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2017年6月

2017年6月28日 (水)

「明易」・「短夜」の俳句を鑑賞しよう!

       

6月21日は「夏至」です。夏至といえば、「明易」や「短夜」の俳句、殊に高浜虚子高濱虚子)の風変わりな俳句「明易や花鳥諷詠南無阿弥陀」のことを思い出します。この俳句の解釈には「花鳥諷詠のこころ」(安原晃氏の談話)や「高濱虚子の100句を読む」(坊城俊樹氏)、「増殖する俳句歳時記」(清水哲男氏)などの解説が参考になります。

(青色文字をクリックして俳句の詳細や解説記事などをご覧下さい。)

季語「短夜(みじかよ)明易(あけやす)し・明急ぐ・明早し」について、山本健吉が次のように解説しています(カラー図説日本大歳時記から抜粋)。

「春分の日から夜は昼よりも短くなり、夏至(げし)に至ってもっとも短くなる。俳句では日永は春、短夜は夏、夜長は秋、短日は冬と定めているが、これはその感じを主にして言うのである。短夜の語は万葉以来である。(以下省略)」

「定本現代俳句」(山本健吉著)には、これらの季語を用いた俳句の句評は見当たりません。まず前座としてチュヌの主人(薫風士)の即興句を掲載します。 

・愛犬の促す散歩明易し

・明易や犬の確かな腹時計

・明易のカーテン(よぎ)る蝶の影

・明易や時の流れは止められず

・明易の徹夜国会生みし法 

・短夜のニュースに響くデモの声

・何事も運用次第明易し

・明易や人の噂も何とやら

・明易や昭和は遠くなりにけり

・短夜や睡眠負債なき吾が身

・明易のパソコン疲れうたた寝す

・短夜の風呂のうたたね夢数多

・恙なき白寿を夢に明易し

・明易やパンダ赤子すくすくと

      

インターネット歳時記の「明易」から目についた俳句を気の向くままに次の通り掲載させて頂きます。

明易

松島を見よとて湾の明易き (鷹羽狩行

明易2

すぐ来いといふ子規の夢明易き (高浜虚子

明易3

宿坊に井戸使ふ音明易し  (代田青鳥)

明易4

サッカーの深夜観戦明易き (高谷栄一)

短夜

短夜や空とわかるゝ海の色  (几董

明早し

刷り上げしインキの匂ひ明早し (梅田泰正)

  

上記チュヌの主人の俳句「明易のパソコン疲れうたた寝す」を作ったときは文字通り「日が長い」という実感で、原句は「うたた寝の熟睡二度も日永かな」でした。しかし、「日永」は春の季語なので掲出句に変更したものです。

ところで、上記俳句の「徹夜国会生みし」とは何か、興味があればここをクリックしてNHK-WEBNEWS(「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法)をご覧下さい。

パンダの赤ちゃん誕生については下記(産経ニュース)をご覧下さい。

上野動物園(東京都台東区)は16日、ジャイアントパンダの雌シンシン(11歳)が産んだ赤ちゃんについて、乳首に吸い付く1回当たりの時間が長くなっており「しっかりと母乳を飲めているようだ」と明らかにした。    

俳句をユネスコ世界無形文化遺産に登録する運動が国際俳句交流協会などの俳句愛好者によって進められています。チュヌの主人は草の根運動の一助になればとの思いで、俳句やエッセイなどのブログを書いています。ご意見やコメントなど、投稿して頂けると有難いです。

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なお、ご投稿頂いた内容はチュヌの主人の任意の裁量で適宜公開させて頂きます。予めご了承ください。

  

2017年6月21日 (水)

俳句鑑賞 <「蛍」・「ほたる」・「ほうたる」>

         

 ・大蛍()ゆらりゆらりと通りけり (小林一茶

  一茶の俳句にはおおらかな句が多いですね。

・学問は 尻から抜ける ほたる哉 (与謝蕪村

  掲句の解釈には、Turukame paradise の解説が参考になります。

  (青色の文字をクリックして解説記事をご覧下さい。)

