9月の初めに俳句HAIKUの記事「俳句の深よみ《龍の玉》」で、句集「踏青」(岡西宣江著 ふらんす堂2011.9.7発行)を紹介しましたが、9月9日「重陽」の日に、句友がほっこりと心の温まる手作りの句集「入院35日」を送って呉れました。
楽しい句集の一例として、その一端を写真で紹介させて頂きますが、遊び心の楽しい俳句があります。
「雑草のエース目指すや仏の座」は、深読みすると二通りの解釈が出来ます。
(青色の文字をタップすると、リンクした記事が表示されます。記事をご覧になり、お楽しみ頂ければ幸いです。)
作者は「仏の座が雑草のエースを目指している」と詠んだのかも知れませんが、「作者自身を仏の座に喩えた比喩である」と解釈することが出来ます。
「エ-スを目指す」ではなく、「エ-ス目指すや」と、助詞「や」を使っているので、遊び心の比喩の俳句を詠まれたものと解釈するのが妥当でしょう。
俳句HAIKUの記事「初秋の吟行《萩の寺・東光院》」において、高浜虚子の俳句「おもひおもひに座りこそすれ萩の縁」が掛詞であることを紹介していますのでご覧下さい。
「退院日告ぐる医師なり涼新た」は医師への謝辞を詠んだ存問の俳句でしょうが、自分の喜びを表現するとすれば、「退院日医師に告げられ涼新た」とすると良いのでは?
作者(典子さん)は、背もたれの無い⁉️椅子の浅掛けで転んで骨折された由ですが、無事に退院されて何よりでした。
この写真の松の生花は、今年の干支「辰」にちなんだ「龍」の造形でしょう。
お寺の「ご新さん」(住職夫人)としてお経を読まれるばかりでなく、多くの方々に生花を教えてこられ、「俳句的生活」をエンジョイされているので、お弟子さんや檀家の方々など若い世代の俳句愛好家が増えることを期待しています。
俳句HAIKUの記事「まんぽ俳句を楽しもう!」や「本との出会い《俳句的生活》」、「句集『良夜』と『芭蕉句碑・文学碑紀行集』」などをご覧頂けると幸いですが、歳時記(俳誌のサロン)の「仏の座」の例句は、ここをクリック(タップ)すると、ご覧になれます。
(薫風士)
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