冒頭の写真の黄色い花は、彼方此方で見かけますが、タンポポでしょうか?
蒲公英は春の季語ですが、この茎の細長い冒頭の写真と同じ種類の花は、夏至の日(6月21日)にゴルフ場のカート径の傍に咲いていました。
この花は蒲公英なりや黄の盛り
蒲公英や句友誘ひまんぽの句
たんぽぽの花は最後かまんぽ道
(薫風士)
「誘ひ」は「いざない」と詩的に読んで下さい。
「さそい」と読むと、字足らずになりますので、例えば、「句友を誘ひ」として、中七のリズムを整える必要がありますが、散文的になります。
歳時記(俳誌のサロン)から「たんぽぽ・蒲公英」の例句を気の向くままに抜粋・掲載させて頂きます。
例句の詳細は青色文字(季語)をクリック(タップ)してご覧下さい。
たんぽぽや転び上手に子が遊び
(佐野美恵子)
たんぽぽや上手に乗れる一輪車
(土橋柚花)
たんぽぽや野をとほりゆく笑ひ声
(浜田はるみ)
たんぽぽの絮吹き心決りけり
(立石萌木)
たんぽぽに正午の日差し池に亀
(きくちきみえ)
タンポポの返り咲きたる白秋忌
(藤井美晴)
たんぽぽが主役脇役いぬふぐり
(松田泰子)
車椅子起つや蒲公英まで数歩
(井上春子)
蒲公英や毅然と歩くレトリバー
(伊藤美緒)
写真は先日放映された「NHK俳句」のTV画面の一部分です。
「それが今ならば蒲公英を棺に」という俳句について、選者の夏井いつき先生は「今死ぬとすれば」と作者が自分自身の死を想定して詠んだ俳句と解釈して解説していました。
その通りかも知れませんが、「タンポポが好きだった夭逝の人や子供を偲んで詠んだのかも知れない」、「この俳句は破調であるが、破調にする必然性があるのか? 5・7・5の定型で読む方が良いのではないか?、「選者受け」を狙った単なる小手先の創作俳句ではないか?、etc.
「この俳句は詠み人次第・読み人次第」の一例になると、ふと思いました。
たんぽぽのぽぽと絮毛のたちにけり
(加藤楸邨)
たんぽぽのぽぽのあたりが火事ですよ
(坪内稔典)
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