「星」の俳句を鑑賞しよう!

     

(P.S. 2022.6.25)

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(2017.7.23)

    

万緑の山並暮れて七つ星

           (薫風士)

     

七夕や希望の星は14歳 

           (薫風士)   

(青色文字をクリックすると俳句や作者の解説などがご覧になれます。)

   

爛々と昼の星見え菌生え

          (高浜虚子

この俳句について、「『星』や『菌(きのこ)』とは何か?比喩ではないか?」と、「チュヌの便り」の「俳句談義」でさまざまな解釈を試みました。 

虚子は一俳人の話に感興を動かされて、いや感興などという生易しいものではなく、インスピレーションを得て一気に頭の中で壮大な宇宙を作り上げたのではないだろうか。」と稲畑汀子さんが述べていますが、高浜虚子は「太陽」を「昼の星」と表現して「菌(きのこ)」と対比することによって悠久の大自然の営みを俳句にしたものと思います。    

   

「575筆まか勢」の「星の俳句から目についた俳句を気の向くままに抜粋し、コメントさせて頂きます。   

  

むささびや杉にともれる梅雨の星

         (水原秋櫻子

鼯鼠(むささび)は冬の季語です。ウイキペディアの解説によると、「長い前足と後足との間に飛膜と呼ばれる膜があり、飛膜を広げることでグライダーのように滑空し、樹から樹へと飛び移ることができる。」また、冬と初夏の年2回発情期を迎える」とのことです。この俳句は秋桜子がムササビや梅雨の星を実際に見て詠んだものではなく、印象的な風景を空想して詠んだ俳句ではないでしょうか?季語が2つ(「ムササビ」と「梅雨」)ありますが、実際に梅雨の星と杉の木に飛ぶムササビを見たとすればものすごくラッキーなことであり、詩的な映像が印象的で「季重なり」は論外の秀句です。

  

夏星に海も日暮れの音展く

          (飯田龍太

「展く」は「ひらく」と読むのでしょうが、昼間は海水浴客の声で賑やかだった海の音は、夕暮れになると海本来の波音が拡がることを詠んだものでしょう。

海の日」は7月の第3月曜日ですが、「海の日」に「海開き」をする海水浴場もありますね。

  

旱星(ひでりぼし)われを罵るすなはち妻

          (西東三鬼

西東三鬼は何を妻にののしられたのでしょう?

  

旱星流木は山忘れざる

         (大庭紫逢

最近は温暖化の影響か局地的気象変動・豪雨が酷くなり、九州北部の大洪水など流木の影響で被害が増大しています。温暖化防止の努力を無視するようなひどい大統領に失望しています。

  

旱星食器を鳴らす犬と石

        (秋元不死男

かんかん照りの日が沈み、星空の下で甲高い器の音をたてながら犬がガツガツ餌を食べている情景が浮かびますね。

  

星涼し遊歩甲板の籐椅子に

         (岸風三楼

豪華客船のクルーズで満天の星を愛でたいものです。

  

父祖の地に入りて微塵の星涼し

          (橋本榮治)

  

面舵(おもかじ)に船傾きて星涼し

         (高浜虚子

 

夏の星 補遺

夕雲にちらりと涼し一つ星

         (正岡子規

   

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