「新緑・新樹」の俳句を楽しもう! (補筆・改定版)

(2024.4.25更新)

_09272811785_080415冒頭の写真は、拙宅の庭の躑躅と借景の林です。
書斎の窓で撮った電線と林の写真は2021年4月中旬頃の「新芽」が「新緑」になり始めた風景です。
日本伝統俳句協会の2024年5月のカレンダー(一部分)の写真は、タップ拡大して掲載句をご覧下さい。
色紙の俳句の作者(岩岡中正氏)は日本伝統俳句協会の会長です

      

      

移ろひや林の色と春の雲

新樹越し園児の列の青と黄と

新緑を愛でつまん歩を愛犬と

夏に入る庭の手作り楽しみつ

手作りの庭の造形松の芯

万物の命は奇跡薬の日

 

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掲句や写真はチュヌの主人(薫風士)の即興句やスナップです。 俳句人口が増えることを願って、俳句は身近なことや自分の思いなどを詠んで気軽に作るとよい」ということを知ってほしい、との思いから敢えて拙句を冒頭に掲載しました。

青色の文字(季語・作者名)をクリックすると、その俳句の詳細や作者の解説などをご覧になれます。

「まんぽ」や「まん歩」は「漫歩」と「万歩」の「掛詞」です。


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55日は「こどもの日」ですが、今年は「立夏」に当たります。また「薬の日」でもあります。

鯉幟を上げましたが、孫は幼児用ゲームに夢中で鯉幟には興味を示していません。チュヌの主人は菖蒲湯にゆっくり浸り、疲れを癒しながら俳句のことなどに思いを巡らせました。

2017年5月20~21日は三田グリーネットのオープンガーデンが開催されました。

       

季語「新緑」について、カラー図説日本大歳時記(飯田龍太)には次の解説があります。

初夏の目覚めるような若葉のみどりをいう。やや時過ぎてとっぷりと夏に入ると深緑。よく用いられる万緑は、新も含めて満目ことごとくみどりの意。新緑は、文字の眺めから、また、語感の上からも、さわやかな景を連想させる言葉である。(以下省略)     

    

新緑や新樹を詠んだ俳句をインターネット歳時記から気の向くままに引用してコメントさせて頂きます。     

    

新緑1

新緑の丘越え白き道一筋

         (桂信子)

北海道の風景やトルコ旅行などの風景を思い出します。

 

新緑2

新緑のうへ滑りゆくモノレール 

        (米倉よしお)

王子動物園のモノレールからみた桜の風景を思い出しました。

 

新緑3

新緑の山に鉄塔古びたり

         (野海衣子)

インフラの整備・維持も今後の重要な課題ですね。 

   

新緑4

新緑や選びて歩く土の道

         (卓田謙一)

花と緑の我が街には「弥生のこみち」など、愛犬の散歩道に恵まれています。  

 

新緑5

たつぷりと老い新緑の中にをり

         (竹下昌子)

自然に親しみ健康を維持して高齢化社会を乗り切りたいものです。 

    

新緑6

新緑の中新緑の深大寺

         (塩田杉郎)

また寺めぐりをしたいものです。

     

季語「新樹」について、山本健吉はカラー図説日本大歳時記に次のとおり解説しています。

初夏のみずみずしい緑の木立を言う。新鮮な語感を持っている。ただし題目としては古く、(・・中略・・)好んで詠まれるようになったのは大正期以降である。音感もよい「新樹の語に、あたかも新題目であるかのような、未開拓の新鮮さを感じたのである。「空暗くなり来新樹に風騒ぎ」虚子、「夜の雲に噴煙うつる新樹かな」秋櫻子、「滝浴びのまとふものなし夜の新樹」誓子、「新樹どち(つつ)まんとし溢れんとす」草田男など。 

     

新樹1

雨上り新樹の雨滴光る朝 

         (稲畑汀子)

ホテルの庭か稲畑邸の庭でしょうか? 誰もが体験された光景でしょう。我が手作りのささやかなエコガーデンでも同様に楽しんでいる景色です。

     

新樹2

新樹光牛乳うまきカフェテラス

         (中島徳子)

家族や俳句仲間と初夏を楽しみたいものです。 

  

新樹3

街灯に輝いてゐる新樹かな

         (越智秀子)

安全な街を維持したいものです。 

  

新樹4

新樹光ジーンズの脚よく伸びて

         (今村恵子)

戦争を知らぬ飽食時代の若者は身長が伸びています。 

  

新樹5

新樹林ここにかしこに水の音 

         (藤井圀彦

新樹の林と水音がマッチして初夏の清々しい感じがします。

   

新樹6

新調の眼鏡よく見え新樹光 

         (新実貞子)

この眼鏡は老眼鏡でしょうか。「新調」「新樹光」がよくマッチしています。

  

新樹7

朝の虹ひとり仰げる新樹かな 

         (石田波郷

「ひとり」は「作者一人」のことか「新樹」のことか、どちらでしょうか。

   

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