝奈津江)

秋雨や子規の臥せりし六畳間 (浜崎良彦)

・東京にだけ秋雨といふ予報 (稲畑汀子

・秋雨の滲む新聞飲酒事故 (佐久間はるみ) 

秋時雨

秋時雨セーヌが街をつらぬけり (富沢敏子)

・ひつそりと商ふ米屋秋時雨 (竹山みや子)

・愚痴に慣れ夫はうとうと秋時雨 (木原今女)

ワルシャワの人は美し秋時雨 (南北佳昭)

  

ちなみに、今日は「送り火」「大文字」の日です。俳誌のサロン「歳時記」の「送火」や「575筆まか勢」の「大文字」の俳句もご鑑賞下さい

  

2017年8月16日 (水)

Lovee’s Haiku

 

・涼しさやイルカの飛ばす水しぶき

(suzushisaya irukanotobasu mizushibuki)

the cool_

water splashed

by dolphins

         

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・水族館涼しい筈と思ひしに

(suizokukan suzusiihazuto omoishini)

An aquarium

not as cool as

I expected

 

・スマスイや昼寝の魚スイと浮き

(sumasuiya hirunenosakana suitouki)

A napping fish

awoke and swiftly floated

at Suma aquarium

  

欠氷手に手に親子イルカショー

(kakigoori tenitenioyako irukashoh)

A parent and sons

with a shaved ice in their hand_

a dolphin show

 

・満席の団扇はためくイルカショー

(mansekino uchiwahatameku irukashoh)

Fans flapping

at full seats_

a dolphin show

   

・炎天下イルカ巧みにフラフープ

(entenka irukatakumini furafuupu)

Under the flaming sun

dolphins skillful

in hura hoop

   

・ドルフィンや客にあいさつ立ち泳ぎ

(dorufinya kyakuniaisatsu tachioyogi)

Dolphins greeting

their spectators

by treading water

         

俳句の鑑賞 <「残暑」・「秋暑し」>

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Cimg4127_28月7日は立秋、長寿台風といわれる台風5号極地的大雨をもたらしたにもかかわらず「残暑」ならぬ「猛暑」でした。

8月11日(「山の日」)も真夏日でした。プール海水浴に出かけた方が多かったでしょう。チュヌの主人も神戸フルーツフラワーパークのプールに家族で出かけました。

・水上のアスレティックや秋暑し (薫風士)

      

今日13日は「迎え火」で故郷にお墓参りに行きました。

・かみ合はぬ親子の会話墓参り (薫風士)

お盆を迎え、さすがに朝夕は涼しくなり、日中の残暑も凌ぎ易くなりました。

・夕風やの亡骸腹を見せ (薫風士)  

(青色文字をクリックすると解説記事や俳句の詳細がご覧になれます。)

      

歳時記「残暑」・「秋暑し」から気の向くままに「水」に関連した俳句を抜粋掲載させて頂きます。

残暑1

・谷水に足ひたしゐる残暑かな (山田京子)

残暑2

・船の水尾より残暑解く風生る (稲畑廣太郎

残暑3

・水平線まろき紀南の残暑かな (伊勢きみこ)

残暑4

・塩振りし水ぐいと飲む残暑かな (廣瀬雅男)

残暑5

・残暑なほ素焼の鉢に水を足す (礒貝尚孝)

 

秋暑し1

・斬られ役水飲みに来て秋暑し (辻享子)

秋暑し2

・襤褸裂の水にしづみて秋暑し (八木柊一郎

秋暑し3

・秋暑し醍醐の杜の力水 (柳橋繁子)

秋暑し4

・秋暑し空地に残る水道管 (森山のりこ)

秋暑し5

・秋暑しどこまで洩るる汚染水 (田中藤穂)

秋暑し6

・置水に気泡のひとつ秋暑し (高橋道子)

   

「水」といえば、某川柳句会でチュヌの主人(薫風士)が高得点をとった「水」の川柳を最後に掲載します。

失言を水に流さぬ民の声 

・怖いもの地震洪水テロ・女房

我が町花と緑と水の町

幸せよ水の美味しい町に住み

チュヌは水道の散水ジョウロの水を飲むのが大好きです。

チュヌの主人の川柳もどきの俳句を掲載した「俳句の鑑賞 <溽暑(じょくしょ)・蒸し暑し>」もご笑覧下さいね。

  

2017年8月 9日 (水)

俳句の鑑賞 <極暑・酷暑・炎暑>

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昨日(8月6日)は原爆忌(広島)でした。下記の7句は、原爆犠牲者のご冥福と平和の祈りをささげてから炎天下の須磨海浜水族園に行き、チュヌの主人(薫風士)が詠んだ吟行句です。

水族館涼しい筈と思ひしに

スマスイ昼寝の魚スイと浮き

欠氷手に手に親子イルカショー

・満席の団扇はためくイルカショー

炎天下イルカ巧みにフラフープ

ドルフィンや客にあいさつ立ち泳ぎ

涼しさやイルカの飛ばす水しぶき

   

(青色の文字をクリックすると解説記事や俳句の詳細などがご覧になれます。)    

    

筆まか勢」から「極暑」の俳句を気の向くままに抜粋させて頂きます。

・ひそやかに栗育ちをる酷暑かな (阿部みどり女

・月青くかゝる極暑の夜の町 (高浜虚子

・極暑歩む胃に穴多き課長たち (櫂未知子

・海老寝して極暑の極を越えにけり (斎藤空華

・オリーヴ葉カレーに煮込み酷暑なる (細見綾子    

   

次に、「歳時記」から「炎暑」の俳句を抜粋します。

  

百選の棚田の匂ふ炎暑かな (朝妻力

・炎暑かな郵便局に客ひとり (戸田澄子)

・私も影も汗ふく炎暑かな (佐々木良玄)

鬼瓦炎暑無言の面構へ (荻龍雲)

ふるさと城が崩れてゐる炎暑 (岩岡中正

・正論の溶けてゆくさま炎暑かな (杉井真由美)

 

ところで、歳時記「炎暑」(2017年7月26日作成)の冒頭には

マイヨールの像と炎暑の掃除夫と (高島茂

が掲載されています。この俳句は定型(5-7-5)でなく変調です。

マイヨールの像」とは「フランスの彫刻家Aristide Maillol作った像」と「マイヨール本人の像」と、どちらでしょうか? 恐らく前者でしょうが、この俳句が詠まれた背景をご存知の方があれば教えて下さい。

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