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2017年7月

2017年7月29日 (土)

俳句 《溽暑(じょくしょ)・蒸し暑し》

     

(2024.10.24 更新) 

時雨るるや又もまやかし懲りもせず

       薫風士

  

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写真は、NHK-TV のニュース画面の一部分です。

 

政治活動にせよ、企業活動にせよ、透明性を維持してテロ対策などを如何にするか、大きな過大ですが、専制的な長期政権は、腐敗しますね。

  
唐突ですが、やむにやまれぬ思いの拙句を掲載しました。
 

 

ここをクリック(タップ)して、「句談義16:『こどもの日』・『母の日』に思うこと。」の記事をご覧下さい。

  

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写真は、NHK-TVのニュース画面の一部分(衆議院選挙の投票を促す広報車など)です。

  

(2022.7.10の記事)

政治家の言動卑怯秋暑し

空蝉の縋る白百合風涼し

   

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掲句はブログ検索のキーワードとして「夏の季語」を3個用いるなど、俳句擬き・川柳擬きの拙句です。

    

青色文字をタップすると、リンク記事をご覧頂けます。

  

愛犬チュヌが生前に好んで寝転んでいた裏庭の軒下白百合が咲き、よく見ると空蝉が葉に付いていました

(写真の右下をご覧下さい。)

  

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8月25日は、「川柳(発祥)の日」です。

1757年(宝暦7年)の8月25日に、柄井川柳が最初の「月並万句合」を行ったことに由来しているとのことです。

  

俳句HAIKU」の「川柳」をご覧下さい

        

2022_7安倍晋三元総理大臣の暗殺事件と選挙にちなんで書いた「俳句《涼し》」をご覧下さい。 

   

文月や本音を言へば失言に

   

「文月」は「陰暦の7月」の呼称で、新暦の7月下旬~9月上旬に当たります。

俳句で新暦の7月にも便宜的に適用されることがありますが、慣習的な行事や実際の季節感と季語の間に齟齬が生じています。

  

(2017.7.29の記事)   

7月に入って梅雨の蒸し暑さが続いています。

季語「溽暑」を森澄雄は次の通り解説しています(「カラー図説日本大歳時記」より抜粋)  

「湿度の高い蒸し暑さをいう。梅雨の終わり頃の、じっとしていても脂汗のにじむような蒸し暑さ、また土用の曇り日などの蒸し暑さも耐え難い。夏の季節風が南海上の高温多湿の空気を運んでくるのである。不快指数の高い不愉快な暑さである。」

(青色文字をクリックして解説記事などをご覧下さい。

   

賑やかな俳句バトルや溽暑の夜

新記録更新ならず溽暑の夜

目を見張る開票結果溽暑の夜

正論も一蹴さるる溽暑かな

都議選の演説騒然街溽暑

垣根越し白百合溢る街溽暑

まやかしに官僚腐敗溽暑かな

政治家のまやかし憂ふ溽暑かな

     

上記の「溽暑」の俳句はチュヌの主人(薫風士)の川柳もどきの即興句です。

このような即興句だけでは申し訳ないので、本格的俳句をインターネット歳時記溽暑」から下記の通り気の向くままに引用させて頂きます。 

      

採血の腕逆撫でらるる溽暑かな  

       (内田しんじ)

 

度の合はぬ眼鏡のずれし溽暑かな

        (當麻幸子)

 

思考力雲散霧消溽暑かな

        (大橋敦子

  

溽暑来ることあげもせず拉致家族 

         (角直指)

  

暗がりの戦争動く溽暑かな 

        (中林晴雄)

    

「(新版)季寄せ」(角川書店編)を見ると、富田木歩の次の俳句が一句のみ掲載されていました。

女したしう夜半を訪ひ寄る蒸暑さ

   

青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。

  

川柳「平素の思い」(その4)

平成29年7月 前川郁夫氏に「平素の思い」の川柳(その4)を投稿して頂きました。

      

・忙しい人ほど早い返メール

・定年後趣味ボランティア町興し

・一つでも社会貢献町のため

・地域との関わり増えて日々多忙

・地域との関わり持とう70代

・頑張って老いの才覚何時までも

・3R(さんアール)老若男女皆やろう

・子や孫に赤字の付けを残すまい

嘘ついて大きな顔で居座るな

嘘つきの政治家次は落そうね

 

(チュヌの主人のコメント)

「3R」とはReduce、Reuse、Recycleのことで、「ごみを減らす」「繰り返し使う」「再資源化する」ことで、平成12年に循環型社会形成推進基本法に導入された運動です。(ウイキペディアhttps://ja.wikipedia.org/wiki/3R参照。)

「平素の思い」(1~3)通読版もご覧下さい。

http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2015/09/post-6695.html参照。)

 

2017年7月23日 (日)

「星」の俳句を鑑賞しよう!

