俳句の鑑賞「春風」・「春の風」

       

P.S. 2022.3.12

ウクライナ紛争について、「已むに已まれぬ思い」を俳句に詠み、記事を書きました。

青色文字をクリック(タップ)して、血に染むなドニエプルてふ春の川」や春一番この発言はおぞましき」をご覧下さい。

   

・春風や森羅万象肯ひて

・順縁を祈るコロナ禍日脚伸ぶ

            (薫風士)

   

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Cimg2923_2掲句は新型コロナウイルスの感染予防対策が日常化した心境を詠んだ拙句です。

「春風」といえば、高浜虚子の俳句「春風や闘志抱きて丘に佇つ」を思い出します。

この俳句の「春風」は「しゅんぷう」と読むのが相応(ふさわ)しいと思う人が多いようです。「増殖する俳句歳時記」(清水哲男)の句評はその典型的な例でしょう。青年の闘志には「しゅんぷう」が相応しいと考えるのが自然でしょうが、この俳句は虚子が39歳に詠んだものです。

高浜虚子の「自選自筆 虚子百句」には「はるかぜ」とふりがなが付けてありますから、虚子自身は「はるかぜ」と読者に読んでほしかったのでしょう。

「たつ」も「立つ」とせず、「たたずむ」という漢字「佇む」を用い「たつ」とふりがなをつけています。虚子は「熱い心」をむき出しにせず、余裕をもって表現することを好んだようです。夏目漱石は、「虚子は畢竟(ひっきょう)余裕のある人かも知れない。」と述べています。

(「俳句談義(4):高浜虚子の句『大寒の埃の如く人死ぬる』とは、『平和』を考える」をご参照下さい。)

     

歳時記(俳誌のサロン)から、気の向くままに「春風」・「春の風」を引用させて頂きます。

(俳句の詳細は青色文字の季語をクリックしてご覧下さい。)

     

春風

・結んで開いて指の体操春風に

            (瀧春一

・式終へし子等春風へ放たれぬ 

         (山田禮子)

・母が押す春風が押すベビーカー 

         (津田このみ)

   

春の風1

・泣いてゆく向ふに母や春の風 

          (中村汀女

・朝刊の匂ふキヨスク春の風 

          (木下節子)

・春の風ビル一面にビル映る  

          (中原幸子)

  

春の風2

・今日よりは句碑の里山春の風 

          (山田弘子

・ネクタイの玉虫色や春の風 

         (池崎るり子)

・ゆつたりと着せし子の服春の風 

          (藤野力) 

  

春の風3

・抜糸してタクシー待つや春の風 

           (内田しんじ)

・竹林の光と影に春の風        

            (早崎泰江)

・春の風子らは古墳でかくれんぼ 

           (武田ともこ)

  

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