俳句の鑑賞:「柿」(追補版)

   

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(P.S. 2022.11.15)

チンするは句友の呉れし吊るし柿

  

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チンする」は、「愛犬の伏せ」ではなく、電子レンジで温めたことを面白く表現したものです。

  

俳句大会で知り合った句友が先日呉れた吊るし柿を早速食べると美味しかったのですが、試しにチンして食べると、中身が非常にジューシーになって更に美味しい気がしました。

皮がやや硬くなって噛み応えがあり、口に入れたとき気を付けて噛まないと中身を零すことになりそうでした。

    

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今日(11月15日)は、近くの句友が新鮮な柿を呉れたので、早速吾庭のトマトなどと一緒にサラダにしましたが、あっさりした甘さがあり美味しく頂きました。

   

サラダにす句友の呉れた富有柿

       

「柿」の俳句といえば、正岡子規の「柿食へば鐘が鳴るなり法隆寺」が有名ですが、正岡子規は柿が大好きだったようで、ウイキペディアによると、「柿落ちて犬吠ゆる奈良の横町かな」という俳句も作っています。

  

2021年11月25日に、岸田文雄首相は首相官邸で、「奈良の柿PRレディー」の広瀬麻理奈さん(25)らの表敬を受け、柿を試食して次の一句(即興句?)を披露されたとのことです。

   

柿食えば、コロナ打ち勝つ、奈良の町

  

この「柿食へば」は、助詞「ば」が条件の意味であり、子規の「柿食へば」の俳句の「ば」と異なる使い方です。

たとえば、「柿食えばコロナに勝てり奈良の人」とすれば、助詞「ば」が子規の俳句と同じ用法に解釈できます。

『柿食へば』の誤訳《俳句の力・言葉の壁》をご覧下さい。

  

2021年の暮に書いたブログ《「大晦日」・「大年」の俳句(岸田内閣に望むこと)》をご覧下さい。

   

俳句を通じて世界平和を念じている観点から、岸田首相の掲句に便乗して願望の駄句を詠みました。 

    

奈良柿を食みてコロナに打ち勝たむ

奈良の柿食みて米寿を恙無く

奈良柿も食みて祝ぎたし己が茶寿

   

   

(2018.10.20)

 

熟柿落つ愛犬目指し駆け出しぬ

  

愛犬の深めし絆柿たわわ

    

掲句はチュヌの主人がありのままに詠んだ俳句です。

  

俳誌のサロンの歳時記から柿の俳句を気の向くままに抜粋させて頂きます。

 

(青色文字「柿」をクリックすると歳時記の詳細がご覧になれます。)

   

1)

よくひびく子猫の鈴や柿日和 

        (内田雅子)

  

2)

三千の俳句を閲(けみ)し柿二つ  

        (正岡子規

 

3)

よろよろと棹がのぼりて柿挟む 

       (高浜虚子

  

4)

大和路や軒場に吊す柿すだれ 

       (井上輝男)

 

5)

故郷へ向かふ車窓や柿の秋 

        (篠藤江)

   

6)

境内を駆け回る子等柿日和 

      (谷野由紀子)

   

7)

柿を捥ぐ吾を烏の見てをりぬ 

      (塩田博久)

 

8)

柿日和ゴルフに和む古稀と喜寿 

      (河本利一)

 

9)

里ふりて柿の木もたぬ家もなし 

      (松尾芭蕉

         

10

斑鳩の三塔見えて柿日和 

       (山村修)

 

11

柿たわわ獲る人もなき山の里 

      (西田史郎)

 

12

白壁に柿の実映ゆる二月堂 

       (田宏之)

 

13

落日に染まる一村柿の秋 

      (宮平静子)

    

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