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歳時記(俳誌のサロン)の季語「文化の日」に掲載された俳句の中で次の俳句が目にとまりました。
・新しき館旗と国旗と文化の日 (島崎晃・遠嶺)
「国旗」を「こっき」と読むと「中七」が字余りとなりますが、俳句の定型に拘る読者には「国旗」を「はた」と読むことを作者は期待しているのでしょうか?
「館旗」とはどこの館旗か興味が湧き、作者の名前で検索すると、ウイキペディアに次の記載がありました。
島崎 晃(しまざき あきら、1941年 - )は、イギリスの元政治家。ニックネームはJack Bara Caws[1]。西ウェールズの町カーディガンで、2012年から2017年まで町議会議員を務めた。
2017年時点で、日本人として唯一、イギリスの町議会議員を務めていたことで知られる。なお、国籍は2000年以降イギリスである。
この島崎晃氏は、この俳句の作者なのか単なる同姓同名の方なのかわかりませんが、文字通りの日本人が外国に帰化した珍しい例でしょう。
何方か心当たりのある方からコメントを頂けると幸甚です。
歳時記「文化の日」には興味深い俳句が沢山ありますが、気の向くままに例句を下記の通り引用させて頂きます。
・円卓の末席さがし文化の日 (水谷契江)
・蒙古斑みせて這ひ這ひ文化の日 (水谷契江)
・聖戦の硝煙映す文化の日 (斉藤静枝)
・古語多き校長訓話文化の日 (乗光雅子)
・文化の日留学生の山形弁 (横内かよこ)
・カタカナが万事に多し文化の日 (遠藤実)
・川柳の友を偲ぶや文化の日 (薫風士)
これは文化の日に川柳友達の訃報のメールを受信して詠んだ拙句です。
彼は先日の川柳句会で拙句「セクハラを恐れ冗談言えぬ世よ」を優秀句に選んでくれていました。
俳句仲間の句会で拙句「愛犬の深めし絆文化の日」について、「『愛犬の』は『愛犬と』とする方が良い」とか、「『文化の日』は取り合わせの季語として不適切でないか?」など、句友から批判的コメントがありました。
一般論としては、二つとも至極当然な批判です。しかし、この俳句は愛犬「チュヌ」の永眠を知った知人が文化の日に、愛犬の死についての新聞投稿記事を「お悔み」に送ってくれたことを文字通りの俳句にしたものです。
俳句の定型や技巧を考慮することは勿論重要ですが、作者の思いや感動を事実に基づいて表現することの大切さも無視すべきではないでしょう。
俳句も川柳も好き好きであり、所詮片言で私的なものですから、日記代わりに自分の納得できる俳句や川柳を作り楽しむのもよいと思っています。