誰彼に安否を問ふや冴返る
(薫風士)
掲句は、新型コロナウイルス・オミクロン株の感染急拡大で外出を自粛している日々の近況や思いを詠んだ拙句です。
(以下は2021年2月に書いた記事です。薫風士のコロナ禍の思いや即興句「まんぽ俳句」は最後に掲載しています。)
(写真)
「カラー図説 日本大歳時記」の「冴返る」のページの一部分です。
タップ・拡大して解説と例句をご覧下さい。
「歳時記」(俳誌のサロン)や「575筆まか勢」の「冴え返る」の例句は、掲句の季語(青色文字)をクリックすると、全てご覧になれます。なお、俳句の季語としては、「冴え返る」は「冴返る」と記述するのが普通です。
(「歳時記」の例句)
冴返るビルに映って月二つ
(ゆにえす)
人まばら高架ホームの冴え返る
(山荘慶子)
夕空を急ぐ鳥かげ冴返る
(荒嶋かがみ)
(「575筆まか勢」の例句)
冴返る万の足痕過密都市
(寺井谷子)
魚の目を箸でつつくや冴返る
(芥川龍之介)
最後に、薫風士の「まんぽ俳句」をご笑覧下さい。
潜り込む床まで今朝は冴返り
今朝の冷え込みは格別でした。
久方の飛行機音や冴返る
コロナ禍・緊急事態宣言下の減便で飛行機音を聞くのが稀になりました。「久方ぶり」の意味なら、「久々の飛行機音や冴え返る」とすると分かりやすいでしょう。
冴返る空へ一声鴉飛ぶ
鼻すすりブログを書くや冴返る
「水洟」は冬の季語です。「俳句談義(13):<「花」と「鼻」> 高浜虚子と芥川龍之介」に書いたように、虚子も龍之介も「鼻」の俳句を作っていますが、一般に、「俳句は綺麗な情景を詠むもの」と言われます。「日常をありのままに詠んで『日記俳句』を作るのも捨てがたい」と思ってブログ記事用に掲句を作りました。先日は「春めく縁側」で心地よくブログを書きましたが、今日は「寒戻りの縁側」だったので、すぐに引き上げました。
リフォームの街角の風冴返る
外壁・屋根の塗装やリフォームなどで街の美観が維持されていることは嬉しいですね。
旧家屋除きし更地冴返る
ニュータウンもオールドタウンとなり、あちこちで住宅の建替えを見かけます。高齢化社会ですが、街が新陳代謝で元気になることはありがたいです。
冴返る家路急ぐやパラリ降る
買い物に出かけた妻が「霰が降り出した」とガラホで連絡して来ました。
高齢者もスマホ無しには生活できない事態になっていますから、IT関係の政治家や専門家は、20ギガをスマホの最低料金の基準にしている現体制を消費者の目線で見直し、「1ギガの適性な最低料金をいくらにすべきか?」検討して欲しいものです。
ニュース又変異ウイルス冴返る
コロナのニュースに一喜一憂するこの頃です。
下校児のイーアイオーや冴返る
下校児の歌声「イーアイイーアイオー」を偶々聞いた時、「コロナは嫌よ嫌嫌よー」と唄っているのかと聞き違いしました。日頃先入観で聞き違いをすることが多くなり、気を付けないといけないなと思っています。
疲れ果て急ぐ家路や冴返る
コロナ禍の娘(医者)の苦労に思いを馳せていますが、コロナ禍、多くの人々が限界まで頑張っています。
与党の幹部政治家は、「後からは何とでもいえる」とか、「仮定の事にはお答えできません」とか、言い逃れをよく口にしますが、コロナ問題も昨年感染拡大が始まった当初に色々予想して、旅行業界や飲食業界などの仮定の問題を検討して、対策を講じて「Go To トラベル」を実施しておれば、関係業界のみならず日本全体の経済的ダメージを最小限にして、コロナの拡散防止が出来たのではないでしょうか?
「緊急事態宣言」の実施と解除を繰り返した1年間の経験を踏まえて、有効なコロナ対策をとってほしいですね。新型コロナウイルスのワクチンの開発・接種の普及・根絶には相当の年月を要するでしょうから、今からでも遅くないでしょう。
森喜朗・元内閣総理大臣は、失言が問題になり、東京五輪・パラリンピック組織委員会会長を辞任しました。後任に橋本聖子氏が選任されましたが、政治の世界も女性や若者がもっと参画して、透明化・活性化することを期待しています。
コロナ禍の世論調査や冴返る
安倍晋三元総理大臣がかって、「思考停止だ」と、マスコミか野党か、誰かを非難していましたが、与党幹部も同じ類ではないでしょうか?
「コロナ対策は政争の具にせず、超党派で知恵を出し合って、国民のために促進してほしい」と、切望しています。
トップ欄・「俳句HAIKU」をタップすると、最新の全ての記事をご覧になれます。
記事のタイトルをタップしてご覧下さい。