葉の色に羽を染め舞ふ秋の蝶
遠目には枯れ葉の如く秋の蝶
秋の蝶サッシの黒に紛れけり
秋の蝶花に見せかけ蜜を吸ふ
コスモスの花に見紛ふ秋の蝶
秋の蝶寒露を過ぎて尚元気
秋の蝶睦合ひつつ飛び行きぬ
(薫風士)
(2024.10.10 更新)
写真を撮れと言わんばかりに親し気に寄って来た秋蝶の写真を追加しました。
吾庭には、蝶が何処かに潜んで住み着いているようですが、「蝶の昼」には、大小合わせて2,3種類の秋の蝶が舞っています。
黒蝶だと思っていた蝶が、留まる場所によって壁の色やカーテンなどの色に合わせて保護色に変色していることに気付きました。
手作りの庭のテラスで休んでいると黒蝶が親し気に目の前を舞って、フラーワーボックスのペチュニアの花の蜜を吸い始めました。
秋の蝶これ見よ見よと舞ひ変化
秋蝶の舞ふごと擬態変化して
(薫風士)
掲句は秋蝶の舞う情景をありのまま・感じたままに詠んだ拙句ですが、見たまま詠めば「客観写生」、感じたままに詠めば「花鳥諷詠」だろうと、高浜虚子の唱道した客観写生・花鳥風詠を自分なりに解釈し、「まんぽ俳句」をエンジョイしています。
高浜虚子は、自由に物を言えない時代には「客観写生」を唱道し、自由に物を言える時代になれば「花鳥諷詠」を唱道したのではないでしょうか?
「俳句談義(5):戦時中の高浜虚子・文芸家としての良心」をご覧下さい。
歳時記(俳誌のサロン)から気の向くままにの例句を抜粋・掲載させて頂きます。
例句の詳細は青色文字(季語)をクリック(タップ)して、ご覧下さい。
(秋蝶1)
秋蝶の隠れ上手や晶子の碑
(柴田久子)
(秋蝶2)
秋蝶の睦み合へるも風のまま
(松田泰子)
(秋の蝶1)
行く我をひとめぐりして秋の蝶
(星野立子)
(秋の蝶2)
わが庭をよるべとしたる秋の蝶
(稲畑汀子)
(秋の蝶3)
舞ひ落つる色葉と見ゆる秋の蝶
(菅原孟)
(秋の蝶4)
小流れの続く野の道秋の蝶
(岡淑子)
(秋の蝶5)
秋の蝶吹かるるままに紛れけり
(稲畑汀子)
写真をタップ拡大すると、画面左上隅に蝶が「秋の蝶吹かるるままに紛れけり」の上記例句のとおり、紛らわしく留まっているのが見えますが、最後の写真は上部中程に枯れ葉に留まっている蝶がぼんやり見えます。
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