     

(P.S. 2022.6.25)

ここをクリックして「コロナ禍の俳句鑑賞<流星>」をご覧下さい

    

(2017.7.23)

    

万緑の山並暮れて七つ星

           (薫風士)

     

七夕や希望の星は14歳 

           (薫風士)   

(青色文字をクリックすると俳句や作者の解説などがご覧になれます。)

   

爛々と昼の星見え菌生え

          (高浜虚子

この俳句について、「『星』や『菌(きのこ)』とは何か?比喩ではないか?」と、「チュヌの便り」の「俳句談義」でさまざまな解釈を試みました。 

虚子は一俳人の話に感興を動かされて、いや感興などという生易しいものではなく、インスピレーションを得て一気に頭の中で壮大な宇宙を作り上げたのではないだろうか。」と稲畑汀子さんが述べていますが、高浜虚子は「太陽」を「昼の星」と表現して「菌(きのこ)」と対比することによって悠久の大自然の営みを俳句にしたものと思います。    

   

「575筆まか勢」の「星の俳句から目についた俳句を気の向くままに抜粋し、コメントさせて頂きます。   

  

むささびや杉にともれる梅雨の星

         (水原秋櫻子

鼯鼠(むささび)は冬の季語です。ウイキペディアの解説によると、「長い前足と後足との間に飛膜と呼ばれる膜があり、飛膜を広げることでグライダーのように滑空し、樹から樹へと飛び移ることができる。」また、冬と初夏の年2回発情期を迎える」とのことです。この俳句は秋桜子がムササビや梅雨の星を実際に見て詠んだものではなく、印象的な風景を空想して詠んだ俳句ではないでしょうか?季語が2つ(「ムササビ」と「梅雨」)ありますが、実際に梅雨の星と杉の木に飛ぶムササビを見たとすればものすごくラッキーなことであり、詩的な映像が印象的で「季重なり」は論外の秀句です。

  

夏星に海も日暮れの音展く

          (飯田龍太

「展く」は「ひらく」と読むのでしょうが、昼間は海水浴客の声で賑やかだった海の音は、夕暮れになると海本来の波音が拡がることを詠んだものでしょう。

海の日」は7月の第3月曜日ですが、「海の日」に「海開き」をする海水浴場もありますね。

  

旱星(ひでりぼし)われを罵るすなはち妻

          (西東三鬼

西東三鬼は何を妻にののしられたのでしょう?

  

旱星流木は山忘れざる

         (大庭紫逢

最近は温暖化の影響か局地的気象変動・豪雨が酷くなり、九州北部の大洪水など流木の影響で被害が増大しています。温暖化防止の努力を無視するようなひどい大統領に失望しています。

  

旱星食器を鳴らす犬と石

        (秋元不死男

かんかん照りの日が沈み、星空の下で甲高い器の音をたてながら犬がガツガツ餌を食べている情景が浮かびますね。

  

星涼し遊歩甲板の籐椅子に

         (岸風三楼

豪華客船のクルーズで満天の星を愛でたいものです。

  

父祖の地に入りて微塵の星涼し

          (橋本榮治)

  

面舵(おもかじ)に船傾きて星涼し

         (高浜虚子

 

夏の星 補遺

夕雲にちらりと涼し一つ星

         (正岡子規

   

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2017年7月10日 (月)

俳句鑑賞《花火》

         

(2024.7.10 更新)

AIに潜むリスクや揚花火

揚花火急いては事を仕損ずる

揚花火代理戦争お断り

  

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ここをクリック(タップ)して

「夏祭り最後を飾る揚げ花火」をご覧下さい。

  

   

(2017.7.10の記事)

今日は七夕ですが、NHKニュースによると九州北部は局地豪雨の洪水・地滑りなど被害甚大でなので、星祭や句作などしているのは呑気なようで申し訳ない気がします。

   

七夕豪雨よ去れと祈りけり   

掲句は、切字が「や」と「けり」二つあり、ダメ句と言われるでしょうが、被災者の方々へのお見舞いの強い思いを一句にして、笹飾りに吊るしたものと甘受して頂ければ幸いです

   

ここをクリックすると、気象庁の梅雨明け情報(速報値)などご覧になれます。)

  

梅雨が明けると本格的な夏です。   

家族で花火をしたり、花火見物に出かけたりする方が多いでしょう。

神戸港開港150周年記念に当たる今年メリケンパーク沖の海上花火大会では1万5000発の花火を打ち上げるそうですが、綺麗に見えるといいですね。

ここをクリックすると、「花火カレンダー・全国花火大会」のサイトで各地の花火大会の情報がご覧になれます。)

   

「歳時記」(俳誌のサロン)から「花火」の例句を気の向くままに抜粋させて頂きます。

青色文字(季語など)をクリックすると、例句の詳細や解説記事をご覧になれます。  

  

花火1

花火やむあとは露けき夜也けり

     正岡子規

 

髪の根の乾かぬままの初花火 

       (浦山輝代)

   

花火2

空に伸ぶ花火の途の曲りつゝ 

        (高浜虚子

 

花火の中へ花火打ち込む流れ雲 

       (松崎鉄之介

  

花火3

喚声のあとの喚声大花火   

       (沼口蓬風)

 

花火果つ天に一つの星もなし 

       (渡辺喜久子)

   

花火4

一輪の花となりたる揚花火 

       (山口誓子)

 

暗がりに肩を叩かれ花火の夜 

      (伊藤トキノ)

  

花火5

追ひ追はれ鼠花火と幼き子 

        (緑川啓子)

 

花火の夜病院の人和みあふ 

       (大西八洲雄)

 

花火6

満天を砕く打ち止め花火かな 

        (山田六甲)

 

ぢぢばばとちちははとやや庭花火 

       (野沢しの武)

  

花火7

鑑真の着きたる浜の大花火 

        (川端俊雄)

 

おひらきは線香花火やいとこ会 

       (德田千鶴子)

   

花火8

花火終へ星空と海ありにけり 

        (嶋田一歩)

  

鎮魂の花火につづく闇の黙 

        (安原葉

  

遠花火1

死にし人別れし人や遠花火 

       (鈴木真砂女)

  

湯浴みして髪梳く夜の遠花火 

       (倉本美代子)

  

遠花火2

別のこと考へてゐる遠花火 

        (黛まどか)

 

子のこころ読めぬとまどひ遠花火 

        (白井剛夫)

  

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