断捨離や卒婚の身に若葉風
鵯が来て小雀来るや庭若葉
音高く土黒々に若葉雨
椅子傾ぐ窓にブランコ樫若葉
愛犬を偲ぶ造形庭若葉
艶やかや椿の若葉日を返し
柿若葉チラと鶯谷渡り
(薫風士)
厨(台所)の窓の柿若葉に珍しく鶯が谷渡りの鳴き声をあげる姿が見えましたが、直ぐ飛び去り写真に撮ることが出来ず残念でした。
「鶯」や「ブランコ」は春の季語ですが、「若葉」や「柿若葉」は夏の季語です。
徒然に折々の実景を「季重なり」でも日記代わりに詠み、思い出にしています。
冒頭の写真は、読者からの礼状です。この方は鬼籍に入られたので、追悼の意味で礼状の写真を掲載させて頂きました。
(写真は、タップ拡大してご覧下さい。)
最初の若葉の写真は吾庭の若葉が走り梅雨に濡れ、日本列島の周りに雨水が溜まった状態ですが、手作りの庭は常に工事中(?)で未完成です。
雨上がりの朝に撮った柿葉の写真には、巣箱をご覧になれます。
初夏の風薫る好天の朝の柿若葉の下には、紫陽花が蕾を付けています。
雨露に傾ぐ狭庭の柿若葉
雨上がり陰影深き柿若葉
紫陽花の蕾覆ひし柿若葉
「柿若葉」も「紫陽花」も夏の季語です。
1句に季語を二つ使うと、「季重り」でダメ句とされますが、日常的に眺めているリビングの窓の裏庭の印象的な初夏の情景をブログ俳句として敢えて二つの季語を用いて詠みました。
柿若葉朝日に著し今朝の庭
「著し」は「きわだっている」意味ですが、「しるし」と読んで下さい。
ブログ用の拙句を前座に掲載しましたが、季語が「若葉」・「柿若葉」の俳句を「歳時記」(俳誌のサロン)から思いつくままに抜粋・掲載させて頂きます。
(青色の文字をクリックすると例句の詳細や解説をご覧になれます。)
(若葉1)
高窓を一つ残して蔦若葉
(邑橋淑子)
地下鉄の3号出口蔦若葉
(中原幸子)
病院に母を置きざり夕若葉
(八木林之助)
鼓鳴る能樂堂の若葉かな
(正岡子規)
水晶の念珠に映る若葉かな
(川端茅舍)
日を散らす風の若葉となりにけり
(稲畑汀子)
物干して午前六時の若葉かな
(尾堂燁)
若葉して手のひらほどの山の寺
(夏目漱石)
退院は表口より若葉風
(松本文一郎)
をちこちに滝の音聞く若ばかな
(与謝蕪村)
若葉雨小樽運河の静もれり
(上原光代)
犬抱いてリフトに乗りし若葉山
(吉田悦花)
せせらぎや青葉若葉の川湯かな
(西田史郎)
若葉濃し日のあるうちの湯浴みかな
(鈴木庸子)
(若葉15)
窓若葉新居に笑ひ声の満つ
(田中藤穂)
若葉して光と影の賑はしき
(飛高隆夫)
(若葉17)
煙突が絵になる伊万里柿若葉
(鈴木基之)
(若葉18)
女児ひらく手に団子虫若葉風
(森清堯)
(柿若葉1)
今朝生れし仔牛歩めり柿若葉
(田中蘇水)
(柿若葉2)
雨上がり光り見えたる柿若葉
(山本田津子)
柿若葉柿の葉鮨のために摘む
(二瓶洋子)
(柿若葉4)
昼月や遠目にしるき柿若葉
(和田慈子)
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