先日、テレビ番組「プレバト」で、ミッツ・マングローブさんの俳句について夏井いつきさんが絶賛したことが納得できず、『俳句の三要素』についてふと考えました。
俳句は原則として5-7-5の17音で表現することは誰でも知っていますが、次の三つが重要なことは俳句を作る人の常識でしょう。
(1)何を『素材』に詠むか?
(2)その素材に合う『季語』は何か?
(3)素材と季語を生かす『切れ』は何か?
夏井先生が「直し無し・1ランク昇格」の査定をしたミッツさんの俳句は次のとおり5-7-7で口調は良いですが、俳句としては破調です。
秋声に褪する石灰最終種目
この俳句が破調であることは度外視しても、「直し無し」の昇格査定はミスジャッジであると思いす。
この俳句の三要素は次の三つに分析できます。
(1)素材は「石灰」と「最終種目」
(2)季語は「秋声」
(3)切れは「に」と「石灰」の二か所
季語と素材の取合せをみると、「秋声」は「褪する石灰」とはマッチしますが、運動会の「最終種目」は特に大きな声援を伴いますので、物寂しい気持ちを表す「秋声」とはミスマッチです。
また、切れが二つあると、三段切れとなり、句意にまとまりが無くなりがちで、一般に「切れ」は一つが良いとされます。
この俳句は、「秋声に褪する石灰」と続けて読めば、「切れ」を一つに出来ますが、石灰は秋声に褪せるのではない(強いて言えば、運動会の声援に褪せる)ので理屈に合いません。
従って、夏井先生の査定は誤りであり、フルーツポンチ村上さんが腑に落ちない顔をしたのも当然でしょう。
夏井先生の歯切れの良い査定も間違っていることがあり得ますから、先生のコメントは参考として、皆さんが自分自身の感性で上記の三要素をよく考えて、俳句を楽しみながら上手くなることを願っています。
ミッツさんの俳句の問題点の詳細や添削に興味があれば、「プレバト俳句の「運動会・秋声」について一言」をご覧下さい。
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