大垣市芭蕉記念館訪問の「まんぽ俳句」
芭蕉の俳句300句の英訳にチャレンジしているので、参考資料を求めて大垣市の芭蕉館「奥の細道むすびの地記念館」を9月18日に訪ねました。
水門川沿いにある、芭蕉が奥の細道で詠んだ俳句の句碑や銘板などを読みながら、記念館まで「四季の路」の漫歩をエンジョイしました。川面が一瞬光るのが目に入ったので、よく見ると鵜でしょうが潜りながら泳いでいました。
途次2~3か所にあるトイレは、「貴船橋手洗場」など風流な名前が付けられてきれいに手入れされており、壁に芭蕉の俳句の銘板が貼ってあるのが印象的でした。
芭蕉記念館の概要は下記のURLをクリックしてご覧になれます。
http://www.ogakikanko.jp/spot/kinenkan/
下記の俳句は「まんぽ俳句」の一例で、芭蕉記念館訪問の一端を紹介する拙句です。
青色文字の季語をクリックすると歳時記(俳誌のサロン)や「575筆まか勢」の俳句をご覧になれます。
・金風を芭蕉の句碑の「四季の路」
・爽やかなトイレの壁に芭蕉の句
・閉店の駅前デパート秋の風
・秋風や芭蕉俳句の町興し
・鵜の潜る水門川や街映ゆる
・秋水に映ゆ新庁舎工事中
・爽やかな自噴の水やをちこちに
・さはやかや掃除ガイドのボランティア
・売店の地酒新酒か芭蕉館
ところで、芭蕉が市振で詠んだ俳句「一家に遊女も寝たり萩と月」の句碑に興味があり、その解説を詠むと、ルビが「ひとついへ」となっていました。しかし、芭蕉記念館の黛まどか名誉館長はビデオ解説で「ひとつや」と読んでいました。句碑の解説を訂正すべきではないでしょうか?
ちなみに、芭蕉は何故この俳句に「萩と月」を取り合わせにしたのか、不思議に思っていましたが、「萩と月」と言えば、当時の絵画などでは「兎」をセットにすると定番になるところを、「遊女」と取り合わせにして、しかも、「遊女」の後の助詞を「と」にすると「当り前」になるので、「も」にして「思わせ振り」にすることでこの句の面白さ・俳諧味を狙ったものだろうと思い当たりました。 (薫風士)