プレバト・永世名人の「サンダル」の俳句を考える

   

20200710

(写真)

MBS-TV4chの画面の一部

 

   

夏井先生の歯切れのよいプレバト俳句の判定裁きには感心しますが、その査定が何時も的を射ているとは限りません。

お題が「コンクリートのサンダル」の梅沢富美男永世名人の俳句に対して、夏井先生は、「語順が素晴らしい」とべた褒めして、久しぶりに「掲載決定」の査定をしました。

ひょっとして、この査定は夏井先生が「添削は『作者の思い』を大切に!」や「作者の思いを生かしてほしい」を読んでくれたせいかも知れない(?!)などと、ふと馬鹿な考えが浮かびましたが、この「べた褒め」は納得できません。

  

俳句は好き好き」とか、「俳句は詠み人・読み人次第」とか、「薫風士は一言居士だね」と非難されるかも知れませんが、「プレバトの視聴者が夏井先生の人気に幻惑されて『梅沢富美男永世名人の俳句のお手本』や『夏井先生の査定』を鵜呑みにするとまずい」という老爺心から僭越ながら敢えてこの記事を書いています。

  

水玉の模様クロックスの日焼  

      (梅沢富美男)

  

日焼」は二通りの解釈が可能です。

広辞苑によると、

「日光の直射で皮膚が黒みを帯びること」と、

「畳・布などが日に当たって変色すること」という意味があります。

 

「プレバト」の視聴者には、この俳句の「日焼」は「足の日焼け」のこととわかるでしょうが、「クロックスは穴の開いたサンダルである」ことなど、背景を知らない人は「クロックスその物の日焼けを詠んだ俳句である」と解釈するでしょう。

原句は「エンタメTV俳句」として面白くても、「一般的な句集」に適するか、一考を要するでしょう。 

語順を変えて添削案のように修正すると、原句の曖昧さが払拭され、句集の掲載に適するのではないでしょうか?

 

(原句)

水玉の模様クロックスの日焼

  

(添削案)

水玉の足の日焼やクロックス

  

「水玉」には「水玉模様」という意味もあります。

貴方ならどの様な添削をされますか?

「薫風士の添削は句意が明瞭になるが、5-7-5の定型で平凡になり、面白くない」と思いますか?

この記事が何らかのご参考になれば幸いですが、「エンタメ俳句番組に水を差すのか!」と怒られないでしょうね?

    

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