「秋の声」「秋の水」「秋の空」
今日は深田公園をまんぽしながら、メタルアートなどを見たまま気の向くままに俳句に口遊み、深田公園紹介の俳句を作りました。
青色文字の季語をクリックすると「歳時記」などの俳句をご覧になれます。俳句に詠んだ風景を写した最後の写真もご覧下さい。
園に舞ふメタルア-トや秋の声
秋声やメタルアートの園の舞
(深田公園をご存知でなければ、「季語『秋声』の取り合わせがミスマッチだ」と批判されそうです。)
虹の木てふアートを映し水澄みぬ
(語調を考慮して「秋の水」を意味する季語「水澄む」を使いました。)
蝗浮き百足溺れしアート池
(「いなご」は秋の季語、「むかで」は夏の季語です。季節の移ろいです。)
秋の空「時のリズム」てふアート舞ふ
(「てふ」は「という」意味です。)
ホロンピア館アートの玻璃に秋の空
(「ひとはく」のホロンピア館は建築家・丹下健三の設計でユニークです。)
ところで、季語「秋の声」の解説は次のように歳時記によって異なります。
(カラー図説 日本大歳時記)
「秋は空気が澄んでいるので、遠くの物音でもはっきり聞える。秋の夜など、静まりかえった中に、何音とも知れぬ声が、ジーンと耳に響くことがある。秋の蕭颯(しょうさつ)たる風雨の音、その他木の葉、笹の葉、荻の葉のそよぎ、落葉や、虫の声などにも、秋の気がこもって、もの寂しく時には一種のすごみさえ感じられる。」
(山本健吉の解説によると「秋声」は和漢朗詠集に出ている詩文まで遡りますが、長文の解説なので以下省略します。)
(合本 現代俳句歳時記 角川春樹編)
「秋澄むという季語があるとおり、この清澄な季節なればこそ、すべての物音に耳は聡くなる。遠くの物音でも耳はそれを拾ってしまう。ちょっとした風の葉ずれの音、木の葉に当たる夜更けの雨音、なにもかも、心が内に向かう季節にはふさわしい。作例によっては、必ずしもこれといって具体的な物音を指さない場合のもあり、秋の気配のようなものを捉えて秋の声ということもあるようだ。」
(「俳句歳時記」 SHARP電子辞書)
「秋になると雨風の声、物の音などの響きすべてが敏感に、しみじみと感じられる。またこういった具体的な音でなくとも、秋の気配に感じて心の耳に聞こえる声のことをもいう。」
(ホトトギス俳句季題便覧 CASIO EX-word電子辞書)
「耳に聞こえるというのではない。心に感ずる音、すなわち秋の気配といったものである。」
このように、歳時記によって季語「秋の声」の解釈が異なります。
ともかく、自分の感性で個性を発揮して未来志向で句作を楽しみましょう。松尾芭蕉は「不易流行」と言い、高浜虚子も同様の趣旨で「古壺新酒」と言っています。
青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。