旧九鬼家資料館と三田ふるさと学習館で九鬼家所縁の雛や源氏物語に因んだ雛の展示が3月末まで開催されています。
この写真の「源氏物語に登場する花木たち」には、「女郎花(おみなえし)」から「忘れ草(わすれぐさ)」まで、50種余りの花や木がリストされています。
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(写真)
日本伝統俳句協会カレンダー(2020年3月)の一部分です。
タップ拡大して、掲載句をご覧下さい。
芭蕉の「雛の家」の俳句の翻訳に興味があれば、ここをクリックしてご覧下さい。
3月3日は高浜虚子の次女、星野立子(明治36年~昭和59年)の忌日(立子忌)でもあり、「立子忌」を「雛の忌」や「ひひなの忌」と俳句に詠んでいる人もいます。
3月3日は日本ペンクラブの提案で「平和の日」とされています。
「俳句と川柳:終戦記念日《「戦争と平和」特集》」をご覧下さい。
歳時記の「雛祭り」「雛人形」「雛あられ」などの句はここをクリックするとご覧になれます。
ここ(データベース)をクリックすると現代俳句協会の「雛」の句がご覧になれます。
「575筆まか勢」というブログに立子忌の句 がありました。
当時、立子は女流俳人では中村汀女、橋本多佳子、三橋鷹女とともに四Tと称されましたが、次の雛の句を作っています。
何といふ雛よと問はれ桃山と
彼の雛の思ひ出追ふも悲しけれ
立子の俳句としては「父がつけしわが名立子や月を仰ぐ」を思い出しますが、山本健吉の「定本 現代俳句」には「しんしんと寒さがたのし歩みゆく」の句評があり、印象に残っています。
高浜虚子は「雛より小さき嫁を貰ひけり」という句を作っています。
「雛より小さき嫁」とはどういうことか、「許嫁」のことかも知れないと思って、その背景を知るために虚子一族の「雛」の句をインターネットで検索してみた。残念ながら、そのような手掛かりは無かったが、目黒雅叙園の「百段雛まつり」日本最大級の雛人形が展示されているという記事がありました。そのような大きな雛人形を念頭に詠んだ句なのかも知れません。
いずれにせよ目的はかないませんでしたが、折角調べたので参考までに下記に記載します。
雛あられ染める染粉は町で買ひ
美しきぬるき炬燵や雛の間
山里の雛の花は猫柳
天井にとどけ雛の高御座
お茶うけの雛のあられに貝杓子
カレンダーめくりあらはる雛の日
老いて尚雛の夫婦と申すべく
叱られて泣きに這入るや雛の間
春雷や女ばかりの雛の宿
高浜年尾(虚子の長男・「ホトトギス」3代目主宰)の句
燭台の倒れ易さよ雛かざる
燭台の灯なれや雛浮び見ゆ
老いゆくは淋しきものよ雛祭
雛の灯を今宵の客に灯しけり
雛の間の更けて淋しき畳かな
飾られて仮住も亦雛の宿
今日のためなほ納めずに置く雛
雛の客あり雛をさめ又先に
雛の忌と思ひ遥かへ心置く
雛飾る娘の手伝ひもあてにして
飾るより留守をあづける雛となる
雛納めゐたるロビーを通りけり
一筋の髪も乱さず雛納
稲畑廣太郎(虚子の曾孫・「ホトトギス」主宰)の句
(歳時記・雛納1)
雛納せざるをちらと見て出社
雛納して洋室となりにけり
(歳時記・雛納2)
雛納してより吾娘の嫁ぎゆく
雛納して来年を近付ける
悌を重ね合せて雛納
雛納君との過去も納めけり
雛の目光りて納められにけり
たつた今過去捨て雛を納めけり
坊城中子(年尾の長女・「花鳥」名誉主宰)の句
ひひなの忌雛より小さき人のゐし
飾らるる雛の顔と生れ出づ
正岡子規はどのような「雛」の句を作っているかインターネットを検索したところ、「春星」のHPに「子規の俳句」があり、「子規の俳論俳話」というサイトに子規の「雛」の句がありました。
子規の「雛」の句はこれ以外には見当たりませんでした。そこで一句
雛の日や子規の残心偲びけり
(薫風士)
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