俳句を市民の文化としてエンジョイしよう!
(2017.11.25)
2017年11月11日に開催された三田(さんだ)市民文化祭記念俳句大会に初参加して投句しました。
下記の(1)は、各参加者が「手紙」か「落葉」の席題で1句投句した中で、選者や参加者の共感を呼び高得点を得たことは幸いでした。
実は、密かに「茶寿」までの健康長寿を夢見ていますが、現実的な「白寿」としたのが良かったようです。
(2)と(3)は、選者の一人が「動詞を三つも用いるのは如何なものか?」と(1)の句について批判的句評をされたので、後日推敲して作ったものです。
(1)句に興じ白寿夢見つ落葉焚く
(2)句に興じ白寿を夢に落葉焚き
(3)落葉道白寿を夢に愛犬と
上記3句の中、貴方はどの俳句に共感されますか?
(2)は動詞を一つにしています。
(3)は動詞を使っていませんが、落葉道の散歩を詠んだもので当日句と句意が異なります。
(写真はタップ・拡大出来ます。最後の写真は高得点の賞として貰ったクイーンローズです。)
「俳句は形式が大事だが、形式よりも自分の感じた事や意思を詩的に表現することが先決である」と、気軽に句作を楽しんでいます。
名句を作ろうなどと思わず、何事も5・7・5で口遊み、俳句を楽しむことが上達の早道でしょう。
2017年の三田(さんだ)市民文化祭は50周年記念とのことで、三田俳句協会主催の俳句大会には三田市以外の参加者もあり、元気な高齢者が沢山参加していましたが、もっと若い世代も参加してくれると更に盛り上がったと思います。
この大会の投句の選者は10名で、様々な句評があり参考になるばかりでなく、参加者の自由な発言も認められる有意義な大会でした。
若い世代も巧拙にとらわれず気軽に俳句を作り、ともかく参加して俳句の楽しさを知ってくれることを願っています。
俳句は入りやすく、奥が深いものです。
初心者は初心者並みに、ベテランはベテランとして楽しめます。
「芭蕉や虚子の面白い俳句をまとめました」もご覧下さい。
「歳時記」(俳誌のサロン)から「親しみやすい俳句」と「凝った俳句」とを気の向くままに抜粋掲載させて頂きます。
(青色文字をクリックすると、歳時記の例句や関連の解説記事などをご覧になれます。)
(落葉1)
駅ごとに落葉舞ひこむ有馬線
(中尾廣美)
落葉掃くシーシュポスが二三人
(武井康隆)
(注)「シーシュポス」とは、「ウイキペディア」の解説によると、「ギリシア神話に登場する人物」であり、「徒労を意味する『シーシュポスの岩』で知られる」とのことです。
(落葉2)
改札を出てそれぞれの落葉道
(稲田眸子)
耳掻いてかさりこそりと落葉の音
(能村登四郎)
(落葉3)
落葉焚一人が跳んで見せにけり
(小田玲子)
拾得は焚き寒山は掃く落葉
(芥川龍之介)
(注)拾得が箒を持っている絵や寒山が木靴を履いている絵が有名ですね。ウイキペディアの寒山と拾得についての解説をご覧になれば芥川龍之介がこの俳句を作った理由がわかります。)
(落葉4)
何処からか煮物の匂ふ落葉掃き
(関戸国子)
漢江へ掃き落す日々の落葉かな
(朴魯植)
(落葉5)
静けさに手を休めゐる落葉掻
(川瀬さとゑ)
落葉踏み行く脱藩の竜馬道
(上岡末喜)
(落葉6)
日曜の路地は落葉の駆けくらべ
(斎藤道子)
落葉みな大判小判狐狸の里
(村越化石)
(落葉7)
一輪車巧に乗る児落葉径
(安陪青人)
啄木鳥や落葉を急ぐ牧の木々
(水原秋桜子)
(落葉8)
鯉の池掬ふ落葉の泳ぎけり
(三関浩舟)
風を呼び風に牙むく落葉焚
(井上孝夫)
(落葉9)
土のなき都市にさまよふ落葉かな
(前田陽子)
おんころころそわかそわかと落葉かな
(犬塚芳子)
「おんころころそわか」の句は「般若心経」などを捩って俳諧味を出した俳句でしょうか?
「春の山屍を埋めて空しかり」という俳句は、高浜虚子が「般若心経」を念頭に辞世の句として作ったと思いますが、「空しかり」を貴方は何と読みますか?
「むなしかり」と読みますか?
「くうしかり」と読みますか?
「俳句談義(1)虚子辞世句の解釈」をご覧下さい。
(落葉10)
落葉掃く人に交じりて鳩歩く
(重本文子)
風の落葉おちばの風と乱れ打つ
(尾崎紅葉)
尾崎紅葉の俳句は風や落葉が窓を打っている情景を詠んだ句でしょうか?
(落葉11)
風巻いてまいて落葉を舞はせたる
(稲畑康太郎)
(注)2014年11月27日 作成の「歳時記」に「稲畑康太郎」とありますが、「稲畑廣太郎」の間違いではないでしょうか?
楸邨の墓やゆつくり落葉降る
(牧知子)
(注)「楸邨の」の句は加藤楸邨の俳句「木の葉ふりやまずいそぐないそぐなよ」を意識して詠んだものでしょう。
「俳句・HAIKU 言語の壁を破るチャレンジ(7)」をご覧下さい。
(落葉12)
落葉掃き済みし二人の朝餉かな
(鈴木幾子)
ニコライの鐘の愉しき落葉かな
(石田波郷)
(落葉13)
何も彼も駅長独り落葉掃く
(窪田粧子)
母逝くや落葉乗せたる車椅子
(村井洋子)
(落葉14)
友逝けり夫は無口に落葉焚き
(田下宮子)
紅葉落葉踏みて天城の峠越
(坂上香菜)
(落葉15)
落葉踏む音のしみ入る静寂かな
(嵐弥生)
日溜りの落葉だまりや猫だまり
(松井宮子)
(落葉16)
猫の子がちよいと押へる落葉かな
(一茶)
バス停の屋根に落葉の縞模様
(五十嵐章子)
(落葉17)
落葉踏み集ふシニアー落語会
(山本孝夫)
落葉踏む次なる言葉出ぬままに
(辰巳あした)
(落葉18)
一年の早しと思ふ落葉時
(宮本加津代)
からまつの落葉道ゆく湖畔かな
(有賀昌子)
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