・草の葉を落るより飛蛍哉 (松尾芭蕉

  「きごさい」の「蛍(ほたる)仲夏」には様々な俳人の蛍の例句が掲載されています。 

手のうへにかなしく消る螢かな (向井去来

・蛍火の今宵の闇の美しき (高浜虚子

かたまるや散るや蛍の川の上 (夏目漱石

  NPOホタルの会「ホタルと日本人・蛍狩りのサイト「蛍の文化史」に様々な俳句や短歌が紹介されています。 

・手から手へ思ひを伝へ初蛍

  掲句は蛍狩りでチュヌの主人(薫風士)が初蛍を捕らえ、仲間に順に見せその喜びを伝えたことを詠んだ俳句です。チュヌの主人にとっては蛍狩りは童心に返る楽しいものです。単に「喜び」とせず、少しロマンチックな表現にして俳句会で高得点を得た俳句です。  

  蛍の鑑賞スポットをインターネットで検索すると、「るるぶ.com」の「ホタル観賞に行こう‼や「死ぬまでには見ておきたい!関東の美しすぎる『ほたる鑑賞』スポット7選というサイトなどがありました。

  インターネット歳時記には季語が「蛍・ほたる・ほうたる」の俳句が2000句余り掲載されています。気の向くままに下記に抜粋します。 

季語「蛍」などをクリックして俳句の詳細をご覧下さい。

蛍1

人殺す我かも知らず飛ぶ蛍 (前田普羅 

蛍2

浮島にいのち継ぐ火や姫螢 (岡田貞峰)

蛍3

かこひたる掌にふれずして舞ふ螢 (赤座典子)

蛍4

螢火を見に來し宿で醉ひつぶれ (片岡祥子)

蛍5

蛍の闇にふれたる手のぬくみ (大森美恵)

蛍6

手の螢見せて匂ひぬ人の妻 (竹貫示虹)

蛍7

ゆるやかに着て人と逢ふ蛍の夜 (桂信子

蛍8

無人駅夜は蛍火の銀座なる (延江金児)

9

湯の町の旅の一夜や蛍狩 (松元末則)

蛍10

蛍より多きギャラリー渓の径 (金山藤之助)

蛍11

死なうかと囁かれしは蛍の夜 (鈴木真砂女

蛍12

蛍火の明滅滅の深かりき (細見綾子

蛍13

螢獲て少年の指みどりなり (山口誓子

蛍14

放たれし一夜仮設の蛍かな (松本秀子)

蛍15

峡の湯の熱りを冷ます蛍狩 (升田ヤス子) 

ほたる

朝がきて虫となりたるほたるかな (和田瑞子)

ほうたる

ほうたるの匂ひ幼き日の匂ひ (細野みさを)

    

2017年6月14日 (水)

吟行の俳句と写真 <神戸布引ハーブ園>

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・万緑や夢風船てふロープウェイ

 

・万緑のハーブ園歩し香に酔へり

 

・万緑にほのかな色や煙の木

 

・万緑や風の丘より茅渟の海

 

新緑のハーブの美味し鶏料理

 

掲句や写真はチュヌの主人(薫風士)の即興句やスナップです。俳句人口が増えることを願って、「俳句は身近なことや自分の思いなどを詠んで気軽に作るとよい」ということを知ってほしい、との思いから敢えて拙句を冒頭に掲載しました。  

青色の文字をクリックすると、解説などをご覧になれます。

写真はクリックすると拡大します。 

俳句を通して世界の平和を!」という思いで俳句やエッセイなどささやかなブログを書いています。ご意見やコメントなど、投稿して頂けると有難いです。投稿して頂く場合には「コメントを投稿」(記事の最後の欄)に、次の手順で入力して下さい。

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(2)メールアドレスの欄に貴方のメールアドレスを記入。

(3)最後の「投稿」ボタンをクリック。

(4)上記の結果表示されるセキュリティの検証テキストを指示通りに入力する。 

なお、ご投稿頂いた内容はチュヌの主人の任意の裁量で公開させて頂きます。予めご了承ください。

  

2017年6月 7日 (水)

