(2022年12月に、「国際俳句交流協会」の名称は「国際俳句協会」に変更されました。)
芭蕉の辞世句「枯野」のドナルド・キーン訳が「芭蕉終焉の地 <御堂筋>」にありました。
旅に病で夢は枯野をかけ廻る
Stricken on a journey,
My dreams go wandering round
Withered fields.
キーンさんの英訳はさすが巧ですが、「旅に病んで」と「上五」を「字余り」で表現した芭蕉の思いを反映するには、「stricken」を「ill in bed」に修正し、次のように英訳すると良いと思います。
この推敲案についてキーンさんのご意見を伺いたいところですが、もはや叶いません。
ill in bed on a journey,
my dreams wander around
withered fields
HIA 国際俳句交流協会のHPに掲載中の「英語で分かる芭蕉の俳句」で紹介した John White 氏は、「5-7-5音」を踏まえて次のように英訳し、5・7・5 シラブルの英訳に成功しています。
ill on a journey,
my dreams are wandering round
on a withered moor
(青色文字をタップすると、リンクした参考記事をご覧になれます。)
芭蕉は「平生すなわち辞世なり」と言っています。
この俳句は、前詞に「病中吟」とあり、旅の途中で病気になり、偶々この俳句が文字通り最後の「辞世句」になったのではないでしょうか。(「笈日記」参照)
薫風士も及ばずながら、新型コロナ・オミクロン株感染急拡大の中、「芭蕉と同じ思い」で、俳句の国際化の草の根運動をライフワークとして、ささやかな俳句ブログ「俳句HAIKU」を書いているつもりです。
英語俳句はまだ確立した形式がなく、作者や翻訳者がそれぞれ自由に3行で表現していますが、俳句は散文ではないので、文頭や行頭を大文字にせず、固有名詞以外は小文字で表現するのが分かりやすくて良いと思っています。
歳時記「枯野」の例句はここをクリック(タップ)して、ご覧になれますが、
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(須磨浦公園の芭蕉句碑)
(写真)
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