「七夕」・「鯉と錦鯉」《季語の考え方・使い方》

         

(2023.8.19 更新)

俳句の日季語を活かして句に遊ぶ」や季語とお題を考える」「猿回し《季語とは何か》」「季語・季題を考える俳句特集などをご覧下さい。

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(2022.6.29)   

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自然の季節感と俳句の季語との違和感について、俳句雑感(5)《西瓜割(夏の季語)と西瓜(秋の季語)について》俳句雑感(6)《季語と切れ字・猛暑日と立秋》書きました。 

お読み頂いた方も少なからずいらっしゃると思いますが、別の視点でこの記事を書いています。

何らかのご参考になれば幸いです。

   

「七夕」や「星祭」は秋の季語とされていますが、多くの所で七夕祭りを7月7日にしています。

実際の季節と歳時記の季語の分類に齟齬が生じるのは、「旧暦」と「二十四節気」に基づいて決められた季語を「新暦」に当てはめるからです。

俳句を個人的に楽しむには、「歳時記の分類に捉われず」、自分の感じた季節感を活かす季語を使い、投稿する場合は、「選者の指定する条件に合わせて推敲する」と良いでしょう。

   

 「蛙」は「春の季語」とされていますが、「雨蛙」や「蟇(がまがえる)」などは「夏の季語」とされています。

 (「俳句鑑賞:《かえる・蛙・雨蛙・青蛙・牛蛙・土蛙・殿様蛙・蟇・河鹿》」参照。) 

    

「猫」は季語ではありませんが、「恋猫」は「春の季語」で、「竈猫」は「冬の季語」です

また、「帽子」は季語になりませんが、「パナマ帽」や「麦わら帽子」は「夏の季語」です

同様に、「ズボン」は季語でなく、「半ズボン」は「夏の季語」です。

このように、日常的な言葉が実際の季節に合えば「季語」として成立するでしょう。  

「鯉」は季語になりませんが、「緋鯉」や「錦鯉」は、「熱帯魚」や「金魚」と同じく鑑賞魚として「夏の季語」になっています。

最近は「目高めだか」も鑑賞魚として高値で取引されているようです。

    

内科医の寄れば寄り来る熱帯魚

内科医の思ひは癒し熱帯魚

錦鯉幼の声に応へ来し  

  

拙句を前座に掲載しましたが、青色文字をクリックして「歳時記」や「575筆まか勢」の例句や解説記事などをご覧下さい。

   

歳時記

橋からの影に集まる緋鯉かな

        (苑実耶)

      

575筆まか勢

映りたるつゝじに緋鯉現れし

       (高浜虚子)

    

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