俳句の鑑賞 <万緑>

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・万緑やブレイブボード巧みの子

・万緑の苑に早朝太極拳

・万緑に聳ゆマンション朝日差す

・万緑や光の中をペダル踏む

・万緑の窓に一点紅の薔薇

・万緑や吟行の友吾庭に来

・万緑の一日淡路の夢舞台Cimg3787

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掲句はチュヌの主人(薫風士)が作ったブログ写真の説明用俳句です。

写真はチュヌの主人が深田公園を散歩して、「ひとはく」のホロンピア館前の広場で巧みにブレイブボードをしている女の子を見て撮ったものや淡路夢舞台で開催された母校同窓会に参加した際に淡路島国営明石海峡公園を散策して撮ったもの等、「万緑」の写真です。 

    

インターネット歳時記には季語が「万緑」の俳句は1000句余りも掲載されていますが、気の向くままに下記に抜粋します。

   

(青色文字をクリックして俳句の詳細や解説をご覧下さい。写真はクリックすると拡大されます。)

     

万緑1

萬緑の中や吾子の歯生え初むる中村草田男 

万緑2

萬緑を顧みるべし()()(とうげ)  (石田波郷

万緑3

万緑に朴また花を消すところ  (皆吉爽雨

万緑4

万緑やわが額(ぬか)にある鉄格子  (橋本多佳子 

万緑5

里山を守る万緑でありにけり (稲畑廣太郎

万緑6

万緑や抱へて重き子のいのち  (生方ふよう)

万緑7

万緑の山もこもことブロッコリー (宮崎左智子)

万緑8

万緑の真ん中に居て余震なほ (田山登喜子

万緑9

万緑にくひ入る百八やぐらかな (鈴木庸子

   

2017年6月 4日 (日)

日英バイリンガル俳句 <「薔薇呉れて聖書かしたる女かな」(高浜虚子)>

       

高浜虚子の俳句『壺すみれ』をHAIKU(英語俳句)に翻訳するにおいて誤訳の例を紹介し、俳句をHaikuに翻訳する難しさに触れましたが、同じ翻訳者が掲句を次の通り英訳しています。(出典)One Hundred and One Exceptional Haiku Poems by Kyoshi Takahama

Giving roses, 

A woman

Lent me a Bible

上記英訳の「giving」について、「誰が誰に薔薇を与えたか」曖昧です。原句においても、「薔薇呉れて」「聖書貸したる」「女かな」の主体(主語)と客体目的語)の関係が曖昧です。したがって、曖昧な翻訳になるのもやむを得ないでしょう。しかし、「give」は二重目的語をとる授与動詞ですから、この翻訳のように目的語が一つしかない文法的に不完全な表現は英語俳句(HAIKU)として拙いでしょう。

高浜虚子がこの俳句を詠んだ背景を知ろうとインターネット検索をすると、増殖する俳句歳時記」の今井肖子解説に、高浜虚子の下記自解が紹介されていました(抜粋)。

「ふとしたことで或る女と口をきくやうなことになつた。その女は或とき薔薇を剪つてくれた。そしてこれを讀んで見よと云つて聖書を貸してくれた。さういふ女。」

上記の高浜虚子自解に基づいて主体・客体の関係を明瞭にして次の通り翻訳します。なお、上記の翻訳は各行の最初の文字を大文字にしていますが、このように3行で一つの文(各行は文の一部)になっているHAIKUの場合は不適切です。文頭のみ大文字にして句意を明瞭に表現します。

Giving me roses,

a woman

lent me a Bible.

   

余談ですが、高浜虚子は原句を作ったときは26歳です。今井肖子の句評にあるように、高浜虚子この女性に対して何か格別の思いや印象があったのでしょうか? それとも、「聖書」と「バラ」や「イエス・キリスト」と「バラ」の関係などについて何らかの「(いわ)れ」があったのでしょうか?

高浜虚子が掲句を作った背景として、「薔薇」と「聖書」の間に何か関連があるのではないかだろうかと興味が湧き、インターネットで検索すると、「シャロンのバラとか、「Rose Of Sharonいう言葉が目につきました。Jesus As The Rose Of Sharon参照。)

掲句の背景について何かご存知の方があればコメントを頂きたいと思っています。